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カテゴリー「くまもりNEWS」の記事一覧

熊森から見た「森林経営管理法案」3月6日閣議決定、4月19日衆院通過、現在参議院で審議中

林野庁が出してきた重大な法案が、今国会で審議されています。

残念ながら、現在の状況ではこの法案に関心を持っている国民は、林業者以外にはほとんどいないと思います。

森林経営管理というのは、林業のことだと思ってしまうからです。

 

実は、この法案は、この国の水源の森、生物の多様性、国土のグランドデザインを大きく変える、重大な法案です。

しかし、99%の国民は、そんな法案が国会で審議されていることすら知らないのではないでしょうか。

マスコミが大きく取り上げないからです。

一般国民は、マスコミが騒いでくれないと気づきませんから、マスコミのみなさんは使命感を持って、国民に今どの問題を大きく伝えるべきか、判断していただきたいです。

 

林野庁の「森林経営管理法案」の趣旨は、まとめると以下のようになります。

林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るために、

①山主に、経営管理の責務を持ってもらう。

②経営管理ができない山主の山は、市町村が経営管理を行うか、意欲のある林業経営者に委託する。

 

 

「森林経営管理法案」は、2019年度から実施されることになっている国民一人1000円徴収、年間620億円の森林環境税の前提となる法案で、「戦後林政の大転換」と呼べるものです。

戦後の拡大造林政策で造りすぎた人工林の材が売れずに延々と放置されて内部が大崩壊、水源涵養機能、生物多様性機能、土砂災害防止機能など、森林の持つあらゆる機能が低下し、もうどうしようもないところまで行って行き詰まってしまっている現状を大転換しようという訳です。

 

AERAは、「データ捏造」疑惑が浮上した森林環境税関連法という見出しで、「森林経営管理法案」を論評しています。

 

こんな大事な問題に取り組もうという時に、「データ捏造」疑惑など、あってはならぬことです。

どういうことかと調べてみたら、林野庁がこの法案を説明するために作成した資料「林業の現状」に、森林所有者へのアンケートの結果、「8割の森林経営者が経営意欲がない」とわかったと書かれてあったそうです。そもそもアンケートには、「経営への意欲」を聞いた質問は存在していなかったのだそうです。さらに、「意欲の低い森林所有者のうち7割は主伐の意向すらない」と断じられていたのだそうです。

森林所有者などから猛烈な反発が出て、林野庁は「誤解を受けた」として、4月19日、資料の文言を修正したそうです。責任転嫁はよくありません。

 

熊森としては、林野庁がどうして今や誰の目にも明らかな戦後の拡大造林政策の失敗を認めようとしないのか、残念でなりません。

人間は神様ではないのですから、良かれと思ってしたことが失敗することもあります。

林野庁が素直に失敗しましたと認めたら、ほとんどの国民は拍手すると思います。

森林所有者が、主伐して材を売ろうとしないのは、彼らに意欲がないからではなく、材を出せないような奥地や道も造れないような急斜面に国の指導でスギやヒノキを植えてしまっていたり、材は出せるけれど人件費や運搬費がかかってかえって赤字になってしまうなど、伐採できない理由があるからです。

そんなことは、ほとんどの国民が知っていることです。

 

拡大造林政策を考え出した林野庁も、それに乗った山林所有者も、そんな政策が人目のつかない奥地で展開されていたことに気づきもしなかったわたしたち多くの国民も、みんなここで反省して、未来のために出直しましょう。

 

戦後の森林政策の一番の失敗は、山を全て林業という人間の経済活動にだけ使おうとしたことです。

生きられなくなった森の動物たちは泣いています。

花粉症の人達も苦しんでいます。

渓流釣りの人達も渓流魚が激減して怒っています。

「森林・林業再生プラン」の失敗は、日本と条件の違う国のモデルを真似ようとしたことです。

山は地方によってみんな違うのに、東京で考えた一つのモデルを全国に強要したことです。

 

