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カテゴリー「くまもりNEWS」の記事一覧

大人になったりりしい「とよ」 8月17日、冬籠り前の食い込み期に入っていることが判明

「とよ」オス7才は、青年期を脱して、今や凛々しい大人に成長しています。

 

1日に何十回もプールに入る「とよ」

 

その割に、大好きなプールにカエルが卵を産んだときは、気味悪がってプールに入れなくなるなど、クマ独特の怖がりの一面はしっかりと保っています。

 

この間の「とよ」のことは、日本奥山学会誌Vol5(定価500円)に、日本熊森協会調査研究部員が、「野生ツキノワグマの飼育からわかった行動と食性」(2015年~2017年)という題で研究発表したことをまとめています。

 

日本でこの本だけという、クマを飼った者にしか研究できないおもしろいクマの生態新発見でいっぱいです。日本奥山学会誌Vol5をまだお買い求めておられない方は、ぜひご注文ください。クマに関心のある者にはたまらない内容です。(p12~p31)おすすめです。

日本奥山学会誌Vol5

 

今年の「とよ」の話題としては、何と言ってもお世話隊に心をどんどん開いてきたことです。

以前のようにお世話隊を威嚇したり、お世話隊を見て常同行動をすることもなくなりました。

大変慎重で臆病なクマですが、学習能力は高いのです。

のんびりとくつろいで、金網をよじ登ってひさしの上で休んだり、お世話隊の真横で安心して食事をしたり、プールに入りながら、すぐ横にいるお世話隊の人達を眺めたりするようになってきました。(この変わりよう!)

ひとりでくつろぐ時にしていた行動を、お世話隊の目の前でもするようになった

 

お世話隊の横でも安心して食事をするようになった

 

プールにつかりながら、お世話隊をのんびり見ている「とよ」

 

本当はクマも、人間となかよくしたいのだと思います。金太郎物語のように。

人間が殺しに来るから、クマは、人間から逃れようと、人間をはたいたり噛んだりするようになったのだと思います。

人間に殺されそうになっても、無抵抗でしかおれない弱い動物もいます。

クマは人が素手で闘えば、人間より強い動物です。

人間が調子に乗って森を破壊し尽くしてしまわない為には、森にはクマが必要です。

クマに人間は必要ありませんが、人間にはクマが必要なのです。

 

しかし、8月17日にお世話に訪れると、「とよ」の様子がすっかり変わっていました。

この日、最高気温は32度、最低気温は23度でした。

冬籠り前の食い込み期が始まったようです。

これまであんなに大好きだったキウイやブドウなどの液果フルーツではなく、堅果フルーツのクルミを欲しがります。

そしてなんかとても落ち着かない様子です。イライラしてるようにも見えます。常同行動も始めました。

当分は傍に寄らないようにしようと思います。

何が欲しいのかわかりません。人間が飼育することには限界がありますが、しかたがありません。

 

春、冬ごもり明けにはけっこう太っていた「とよ」ですが、今はかなりやせています。

8月17日の「とよ」

 

自然界ではこの時期、クマは青いドングリやまだイガの青いクリを食べるのでしょうか。

そのようなものは入手できないので、私たちはひたすらドングリの実が落ち始める10月を待ち続けます。

クヌギやアベマキのドングリが落ち始めたら、会員のみなさん、集めて本部に送って下さいね。

お世話隊のみなさん(ボランティア)

 

お世話隊のみなさん、いつもありがとうございます。

「とよ」の飼育に必要な経費は、「くま保護基金」から出させてもらっています。

「くま保護基金」にご寄付くださったみなさん、本当にありがとうございます。

「くま保護基金」は1年後には、会費とは別に会計報告をさせていただきます。

 

 

太郎と花子の獣舎、ペンキ塗りでよみがえる 2頭とも大変元気

和歌山県生石高原のツキノワグマ太郎(28才)と花子(27才)、どちらも大変元気です。

山田さん一家、くまもり和歌山県支部、くまもり本部、くまもり南大阪地区、くまもり京都府支部、みんなで大切にお世話しています。

 

