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絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(「種の保存法」)が、罰則を少し強化した程度で、初の改正終了

参議院先議で環境省から国会に出されていた「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(「種の保存法」)の改正案が6月4日、衆議院を通過し、1993年に制定後、初めて‘改正’が行われました。現在、環境省が出したレッドリスト3597種のうち、90種しか保護対象になっておらず、実効性のあるアメリカの「種の保存法」と比べると、ほとんど実効性のない法律です。

 

今回の改正は、違反者に対する多少の罰則強化(100万円以下の罰金→500万円以下の罰金など)が入ったぐらいで、大きな変化はありませんでしたが、3年後、つまり、2016年の(抜本的な)見直しが付則に書き込まれたそうです。

 

今回のこの法案の改正につき、4個人と10団体からパブリックコメントに応募がありました。

熊に関するコメントとしては、2つありました。

 

1、熊の胆の国内流通を、「種の保存法」の規制対象とすべきである。

→(環境省、不採択)理由・・・熊の胆の輸入については、外国為替及び外国貿易法により規制しているが、国内では、狩猟によって入手するのは適法で あり、熊の胆を見ても、違法入手か適法入手か判別がつかないため、罰則をもって担保することは法制上適当でない。

 

2、国内のツキノワグマ、ヒグマを、「種の保存法」の保護対象とすべきである。→(環境省、不採択)理由 地域個体群として絶滅の恐れがあるところはあるが、国内から絶滅するところまではいっていない。

 

(熊森から)

地域個体群の絶滅が続いて、最後に、国内絶滅となるのであり、その時点で手を差し伸べるのでは遅すぎる。地域個体群の絶滅の段階で、保護策をとる必要がある。2016年の改正時には、ツキノワグマ地域個体群が絶滅の恐れ確実となっている紀伊半島や四国から、地域個体群の絶滅段階で、「種の保存法」を作動させてほしいと大声を上げていきましょう。

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