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今回の人身事故は、人間が100%悪い 秋田県クマ生息地の根曲り竹の商業用タケノコ採りに規制を 

秋田県鹿角市十和田大湯のクマ生息地(国有林+民有林)では、この5月に根曲り竹のタケノコ採りに入った3人の男性が死亡し、女性ひとりが軽傷という、クマによる前代未聞、最悪の事故が起きてしまいました。

にもかかわらず、現地山林には、いまだに竹の子採りに入る人たちが後をたたないそうです。多くの人間は、お金の誘惑には勝てないのでしょうが、何とかできないのでしょうか。

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「クマの被害が深刻化しています」というナレーターから始まったテレビニュース。

(くまもりより:被害者と加害者が反対です。)

くまもりは、野生グマ達の食料を確保するためにも、また、これ以上、人間側に死傷者が出ないためにも、タケノコ採りに至急規制を掛けていただきたいと、行政や国有林を管轄している森林管理署にお願いしてありました。

 

関係者たちによると、現地の市道と国有林内の林道を現在通行止めにしたが、県道はタケノコ採り以外の車も多くが利用しているため、通行止めにできないということです。

地元秋田県鹿角市は、タケノコ採りに行かないように市民に呼びかけているそうですが、市外そして青森県や岩手県からも事故後もタケノコとりにやってくる人々があとをたたないということです。彼らが採ったタケノコを買い取る業者の車も、道路近くに横付けされているということです。今年は根曲り竹のタケノコが不作で価格が高騰しており、いい副業になるのだそうです。

命とお金、どっちが大事なんですかと、もう一度言ってみたいです。

しかも、非常識な時間にそっと入って来た人間に、クマが驚いてかみつくなどすると、クマの方が死刑判決を受けるのです。罠がかけられ、罠の中にはクマにとっては誘惑をたちがたい蜂の巣が、誘引剤として入れられます。クマがかかれば、人身事故に関係したクマかどうかの確認もなく、射殺されて終わるのです。日本全国、まるで当たり前のようにこのようなことが展開されている現状ですが、こんなのおかしい、まちがっている、私たちは声を大にして叫びたいです。

 

秋田県のこのあたりは50%以上の人工林率となっており、それでなくても、クマたちの餌は少ないそうです。去年はブナが豊作で、クマたちが子どもをたくさん産んだだろうから、クマたちの餌が不足しているのではないかという声もありました。(秋田県では、クマが増えると冬眠前の食い込み用食料が不足し、冬眠できずに多くのクマが大雪の中、死んでいくということでした。確かめたわけではありませんが、自然界は本当に厳しいと思いました。)

野生動物は食料を貯蔵できません。刻々と変化してゆく自然界の中で、クマたちは今、タケノコを食べる時期なのです。根曲り竹のタケノコは確かに美味ではありますが、それ以上においしい物を毎日お腹いっぱい食べている人間が、クマたちの貴重な食料を商業的に大量に奪う権利などないはずです。

 

しかし、行政も森林管理署も、残念ながら、わが国には、タケノコ採りに規制をかける法律や条例がないので、自粛をお願いする以上のことは出来ないという答えでした。まんまと森林管理署にだまされました。東北森林管理署のHPの「国有林からのお願い」の2.に、樹木を損傷したり、林産物を窃取した場合は、法により罰せられます。と記載されているのを見つけました。当然のことながら、ちゃんと法律で規制されていました。森林管理署に電話して、何という法律で規制されているのかたずねると、「森林法」ですと即答されました。何故先日、規制をかける法律がないと解答されたのですかとたずねると、職員は黙っておられました。今回、国有林を森林管理署が責任を持って管理していないことが明らかになったと思います。)(2016.6.10追記)

そんな時間のかかる法令や条例を作らなくても、非常事態が起きているのですから、どこかが動いてタケノコ採りに規制を掛けられないものでしょうか。

私たち市民ができることといえば、業者を探し出して、人間としての倫理観に訴えるか、根曲り竹のタケノコの不買運動で対応するしかないのでしょうか。

 

こんなことではとてもクマと共存できないと思います。地元関係者のみなさんも、頭を痛めておられました。みなさんはどう思われますか。

 

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