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絶滅寸前四国のクマの餌場づくり4年目は13名で奮闘

2022年3月6日~9日(四国クマの餌場づくり4年目)

 

 

今回は、熊森活動に興味を持って大分県から来てくださったインターンの狩生さん、初参加の本部のボランティアさんと熊森愛媛県支部、伐採作業を引き受けてくださった地元の林家さん含め総勢13名で活動しました。参加者皆様の体験記をご報告します。

伐採前の暗いスギ放置林

 

インターン生 狩生 萌 さん

熊森のトラスト地である四国の石立山の四つ足峠を訪れました。トラスト地の97%は人工林で、野生動物が生息できる環境は全くありません。

毎朝、宿を7時に出発し、2時間かけて登山口まで車で移動しました。それから更に2時間程かけて標高1100m地点のトラスト地まで登りました。私は、体力はあるほうだと思っていたのですが、3日連続の登山は想像以上に過酷でした。

 山道は想像以上に険しく、土砂がたまり、人が渡るには危険な場所も至る所にありました。3月7日は、その山道の整備をさせていただきました。資材として使う木材を、登山口から担いで何往復も山へ運び入れる作業は非常に大変でした。山道はとても狭く、重心を崩してしまうと谷へ転げ落ちてしまうのではないかと心配でしたが、無事に作業を終えることができました。険しい道を、資材を持ちながら慎重に進む狩生さん

 

3月8日と9日は、トラスト地で作業をしました。人工林だらけの暗い森を抜け、皆伐した地点へ辿り着いてみると一気に視野も広がり、太陽が見え、景色も明るく、解放された気持ちになりました。よくここまで登って植えることができたなと思いました。

人工林を伐った場所にはシカが入ることができないようにネットを張っていました。しかし今年は予想以上の積雪ということで、ネットが崩れてしまい、苗木が全て食べられてしまっていました。

そこで、この日はネットの修復作業をさせていただきました。ネットを張る際も、なるべくペグを使わずに、伐採したスギの丸太を利用して囲いを丈夫に固定しました。丸太は非常に重く、ネットの場所まで運ぶことも一苦労でした。

ネットを張り終えたあとは、囲いの中にシバグリやクヌギなど広葉樹の植樹体験もさせていただきました。植樹用の苗も、なるべく綺麗に、見栄えがよくなるように向きを調整し、ひとつひとつの作業を丁寧にすることが大事なのだと教えてくださいました。

また、今回は林業のプロの方々に伐倒作業も見せていただきました。林業の方々はこの作業を一日中やっているのかと思うと、体力が必要な上、本当に命がけの仕事なのだと実感することができました。

 

 

豊かな川と森を保全するには、そこには必ず誰かが必要であることを思いました。自分の目で見て感じることで、現状の深刻さや理解を深めることができ、本当に貴重な体験をさせていただきました。

 

 

yamaken株式会社 代表取締役

播野健太さん(伐採をしてくださった方)

最初に現場に入った時、暗く空気も流れていない、放置された人工林だと感じた。山奥なのに生き物の気配も少ない。ここを、命溢れる豊かな自然の山にしていきたいと思った。その為には、伐って光を入れて明るくしたい。林業では、スギやヒノキの人工林を伐るとき秋から冬にかけて切ることが多い。それは、木の水分が少ないから切った後カビや虫がわきにくいから。春から夏に伐ると、スギやヒノキ木が水分を多く含んでいるから、伐採後に、カビや、虫がでやすいし、気温が高くなり、虫の発生時期と重なるからすぐに腐りが始まってしまう。それだけでなく搬出させて乾燥させる工程での反りが出やすい。

でも、木を搬出できないような深い山奥に放置されたスギ・ヒノキ人工林を自然に戻すためには、夏に伐って地面に寝かせて腐らせた方が、山の肥やしになるし、動物も虫を食べに来るしいいと思う。

夏は木が重たくて伐りにくいという説があるが、現場では木の重さは1年を通してそれほど変化はないという印象。自分は、奥山はこの先スギを植えてもだめだと思う。奥山は自然に戻す方が理に適っている。

放置された人工林をそのままにしているのでは、山も健全ではない。国内で林業はこれからも続くことが大切なので、前世代が植え育ててくれた木を次世代につなげられるように、健全な山づくりを目指していきたい。

 

初参加者の感想

土出さん:標高1000m以上の険しい山を登っていく程に、尾根筋まで杉だらけ。動物達の糧がない。どうやって生きているんだろう…。奥山の危機を目の当たりにした。

竹林さん:人の手で壊した森を、私たちの手で蘇らせたい。森の復元まで継続する大切さを強く感じました。

大地さん(地元出身):人工林を伐採した後の山は地肌が見えて、今も土砂が崩れ落ちている。那賀川を見る人は「キレイ」と感じるかもしれないが、川の中も土砂で埋め尽くされ生き物はいない。

羽田さん:日本人として地球の未来のために死力を尽くす覚悟ができた。

 

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