山にはさまざまな機能があるのに、それを忘れて、スギやヒノキの林ばかりにしてしまったら、弊害が出るのは当然です。現在放置されている広大な人工林は、手を入れても仕方がないから放置されているのです。

 

熊森は、これらは原則として伐採して森林環境税で自然林にもどしてしまうべきだと考えます。近い将来3軒に1軒が空き家になると言われています。建材としてのスギ・ヒノキの爆発的な需要は見込めないでしょう。

自然林を再生することにより、涸れた川がよみがえり、土砂災害が減り、農家の獣害が軽減される、このような朗報を期待します。

 

さまざまなな立場の人たちが、「森林経営管理法案」に意見を述べています。

・自伐型林業推進協会

4月24日 問題法案が衆議院通過 「自伐」重視と環境破壊の矛盾

・日本農業新聞 5月11  日「乱伐の恐れ、山守る林家の声を 主伐推奨荒廃進む」

・日本農業新聞 5月16日現場の不安拭う審議を

 

クマ、サル、シカ、イノシシなどの大型野生動物の住む森をこの国に保全するという熊森の理念からこの法案をチェックしてみましたが、国から森林環境税を得た市町村が、民間から預かった人工林をどのように経営管理しようとしているのか具体的なことが全く書かれていないため、今の段階では評価のしようがないです。もしかしたらまだ林業の観点でしか山を見ていないのかもしれません。

 

林業は大事な産業ですから、林業が林業として成り立つしくみを林業家に作ってあげてほしいというのは、熊森もずっと願ってきたことです。

 

今後熊森は、奥山など林業に向かない場所は自然林に再生していくよう、市町村担当者や市町村議会議員のみなさんに全力を挙げて訴え続けて行きます。

 

p.s この法案によって、江戸時代の藩ごとの責任ある森林保全制度が再現される方向に進んでくれればいいなと思います。

現在、山林の境界が不明となっている場所が多くあります。その点をどうするのか林野庁に問い合わせてみましたら、現段階ではその対策はまだ考えていないということでした。

 

 

 

 

 

 

5月17日 春の里山で園児に環境教育

神戸市東灘区の保久良山のふもとに、自然学習に力を入れておられる保育園があります。

園では今年から体力作りも兼ねて、週1くらいのペースで、園児たちを保久良山に連れて行かれているそうです。

 

園児たちは、

「あの木の芽はどうなっただろう?」

「今度はどんな生きものがいるかな?」

と、次の保久良山登山をワクワクしながら、待っているとのこと。

 

四季の移ろいを、カレンダーではなく、自然の中で園児に感じさせる。本当に素晴らしい取り組みだと思います。

 

くまもり環境教育部は昨年の秋に続いて、今回も3~5歳児さん約40名といっしょに保久良山に登り、野外で環境教育をさせていただきました。

 

 

「ネイチャービンゴ」にチャレンジ!

園児たちには、「ちいさないきもの」「ふしぎなにおい」「とげとげしたもの」など9つの自然探しに挑戦してもらいました。

今までと違う角度で自然を見てもらったり、生きものたちの息遣いを感じてもらったりしました。

キノコかな?木と一緒に暮らしているね。

 

虫こぶに興味津々。葉っぱに守ってもらっているんだね。

 

何かいる・・・!!

↓↓↓↓

 

小さなナナフシでした。

 

落ち葉のかたまりがあったよ!いつか、栄養たっぷりの土になることでしょう

 

この日は蒸し暑いお天気で、最後はみんなへとへとになりましたが、子どもたちは、とても素敵な笑顔で帰園していました。

この日の体験は、子どもたちの心にずっと残ることでしょう。

 

将来、子どもたちがどんな仕事についても、自然への思いやりを持って、より良い社会を作ってほしい。くまもり環境教育部は、そんな願いを持ってこれからもがんばります。

 

先生方、関係者の皆さま、ボランティアの皆さま、大変お世話になりました!(SY)

