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第3セクターで保護飼育する道をさぐる⑩

22日午後、八幡平クマ牧場がある鹿角(かづの)市役所を訪れました。市長さんにお会いして、もし引き取り手がなかったクマたちが残るようなことがあれば、行政にも入ってもらって、お隣の北秋田市が阿仁熊牧場でやられているように、第3セクターでみんなでクマたちを保護飼育するしか、命を救う道がないとお伝えしようと思ったからです。急なことだったので、市長さんにはお会いできませんでしたが、担当者の方に1時間ばかり会っていただくことができました。

鹿角市では、まだ1回もこの問題で会議を持っていないということで、今の段階では、秋田県庁の動きを見ている感じでした。それというのも、八幡平クマ牧場を開設した昭和62年の時点では、今のような動物の飼育に際してのきちんとした法整備が出来ておらず(「動物愛護法」)、鹿角市は当時の経営者から、クマ牧場開設の連絡は受けたが、「水を汚染しないように注意して下さいよ」などと言っただけで、それ以上の権限がなかったといいます。

平成9年に「動物愛護法」が改正され、クマなどの危険動物は、簡単には飼えなくなりました。施設の立ち入り検査などを受けたあと、県知事からの許可が必要です。というわけで、八幡平クマ牧場はいきなり、秋田県の指導を受けることになりました。牧場の設計が、クマの立場に立ってなされていないなど、当時からいろいろと問題はあったと思われますが、すでにクマたちがたくさん飼われていたので、飼育許可取り消しなどの強力な措置は、とれなかったのだろうと思われます。

秋田県佐竹敬久知事は、今回の事件を受けて、現行法では、クマのような特定動物の施設の管理運営、設置基準、飼育基準、施設の閉鎖要件などが甘過ぎるとして、もっと行政指導が強くできるように、国に法改正を求めていくといわれています。まさにその通りだと思います。施設の中に入るのは、物ではなく、私たちと同じように命も心もある生き物たちなのです。しかも、一度飼われたら、動物たちはその檻から生涯出してもらえないのですから、最大限の動物福祉が保障されなければなりません。ちなみに、佐竹敬久知事は、昔の秋田の御殿様の家の出で、県民によると、とても優しい方なのだそうです。

八幡平クマ牧場を、鹿角市ではなく、秋田県と組んで第3セクターにするという手もあります。県関係者によると、それには県民の同意と、秋田県に利益が予測されることが必要なのだそうです。

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