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カテゴリー「くまもりNEWS」の記事一覧

11月7日8日クマたちの餌場再生に向けて、熊森四国第2 トラスト地22haに至る道を整備しました 

昨年度購入した熊森高知県第2 トラスト地は、四国に残された最後のクマたちがまさに今も生息している場所にあります。高標高ですが、現況は、ほとんどがスギ又はヒノキの人工林です。

 

今年の夏、仕掛けた自動撮影カメラに、このトラスト地の人工林内をゆっくり歩いているクマの成獣が写っていました。(誘引物なしで、四国のクマの撮影に成功しました!)

 

一刻も早くこの人工林を広葉樹林化して、クマたちの餌場に戻してやりたい。

気はあせるのですが、トラスト地に至る道が何か所かで崩れており、チェンソーを背負った人が山に入れないという大きな壁が立ちはだかりました。森林組合にお願いしても、仕事がたくさん入っているので、いつできるかわからないというお返事でした。

 

やっとこの度11月7日と8日の2日間かけて、地域おこし協力隊の方に教えていただきながら、本部2名愛媛県支部2名高知県支部長が現地を訪れトラスト地に至る道を整備することができました。

 

まず、山道入り口付近を閉鎖していたジャケツイバラを刈って人が通れるようにしました。下の写真は草刈り前と後です。

草刈り前(ジャケツイバラ)

 

草刈り後

ジャケツイバラのトゲ。

ジャケツイバラは、トゲがとても鋭く、そして長く、皆丈夫な長袖長ズボンで作業していましたが、服を貫通して痛みに耐えながら作業を行いました。草刈り機を持っていきましたが、鋭いトゲのついたツルが勢いよく飛んでしまうので、カマや鋸で刈ることにしました。

 

今回の最大の難所は、下の2枚の写真にあるような、道が土砂に埋まり斜面になってしまった場所を、再び人が歩けるような道に修復するという作業です。どこが道かわかりませんが、江戸時代にはここは土佐と阿波を繋ぐ街道で、馬を引いて人々が歩いていた道があったそうです。

修復前

修復後

 

今回の道の修復方法は、道沿いのスギの木を伐採したり(山林所有者の許可を得ている)倒木を回収したりして斜面に横倒しにし、土をかぶせて平坦な段をつくるものです。(模式図参照)勉強になりました。

今回行った急斜面の道づくり方法の模式図。

なるべく倒木を活用します。とても重いです。

 

 

手頃な倒木が無い場合は、小径木のスギを切り、入手します。

あまりにも急な斜面には、丸太と斜面の間にスギの枝を敷き詰め、その上に土をかぶせると、土は雨で流されにくくなり、道が長持ちします。

作業終了後、現場で記念撮影。みごとに人が通れる道に修復できました。

 

四国の山はどこも急斜面。本当に昔の人たちはこんな場所に道を造っていたのかと思いました。

すぐ近くに、昔の街道の跡がありました。

江戸から明治にかけて使われていたと思われるこの街道は、現在も所々に往時の道の名残りがありました。当初は地域の方たちが石垣を積んで、立派な道を造っていたようです。

木を組むだけでも大変だったのに、昔の人はすごいなあと感銘をうけました。

山間に生活する四国の方々にとって、道造りは重要です。元々崩れやすい場所なので、クワなどをもって歩き、道が崩れていたらその場で直しながら歩いたということです。

 

修復した道を使い、今後伐採を進めていく熊森トラスト地の林内を調査してきました。

太さ20cmほどのスギがみっちり生えています。

 

近々、第一弾として、ここを小面積皆伐して経過観察していこうと思います。

小面積でしたが、2年前も高知県第一トラスト地佐保の森でスギの人工林を切り捨て皆伐してどうなるか様子を見ているところです。

四国で初めて、熊森がクマたちの餌場再生を始めています!

みなさん、四国のクマの絶滅回避をめざす熊森の「クマの餌場再生活動」を応援してください。

 

今度の伐採地は甲子園球場の5倍というとても広い場所です。

材の搬出は難しい場所なので何回かに分けて少しずつ切り捨て皆伐していく予定ですが、何人もの伐採者が必要になります。

仕事として有給で伐採してくださる林業家や業者さんを募集中です。

四国のクマの絶滅阻止のために、是非ご応募ください!

 

11月15日  2019年度狩猟解禁日

本日11月15日は、狩猟解禁日です。(北海道は10月1日~1月31日)

「今日から狩猟解禁や。何にも悪いことしてない山の動物たちが、また遊びで撃たれる。痛いやろうな」

この日が来ると、1995年当時、和歌山県鳥獣保護連絡会(猟友会組織)会長※故東山省三先生の奥様が狩猟解禁日にお顔をゆがめてつぶやかれた上の言葉をいつも思い出します。

これは、ほとんどの女性や子供に共通の感覚だと思います。(※東山先生は野生動物を保護したくて猟友会に入られた方で、ただひとり銃を持たない猟友会員でした)

 

兵庫県は今年も一般の狩猟(シカ・イノシシは4か月間)に加えてクマ狩猟(1か月間)を継続して再開するそうです。

理由は、クマ生息推定数が830頭で環境省規定の狩猟できる数800頭を超えているからだそうです。

しかし現在、有害捕殺(無害捕殺多し?)が、111頭です。

830頭-111頭=719頭で狩猟はできません。

 

しかし、狩猟を再開するために、もう一つの基準が県から出されてきました。

 

生息数の15%までなら殺していいという環境省規定に従うと、830頭×0,15=124頭

であり、まだ、124頭に達していないから、まだ殺せる。

狩猟解禁日までに114頭の捕殺があれば、狩猟を中止する。

114頭を越えなかったので、狩猟を実施する。

ただし、有害捕殺(無害捕殺多し?)と狩猟の合計が114頭を越えたら、猟期であってもクマ狩猟を中止する。

 

数字数字で、まるで捕殺ゲームです。

大量捕殺を実施した凶作年ですから、狩猟などしている場合ではない。

狩猟を禁止すべきと熊森は主張してきましたが、兵庫県井戸敏三知事も鳥獣対策課も受け入れませんでした。

あと3頭の攻防、そこまでして狩猟を実施する意味があるのでしょうか。

 