ちなみに、ウィキペディアのツキノワグマの項のクマの写真は花子ちゃんの写真です。

 

6月26日、お世話隊とのふれあいを心待ちにしてくれている花子

 

7月23日 大好きな丸太を抱く太郎(伸び過ぎた爪が見える)

 

お世話係として心配しているのは、2頭共に伸び過ぎた爪です。

動物園のクマたちは、床がコンクリートのため、爪がすり減ってしまうという問題が生じます。

太郎と花子は反対で、高齢と共に爪が伸び過ぎて円形になってきました。

ネコさんのように、爪切りで切ってあげることもできず、はたまた、巻いてきた爪が手足の肉にくい込むことを防ぐ手だてもなく…今後が悩ましいです。

夏はどちらもプールですね。2頭向き合ってプール入り

 

イノシシも元気です。

お世話隊の皆さん、いつもありがとうございます。

お世話隊ボランティア

27年間使用し、サビが目立つ獣舎

7月23日、獣舎のペンキ塗りが控えていましたが、この暑さです。お世話隊のみなさんで、天井に日よけをかけてきてくださいました。

 

 

8月13日に行くと、獣舎のペンキ塗り変えが終わっていました。獣舎は、新品のようにピカピカです。和歌山県庁さん、ありがとうございました。

まだまだ暑いので、黒布の日よけを掛けてきました。これで獣舎内も快適です。

次回は日よけをもっと追加してやる予定です。

 

毎年、太郎と花子のファンクラブにご寄付くださっているみなさん、本当にありがとうございます。

おかげで、私たちも余裕で大切に世話し続けられます。2頭にはおいしい物をどっさりあげています。

幸せな動物たちを見ていると、見ているこちらの人間まで幸せな気分になってきます。

 

9月3日(日) 今年最後の皮むき間伐フェスタ開催!

皮むき間伐は、樹木が水分をたくさん吸い上げる4月中旬~9月中旬までが一番やりやすくて、気持ちよく皮が剥けます。ということで9月3日(日)に今年最後の皮むき間伐イベントを実施します。

スギやヒノキの皮を剥いて、人工林を間伐する皮むき間伐。夏休みが終わった後のビッグイベントに是非ご参加下さい!

9月3日(日) 9:30現地集合

実施時間:10:00~16:00

集合場所:酒井公民館(兵庫県三田市酒井212-2)

内容:皮むき間伐、森の紙芝居、ネイチャーゲーム、ロケットストーブで炊き出し体験

参加費:ひとり600円(昼食のカレー代・保険代)

持ち物:帽子、飲み物、動きやすい服装、雨具、マイ食器(コップ・お皿・スプーン・はし)

当日連絡先090-1508-8979

Facebookイベントページはこちら

8月6日  守るべきは、あと十数頭の四国のクマでしょ! 愛媛県支部立ち上げ準備会(於:松山市)

 守るべきはパンダじゃなくて四国のクマでしょ!

愛媛県会員たちの中から、四国のクマを絶滅から救うためにくまもり愛媛県支部を結成しようという、うれしい動きが出てきました。

すでに、支部立ち上げ準備が始まっています。

8月6日の松山市での集まりに、本部から森山会長と本部スタッフも参加させていただきました。

本部は、神戸三宮から神姫バスハーバーライナーに乗って、4時間かけて松山に向かいます。

今や、島々は全部橋でつながっています。すごい技術です。

 

四国山地の人工林率は高率なので、山の動物たちは山で暮らせなくなって悲鳴を上げているはずです。

<四国人工林率>

香川県34%、徳島県63%、高知県66%、愛媛県64%

戦後、見渡す限りスギ・ヒノキが植えられました。

結果、その材は使われているのだろうかと、バスの窓から山々を眺めていました。

しかし、あちこちで人工林が皆伐されていた宮崎県と違って、松山に着くまでの間、1か所の伐採地も見つけられませんでした。

ハーバーライナー沿いでない所で、伐採されているのでしょうか。

四国の山の13%は、国有林です。そのうちの7割が、スギ・ヒノキの人工林にされてしまっています。

国有林を自然林にもどしていただくだけで、クマの絶滅は止められるのではないでしょうか。

注:国有林は、我が国の奥地脊梁山地や水源の森に広く分布しています。戦後、林野庁は、拡大造林政策を展開し、特別会計として林業を企業的に運営してきましたが、海外から安い材が入ってくるようになって経営が行き詰りました。平成24年に成立した法律によって、平成25年から国有林野事業は一般会計に移行されました。(もう、林野庁は、林業で儲けなくても国民の税金で食べていけることに!)