マザーアースデイ 森と地球のtalk session 2018滋賀県大津市 に参加して   来年の母の日は広島 

学びの多いトークセッションでした。

集中豪雨のようなひどい雨の中、兵庫県西宮市から滋賀県大津市のびわ湖ホールまで行った甲斐がありました。

 

母の日に、母なる大地に改めて感謝しようという挨拶の後、このトークセッションを企画した松田氏が、子供の頃、学芸会で上演した「大きなカブ」の劇の話をされました。ひとりでできないこともみんなでやればできるという、人々に示唆を与えるいいお話でした。

 

いよいよ、第1部の開始です。

海外の水事情を話してくださった橋本淳司氏(水ジャーナリスト・日本熊森協会顧問)の講演後、せっけん運動を原点に地元で活動されているNPO法人「碧いびわ湖」さんが実践報告、自然配植による森林再生を指導されている高田研一氏(森林再生支援センター)の講演後、地元で活動している一般財団法人日本熊森協会の滋賀県支部が実践報告というように、たいへん聞きやすく上手に企画されていました。

 

第2部は講師3人で語り合い。楽しかったです。

左から、橋本淳司氏、和菓子の叶匠寿庵さん、高田研一氏

 

印象に残った話。

橋本氏の「水のお母さんは土」「先進国の文明が入ることで、足るを知る先住民のくらしが壊れていく実態」、

高田氏の「破砕された花崗岩質の山に毛管現象で地下水が上がっていくことによって三井寺の山頂で三つの井戸が掘れたり、比叡山の山頂で杉の巨木が育つ。目に見える水ばかり見ているのではなく、目に見えない水まで考えていかねばならない。

今の若い人は仕事を転々と変えるが、しろうとばかりでは国は成り立たない。どんな分野にも、ひとつのことに徹底的に取り組み続けた結果育つプロが必要。みんなプロをめざしてほしい」

 

最後は三井寺の執事長さんの話

国鉄や湖西バイパスのトンネルを掘ったとたん井戸が涸れてしまった(熊森感想:リニアトンネルの長さや深度は湖西バイパスの比じゃないから、東京から名古屋にかけて取り返しのつかない水脈破壊が起きるな。絶対に工事を中止すべし)、補助金に目がくらんで、自然は人間だけのものではないし人間が把握できるようなものでもないと知りながら山をスギに変えてしまった、シカやイノシシの餌場であった自然の山を奪ったのは人間であるという反省から三井寺の森を広葉樹に転生させると決意した。

 

正直で感動的なお話でした。全文文字起こしをして人々に伝えたいと思いました。

 

マザーアースデイは、これから毎年、母の日にどこかの町で、トークセッションを続けていくそうです。

母の日に、母なる大地に感謝するイベントを持つという今回の企画は、一度聞いたら忘れられない母の日利用で、うまいなあと感じました。

 

主催者の一般社団法人OPENJAPAN、並びに今回のスタッフの皆さん、ありがとうございました。

JBN主催シンポジウム 5月27日東京 「四国のクマ・絶滅へのカウントダウンを止めるために」

「四国のクマ・絶滅へのカウントダウンを止めるために」

(上の表題をクリックいただくと当日プログラムなどの詳細が出ます)


開催日時
:2018年5月27日(日)10:00-17:00
開催場所:東京農業大学アカデミアセンターB1F 横井講堂(世田谷キャンパス)
参加費:無料
主催:日本クマネットワーク(JBN)

東京農業大学 山﨑 晃司先生らが発表されます。

 

(熊森から)

公益財団法人日本自然保護協会によると、四国のツキノワグマの20年後に絶滅する確率は6割以上という研究結果があるそうです。

 

国(=環境省)はいまだに野生動物問題は1999年に都道府県に権限を委譲したとして、地元である高知県と徳島県に丸投げ。全く動いていません。両県の積極的な動きもありません。