(注:捕殺数111頭以外の数字は全て人間が頭で考えたり計算したりしたものです。どこまで意味のある数字なのか誰にもわかりません。

今の狩猟は一般的には生きるために必要なものではなく、スポーツでありレジャーです。)

11月9日、兵庫県でクマ人身事故2件発生。クマ大量捕殺の効果なし。熊森本部が現場検証

11月9日、兵庫県新温泉町と豊岡市日高町で、クマによる人身事故が2件発生しました。

神戸新聞next 11月9日20:10配信 より

熊森が事故情報を知ったのは9日、地元の方が電話で新聞やメディアよりも早く熊森に情報を伝えてくださいました。その方はすぐに新温泉町で発生した人身事故現場へ出向き、被害者に助言したり事故を起こしたクマを殺さないように動いたりしてくださっていました。

 

地元の方のお話(電話)

「朝、喫茶をしていたら近所でクマに出会ってけがを負った人がいるという話が入ってきた。現場に向かうと、シカ捕獲用箱罠に子グマだけがかかっていた。事故を起こした母グマは、山へ逃げたようだったが、子グマはずっと箱罠の中で鳴いており、かわいそうだった。すでに町役場や警察、兵庫県森林動物研究センターの職員、猟友会が来ていた。私は彼らに対し、その場で、2つお願いをした。

①子グマをこの場で放してやってほしい。

 

②子グマは母グマがいないと生きていけないから、母グマも生かしてやってほしい。

 

そしたら、子グマを放してくれた。子グマは山に逃げて行った。よかった。母グマも捕獲しないことになった。

 

以前、自分もクマと鉢合わせてかまれたり引掻かれたりしてけがをしたことがある。クマは初めから逃げ腰だったよ。人を襲うような気持ちじゃない。かわいい顔してた。クマも人間が怖かったんだろうよ。今回も母グマは、子グマを守ろうとしたんだよ。近くに人間が現れて怖かったんだろうな。」

この方がすぐに動いてくださりありがたかったです。

 

おケガをされた方の容態も心配だし、なぜ事故が起きてしまったのか検証もしたい。翌日10日の朝、熊森本部は地元の方に案内していただき、まず、おケガをされた方のお見舞いへ向かいました。

ケガされた方のお話を聞く、室谷悠子熊森会長

新温泉町で今回事故に遭われた男性は、深い傷を負われたものの、幸いにも日帰りの治療で済んだとのことです。しかし、まだ歩くと痛みがあるという事で、事故当時の状況についてご自宅でくわしくお話を伺いました。

 

ケガを負った男性のお話1(新温泉町)

「あの日は、朝6時半ころ、集落で設置しているシカ捕獲用の箱罠の見回りをしていた。まだ朝日が出てまもなくで薄暗かった。箱罠の中に何かが入っているのを発見した。よく見ると子グマだった。すぐに行政に連絡しなきゃとその場を離れようとしたとき、大きなクマが背後から抱き付いてきたので、段差を滑って転倒した。母グマだった。その瞬間、母グマも驚いて山へ逃げた。私は自力で自宅へ戻り、救急車を呼んだ。事故当時はライトもクマ鈴も持っていなかった。自分がうかつだった。別にクマを憎いとは思っていない。これまでその罠にクマがかかったことはなかったが、最近近所でもクマが夜カキの木に来ていたという話は聞いていた。」

 

男性の証言を基に、現場検証してみてわかったことがありました。

1、事故現場となった箱罠付近は、幹線道路や集落から近い場所にあるが、日当たりが悪く昼間でも暗い。→見通しが悪く、クマがいても気づきにくい

2、箱罠の入り口には、米糠が置かれていた→クマを誘引してしまった。

3、すぐそばのカキの木に実が少し残っていた→柿を食べたクマの糞が2,3個落ちていたので、カキの木もクマをここに誘引してしまっていた。

 

 

再発防止対策

熊森は、事故の再発を防ぐために、男性にクマの行動が活発になる早朝や夕方は必ずクマ鈴を持って出歩いていただくようにお願いしました。

そして、男性の許可の元、僅かに残っていたカキの実を全てもぎました。さらに、箱罠の誘因物である米糠を地面から削り取って除去しました。(この箱罠は事故後、罠の入り口を固定して、動物がかからないようにしているそうです。)男性に喜んでいただけました。

今年は、クマの生息する兵庫県北部の山々はドングリ(ブナ・ミズナラ)の実りが悪いですが、里にあるカキの実りも悪く、1本のカキの木に数個がちょびちょびと成っているだけです。こうした年は、クマもあちこちのカキの木に登らねばなりません。(ちなみに、冬ごもり前のクマが一番食べたいのはカキではなくドングリです)

 

続いて、2か所目の、豊岡市日高町の事故現場へ向かいました。現場付近で聞き取りを行ったところ、事故に遭われた方のお宅へたどり着くことができ、ご本人が現場までご案内してくださり事故の状況を説明してくださいました。

 

ケガを負った男性のお話2(豊岡市日高町)

「朝の7時半ころ、たまたま昔の里道を散歩しようと思いたって行って歩いていたら、左の繁みから1頭のクマが飛び出してきた。距離は5mないくらいだったと思う。直前にうーっという唸り声が聞こえた。まさかクマが出てくると思わなかった。クマ鈴とか、音の出るものは持っていなかった。とっさに逃げようとしたけどびっくりして腰が抜け、しりもちをついたところでクマが覆いかぶさってきて引っかかれた。その後、クマは元居た方向へ飛んで逃げていった。痛みはあまり感じなかったが、顔から出血しており、びっくりして家に戻って救急車を呼んだ。この集落は、周囲を山に囲われている。空き家を取り壊した場所やかつて田畑だった場所には、ササや木々が繁り動物の潜み場になってきている。」

室谷会長が指をさしている方向からクマが出てきた。立ち位置はケガを負った男性と同じ

 

この現場近くには米糠入りの箱罠が設置されており、しかも、クマとシカの有害捕獲許可が降りていました。

その設置期間、なんと1年!

先日の兵庫県農政環境常任委員会での県当局の答弁では、最大6か月間クマ用箱罠をかけているということでしたが、1年間常設罠を許可していたとは?!(答弁が不正確?)