 

 

松山に到着して、初めてお会いする会員さんやその友人とすぐに打ち解けました。

お集まりくださった元気なみなさん (松山市)

 

「守るべきはパンダじゃなくて四国のクマでしょ!」と言われて、おもしろいと思いました。

四国のクマが絶滅寸前といわれて久しく、これまでいろいろな研究者や団体が調査研究に入られています。

ネット検索で「四国のクマ」と入れると、各団体や研究者の膨大なデータが出てきます。敬意を表します。

熊森もずっと気になっていましたが、なかなか手が回りませんでした。

しかし、四国のクマがいよいよ危ないと聞いて、絶滅は何としても止めたい。いてもたってもおれなくなってきました。

 

熊森に何ができるでしょうか。

愛媛のみなさんが言われるには、「四国の者は、四国にクマがいることを知らない」のだそうです。

四国のみなさんに四国のクマのことを知らせ、みんなで守ろうという流れを市民レベルで作って大きくしていく。

これなら、熊森の得意分野ですからできそうです。すでに熊森紙芝居も2回上演されたそうです。

 

四国のクマが増えられない最大の原因は、生息地となる落葉広葉樹林があまりにもわずかしか残っていないことです。

国有林を民間が買うことはできませんが、民有林なら熊森も借りたり買い取ったりできます。

スギやヒノキで埋まっている人工林を買い取って自然林に戻していく。これは、熊森が各地で取り組んでいることです。

人工林の自然林化によって、野生動物たちは守られ、人間は水源の森と災害に強い森を手に入れることができます。

 

熊森に出来ることを何とかしていきたいです。

わたしたちの、四国のクマの絶滅を止めたい気持ちは、誰にも負けません。

 

愛媛県支部結成は、11月5日(日)午後1時から3時 松山市男女参画推進センターで予定されています。

愛媛県の皆さんはもちろん、高知、徳島、香川の皆さんも、ぜひご家族やご友人を誘ってお集まりください。

 

赤丸内が今もクマが残っている所(WWFJより)

(拡散希望)九州北部豪雨災害の主な原因は植え過ぎた人工林、<熊森が福岡県庁で記者会見・知事に提言書> 

7月24日午後、日本熊森協会 本部 森山まり子会長ら本部スタッフ3名と、熊森福岡県支部 南里正博支部長ら福岡県支部員10名は、福岡県庁を訪れ、今回の九州北部豪雨で発生した大量の土砂や流木の主な流出原因は、造りすぎた人工林にあるとして、林業形態の抜本的な見直しや、人工林の自然林化、スギ・ヒノキの再造林の中止などを求める福岡県知事宛ての提言書を、林業振興課に提出しました。

提言書を提出

 

また、福岡県庁記者クラブで記者会見を行い、台風や豪雨のたびに繰り返される痛ましい甚大被害を防ぐために、これまでメディアがタブー視して書こうとしなかった<人工林が崩れやすい訳>を、勇気をもって書いてほしいと訴えました。

記者会見

 

戦後の林野庁による拡大造林政策の失敗は、誰よりも林野庁の職員たちが認識しておられるはずですが、組織の内部からは声を上げられません。

地方行政も、拡大造林政策を推進してきた手前上、今さら失敗だったとは言えません。

今回熊森は、民間が声を上げる以外にこの国を救う方法はないと一大決心して、福岡県庁に出向きました。

写真や地図、図表、データなどをそろえて発表しました。ぜひメディアに取り上げていただきたいです。

 

提言書はこちら

7月23日、熊森本部・福岡県支部が九州北部豪雨の被災地を合同で調査(速報)