日本国の名にかけて、今すぐ環境省本省に四国のクマの絶滅を止めるために動いていただきたいです。

地元の人達は、ほとんどクマの絶滅に関心がないということです。

何とかひとりでも多くの地元、そして全国のみなさんに関心を持っていただきたいです。

 

四国のクマを絶滅から救ってやりたいです。

そのために今すぐ必要なのは、繁殖できるだけの食料の確保と生息できる森の再生です。

熊森もがんばっていきます。

みなさん応援してください。

 

【本部】アースデイ神戸に出展

5月4日・5日、今年もくまもり本部は、くまもり活動を広報するため、神戸市みなとのもり公園でおこなわれたアースデイ神戸に出展しました。

爽やかな5月の青空の中、たくさんの方にくまもりのお話ができました。

くまもり本部で実施する6月3日の自然農や8月5日の原生林ツアーなどのイベント案内をしました。

この2日間、たくさんのボランティアさんが応援に駆けつけてくださいました。

ボランティアさんが子供たちにも熱心に伝えています。

今回は、熊森協会フェイスブックのQRコードを用意して、その場でフォローをしてもらいました。

前回登場した、原寸大のとよ君も大人気です。たくさんの子供たちに記念写真を撮ってもらいました。

一日3回ずつ紙芝居を実施しました。大人も一生懸命聞いてくださいました。

紙芝居は今年も大盛況!

紙芝居の後に、熊森活動をご紹介

今回は多くの会員さんが遊びに来てくださったり、たくさんのボランティアさんが駆けつけてくれ、本当に盛り上がったイベントでした。

今回ご協力くださった皆様、そしてお話を聞いてくださった皆様、どうもありがとうございました。

盛会御礼 第21回くまもり全国大会 室谷悠子新会長誕生 世代交代による第2期体制スタート 

4月28日、熊森発祥の地尼崎市のホテルホップインアミングでは、支部長・地区長を含む会場いっぱいの参加者や祝花に囲まれて、新会長による新体制が披露されました。

受付風景

室谷悠子新会長が使命感いっぱいに、今後の活動方針を述べました。以下、大意。

「みなさまと共に、熊森第2期の新しいスタートを切れたこと、心からうれしく思います。
本当に自然を守ることのできる完全民間の100万人規模の大自然保護団体を日本にも作ろう。
設立当初からのこの目標を実現していくため、 今後も、より大きく、より力強く歩んでいきます。
今年は来年度導入の森林環境税を奥山の自然林再生に使う運動を進めます。ぜひご協力ください」

 

新会長による運動方針発表

 

世代交代した若いスタッフたちが、熊森運動の先頭に立つ決意を表明 

 

会場を盛り上げた熊森キッズのかわいいダンス

 

今年新しく熊森顧問にご就任くださった元徳島県木頭村村長藤田恵氏、前滋賀県知事嘉田由紀子氏ら、熊森顧問先生8名もご参加くださいました。

尼崎市稲村和美市長もご出席くださいました。

左から、藤田新顧問、室谷会長、森山名誉会長、今本博健顧問

左から2番目が稲村尼崎市市長、右端が嘉田新顧問

 

40分間の懇親会に参加者も満足

 

 

早くから来て手伝ってくださったボランティアのみなさん、ご参加くださったみなさん、応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

 

来年の全国大会は、この会場で4月27日(土)に開催されます。

新体制スタート1年後の成果を見ていただきたいと思っています。

大型連休の直前なので、交通機関が混みます。お早めにご準備願います。

 

くまもり本部2018年5月度 自然保護ボランティア募集(初参加、非会員も歓迎)

熊森協会本部では、各分野のボランティアを募集しています。

会員・非会員に関わらず、多くの方々にご参加していただきたいです。

学生さんや若い方も、みなさん誘い合ってご参加ください。

ご参加いただける方は、活動日の3日前までに電話、FAX、メールにて熊森協会本部事務局までご連絡ください。

本部電話番号 0798-22-4190

本部FAX番号 0798-22-4196

メール contact@kumamori.org

 