 

熊森から

今年、兵庫県は10月末時点で前代未聞の、103頭ものクマを殺処分しています。(11月13日現在106頭)(11月15日現在111頭)

県は、クマとの人身事故を防ぐために、2017年7月から、集落周辺200mゾーンまでのシカ・イノシシ・クマ捕獲用箱罠にかかったクマは全て殺処分するという方針に切り替え、以来大量の実害のないクマを米糠で山からおびき出し殺処分するという非道な政策を行ってきました。でも、結局、人身事故は起きてしまったのです。

 

今回の事故で、いくらクマの生息数を低減させても事故防止対策をとらない限り人身事故は起きると主張してきた、熊森の主張が正しかったことがわかります。

 

それよりも、早朝や夕方などクマが出やすい時間帯にはクマ鈴等音の出るものを持って人間の存在をアピールしたり、クマを引き寄せるような誘引剤(米糠、生ごみ、カキの実等の不要果樹)を集落周辺から取り除くことの方が重要です。

 

クマを殺すことばかりが優先され、こうしたクマとの共存策の普及啓発が不十分なことが人身事故を繰り返させているのです。

 

新温泉町での事故は、まさに集落周辺に設置された強力にクマを誘引する米糠入り箱罠が招いたクマによる人身事故と言えます。熊森は、県が助成金を出してでも米糠に変わる誘引剤を使用すべきであるとお願いし続けてきましたが、いまだに何ら改善されていません。

クマに米糠を与えると、どんな反応を示すか(検証動画)

熊森が保護飼育中の元野生グマに好物種を与えて実験してみました。

まずクマは米糠から食べ始め、食べ終わると米糠を体に塗りつけます。

 

兵庫県のツキノワグマ管理計画には、被害防除のために集落周辺の潜み場を刈る事業をやると謳われていますが、その実践例や実証効果については議会や野生鳥獣審議会で議員や委員が質問しても全く返答がありません。

 

県が本当にクマの人身事故を防ごうとしているのなら、自然が何たるかを知らずにクマを殺すことによってクマの生息数を人間がコントロールできるなどと思いあがっている数字まみれの研究者たちに毎年クマ推定生息数の計算精度を上げるための予算を付けるのではなくて、そんなことよりも大事なことがあることに早く気付いてほしいものです。

 

 

最後になりましたが、クマでお困りのことがありましたら、ぜひ熊森にご相談ください。

ボランティア団体なので無料です。

TEL:0798 -22-4190 FAX:0798-22-4196

Mail:field@kumamori.org (熊森本部クマ保全担当 水見)

 

 

ツキノワグマ捕殺、過去最多4000頭に迫る!可能な限りそっと見守って事故回避を:熊森緊急要請

狩猟中止・捕殺抑制を求め、環境省と22府県へ緊急要請

愛知県設楽町で、イノシシ捕獲用の箱罠に誤ってかかったツキノワグマ(2010年6月8日撮影)

2019年11月14日、日本熊森協会本部は、環境省及びクマの捕殺が多い府県に対し、今期の狩猟中止と、人身事故の回避と共存のため、冬ごもり(=数か月間飲まず食わず)に向けて現在必死で食い込み中のクマを怖がらせず可能な限り家中からそっと見守るよう、緊急要請文を提出しました。

 

クマは本来昼行性ですが人間を恐れており、通常、人里周辺では人間活動が見られにくい夕方から夜や早朝にかけてこっそり採食活動をします。

 

当会の聞き取り調査により10月末現在判明した都府県分だけで、ツキノワグマ3897頭、北海道ではヒグマ453頭が捕殺されていることがわかりました。捕殺は現在も続いています。

全国のクマ捕殺数一覧(熊森調べ)

 

クマ大量捕殺の背景には以下のような実態があります。

①近年、クマを銃ではなく、米糠などの強力な誘因物を入れた大量の罠で獲るようになったため、無関係のクマまで誘引され過剰捕獲が生じている。

 

②シカ・イノシシ罠に錯誤捕獲されたクマを「鳥獣保護管理法」に反して殺処分している府県が増えてきた。

 

③春の時点で大量の捕殺許可を出し、被害のないクマを有害捕獲の名で次々と箱罠にかけ、殺処分している県がある。

 

④過激な報道によって、ツキノワグマが危険な動物であるという誤解が広まっている。

 

⑤自然現象ではなく、奥山人工林化や地球温暖化、ナラ枯れ、シカの食害等による生息地荒廃などにより奥山の食料が激減しており、今秋の山の実り凶作という事実も加わって大量出没が起こっている。(食い込み不足だと冬ごもり中に死亡するため、今もクマは必死で食料を探している)

ツキノワグマ生息地の奥山は、餌にならないスギ・ヒノキ・カラマツなどの針葉樹単一人工林で覆われてしまっている

 

今年度のクマ大量捕殺は明らかに行き過ぎで、乱獲となっています。種の保全上も、人道的な配慮からも、クマの食い込みを見守りクマが無事冬ごもりに入れるよう、環境省や都道府県がブレーキをかける必要があります。

要請事項】

1 スポーツやレジャーでのクマ狩猟を、本年度禁止すること

2 クマが出没しただけで駆除しようとするような安易な捕殺を抑制すること

3 豊凶の少ない裏山のドングリや空家に放置された柿の実等を食べに来たクマには近づかず、可能な限り食べ終わるまでそっと見守ること(食べ終われば山に帰ります)

※人がクマを取り囲んだり追いかけたりして騒ぐとクマはパニックを起こし、逃げたい一心から近くの人に駆け寄り前足ではたいて人がひるんだ隙に逃げようとします。人身事故につながり危険ですので、クマが出てきたら人々は屋内に退避するよう地元をご指導ください。

 

環境の悪化により、人里に出て来ざるを得ない野生動物を「凶暴」という誤ったレッテルを貼り、片っ端から捕殺していては、野生動物と人との共存は不可能です。

当会には、連日、「クマが大量に捕殺されるニュースを聞き、胸が痛い。なんとかならないのか」「食べ物を求めて里に出てきているのだから、クマ防除のためにもいだ柿等は山に運んでクマにやるべきだ」という声も全国から届いています

私たち人間も、クマをはじめとする野生動物たちがつくる豊かな森に生かされています。感謝の心を持ち、大凶作で窮地に陥っている野生動物に対し、寛容な姿勢で見守ることができるような社会をつくるため、このような実態をたくさんの方に広めていただきたいです。

 