本部職員2名、福岡県支部3名で一番被害の大きかった朝倉市の災害現場に調査に入りました。

熊本県在住の熊森顧問である平野虎丸先生も、エコシステムの皆さんと4人で駆けつけてくださいました。

この日、熊森が調査したかったことの一つは、人工林と自然林の山の崩れ方の違いや、流木となった時の人工林のスギと広葉樹の流れ方の違いです。ところが探しても探しても、人工林率87%の朝倉市は人工林ばかりです。やっと見つけた自然林も、木がまだ細くて、自然の森という感じではありません。竹林も根が浅くて30センチぐらいしかないので、人工林と同様、各地で崩れていました。

 

比べるものがないので、寺内ダムに行ってみました。

ものすごい数の流木です。ほとんどがスギです。幹が白いのは、立木だったスギで、幹が茶色いのは、間伐して林内に置かれていたスギです。これらの流木は利用法がなく、燃やして処理するしかないそうです。

 

やっと広葉樹の流木を見つけました。(下写真手前の木)

枝はもぎ取られてついていませんでしたが、わずかに残っていた樹皮で広葉樹だとわかりました。根もちぎれてしまっていましたが、後方に見える立木スギの根と比べると、この広葉樹の根のすごかったことが想像できました。

 

スギは乾燥して材にしてしまうと、比重は0.38と軽くなりますが、生木だと広葉樹よりも重くて、50年スギの重さは1トンにもなります。これが猛スピードで流されてきて家に直角に突っ込んだら、家が跡形もなく一瞬にしてつぶれてしまうわけです。

 

調査中に、現地の親子連れ4人とお話することができました。私たちが、人工林の挿し木スギは根が浅く、崩れやすいので今回のような甚大な被害を引き起こすことを説明しました。住民の生命と財産を守るために、明日、林野庁長官と福岡県知事、大分県知事に人工林を自然林に戻すように提言書を出すことをお伝えしました。この女性の家は床上浸水で、近所の友達の家は全壊したそうです。自宅の目の前を流れる川には、数mの土砂がたまっています。自分もこの災害は人災だと思うので、ぜひ申し入れをしてほしいと話されていました。

 

本日、現地調査をしてみて、朝倉市で新たな豪雨が降れば、今回災害が発生していない場所でも災害が起きると感じました。人工林を一刻も早く自然林に戻していかなければなりません。今回調査したことは、後日まとめていきたいです。

 

ちなみに、7月9日に報道された九州豪雨災害を特集したNHKスペシャルには、報道時間1時間中に、人工林という言葉が1回も出てきませんでした。ああ・・・

 

くまもり本部が、クマ生息地の梨園の繁み伐採をお手伝い

兵庫県では今年、春先から人里付近でのクマの目撃数が多く、6月末までのクマの目撃数は過去最多となっています。残念ながら、これまでに2件のクマによる人身事故が起きてしまいました。

 

6月下旬、兵庫県温泉町の山辺にある梨の果樹園で糠袋の糠を食べた後、梨の木の上で昼寝をしていたと思われるクマとばったり遭遇して怪我をされた果樹園主を熊森本部職員が見舞いました。その際、道沿いには背丈の高いササが生い茂り、見通しが悪くて、これではここがクマの潜み場になると感じました。

 

果樹園主は高齢で、もう草刈りまでは手が回らないと言われていたのがずっと気になっていました。7月になって、草刈り機をもってこの方の果樹園を再度訪れました。

 

私が果樹園に到着すると、果樹園の中からライオンの鳴き声やパトカーのサイレン音等、5種類くらいの様々な音が突然大音量で流れ出したため、何が起きたのかわからず、びっくりしていったん逃げました。大きな動物がいるのかと思ってしまいました。落ち着いてから再び現場に戻ると、音の正体はセンサー式の警報器であることがわかりました。果樹園主が、クマが来ないようにあの後、対策を講じられたのです。

 

ご家族にご挨拶してから、さっそく草刈りを始めました。

果樹園まで行く道の草刈り前の様子。道の左側がササに覆われている。

同じ場所の草刈り後の様子。

 

