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11/11 せめて、イノシシワナに誤ってかかったクマ1頭だけでも助けたい

クマ捕殺の嵐が、吹き荒れる日本。豊かな森を造り、私たちの命を支えてきてくれた森の動物を、厄介者扱いとは、この国もおそろしく狂ったもんです。

環境省発表によると、今年春から10月末までのクマ捕殺数は、届出があったものだけでも2688頭だそうで す。「熊森は、クマ、クマ言うな」と批判する人もいますが、まず、ここから絶滅しようとしているので、守らねばならない筆頭動物です。

みなさんご存知でしょうか。 全国で膨大な数のクマが、クマに出された有害駆除以外に、イノシシの有害駆除用罠に誤ってかかっているのです。

「また、クマがイノシシ罠にかかった!」地元会員たちが、救命を願って役所に駆けつけました。本来、誤捕獲ですから、すぐにその場で扉を開けて逃がすのが筋です。しかし、ここの行政は、絶対に放獣しないといいます。地元の声だというのです。本部スタッフたちが急を聞いて到着したのは、夜になってからでした。道路から離れ、かなりの距離を笹薮や人工林のなかを進むと、自然の真っ只中という感じのところに、その罠は仕掛けられていました。こんな人里から離れた所にいても、殺されるのか。イノシシもかわいそうだなと感じました。

捕獲されて2日目。懐中電灯で照らしてみると、罠の隅っこにうずくまっていたクマが目に入りました。クマは罠の鉄格子に体当たりしてきましたが、鉄格子はびくともせず、むなしさが漂いました。地面を見ると、すでにこれまで必死で土を掘っていたようで、罠の床面が地面の中にめり込んでいました。私たちを見て、また、前足で必死に土を掘りはじめました。こうして、穴を掘り続けたら、いつか逃げられるのではと思っているようでした。しかし、床面も鉄格子なので逃げられはしません。

強烈なにおいがします。ハンターが、イノシシを獲るために撒き続けている米ぬかが腐って発酵しているということでした。この若グマは、暗い顔になっていました。わたしたちには、このクマが、何とか生きたいと願っていることが伝わってきました。クマが顔を上げると、首には思わず見とれるほど見事な月の輪が浮かび上がりました。クマ、こんなすばらしい動物が、よくぞこの国に残されていたものだ。私たちは感動でしたが、クマのすばらしさなど知らない人にとっては、ただの厄介者にしか過ぎません。「県内放獣は、絶対に認めない。クマなんて、早く処分してくれ」地元の声が聞こえてきそうでした。このクマはうちの県のクマではないとみんなで言い合い、そのくせ、人間たちは、クマたちの住む豊かな森から出た水は、ちゃっかりいただくのです。

ただし、行政の方々も、「助けられるものなら命は助けてやりたい」と言ってくださっています。県内放獣がだめなら、どんな助け方があるか。今日11日は、朝から夜中まで、数えられないほど多くの人たちに電話し続け、考え、動き、もうくたくたになるまでみんなでがんばりました。次々と思いつくどの方法にも、法律などの「不可能!」という厚い壁が立ちはだかってくるのです。本当は、野生鳥獣の保護(生物の多様性保全)は、国や県や市町村が動かなければならない問題です。そのために、わたしたちは税金を出している。誤捕獲されたクマ1頭すら助けられない国では困るのです。しかし、いくら頼んでも、国県市町村が動いてくれない場合、わたしたちのような自然保護団体が動くしかないということになるのです。
消されようとしている命の灯。残された時間はあと少し。まだ、カードは全て使い果たしたわけではない。明日も、時間ぎりぎりまで、熊森の挑戦は続きます。みなさん応援してください。それにしても、全国至る所でこのような悲劇が起こっているのです。近い将来の人間たちの姿でもあります。

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