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3月17日 兵庫県野生動物保護管理運営協議会 クマ爆発増加説に基づき、西日本で先陣を切ってなんと「クマ狩猟再開案」

この日の協議会で、兵庫県行政から「平成28年度兵庫県ツキノワグマ保護計画案」が発表されました。

内容は、予想された通り、「クマが爆発増加し続けており、県内推定生息数が940頭を超えた。環境省は800頭を超えたら狩猟再開としているので、今秋11月15日から1か月間、狩猟者一人当たり1頭までという条件で、クマの狩猟を20年ぶりに再開する」というものでした。

 

ちなみに、兵庫県猟友会は、今回、クマ狩猟再開の申し入れなどしていないばかりか、反対に、捕獲上限総数などもっと規制を強めなければ、クマを捕獲し過ぎてしまうのではないかと心配されていました。

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協議会風景

 

協議会の委員メンバーが推移していく中で、今や最古参となった委員歴15年の熊森会長森山まり子が、直ちに原案反対の意見を述べました。

意見は2分間以内と決まっています。いつものことながら、2分間ではとても反論しきれません。時間が超過して委員長から注意を受けました。

検討会とか協議会とかいっても、結局は資料は行政が用意した原案だけであり、行政の会議は時間厳守ですから、深い検討や協議にはなりません。

まして、野生動物問題を、野生動物を殺さない方法で解決しようと主張している熊森の意見など、この場では異端であり、人間が野生動物を殺すことによって野生動物の生息数を管理していくという時代の流れの中で採用されることなどありません。

「無用の殺生」を忌み嫌うわたしたち大多数の一般国民の感覚からすると、聞くのも堪えがたいつらい内容の会議であり、出席に関しては、毎回誠に気が重くなります。しかし、出席しなければ、行政情報が何も得られないので、自然保護団体としては出席しなければならないのです。

 

<森山委員発言要旨>

「表題はツキノワグマ保護計画ですが、クマからみれば、保護の部分はゼロです。中味は完全に管理(=頭数調整殺害)計画になっています。狩猟再開には絶対反対です。まず、4点述べます。

①兵庫県のクマが爆発増加し続け、940頭を超えたと言われているのは、私たちが知る限りひとりの研究者のMCMCベイズ推定の結果だけであり、他に検証者がいない。熊森は、MCMCベイズ推定で野生動物の生息数を推定できるのか疑問を持っているので、他の研究者や他の方法で推定したクマの推定生息数も教えてほしい。

②原案は、集落周辺のクマ数しか見ておらず、彼らの本来の生息地であった奥山が人間にどのように破壊され放置されているのか全くふれていない。こここそ、行政が取り組まねばならない問題だ。

③どこで狩猟をするのか。集落裏か(集落から200メートル離れておればOKとのこと)。山中か。狩猟が再開されれば、山に潜んでいる残りわずかなクマまでもが、怖がって山から出て来てしまうのではないか。

④とにかく、狩猟再開という前に、クマに関する情報を公開してほしい。熊森が、有害駆除されたクマの雌雄や体重など、どこの県でも出してくださっている情報を、情報公開制度を用いて公開依頼したが、全面拒否された。協議会委員の私にすら、基礎データである情報を公開しないのなら、クマ問題について協議のしようがない。

 

熊森から

毎回の事だが、熊森が意見を言っても取り上げられないので、発言はほぼ無意味である。しかし、言わずにはいられない。

兵庫県で平成26年度に捕殺された大型野生動物数は、ツキノワグマ30頭、シカ45461頭、イノシシ17186 頭、 サル131頭であった。

サルに至っては、豊岡農林管轄の美方地域個体群のサルは平成26年度に7頭が捕殺されたため、もはや美方A群は9頭、美方B群は11頭しかいない。サルについては殺害し過ぎて、他の委員が指摘してくださったが、地域個体群消滅の危機である。サルからすれば、人間は悪魔だろう。人間は、悪魔になってはいけない。

「人間よ、お前、一体何様なんだよ。国土は、地球は、人間のためにだけあるのではないぞ」と、叫びそうになりました。サルを射殺するなんて、人間を殺すのと変わらないと思います。誰がそんなことをしてもいいと認めたのでしょうか。天はきっとお怒りになると思います。

研究者や行政は、野生動物たちの造ってくれる森の恩恵を湧き水という形で受けながら、野生動物たちを害獣扱いしています。本来、心優しい郡部の人達に、環境省方針に従って、野生動物を殺すこと、食べることばかり勧めています。

 

日本本来の、自然や野生生物と共存してきたすばらしい生命尊厳文化が、野生生物を物としか見ない、数字としてしか見ない、西洋の持続不可能な破滅型近代文明にとってかわられてしまおうとしています。ますます危機感が高まりました。

嘆いているだけではだめで、全生物の生命尊厳文明をこの国に取り戻すため、みんなで集まり一大勢力を作りあげ、一般国民が声を上げていかねばならないときです。

熊森は今後、クマ狩猟再開をやめて生息地復元と被害防除で野生動物問題に対応していくよう、多くの県民のみなさんに訴え続けていきます。

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