果樹園の周囲には、このようなササ地が3か所あり、全て刈りはらって見通しをよくしました。これで、当分クマが近寄りにくくなったはずです。

果樹園の外側に隣接したササ地、草刈り前

草刈り後

 

草刈りを終えて一休みしていると、果樹園のご主人がお茶や冷たいコーヒーを持ってきてくださいました。怪我も大分治って、お元気そうな姿にホッとしました。

 

「ありがとう。前から草刈りをしなければとは思っていたけれど、一人でこの梨園をやっているので、年齢的にもなかなかしんどくて。本当に助かった。」と喜んでくださいました。暑い日できつかったのですが、喜んでもらえて私も疲れが吹っ飛びました。

 

この果樹園主は、17歳の時から何十年もこの地で果樹栽培をされてこられたそうです。

「ここには動物たちがよく来るんですか」とたずねると、後ろの山を指さして「山の中は、スギやヒノキでいっぱいだから、動物の餌になるものがない。だから、里に動物が降りてきてしまうんだ。」と話されました。

 

 

果樹園の裏山はスギヒノキの人工林。動物の餌がないと話す果樹園主

 

クマが出てきたから捕殺するという対応では、かけがえのない命が失われただけで、何も解決していません。
クマがなぜ出てきたのか、その原因をしっかり分析して対応してこそ大人です。

 

熊森本部では、毎年兵庫県のクマ生息地に出向き、クマを人里に引き寄せないために不要果樹や生ごみなどの撤去を手伝ったり、クマの潜み場をなくす草刈りをしたり、声を出してクマの追い払いをしたりして、人間とクマの軋轢の軽減をめざしてきました。過疎化高齢化した地元のみなさんの手助けが少しでもできればという気持ちです。

 

もちろん、クマ等の野生動物と人間の軋轢を防ぐためには、クマと人間が棲み分けることが最重要です。そのためには少しずつでも、スギやヒノキの人工林を自然林にもどし、クマなどの野生動物が里に出て来なくても安心して棲める食料いっぱいの森を復元・再生していく必要があると思います。

 

これまで会費で支えてきてくださった熊森会員のみなさんの多くが70代80代になり、高齢化して次々と退会せざるを終えなくなってきています。

私のように、体を張ってでも自然を守りたい、野生動物と共存したいと強く願っている若者たちもいますので、まだ会員になっておられない現役のみなさんは、私たちの活動を見ているだけではなく、会員になって会費を出し、熊森活動を支えていただければと心から願っています。どうぞよろしくお願いします。

 

このブログではまだ活動の一端しか伝えらていませんが、できるだけ熊森活動をみなさんに伝えていけるようがんばります。

環境省がオオタカの国内希少種指定の解除を予定、開発工事がより容易に パブコメ8月3日〆切 多くの反対意見を環境省に届けてください

オオタカは体長50~60cm程度の猛きん類の一種で、国内では北海道から本州まで広い範囲に生息する鳥です。

オオタカは、一時400羽にも激減し、絶滅が危ぶまれました。そのため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)で国内希少種に指定され、販売・頒布目的の陳列・広告、譲渡し、捕獲・採取、殺傷・損傷、輸出入等が原則として禁止されてきました。

 

 

また、これまで、開発予定地にオオタカの営巣が発見されたことで開発に歯止めがかかった例が過去いくつもあり、自然保護のシンボル的な役割を果たしてきました。

 

この度、環境省は!オオタカの生息数が改善傾向にあるとして、その指定の解除を予定しています。

 

生息数が本当に増えたのか、人が見かけることが多くなっただけなのか、自然界の事はわからないことでいっぱいです。国内の自然環境が悪化の一途をたどる中、もし指定が解除されれば、再び絶滅が危ぶまれる事態に陥ることが予想されます。また、オオタカがいることでかろうじて開発が止まってきた場所で、一斉に開発計画が復活することも予測されます。名古屋~大阪間のリニア計画も、推進しやすくなります。

 

オオタカの国内希少種指定の解除をしないように、環境省に多くの国民の反対の声を送ってください。

 

 

<環境省パブリックコメントは以下の2つあります>

鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令案

及び鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針の一部改正案に対する意見の募集(パブリックコメント)について

 

  http://www.env.go.jp/press/104268.html

「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」

に対する意見募集(パブリックコメント)について(国内希少野生動植物種の指定及び解除)

 

  http://www.env.go.jp/press/104252.html

くまもり本部:第3回自然保護カフェ実施!