2018年5月の活動予定

 

<いきものの森活動>

毎月第3火曜日、他

5月15日(火)皮むき木の伐採(三田市)

(チェンソーを使えない方はのこぎりでご参加いただけます。)

5月19日(土)植樹地の草刈り(宍粟市波賀町原 リンゴ園裏山)

午前8:00に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください

  • いきものの森活動は人工林の間伐や実のなる木の植樹、クマの潜み場の草刈りや柿もぎなど、兵庫県北部を中心に実施しているフィールド活動です。参加者のペースに合わせて活動を進めていきますので、誰でもご参加いただけます。

現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。

天候不順で中止になることがあります。

昨年の草刈り風景

 

<環境教育例会(於:本部事務所)>

5月7日(月) 毎月第1月曜日

  • 小学校や保育施設などで、森や動物の大切さを伝える環境教育を実施しています。環境教育例会では、授業に向けての練習や打ち合わせ、プログラムの作製を行います。絵本の読み聞かせや紙芝居にご興味のある方、子どもがお好きな方、ぜひご参加ください。

4月例会 フィールドに出て植物の勉強会

<とよ君ファンクラブ(大阪府豊能町高代寺)>

5月1日、8日、14日、22日、29日

(第1,2,4週は火曜日、第3週のみ月曜日)

  • 大阪府豊能町で保護飼育しているツキノワグマのとよ君のお世話です。

現地までの交通手段は本部にご相談ください。

4月16日のお世話風景

 

<太郎と花子のファンクラブ(和歌山県生石町)>

5月27日(日)(毎月第4日曜)

参加費:1000円(交通費)

本部の車に同乗される方は残席2名なので、お早めにご予約下さい。

  • 和歌山県生石高原で保護飼育しているツキノワグマの太郎と花子のお世話です。

    くつろいだ様子の太郎

環境教育以外は兵庫県ボランティア保険(4/1~3/31の年間500円)への加入が必要です。

自車参加も可能です。

たくさんの方のご応募をお待ちしております。よろしくお願いします。

山からクマが出て来なくなるにはどうしたらいいの?-4月15日大阪府八尾地区BBS会の研修会

上記研修会にくまもりが講師として参加させていただき、お話や紙芝居をした後、グループワークを実施しました。

(くまもり本部から、4名のスタッフが参加)

 

BBS(Big Brothers and Sisters Movement)とは

「兄」や「姉」のような身近な存在として、少年たちと一緒に遊んだり、悩みの相談にのったりなど、”同じ目の高さで”接しながら、彼らが健やかに成長するお手伝いをしている青年ボランティア団体です。全国で約6,000人のBBS会員が、それぞれの地域で少年たちと交流したり、非行のない社会環境作りのための活動を展開しています。

 

今回の研修会の参加者年齢は幅広く、中高生が7名、あとは20代~50代ぐらいまでの大人たちでした。参加者が同伴してきた小さな子供たちもいて、くまもり青年部作の実話紙芝居「ドングリの森を守って」には声を出して反応してくれました。

 

紙芝居に涙、、、グループワークに真剣な姿

研修会の初めに、参加者にクマの印象をたずねると、

「印象はありません」「全然わからん~」というような回答でした。

都会に住む人たちにクマの話はピンとこないかもと、少し不安がよぎりました。

しかし、紙芝居を始めると、みなさんが食い入るように見てくださり、母グマがハンターに有害獣として撃たれる場面になると、涙を流されている人たちもいました。

 

紙芝居を一時中止し、「どうすればクマが山から出てこなくなるでしょうか」という質問を投げかけました。

この後、7グループに分かれて意見を出し合ってもらい、まとめて発表してもらうことにしました。

 

真剣にグループワーク

 

