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熊森も絶賛したい 東京大学教養学部の卒業式、石井洋二郎学部長のあいさつ

<以下、4月7日ヤフーニュースから>

 

3月にあった東京大学教養学部の卒業式。石井洋二郎学部長のあいさつが、ネットで注目されています。半世紀前の日本一有名な卒業式の式辞「肥った豚よりも…」が、実は本人が話していなかったことを明かし、ネット上にあふれる不確かな情報への接し方に言及。

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伝説の式辞「肥った豚よりも…」はデマ?

石井学部長が取り上げたのは、1964年に東大総長だった大河内一男さんのあいさつです。「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」と発言したとされています。この発言は、東大卒だからといってエリート意識を持たないようたしなめる格言として、知られています。

石井学部長は、大河内さんのあいさつについて、実際は大河内さんの発言ではなくJ・S・ミルの引用だったこと。原稿には、J・S・ミルの引用を明記した上で書かれていたが、実際には読まれなかったこと。そして、原文をかなりアレンジした表現になっていることなど、内幕を明かしました。

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「善意のコピペは、悪意の虚偽より…」

 その上で、石井学部長は「この幻のエピソードはまことしやかに語り継がれ、今日では一種の伝説にさえなっている」と指摘。ネット上にあふれる情報について次のように警鐘を鳴らしました。

「善意のコピペや無自覚なリツイートは時として、悪意の虚偽よりも人を迷わせます。そしてあやふやな情報がいったん真実の衣を着せられて世間に流布してしまうと、もはや誰も直接資料にあたって真偽のほどを確かめようとはしなくなります」

「必ず一次情報に立ち返って」

 そして、石井学部長は卒業生に対して、こう呼びかけました。

「あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること、この健全な批判精神こそが、文系・理系を問わず、『教養学部』という同じ一つの名前の学部を卒業する皆さんに共通して求められる『教養』というものの本質なのだと、私は思います」

自分のあいさつに対しても「必ず確かめて!」

 最後に、ニーチェの「ツァラトゥストゥラ」の言葉から「きみは、きみ自身の炎のなかで、自分を焼きつくそうと欲しなくてはならない。きみがまず灰になっていなかったら、どうしてきみは新しくなることができよう!」を紹介した石井学部長。さらに、こう付け加えました。

「いま私が紹介した言葉が本当にニーチェの『ツァラトゥストゥラ』に出てくるのかどうか、必ず自分の目で確かめることもけっして忘れないように」

ちなみに教養学部によると、公開された文章は、大河内さんの時とは違い、すべて実際に読み上げたそうです。

 以上。注:石井学部長の全文は、ネットで探していただくと読めます。

<熊森より>

石井学部長は、情報社会の今、全人類が胆に銘じておかねばならない本当に大切なことを言ってくださったと思います。

熊森がまだ小さな会だった時、新聞やテレビに何度もその活動が取り上げられました。私たちはその後まったくぶれることなく熊森道を歩いてきましたので、私たちは当時と何一つ変わっておりません。

むしろ、会が大きくなった今、かつてと比べると、大きくすばらしい自然保護活動が展開できていると思います。しかし、マスコミには、ほとんど無視されるようになりました。

別に有名になりたくて活動している訳ではありませんからいいようなものの、こんな大きな活動を行っているのに、報道から抹殺されるのは、あまりにも理不尽です。

その後ろには、当協会に対する悪意に満ちた誹謗中傷嘘がネットに流されていて、それに影響を受けた人たちが少なからずいます。

目立つことをすると必ず、引きずり落としてやろうという一部の悪意に満ちた人たちの無責任な嘘情報が流れ出す。これが世の常なのでしょう。

報道関係者の皆さんは、そのような情報に惑わされず、自分の目で見て、自分の頭で考えて、世の中を良くするには今、何を報道すべきか判断し、大切なこと、本当にまじめひとつにがんばっている人たちのこと、真実をぜひ報道してほしいものです。

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