くまもり本部では今年から、自然に興味のある方同士が

情報を共有したり、保護活動に繋げていく、

「自然保護カフェ」を3回開催しました。

 

3回目となる7月15日(土)のカフェには、ご近所の方や

他団体で活動されている方、新入会員さんなど、

様々な方がご参加くださいました。

この日は、自然エネルギーについての話で盛り上がり、

独自で勉強したことや疑問、体験談などを皆で語り合いました。

第3回自然保護カフェの様子

会場:本部事務所近くのカフェ・ブルー ブルージュ

 

くまもりにいると、様々な立場や境遇の方と出会います。

そうした中で感じるのは、

どんなところで育っても、どんな仕事をしていても、

全て私たち人間は、自然と繋がっているんだということ。

 

本部周辺は、マンションや一戸建て住宅、お店などで埋まっています。

もちろん、そこに住む人たちは、自然からの恵みなしでは生きていけません。

しかし、日常生活に追われていると、意外とそのことに気づくのは難しいです。

 

カフェが、自然を守ることの大切さを地域に発信する場となれば嬉しいです。

 

くまもり自然保護カフェ、今後も計画していきますので、

自然についてもっと知りたい方、自然保護活動を始めたい方、

是非ご参加ください。

おいしいコーヒーと、自然を愛する仲間が待っています!(SY)

報道言葉は「豪雨災害」ではなく、「谷筋、急斜面の人工林崩壊による土砂災害、流木災害」に

福岡県、大分県を襲った今回の災害で、7月17日現在、死者34人、不明7人となっています。イヌやネコ、野生動物まで入れれば、さらに多くの命が失われました。痛ましい限りです。

ところで、「北九州豪雨災害」という報道言葉が氾濫していますが、大変違和感を覚えます。これではまるで、災害の原因が、豪雨だけにあったように錯覚されてしまいます。

 

豪雨は自然現象です。このような悲しい災害は、今後も防ぎようがないものなのでしょうか。

7月16日日経新聞記事に、専門家の言葉として、「山間部から広がる河川の下流域では、どこでも起こる災害だ」というのがありました。

私たちは山を25年間見てきた者として、この専門家先生の言葉に異を唱えたいと思います。

豪雨だけでは、これだけの災害は起きていなかったはずです。

 

谷筋、急斜面の人工林崩壊による土砂災害、流木災害が、ここまで被害を大きくしたのです。

では、山国日本では、仕方のない災害だったのでしょうか。

いいえ、谷筋、急斜面がスギの人工林、しかも、※挿し木スギの人工林だったという人災面が占める割合は限りなく大きなものです。(※挿し木スギの成長ははやいが、木を支えるための直根が欠けている上、根が地中深くに入らないという特徴がある)

今後、谷筋、急斜面の人工林を早急に、実生の自然林に転換していく必要があります。

豪雨気候、山国地形、これはどうしようもありませんが、谷筋、急斜面を自然林に戻すことで、今回のような災害は今よりかなり減るはずです。

 

<2009年8月、兵庫県西北部甚大災害の場合>

2009年に、兵庫県佐用町周辺でも同様の災害が起き、死者20名、不明2名、家屋の全半壊並びに一部損壊1100戸以上、床上・床下浸水2000棟という甚大な被害が生じました。

私たちが現地調査に行った時、崩れている山の斜面はほとんどが人工林であることが見ただけですぐにわかりました。

すごい数の流木は、ほとんどどれもが、幹がまっすぐで根がついていましたから、人工林のスギが植わったまま山腹が崩壊し、流されてきたものだとわかりました。無数の流木が橋げたに絡まって川をせき止め、洪水を起こしていました。