環境省への要請文はこちらから

各府県への要請文は以下よりご覧いただけます

◆東北地方

青森県知事 三村申吾 様

秋田県知事 佐竹敬久 様

岩手県知事 達増拓也 様

山形県知事 吉村美栄子 様

宮城県知事 村井嘉浩 様

福島県知事 内堀雅雄 様

◆関東地方

栃木県知事 福田富一 様

群馬県知事 山本一太 様

◆中部地方

新潟県知事 花角英世 様

富山県知事 石井隆一 様

石川県知事 谷本正憲 様

福井県知事 杉本達治 様

山梨県知事 長崎幸太郎 様

長野県知事 阿部守一 様

岐阜県知事 古田肇 様

◆近畿地方

京都府知事 西脇隆俊 様

兵庫県知事 井戸敏三 様

◆中国地方

岡山県知事 伊原木隆太 様

鳥取県知事 平井神治 様

島根県知事 丸山達也 様

広島県知事 湯崎英彦 様

山口県知事 村岡嗣政 様

 

メディアの皆さまへ

 多くの国民は、クマがこんなにも日本で過剰に捕獲されていることやクマが人里に出てくる背景、祖先がしていたようにそっと見守ることで人身事故が回避されることなどを知りません。

ツキノワグマはアジアに広く分布する中型の森林性のクマで、絶滅しやすい動物です。これまですでに広範な地域で絶滅してしまっており、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストではさらに個体数がこの30年に30~50%も減ったということで、国際的に「絶滅危惧種」に指定されています。

日本における過剰捕殺の実態を、たくさんの皆様に広めていただくようお願いします。

記者向けプレスリリース

これまでの主張に従い兵庫県はクマ狩猟を中止せよ!本部が井戸敏三兵庫県知事に緊急申し入れ書

―速報―

本年4月からの兵庫県におけるクマの有害捕殺数は10月末現在、過去最多103頭であることがわかりました。

これまで兵庫県は狩猟再開に反対する熊森に、クマの生息推定数が環境省規定の800頭を越えたから狩猟を再開すると、ずっと説明してこられました。

(一体兵庫県にクマが本当に800頭いるのかどうか誰にもわからない上、地方によって山の状態も全く違います。兵庫の奥山は大荒廃しているのに、全国一律の800頭規程で狩猟を再開するとは、熊森は全く納得できないできましたが)

それにしても、今年の兵庫県のクマ推定生息数は830頭でしたから、現在の推定生息数は830頭-103頭 =727頭で800頭を割っています。

これまでの県の主張に従って、本年度のクマ狩猟は当然禁止にすべきです。

もし、今年も兵庫県が狩猟を実施されるなら、わたしたちはもはや、県の言葉の何を信じていいのかわかりません。

 

兵庫県庁秘書課(知事室)の担当者へ、要望書を渡す、森山熊森名誉会長(右)

井戸知事は不在のようでしたので、知事にお渡し頂くようお願いして、秘書の方に申し入れ書を手渡してきました。

申し入れ書は、こちらをクリックすると見られます。

 

 

 

ツキノワグマによる人身事故125件(死亡1名) 9月末までに3453頭を捕殺 熊森が緊急声明

2019年秋 熊森緊急声明

 

クマは人など襲いません

(マスコミのみなさんは、襲うという間違った表現をやめてください。この誤解によって、殺されなくてもいいクマが大量に殺されているのです。)

人身事故を防ぐためにも、クマに寛容であってください!

生きるのに必死のクマを見守ってやってください

 

不要な柿や豊作の里のドングリは、場所的に可能ならクマに与えてやってください

 

 

11月8日のNHKニュースによると、今年4月以降、全国でツキノワグマによる人身事故は125件です。山の実りゼロというあり得ない異常年だった2010年(147件)に次ぐ多さです。気仙沼市では死亡事故も1件起きました。

 

都府県別には、新潟が17人と最も多く、次いで岩手が16人、秋田と岐阜が13人、富山が9人、福島が8人、福井と長野が7人となっています。

 

都府県のうち75%に当たる24の府県が「クマの出没が増えている」と回答、半数を超える17の都府県では「市街地の中心部など、平年なら出没がみられない地区で出没しています。

 

捕殺されるツキノワグマの数もうなぎ上り。

 

遅い遅い環境省の速報値ですが、本日やっと9月末までのツキノワグマ全国捕殺数集計が発表されました。

その数何と、3453頭!

もうだめだ

一体、この国は、今年、何頭のツキノワグマを殺すつもりですか。

こんなことでは、共存などできません。

 

 

ツキノワグマによる人身事故の多くは、ひっかき傷です。

ツキノワグマは冬籠り中の数か月間、飲まず食わずで過ごします。

冬籠り前に、体の周りに分厚い脂肪層を貯えてから冬籠りに入らないと、冬籠り中に死にます。

そのため、山の実り大凶作年の今年、クマは生きるか死ぬかでもう必死なのです。

このような食糧難の年は出産しても子グマへの授乳など無理です。こういう年は、メスグマの体内の受精卵は子宮に着床することなく終わってしまいます。
(何というすばらしい仕組み!)

後、母グマは、自分や0才子1才子をいかにして生き永らえさせるかで必死です。

 

テレビニュースでは、クマが放置されたカキの木の実を食べに来たら、まるで駆除するのが当然のような報道ぶりです。

なぜ殺さない対応を報道しないのでしょうか。

 

私たちはこれまでの23年間に、全国の無数のクマ生息地の人達に会って対話をしてきました。

クマがカキの木に来たら、そっと見守っている集落が全国に結構たくさんありました。

どうしてこういう知恵を持った集落の人達のことを、報道しないのでしょうか。

山のものに実をあげるため、カキの木の上3分の1は実を採らずに残しておく地域もあります。

貧しかった時代の方が、人々は寛容だったのでしょうか。

昔の町民は少々の農作物被害なら、被害被害と騒がずに、これが自然だと気に留めていなかったよと、ある町の町長さん。

 

また、別の町の町長さんは、子どもや町民に、今年山に餌が全くないから、クマたちは生き残るために必死で来たくない人間のところまで来ているんだよ。そっと見守ってあげるんだよと教えておられます。こういう時こそ、やさしい子供たちを作るチャンスだと言われていました。この様な対応を取れば、人身事故などまず起きません。

 

