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中国の水問題、さらに深刻化 

熊森顧問、橋本淳司先生からの情報です。

出展「All dried up」 (「The Economist」2013年10月12日)
より

中国北部の水不足、水汚染の危機的状況、さらに中国政府の
政策が状況をさらに悪化させていることを伝えるニュースで
す。

まず、中国の水は偏在しています。

水の5分の4は南(特に長江流域)にありますが、人口の半分、
農地の3分の2は北(黄河流域を含む)にあります。

中国人の年間1人当たり水使用量は100立法メートル(※日
本人は約110立法メートル 1日300リットル×365日=109500
リットル)ですが、その需要量は供給量をはるかに超えてい
ます。

そのため、主要都市の地下水面は1970年代以来約300メート
ル低下し、河川の本数は、1950年代の50000本から23000本
に減りました。

産業の発展にともなう水汚染も深刻です。

2007年、黄河管理委員会は、黄河およびその支流を調査し
ましたが、3分の1の水が農業にさえ適さないと結論を下し
ました。

土地省によれば、北部の地下水の半分以上は産業に使用す
ることができません。

さらに中国政府のエネルギー政策が、水の状況を悪化させ
ています。

中国は、シェール・ガス革命を推進しようとしています。

シェール・ガスは水圧破砕法という安価な方法で採取でき
ます。

水圧破砕法とは地下2000~4000メートルにある頁岩層に水
を高圧で注入して亀裂を作り、天然ガスを回収する方法で
すが、このために大量の水を必要とし、さらなる地下水汚
染も懸念されています。

また、新しい石炭火力発電所を450機建設する計画があり
ますが、石炭洗浄や設備の冷却にも水が必要です。

中国にはこうした水はありません。

中国国内では水使用の効率化や下水処理施設の整備などが
求められています。

南水北調(南の水を北へ運ぶ)計画といって長江の水を3
つのルートで北へ運ぶ工事が進んでいますが、膨大なコス
トがかかり、海水を淡水化するほうが安いという声も上が
っています。

こうしたことから「中国政府の政策がいっそう水環境を悪
くする」と結論づけています。

以上。
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