産経新聞より 兵庫県朝来町

 

しかし、当時も兵庫県のマスコミはどこも、「豪雨災害」としか報道しませんでした。谷筋や急斜面にスギをびっしりと植えたのは、戦後の林野庁の国策であり、国中の行政が推進した結果です。この国策の失敗に、触れてはならぬというタブーがあるのでしょうか。

 

当時、熊森は、兵庫県の大きな新聞社の責任者に電話をして、「報道に人工林の「じ」の字も出てこないのはどういうことですか。もう2度とこのような災害が起きないように、真の原因を県民に知らせるべきです」と訴えました。責任者は、「甚大災害の原因は、人工林です。しかし、書けません」と言われました。がっかりです。

 

私たちは、行政にも訴えました。「谷筋、急斜面に植えたスギの人工林が甚大災害の原因です」。

行政は、私たち自然保護団体が訴えると、いつもきまって、「データは?書かれた論文を見せてください?」と、言われます。

「私たちは研究者ではないので、そのようなものはありません」と答えると、「お帰り下さい」となります。

これっておかしくないですか。

現地を見れば、小学生でも、崩れているのはほとんどが人工林だ。谷筋、急斜面にスギを植えてはならないと気づくはずです。なぜこんな単純な、見てすぐわかる真実に、データや論文が必要なのでしょうか。

各地で同様の災害が多発し続けています。当協会顧問の熊本県の代々の林業家である平野虎丸先生も、声を大にして、「戦後植えられた人工林のスギがそれなりに太くなってきており、あの小さな根ではますます自分の体重を支えきれなくなってきている」と、声を大にして災害原因を訴え続けられています。しかし、いまだに、甚大災害の原因が世に伝えられていません。わたしたちは残念でなりません。

 

以下は、2009年に兵庫県で起きた局地的豪雨による被害状況を兵庫県がまとめたものから転載しました。

 

<有林地における山腹崩壊面積>

庵川  ・・・ 人工林0.14% 天然林0.02 %

神子畑川・・・ 人工林0.04% 天然林0.009%

田路川 ・・・ 人工林0.02% 天然林0.000%

 

<流木の内訳>  立木81%、 間伐材10%、 風倒木9%

 

山腹崩壊には土質や斜面の勾配など、様々な要素が関係しており、自然界の出来事はこの上もなく複雑です。

自然林なら山腹崩壊が起きないという訳ではありませんが、兵庫県のデータからも、人工林という要因は、この上もなく高い原因です。

 

熊森は近々、九州北部災害地に調査に入る予定です。

九州のマスコミのみなさん、人工林が大きな災害原因を占めることを、どうか勇気を出して報道していただきたいです。

 

谷筋、急斜面、尾根筋、山の上3分の1、奥山の人工林は、野生動物のためにも、地元の災害を減らすためにも、都市の水源確保のためにも、自然林に戻すべきです。

当時、林野庁が良かれて思って計画し、多くの国民が協力して造った人工林です。熊森は誰も責める気はありません。

しかし、弊害が明らかになった今、国民の命と財産を守るためにも、国を挙げて早急に人工林の自然林化に取り組んでいきませんか。

 

行政のみなさん、国民のみなさん、林業も大切ですが、命あってのものです。

経済のために、全ての山を人間が利用しようと考えたことが、欲張り過ぎた、人間のおごり、失敗の元だったのです。

日経7月3日の私見卓見欄に、林野庁の方が、「山にお金が戻る仕組みを確立し伐採から再造林への循環を作ろう」と訴えておられましたが、これでは、今後ますます激甚災害が多発する一方となります。何とか考え直していただきたいものです。

 

(参考)

①農林水産省九州森林管理局の調査結果発表 (表層崩壊同時多発)

今回の豪雨で、朝倉、東峰、日田で、少なくとも300か所の土砂崩れが発生。ほとんどは、深い岩盤までは崩れず、表土層と樹木が滑り落ちる「表層崩壊」とみられる。

②熊本大学北園芳人名誉教授(地盤工学)

日田市小野地区の土砂崩れに関しては、深層崩壊に近い。

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