クマが人間のところに出て来る目的はただ一つ。

冬籠りを前にして食い込むためです。

人間なんかに興味はありません。

かれらはかわいそうなくらい、人間に遠慮しながら人間が活動しない時間帯に出てきています。

 

熊森は、これまで、全国で起きた人身事故を各地で調べてきました。

人身事故が起きると、ツキノワグマが100%悪いように報道されますが、人間側がツキノワグマがどういう動物か知って気を付ければ起きなかった事故がほぼ全てです。

ツキノワグマが出てきても、追い掛け回さないでください。

追い掛け回すと、クマはこわくなって必死に逃げようとします。

逃げられない臨界距離12メートル以内に人間が入り込むと、ときには走り寄ってきて前足で人間をはたいて、その隙に逃げようとするクマが出ます。

人間から逃げたい一心でツキノワグマは人身事故を起こしてしまうのです。

だからほとんどのケガは、ひっかき傷で、軽傷です。

 

ツキノワグマは人間を避けようと努力していますので、クマが出てきている今の時期、早朝や夕方、そっと外に出るのはひかえてください。

必ず、大きな音のするものを持ったり、大声を出したりしてください。クマは人間を襲いたいと思っていませんから、自分から逃げます。

やっと見つけた餌を食べている時は、もう人間など目にも入らないかもしれません。その時は、食べ終わるまで見守ってやってください。

食べ終わったら消えます。

 

飢えに苦しんだことのある人なら、飢えが動物にとってどんなにつらいものかわかるはずです。

人間を舐めたり人間のものを食べたいと思ったりして出て来たのではありません。

 

熊森協会が保護飼育している元野生のツキノワグマ「とよ」は、今、朝から晩まで、クヌギやコナラのドングリを食べ続けています。

今、ツキノワグマたちが本当に食べたいのは、ドングリなのです。

しかし、奥山にブナやミズナラのドングリが今年ないから困ってしまって出て来たのです。

里のドングリは豊作です。

食べさせてやって下さい。

 

 

山の実りが悪いのは自然現象だから仕方がないと思う人もいるでしょうが、自然現象だけではありません。

人間が開発やスギ・ヒノキの植林を行ったこと、また、人間が現在、地球温暖化を引き起こしていることなど、私たち人間のせいであることも多いのです。

ミネラルいっぱいの水を湧き出して私たちの命を支えてくれている森の形成に、クマ達は大きく貢献しています。

人間も、野生動物たちに感謝の心が必要です。

 

自分の子がかわいいお母さん、クマのお母さんも、人間と同じように自分の子がかわいいことを思いやってください。

子を連れて出て来たクマを見守ってやってください。

猟師にクマを射殺してもらったあと、「これでほっとした」という近隣住民のコメントを、まるで定型のようにいつもテレビは流します。

そうなんですか?

殺さないで対応する道はたくさんあります。

27年前、クマを守ろうと立ち上がった中学生たちが、「殺さない対応策を考えてこそ大人だ」とよく言っていました。

 

この国土は人間だけのものではありません。

みんなで共存していかないと、結局人間も生き残れなくなります。

それが自然のしくみです。

 

どうか、里のドングリや柿やクルミ、米糠など、クマたちが命がけで食べに来ていたら、寛容の心で慈悲の心で、可能なものは与えてやってください。

冬籠り前の食い込みに必死のクマを哀れに思い、もうこれ以上、殺さないでやってほしいのです。

でなければ、クマは絶滅してしまいます。

ツキノワグマはアジアに広く分布する中型の森林性のクマです。

開発に伴う生息環境の悪化と、漢方薬となる胆のうなどを目当てとした密猟によって、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは個体数がこの30年に30~50%も減り「絶滅危惧種」に指定されています。

 

クマが来ないようにカキの実を収穫してしまうのはいいことですが、人間が食べるのではなく、熊森協会がしているように、山に持って行って、生きられなくなっているクマたちに与えてやって欲しいと思います。

そのような優しさが、人間社会にも必要だと思うのです。

お願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新潟県魚沼市で6人もの人身事故を起こして射殺されたオスグマの体は、米糠まみれだった

日本海側は、2000年代になって大発生したナラ枯れで、クマたちの冬籠り前の主な食料であったミズナラのドングリが大量に失われてしまっています。

それに輪をかけて、今年、ブナ・ミズナラが大凶作~凶作です。クマたちが冬籠り前の食料を求め、必死になって連日、各地で山から出て来ています。

冬ごもり中の何か月間飲まず食わずですから、今、食い込んでおかないと冬ごもり中に死亡するそうです。クマたちは命がけでもう必死です。

 

新潟県魚沼市では、人間に追われて逃げ惑うクマが、10月18日、19日にかけて連続6件の人身事故を起こし、射殺されました。

 

「魚沼で再びクマ、2人襲われケガクマは襲撃後に射殺」

(10月19日新潟日報モアより)

 

この事件について熊森本部にテレビ局から電話取材が入り、野生動物保全担当の水見竜哉研究員がコメントしました。

最近、クマに関することは熊森に聞こうという流れがメディア界にできてきたようです。

 

10月21日放送フジテレビ 直撃ライブ!グッティー 

 

テレビニュースを見て衝撃を受けたのは、警察車か何かが車でこのクマを追い掛け回しているすぐそばで、人々が歩いていることです。

 

クマが集落に出て来た時、まず行政がしなければならないのは、「只今、クマが出てきています。みなさん家の中に入って、戸を閉め、合図があるまで出ないでください」と、緊急広報することです。

そして、クマを刺激しないようにして、山に帰る道を作ってやることです。

 

このクマは、テレビ映像で見ると、車に追われて、走りに走り続けていました。もう、死ぬほど息が切れていたと思います。人間に見つかって逃げ惑うクマは、パニックに陥っています。目の前に、人が現れたら、はたき倒して逃げ続けます。もし自分がこのクマだったらと想像してみたら、クマの心理がわかるはずです。クマも人間も同じなのです。

 

食料を探しに集落近くまで出てきて、朝方山に帰りそびれたクマだと思います。

 

熊森本部は魚沼市の担当者にお話をお聞きしました。

 

