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10月15日秋田県クマ捕殺数すでに県内過去最多450頭、県が猟友会に狩猟自粛を要請

以下、秋田魁新報より

秋田県自然保護課によると、本年度に捕獲されたクマは15日までに計450頭に達し、統計が残る1963年度以降最多だった2001年度の420頭を超えた。個体数を調整するため春先に計画的に行う捕獲(=春グマ狩り)は今年、19頭だった。残りの431頭は全て有害捕殺で、全体の96%が住宅地や農地の近くで出没したことになる。地域振興局別では北秋田の119頭が最多で、仙北が78頭、鹿角、雄勝が53頭ずつと続いた。

 

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県が定めたクマの保護管理計画では、保護のため年間の捕獲総数を推定生息数の10%までにすると定めている。県は今年4月時点の県内の生息数を1015頭と推定していることから、今冬の狩猟期間の対応を検討。19日に県の助言機関である県野生鳥獣保護管理対策検討委員会から「クマ猟を自粛すべき」との意見が出されたことも踏まえ、狩猟自粛の要請を決めた。

 

(くま森から)

いくらなんでも、生息推定数の半分を1年で殺してしまうなど、駆除し過ぎです。人間で言うと、1億2700万人の日本の人口を、一挙に6350万人にするのと同じです。

年間の捕獲総数を推定生息数の10%までにするというきまりはどうなったのでしょうか。

さすがに環境省から獲り過ぎだという指導が入ったのではないかと思いましたが、何もないそうです。(うーん、何のための環境省か)

一体、秋田県で何が起きているのか、秋田県庁自然保護課に聞いてみました。

秋田県では、クマの捕殺許可は、県の出先が持っています。

 

<2016年度 月別捕殺数一覧>

4月…7頭

5月…16頭

6月…43頭

7月…70頭

8月…180頭

9月…99頭

10月15日現在…35頭

 

担当者の話では、今年は雪解けが早くて、早くからクマが穴から出て来ていたそうです。昨年ブナが豊作で、一斉にメスグマが子を産んだらしく、子グマがたくさん見られたそうです。秋田では、有害捕殺したクマの体は、丸ごとハンターのものになるそうで、その際、胃内容などの報告を義務づけているということです。夏に人里に出て来て駆除したクマの胃内容は、ほとんどが空っぽという報告だったそうです。秋田のクマの夏の食べ物がなかったことがわかります。

 

明日から11月、かなり寒くなってきているので、今後はもうあまり人里には出てこなくなるのではないかということでした。冬籠りに入るのは12月の初めごろだそうです。秋田では捕獲罠にかかったクマは全て捕殺することになっています。「子連れグマを獲るな」というようなしばりはないそうです。

 

県としては、狩猟の自粛を猟友会に呼びかけましたが、呼びかけただけだそうです。去年、狩猟期に秋田で捕獲されたクマは5頭ぐらいということですから、狩猟を自粛したところでほとんど影響はないと思われます。

 

問題は、どうしてこんなに多くのクマが、夏に人里に出てきたのか。何か秋田の山も一挙に森林荒廃が進んできたのではないかと心配です。しかし、今月に開いた有識者の会議でも、そのような異変は発表されなかったそうです。耕作放棄地が増えているということでしたが、それは何も今年に始まったことではないので、今年、大量のクマたちが山から出てきたことの説明にはならないと思います。

 

春に北秋田市のネマガリダケの現場で死者が4人出たことが、クマは危険、山から出てきたらみんな殺してしまえとなったのでしょうか。残念ながら、秋田県には熊森の支部がないため、どうしてこんなに大量捕殺されることになったのか、くまもり本部も今のところはつかめていません。飽食日本人に、野生鳥獣との共存姿勢など、なきに等しいですね。

 

 

 

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