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7月12日 日本奥山学会第4回研究発表会 

今年も、美しいスペイン風庭園を見下ろす関西学院大学法科大学院で、 日本奥山学会第4回研究発表会が開催されました。

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また、当日、会場で、日本奥山学会誌VOL3が発売されました。大変中身の濃い研究発表誌となっておりますので、関心をお持ちの方は是非お買い求めください。(800円)

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記念講演:Now! Let’s teach our bears well.

     -- 教えて生かす、切り札はベアドッグ」
岩井 基樹 氏(一般社団法人 羆塾)

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北海道の多くの森は、本州と違って、今もヒグマたちに十二分に食料を与えることのできる豊かな生産量を誇っています。この前提を知った上で、岩井氏の講演を聞いていただく必要があります。

 

デントコーンなど、人間活動(農業)に誘惑されて、山から出て来てしまっては撃ち殺されているヒグマたちを救わんと、犬を使ってヒグマたちを山に返す壮大な事業に一人取り組んでおられるのが岩井氏です。

 

彼のヒグマへの深い愛、人生をかけた保護活動には、圧倒されます。岩井氏の活動は、今後、会報や学会誌でも伝えていきます。

 

 

研究発表:

「最近のクマ類生息個体数推定を考える」 

日本福祉大学 経済学部教授 山上俊彦氏

 

MCMC法(Markov chain Monte Carlo Methods)を用いた階層ベイズ法による個体数推定法でクマ類の生息推定数を出している研究者がおり、彼の出した生息推定数を採用している行政が現在いくつかあります。

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山上氏の示す統計学の難しい数式は一般人には理解できませんが、この推定法が、クマ数をとてつもなく過大に推定してしまった例を示していただきました。経済学で用いられるこの推定法で、クマの生息推定数を出すことは無理というのが山上氏の結論でした。

 

 

・「渓流魚はどうなる?」 関 亥三郎 氏 

西宮甲山ライオンズクラブ 幹事

人工林や砂防ダムなど、戦後、山に人の手が入ることにより、渓流の水量は減少し続け形状もどんどんと変化し、魚が消え続けたという歴史があります。

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長年そのさまを見続けてきた渓流釣り歴45年の関氏にしか語れない貴重な証言を、豊富な写真と共に語って下さいました。渓流釣りを愛する者にとって、その危機感には強いものがあります。

 

 

・「ナショナル・トラストの歴史と展望」

一般財団法人 日本熊森協会国際部長 米田 真理子 氏

イギリスのナショナル・トラストは、現在会員数が420万人という、巨大な自然保護団体で、国を動かしています。

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どのように団体を発展させたのか、豊富なデータを提示して伝えてくださいました。今後、私たちが参考にして、日本でも使えるものがあるかどうか、検討していく材料を与えられました。

 

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