<以下、魚沼市の担当者のお話>

10月19日に射殺されたクマの年齢は5歳から6歳でオスでした。射殺後見に行くと体中に米糠がついていました。

魚沼は国内屈指の米の産地で、この時期は収穫期なのでたくさん米糠が出ます。その米糠を畑に山積みにしている場所もあります。精米所にクマがやってきて糠の袋を破いたという被害もありました。このクマも、米糠に引き寄せられて出て来たと思います。

米糠や、生ごみは必ず頑丈な屋内で保管するように、市街地やその周辺に呼びかけています。

魚沼市は東西を山に挟まれた細長い盆地の中にあり、盆地を流れる魚野川には山から無数の川が流れ込んでいます。クマは山からつながる川の繁みを伝って市街地までやってきます。

 

熊森から

魚沼市の担当者さん、お忙しい中、いろいろと教えて下さってありがとうございました。

米糠がクマを誘引することをみなさんに知ってもらって、クマを呼び込まない対策を練ってもらいたいです。

クマによる人身事故が起きないように。

殺される不幸なクマを出さないために。

 

今秋、熊森本部は、全国から入ってくるクマ事件に対応するために、連日てんてこ舞いです。

ブログに上げているのは活動のほんの一部だけです。人手が全く足りません。

現在、職員を3名募集しています。我こそはと思ってくださる皆さん!どうか、応募してください!

お願いします。

そもそも「階層ベイズモデル」でクマの生息数の推定などできないと統計学の専門家が指摘

京都府のクマ生息数激増発表に大いなる疑問を感じた熊森は、京都府が調査委託したWMO(株)野生動物保護管理事務所作成の「京都府平成30年度野生鳥獣(ツキノワグマ)生息実態調査業務報告書」(平成31年3月)を、全文読んでみました。さすがWMO、しっかり書けていると思いました。

 

しかし、生息数推定のページになると、どこかに下請けでも出したのだろうかと感じるほど、この部分だけが、タッチが変わり意味不明です。

「階層ベイズモデル」は、ソフトが市販されているので誰でも使えますが、本来、経済学で使うモデルで、10年後の経済成長をどれくらいにするかなど、答えを先に決めて使うモデルです。

 

クマが何頭いるかわからないというような答えがわからないものには元来使えません。使えないのに使おうとすると、初めに何頭いることにしようかと答えを決めなければなりません。要するに、「階層ベイズモデル」によるクマの生息数推定は、答えをいかようにも好きに出せるということなのです。

要するに、いかさまに使える推定法なのですが、計算法が非常に複雑なので、一般行政マンをけむに巻くにはもってこいの推定法だとも言われています。

 

「階層ベイズモデル」によるクマの生息推定数が初めて日本に登場したのは2011年春兵庫県で、出してきたのは、当時兵庫県森林動物研究センターの研究員で兵庫県立大学の准教授でもあった坂田宏志氏です。

コンピューターを何十日も煙が出るほど長時間動かしてやっと解を得たということで、兵庫県のツキノワグマ最大値は2004年の180頭から1651頭に爆発増加している(7年間に9倍以上に増加)という驚異的なもので、熊森はずっこけそうになりました。

しかも、2010年は奥山の実りゼロというあり得ない凶作年となり、次々と山からクマが食料を求めて出て来て、有害捕殺や交通事故で80頭以上のクマが死亡しているのに、全体の生息数は増え続けていることになっていたのです。

 

ありえないと熊森が真っ先に発言したのですが、訂正されませんでした。しかし、専門家たちからあり得ないという声が上がると、坂田氏は一挙に生息推定数を751頭という半分以下に訂正されました。いかようにもできるという「階層ベイズモデル」の特性がよくわかる一面でした。

 

この度、統計学の専門家である日本福祉大学経済学部経済学科の山上俊彦教授(京都大学卒)に、京都府のクマ生息推定数のページを読んでもらい、「階層ベイズモデル」でクマの生息推定数を出すことについてのご意見をいただきました。特に、全国の行政担当者に読んでいただきたいです。

以下に掲載します。

 

1.「階層ベイズモデル」について

報告書における「階層ベイズモデル」による京都府のツキノワグマ生息数推定は、状態・空間モデルを援用したものであるが、その趣旨が生かされたものではない。

報告書では、生息数と自然増加率の関係は次式で示される。

 

今年の生息数=昨年の生息数×自然増加率-昨年の捕殺数

 

式が一本で、データは捕獲数しかないため、生息数と自然増加率は確定できない。

確定できない数値はベイズ法を用いても推定できない。

これを推定できると考えるのは自然科学者の知的傲慢である。

 

事前分布として設定した生息数、自然増加率、捕獲率については、捕獲数データは何ら情報を与えない。つまり、満足なベイズ更新がなされないままに、データの数値変動から事後分布が導かれていると考えられる。これは、事前に設定した生息数によって結果としての生息数が導出されたに過ぎず、このようにして出した生息数推定値を政策議論に用いることは不適切である。

 

また、京都府は2017年から予察捕獲を実行しており、この結果、捕獲数が異常な増加を記録している。つまり捕獲数データが京都府の方針変更に伴う行動変化を反映したものとなっており、統計解析には用いることができない。

この「科学的」ではないデータを用いると、特に近年の推定値は上方バイアスが大きくなって生息数の過大推定につながる。これは当初からクマを殺せば殺す程、生息数推定値が増えると懸念された「階層ベイズモデル」の致命的欠陥を示すものである。

 

なお、報告書ではベイズ法における核心的部分である尤度関数の記述が省略されているため、具体的なMCMCによる解探索過程は確認できない。このことは尤度関数の最大値を正しく求めているか否かが不明確なままであることを意味する。

また、プログラミングは公開されておらず、再現性に乏しい。この意味で推定は「科学的」根拠を欠いている。

 

2.生息密度について

京都府の森林面積は3423㎢、自然林面積は2107㎢なので、生息数推定値を京都府が主張する1400頭とした場合の生息密度は0.664/㎢となる。米国の著名な研究成果ではクマの生息密度は0.15/㎢程度なので、米国の生息密度を日本に適用したとすると、京都府の推定結果は過大推定であることが伺える。(山上俊彦)

 

熊森から

日本に於けるツキノワグマの生息密度を調べた論文を見つけました。

ツキノワグマの地域個体群区分と保全管理―生息環境と必要な面積―
Local Population and Conservation of Asian Black Bear; Habitat Preference and Minimum Area Size
米田政明*Masaaki YONEDAランドスケープ研究64 (4), 2001*(財)自然環境研究センター

