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本部森再生チーム 11/4 兵庫県北部の積雪地帯・シカ生息地で、柿・栗大苗の植樹実験

これまで熊森本部は、兵庫県のクマ生息地である奥山に、実
のなる木の3年苗、高さ約1メートルを、1万本以上植樹し
てきました。これによって、当時、まだシカが入っていなか
った町では、簡単に森が復元していきました。

しかし、そのうち、クマ生息地全域にシカが広がりだし、植樹
してもすぐさまシカに苗木を食べられてしまうようになりまし
た。
仕方なくシカよけガードを苗木に付けると、当協会の植樹は
奥山積雪地帯の急斜面での植樹であるため、春先の雪解け時に、
斜面の雪がずり落ちて来て、苗木をガードごとなぎたおして
いきます。毎年の苗木起こしが大変でした。しかも、苗木に
ガードをかけると、苗木が不自然な樹形に成長するため、倒
れやすくなります。

そのため最近は、植樹よりも人工林の7割強度間伐による自
然再生の方に舵を切り替えていました。

何とかシカや雪に負けない植樹方法はないものか…。
熊森調査研究部はこのたび、大苗の植樹を実験的に実施しま
した。この苗は育苗実成1年、移植して1年、接木して1年の
3年生育苗で、細根量は3倍以上という特別な苗です。
丈、太さも充分あるので、生育の均一性と生育の早さは抜
群で、従来の苗よりも勝るというもの。苗木の高さは1.8㍍以上
あり、頂芽はシカに食べられません。

丸太杭でしっかり支柱(鳥居型)をして、雪倒れしにくいように
しました。庭木としてなら間違いなく育つのでしょうが、奥山の
斜面に植えっぱなしにしますので、うまく育つかどうかはまだ
わかりません。来年の5月のゴールデンウィーク前後には結果
を報告できると思います。もしうまく活着すれば、平成のクマ
止め林造りとして、また、
動物の棲める森復元とし
て、大苗を大々的に植え
ていきたいと思います。
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