<主な発表内容>

・山にどんぐりの木を植える

・変なところに税金を使わず、森の整備に使う

・日本熊森協会を支援をする

・自然を守ろうと思う人を増やす

などなど。

 

それぞれの発表に対して、くまもりスタッフが一言ずつコメントを述べさせていただきました。すごく盛り上がりました。くまもりが保護飼育中のクマの「とよ」の話や、「人工林率」の話など、予定していなかった話まで披露してしまいました。

 

BBS会は、「兄」「姉」のような存在の人たちと少年たちが一緒に学び、一緒に悩み、一緒に楽しむ活動をされているからでしょう、大人の人たちが少年たちの意見をうまく引き出して議論する様子を見せていただくことができました。、熊森も勉強になりました。

 

今回、BBS会の皆さんと時間を共に過ごせたこと、くまもりのことやクマの窮状を伝えることができたこと、本当にうれしかったです。貴重な体験をさせていただきました。

みなさん、ありがとうございました。

4月14日(土)第2回 くまもりサロン開催 「地球温暖化と自然」

本部スタッフが進行係となり、最近の地球温暖化研究の紹介と野生動植物への影響について問題提起しました。

 

温暖化は野生生物にどのような影響を与えているのでしょうか。

 

生物には、「温周性」「光周性」があります。

「温周性」とは気温に影響される生物の性質です。

昆虫などの変温動物は、最近の温暖化によって活動時期が早くなっています。

 

一方、「光周性」とは日射に影響される生物の性質です。

これら光周性生物は、地球温暖化にあまり変化を受けません。

従って、温暖化すると昆虫の孵化の時期は早くなったのに、植物の若葉や花の時期はこれまで通りであるため、葉を食べたり花蜜を吸ったりすることができなくなります。その結果、昆虫が消えたり虫媒花植物の受粉がうまくいかなくなったりします。

これが、今、日本の自然界における生物の多様性を貧しくする大きな原因となっています。

 

<参加者の感想から>

Fさん:林業の村で育った。昔もスギの人工林はあったが、1ヘクタールあたりの苗木が500本くらいだったので、自然と針広混交林になっていた。戦後の拡大造林は1ヘクタールあたり3000~5000本の苗木を密植し、その後放置した。これが諸悪の根源。最近も大分県で山が崩れたが、新聞報道には、人工林の字の字も出ていない。地下水や岩盤劣化などが原因とある。地下水や岩盤劣化がない山なんてあるのか。

S1さん:生命は環境に適応して進化してきた。人類だけが環境に適応せず、環境を改変して生きていこうとしている。

Mさん:アル・ゴアが言った「環境問題は経済ではなく、モラルの問題です。」という言葉が好き。人間のモラルを立て直していかねばならない。

K1さん:子どものころと比べると、台風の数が減ったように感じる。回数が減って1回当たりの規模が大きくなる。これも温暖化の影響か。

K2さん:1961年の地球人口は30億人だった。今は70億人を超えている。機械文明は進んだが精神文明は進んでいない。これが環境問題に皆が取り組まない最大の理由だと思う。

S2さん:都市部に人間が集中しすぎている。無駄なエネルギーを使わない、ゆったりした暮らしができる社会をめざせばよい。

K3さん:地球の健康を取り戻すのは人間の仕事、地道な活動に意義がある。

U:地球の温暖化の原因は二酸化炭素だけでなく、メタンや一酸化二窒素、フロン、水蒸気などもある。モデルによる予測もどこまで正確かはわからない。しかし、二酸化炭素の排出を減らして、少しでも温暖化を遅らせていく努力が必要だ。

森山名誉会長:若い世代は、昔を知らないので、本来、自然とはどういうものなのかわからない。今の状態が異常であることを、若い世代にどう伝えていくかが問題だ。4月28日の熊森全国大会では、熊森が育ててきた若いスタッフたちを前面に出すので、いろんな人を誘ってぜひ参加してほしい。

 

次回のくまもりサロンはは6月9日(土)です。

 