316ページに、好適な生息地における生息密度は0.15~0.3頭/km2とあります。

2001年はまだナラ枯れも下層植生消滅もなかった時代です。その当時ですら、生息密度はこの程度なのですから、自然林の内部が大荒廃した今の京都府で生息密度が0.664/㎢とは、おかし過ぎます。

 

以下は、京都府に於けるツキノワグマによる農林業被害額と作物別の被害面積の推移です。(京都府資料より)

今回の京都府の発表では、平成15年から16年間で、府内のクマ数は4倍に激増したことになっていますが、農林業被害や作物別面積は大幅に減少しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上のグラフを見ただけでも、京都府のクマ数が4倍に激増したというのは、おかしいと思います。

このようなおかしげなデータが、世の中を通っていくなんて、研究者のみなさん、行政のみなさん、本当に自分の頭でしっかり考えてくれたのですかと思ってしまいました。

 

 

 

西中国山地も山が貧しくなっており、奥山からクマの姿が消えている 2019,11,7中国放送

自動撮影カメラや痕跡調査によって、東中国山地の奥山を23年間調査し続けてきた熊森本部は、人間活動による奥山劣化が激しくなっており、食料や隠れ場所を失ったクマがしかたなく里山に移動している。もはやクマは奥山に棲んでいないことを、かねてから指摘し続けてきました。

 

しかし、残念ながら、兵庫県庁も兵庫県のマスコミも、耳を傾けようとしてくれませんでした。なぜ、クマが人里に出て来るようになったのか、根本となる原因の特定を間違えば、対策は全て無意味になります。

 

兵庫県森林動物研究センターの権威ある研究者の指摘する原因説は、あまりにも人間中心であり、残念ながら、現地調査不足です。責任を全てクマに負わせた身勝手な学説と言わねばなりません。

 

「なぜクマが人里に出てくるようになったのか」
(横山真弓氏の原因5説)

1、クマ数増加

2、クマによる生息地拡大

3、クマによる味しめ

4、クマによる人なめ

5、里山放置

 

こんな中、中国テレビが、西中国山地の奥山劣化により、クマが本来の奥山から消えていることを報道しました。

 

現場第一主義で利権抜き、真実を語り続けている広島県在住の生態学者の声を、多くの国民にも聞いていただきたいです。

 

11/7(木) 20:19配信 中国放送より一部転載

「山が貧しくなっている」広島フィールドミュージアム 金井塚務代表)

 

広島県内で人里に現れ、捕獲されたツキノワグマの数をグラフで示します。2011年は年間16頭でしたが、その後、増加傾向が続いていて、ことしは先月末の時点ですでに61頭にのぼっています。

 

 

 

 

 

 

 

なぜ、クマは人里に姿を現すケースが増えているのか。その背景を知るために、長年、クマの生態を研究している「広島フィールドミュージアム」代表の金井塚務さんと西中国山地の細見谷渓畔林を訪ねました。

クマが好むドングリなどの木の実は、落葉広葉樹にできますが、昭和20年代から30年代の森林開発で針葉樹が増え、木の実は減っているといいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

「たくさんなって、たくさん食べられる状況の中で、どんぐりは重要なんですよ。本来で言えば、もっと重要なものがあったんですよ。それが魚なんです。渓流魚。」(広島フィールドミュージアム 金井塚務代表)

 

山林を流れる小川には、渓流魚のゴギが泳いでいました。金井塚さんによると、今はゴギの産卵期にあたり、クマは浅瀬に集まるゴギを狙って食べます。しかし、そのゴギも砂防ダム建設などの影響で減っているといいます。

「ものすごい少ない。砂防ダムを支流に作って、本流にダムを作って循環を止めてるから魚も行き来できない。山がそれだけ貧しくなってんだよね。」(広島フィールドミュージアム 金井塚務代表)

 

金井塚さんは、細見谷渓畔林に監視カメラを設置し、クマの生態を調査しています。今回、10台のカメラで撮影された2週間分の映像を回収しましたが、クマは全く映っていませんでした。これまでおよそ15年間の調査で、初めてのことだといいます。

「どんどん本来の生息場所であったところからいなくなっている。出て行っちゃっている。」

 

 

 

 

 

 

 

 

金井塚さんは木の実や渓流魚などのエサが不足していることを背景に、クマの生息範囲が広がり、人里に及びつつあるとみています。ツキノワグマは、人を襲うケースがある一方で、絶滅危惧種にも指定されています。金井塚さんはクマが人里を離れ、本来の生息地に戻れるように、山林の再生を進めることも大切だと話しています。

 

熊森から

中国テレビさん、戦後の林野庁の拡大造林政策や建設省(国交省)のダム開発によって、奥山にひっそりと棲んでいたクマたちが人里に追い出されたことを報道してくださってありがとうございます。

 

ただし、クマに人間を襲う習性はありません。あくまで人身事故であって、「襲う」という言葉を使わないようにしていただきたいと要望します。この間違ったマスコミ言葉の使用によって、クマを危険と誤解する人達が増え、殺処分が当然視される国になってしまっています。

兵庫県に同調か 京都府行政が無害グマを大量殺処分 9月末クマ捕殺数過去最多110頭

3年前から近畿地方では、兵庫県以外に京都府でも、前代未聞、クマを大量に捕殺しています。

 

そのバックには、調査委託した業者からの、京都府におけるクマの推定生息数が激増しているという報告があります。(熊森はかれらの推定数計算方法に、根本的な疑問を持っています。広域を隠れて動くクマの生息数など、人間にわかるものではありません。しかし、数字化されると科学的だと誤解して信じる人が増えるので困ったものです)

 

京都府としてはこの報告書を信じ、農作物などに被害を出したクマを捕殺するこれまでの有害捕殺に代わって、平成29年から「被害未然防止捕獲」という名の大量捕殺法を導入しています。

 

更にクマ数を減らそうと、京都府は絶滅寸前種として平成14年から禁止してきたクマ狩猟を再開する方向にまで進んでいます。

 

どうして京都府は兵庫県とまるで同じ道を歩んで行くのでしょうか。

 

