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富山県 クマは耳が良い(北陸中日新聞12月6日記事)

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急な遭遇はクマも困る 

耳が良いため 音で存在アピール大事

 

富山県上市町伊折の登山道で十一月二十二日に男性登山者二人がツキノワグマに襲われた。二人はクマを避けるのに有効とされる鈴を持っていなかった。県は、冬眠前の年内はまだ出没の危険があるとし、山に入る際にはクマ鈴の携帯など対策を呼びかける。なぜ、鈴でクマを避けられるのか。そもそもなぜ人を襲うのか。専門家に聞いた。(木許はるみ)

県によると、上市町に出没したクマは、男性二人を襲う前に別の登山者に遭遇していた。斜面にいたクマは登山者が近づいてきたことに驚き、急斜面を転がり落ちると、そのすぐ近くに男性二人がいたことに驚き、反射的にかみついたとみられる。

 

富山市ファミリーパークの動物課課長代理の村井仁志さんは、クマが人を襲うのは「急に出合い、びっくりしてパニックになるから」と指摘する。クマの食性は専ら植物で「昆虫は少し食べても、人間を食べることはない」という。

「聞き慣れないものや身近にいないものがあると、避けて茂みに入っていく」と村井さん。クマは耳が良いため、音で存在を知らせることが大切。鈴やラジオだけでなく、大きな話し声も有効だという。村井さんは「できるだけ距離があるうちに知らせることが重要」と強調。ただ、風や雨、川の音が邪魔することもあるため、油断は禁物だ。

 

万一、クマに遭遇した場合はまずは落ち着いて、その場を立ち去ることだという。逃げるものを追う習性があり、刺激しないよう背中を見せずに逃げることもポイント。クマとの遭遇を避けるには、富山県の「クマっぷ」(熊森本部より:熊森会員は、是非、クリックしてみてください。とてもわかりやすいです。富山県庁担当者に感謝です。)が役立つ。二〇一四年度からのクマの目撃情報が地図上にまとめられている。

 

県によると、今年は主な餌となるドングリが豊作だったため、目撃・痕跡情報は十二月四日現在で百五十六件で、昨年の半数以下。人身事故は、五月に富山市(旧山田村)高清水の山中で山菜採り中の男性がツキノワグマに襲われ左腕をけがした事故と、十一月に上市町であった事故の二件にとどまる。

 

冬眠時期は十一月~翌年四月ごろが一般的だが、天候にも左右され、十二月中に目撃された例もある。冬眠直前は脂肪を蓄えるために食べ物を求めて活発に行動するため、注意が必要だ。

 

熊森より

大阪府豊能町高代寺で保護飼育中の「とよ」を見ていても、クマはとても耳が良いことがわかります。

獣舎は、標高600メートルの山上にありますが、時々、下界で電車が走っている音とかが、山の上にまで上がってきます。

ふだん、獣舎内を走り回っている「とよ」ですが、かすかな音でも何かの音が聞こえると立ち止まって、何の音だろうと耳を傾けてじっと聞いています。

ずっと、「とよ」のお世話リーダーをつとめてくださっているHさんが、「とよ」が、ヒヨドリのさえずりに気づいて走るのをやめ、耳を澄まして聞き入っている姿を再現して見せてくださいました。「その姿が、また、本当に愛らしいんです」と、言われていました。

 

 

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