くまもりHOMEへ

くまもりNews

東京都における狩猟全面禁止を強力に訴えるクマ捕殺市行政 本部&東京都支部による行政訪問2

クマ捕殺があった東京都の市行政担当者は、長年現場を見続けてきた経験から、「東京都は、狩猟を全面禁止にすべきだ」と、強く断言され、以下のことを語られました。

 

「野生動物が街中に次々と出てくる。かつてありえなかったことだ。いろいろな要因があるだろうが、自然界の事はわからないことでいっぱいだ。しかし、山歩きを続けてきた自分が確実に感じている要因の一つは、野生動物たちが山で安心して暮らせなくなり、山から飛び出してきているということだ。田畑の防除柵設置やスギの人工林を広葉樹林に換えていくことも大切だ。しかし、大変な経費や年月がかかる。そんなことより、すぐできることをまずやってもらいたい。それは、狩猟の全面禁止だ。

 

毎年11月の15日の猟期が始まり、ハンターと猟犬が山に入ると、野生動物たちが一斉に街中に飛び出してくる。この因果関係は、はっきりしている。そして、猟期が終わっても、山から出て来てしまった野生動物たちは、街中をうろついている。私たちは半矢になった動物たちを処分したり、残りの野生動物たちをもう一度山に返したりする追い込み作業に8月いっぱいかかるんだ。

 

9月は毎年ほっと落ち着く月だが、ハンターたちは10月になると、狩猟訓練と称して、もう山に猟犬を入れるんだ。すると同時に、また、山から動物たちが怖がって飛び出してくる。観光客はどんどん入ってくる。猟犬は走り回る。自分が東京都の野生動物だったとしたら、こんな怖い山にはおれないよ。

 

ここは都会だから、大型野生動物たちに走り回ってもらっては困るんだ。出てくる野生動物たちは、神奈川、埼玉、山梨など周りの山からハンターや猟犬に追われて出てきていると思う。そう考えると、東京都だけで解決できるものでもないが、1回実験してほしいんだ。1年だけでも実験してほしい。東京都での狩猟全面禁止。街に出てくる大型動物たちがぐんと減るんじゃないかな。そうなったら、自分も、野生動物たちを殺すというかわいそうなことをしなくてすむようになる。野生動物は、山にいて当たり前。山にいてくれたら、それでいいんだよ」

 

くまもりから

鳥獣問題の実態は場所によって違うので、私たちも急には何とも言えません。しかし、長年の担当者が言われるのですから、東京都は実験として、都内での狩猟全面禁止年を一度実施してみたらどうでしょうか。第一、人権だけではなく動物権が叫ばれ、生物の多様性によって人間が生かされていることがわかってきた21世紀です。スポーツやレジャーで野生動物を殺すことが認められる時代ではもうないと思います。

 

東京都は、スギの人工林を伐採した跡に、またスギ(無花粉)を植えることになっています。この町では、たとえ2割だけでもと、強硬に、広葉樹の苗を組み込んで植えているそうです。防除が進んでいないので、田畑の周りの電気柵張りなどを行う防除人員が欲しいと言われていました。

 

東京都は、糠でおびき出して、常設罠にかかった動物は全て殺すという信じられないようなことをしている所だという印象が、私たちの胸に強く残りました。

 

後日、東京都庁の鳥獣担当者に電話で確認したところ、鳥獣部署は予算も人員も少なくて、本庁からも多摩環境事務所からも、現地など見に行く余裕などないということでした。今後、東京都で誤捕獲されたクマを放獣する提案をしましたが、考えたこともないし予算もないと一蹴されました。

 

書類に印を押すだけなら、わけもわからず罠に掛けられて殺処分されていく野生動物たちの哀しさや苦しみなど伝わりません。なんとかしたいという気持ちさえ起きないのではないでしょうか。兵庫県などでやっているように、鳥獣担当者は現地へ急行してほしいです。

 

日本に、こんなにも無策で、野生動物たちの命を奪うことに無感覚な行政があったのを、今回初めて知りました。こんな体制でこれまで来て、誰からも強い抗議や苦情が出なかったことが不思議です。きっと、こんなことになっているということを、誰も知らないんでしょうね。組織内から改革の声が上がることは期待できません。くまもり東京都支部が動きます。

 

野生動物に敬意を持ち、共存しないと、やがて人間も滅びます。それが自然界のしくみです。

 

 

フィード

Return to page top