先に捕獲強化体制を敷いた兵庫県の影響を受け、同調しているのでしょうか。兵庫県が音頭を取って、京都府、大阪府、鳥取県、岡山県の2府3県で、2018年からツキノワグマについて広域連携をということで、「近畿北部・東中国ツキノワグマ広域保護管理協議会」を立ち上げました(2018年10月30日設立総会、於:兵庫県県民会館亀の間、担当課:兵庫県農政環境部環境創造局鳥獣対策課)。

 

以下は、日本学術会議のHPに掲載されている兵庫県森林動物研究センターの横山真弓研究員の「兵庫県における野生動物管理の体制」という資料です。「近畿北部・東中国ツキノワグマ広域保護管理協議会による個体群管理への取り組み」が紹介されています。

兵庫県立大学・兵庫県森林動物研究センター横山真弓研究員「学術会議 兵庫県における野生動物管理体制」より引用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この図を見ると、横山研究員が、兵庫県の鳥獣対策を周りの府県に広げていこうとしている同調圧力を感じます。

 

この協議会で広域での個体数推定や被害対策等を定めた「広域保護管理指針」を取りまとめ、平成33年度に各府県が策定する次期ツキノワグマ保護(又は管理)計画に反映させる予定だそうです。

 

尚、この協議会は、私たちの税金で運営されているにもかかわらず、設立総会も今後の協議会も、マスコミの傍聴は認めるが、日本熊森協会の傍聴は認めないという回答が兵庫県庁担当部署からなされています。27年間クマ問題を研究し、クマとの共存のために実践活動を推進してきた当協会を排除するとは、どういうことでしょうか。

長年にわたるクマ研究団体として、熊森はこの協議会の科学部会委員就任を希望しましたが、兵庫県に拒否されました。野生動物保全に関わる重要な政策決定が密室で行われる形になってしまっているのは大問題です。熊森は学術論文を出していない博士号を持っていない。よって参加できないとこれまで兵庫県に言われてきました。しかし、日本に今もクマが残っているのは、研究者が活躍したからではなく、人々のクマへの共感であり、殺生を避ける文化です。

 

一方、西中国山地3県の科学部会は、ツキノワグマの本来の生息地は劣化し続けており、目撃数や捕獲数が増えたものの、これはドーナツ化現象であり、ツキノワグマ推定生息数の総数は微減でクマは危機的状況にあると発表しており、熊森協会と見解が一致しています。

真実はひとつのはずですが、府県行政がどの研究者の見解を採用するかによって、クマ対応は正反対となります。

 

今回の京都府新聞記事「増えるツキノワグマ1400頭」を見ると、京都府は生息数が増加しているという兵庫県森林動物研究センター研究者と同じ結論を採用したことになります。

 

しかし、京都府の山を長年見てきた熊森協会としては、ミズナラのドングリや昆虫などの重要な食料を失った京都府のツキノワグマが何故激増できるのか、万一激増しているのなら何を食べているのか、全くのミステリーで腑に落ちないことが多々あります。もし、人間が大量に山に放置している有害捕殺後のシカの死肉を食べて増えてるのであれば、責任を問われるのは人間の方です。

 

10月17日、室谷会長ら熊森本部3名、熊森京都府支部3名、長年熊森を指導してくださって京都府在住の研究者の総勢7名で、担当部署である京都府農村振興課(注:京都府では今年から、クマは農村振興課?!が担当することになった)を訪ねました。ありがたいことに、新聞記者が同席してくださいました。

 

どこの行政もそうですが、行政担当者はふつう3年ごとに部署が変わるため、「春からこの部署に来ました」などと、新任が担当することが多くあります。自然界のことはわからないことが多すぎるため、3年間の担当期間では行政担当者はとても研究者に物言えるような見識までは持てません。結果、良くわからないので、委託した研究者の結論を信じるしかないというのが、現状のようです。

 

春の時点で、銃によるクマ捕殺許可証を多発し、罠に誤捕獲されたクマを大量殺処分していた京都府

京都府はクマの被害未然防止捕殺という名の乱獲をやめるよう担当者たちに訴える室谷会長と水見研究員於:京都府庁

 

 

 

 

年々捕殺数を増加させている京都府(注:2019年は9月末現在の捕殺数)(クリックで大きくなります)

 

担当者との話で、以下のような京都府のクマ捕殺体制の問題点が明らかになりました。

1、人間活動により荒廃した奥山生息地が、放置されたままである。スギやヒノキの放置人工林の自然林化に取り組むべきである。(共存に一番大切な生息地保障がなされていない)

2、まだクマが出ていない4月の段階で、すでに捕獲者(猟師)に、銃によるクマ駆除許可を大量に出している。集落や田畑から200m以内に設置された、シカ・イノシシを捕獲するための無数の米糠誘引剤入りの箱罠・くくり罠の常設罠にクマをおびき寄せている。かかったからとして、何の被害も出していない誤捕獲グマをすべて殺処分している。(倫理観の欠如)

3、京都府はクマ保護計画という名の計画を作成している。しかし、中身は保護の観点が抜け落ちた完全な管理計画であり、「被害未然防止捕獲」という名目で、実態としては個体数調整捕殺をどんどん行っている。(中身と実態が真逆の行政言葉はおかしい)

4、これだけ多くのクマを駆除しているにもかかわらず、奥山の本来のクマ生息地で、ナラ枯れをはじめ、シカの食害や地球温暖化による下層植生の衰退が進み、奥山にクマが生息できる環境がもはやないことを把握していない。(業者や猟師に丸投げ対応になっていないか)

5、人間に被害を与えられるはずもない赤ちゃんグマまで、母子ともに殺処分している。(3つグマ獲るなは、猟師でさえ守ってきた掟です)

 

京都府 2019年9月末までの捕殺グマの体重別頭数(熊森がグラフ化)

 

今年は、夏の段階で山にクマの食べるものが無く、子グマや痩せたクマ、体格の小さいクマがたくさん駆除されている。

(クリックで大きくなります)

 

特に、1に関しては箱罠だけではなく、無数に設置されたくくり罠に間違ってかかってしまったクマまで、全頭殺処分されており、兵庫県同様の最悪の無差別捕殺といえます。

 

これらの捕殺実態は、これまた兵庫県同様、京都府民に全く知らされておらず、同席した熊森京都府支部会員たちも、大きなショックを受けていました。

このような人としての倫理観が欠如した残虐極まりない乱獲をやめさせるためには、多くの人達がこの事実を知り、声を挙げるしかありません。

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