2月17日 兵庫県シカシンポ 生息地を失った哀れなシカを殺す話ばかり 胸が悪くなりました

<森林動物研究センター主催シンポジウムの感想>

基調講演を聞いて、気候も風土も文化も歴史も違うヨーロッパやアメリカのシカ狩猟が、なぜ日本がめざすモデルになりうるのか疑問に思いました。

 

大変な思いをして集落総出で土や石を運んで造ったシシ垣で、集落や農地を徹底的に囲い、全体としてはシカを殺さずに共存してきた私たちの祖先のシカ対応の方が、ずっとレベルが高いと思います。

 

奈良大学名誉教授の高橋春成先生は、滋賀県や三重県などに残された大量のシシ垣跡を研究されています。また、京都大学には金網柵からなる現代版シシ垣を考案して普及させようとされている研究者もおられます。

 

実際、兵庫県は今や平成のシシ垣ともいえる金網柵を郡部に、8262km(平成28年度時点)張り巡らせて、集落や農地を徹底的に囲い続けており、熊森もこの点に関しては、兵庫県を高く評価しています。

 

問題なのは、現在、農地や田畑から追い出したシカの行き先を山にしていることです。森とシカは共存できません。森の下層植生は脆弱なので、シカが食い尽くすと消えてしまいます。その結果昆虫も激減し、兵庫の森の中はクマも棲めなくなって、今、大変なことになっています。

 

そもそもシカは、やわらかくて背の低いイネ科やカヤツリグサ科などの草におおわれた草原(ススキは食べられないので、ススキが原では生きられません)や湿地をえさ場にして生きてきた林縁の動物です。危険を察知すると草原から林内に逃げ込んでいたようです。

 

これらの草原の草は、森の下草と違って、食料生産量がとても大きいので、シカのような大型野生動物でも養うことができます。冬は草が枯れるために餓死するシカも出るでしょうが、そうやって自然界がシカの頭数を調整するのだと思います。

 

戦後これらの草原や湿地を、農地や宅地としてつぶしてしまったのは人間です。今や、シカが草を食める草原は、スキー場ぐらいしかありません。

 

現在シカは、森を破壊する害獣にされていますが、戦後の拡大造林政策で奥山に一時期大草原を誕生させたり、林道を造り続けてシカを山奥にまで導いたのは人間です。

 

突然現れたシカの群れに悲鳴を上げておられる地元の惨状をこれまでいくつか見聞きして、私たちも胸を痛めてきましたが、といって人間がしたことを反省することなく、いかにして効率よくシカを大量にハイテク技術で殺せるかだけを発表されても、拍手する気が起きませんでした。ハイテク罠の扉が遠隔操作で落ちた瞬間、罠の中のシカやイノシシが恐怖で必死のジャンプを続けている映像は残酷すぎて、見ていて気分が悪くなりました。子どもたちがみたら胸がつぶれると思います。

 

人間が知らないだけでシカにも自然界に存在する大きな意義があるはずです。この県土で生きる権利もあります。江戸時代の兵庫県内のシカの密度は大変なものだったという研究発表もあります。やみくもに見つけ次第シカを殺すのではなく、シカが安心して生存できる草原や湿地を保証して、奥山からシカを移動させ戻れないようにする方策を考える必要があると思います。

 

大学に狩猟学を導入して銃を使える人を増やし、シカやイノシシの狩猟文化を日本に創成しようという基調講演には違和感を感じました。生きとし生けるものとして畏敬の念を持って殺さずに棲み分け共存してきた祖先の文化こそ取り戻すべきだと思います。

 

森林動物研究センターのシンポジウムはいつも野生動物を殺すことによって野生動物問題を解決しようとする西洋思考の研究者たちの発表だけです。野生動物は殺すしかないのだと県民を洗脳する場になっているような気がします。公的な費用で実施するのですから、もっと多様な野生動物対応を国民に提示するシンポジウムにしてほしいと願います。

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