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カテゴリー「くまもりNEWS」の記事一覧

クラウドファンディングへのご協力ありがとうございました!

若杉原生林の入り口で記念撮影

今年は、一人でも多くの子どもたちに原生林を体験させてあげたい!とクラウドファンディングを呼びかけました。

多くの方々にご協力をいただき、「子どもたちを原生林に連れていきたい!!~本当の森体験ツアー」を無事実施することができました。

(2019年8月4日 若杉原生林にて実施済み)

クラウドファンディングにご支援ありがとうございました。

早野 誠次 様

aimai 様

わだちゃん 様

Yumi Fukushima 様

ドラフト 様

中野会計事務所 様

kabu 様

さくら 様

松山祥子 様

近藤眞奈美 様

浩山 様

岩村菊代 様

森山なつ子 様

ほか30名の方からご支援をいただきました。

原生林ツアーの様子はこちらからご覧いただけます。

クラウドファンディングで子ども参加費を無料にしてみたら 第24回本部くまもり原生林ツアー

長野県八ケ岳火口に転落したクマについて、森山名誉会長がコメント 東京新聞9月5日24面

当協会はクマについて27年間、徹底した現場主義者の研究者たちと共に、みんなで調べ続けてきました。

マスコミの皆さん、クマのことは、熊森に聞いてください。

 

以下、東京新聞記事です。

 

クリックで拡大されます。

2

 

とよ君 絶対安静の効果あらわれる?

みなさまこんにちは。

9月12日~14日までインターンシップをしております、S田です。

13日はクマのとよ君のお世話に初めて同行しました。

とよ君の近況報告に加えて、私の感じたこともお伝えできたらと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高代寺に到着するとさっそく、とよ君の獣舎の方から「ガタンッ(ごはんちょうだい!)」と物音がしました。

まず初めての顔合わせということで、人除け柵の内側に入って寝室の横へ行きました。しゃがんで挨拶すると、とよ君と一瞬目が合いました。良い目をした賢そうなクマだなと思いました。とよ君のほうはというと、「さ、ごはん ごはん」という感じで、少し足を引きずりながら寝室に入っていきました。長い食事制限に加えて、狭いスペースから出られないストレスがそろそろ限界なのでしょうか。何度もごはんを催促します。

 

バルコニーの様子は、敷いてある合板の上や、水入れの中にフンがたくさんありました。合板をガリガリかじっていたようで、木の屑も散らばっていました。獣舎の様子を一通り観察してから、職員の方がごはんを用意しました。

 

現在、とよ君は投薬はせず、運動制限をしている状況です。

すでに、とよ君の行動を寝室とバルコニーに限って1ヶ月以上が経過しています。

今日のとよ君は、病状がひどかった時を見ていない私には、少し後ろ足は引きずってはいるものの元気そうに見えました。一時は、腰が立たないので前足でからだを支えてズリズリ引きずりながら移動していたという話を聞いて、今のとよ君とのギャップに少し驚きました。

 

ただ、投薬や運動制限によって劇的に良くなったわけではありません。足の調子が良い日と悪い日があり、まだまだ病状は安定していないとのことです。

 

頻繁に会っていないと、とよ君のシグナルにも、からだの小さな変化にも気が付くことができないのだということを感じました。

そして、見るべきポイントをしっかり把握し、継続的に観察しているお世話隊のみなさんが、本当に貴重な存在であるということがわかりました。

 

その後 獣舎の掃除をして、何度かに分けてカキやリンゴを与えてお世話は終了しました。

 

とよくん、また会う日まで。

 

今年も冬ごもり用のドングリ集めをします。

アベマキ、クヌギなど本部までお送りください。

9月8日、兵庫県選出の国会議員が、荒廃した兵庫の奥山を視察

熊森本部は、国会議員のみなさんに、戦後の拡大造林政策で荒廃した日本の奥山を、現地でご自分の目で見ていただきたいとずっと願ってきました。現場で、五感で体感しないと、野生動物たちが悲鳴をあげているわけがわからないからです。

 

 

都市部から奥山まで視察に行くには、往復と現地滞在で、丸1日を要します。

国会議員のみなさんは超多忙です。

これまで熊森と奥山に入ってくださったのは、視察当時、兵庫県選出の国会議員だった赤松正雄氏と、石井登志郎氏のお二人だけです。

 

うれしいことに、この度、兵庫県選出の片山大介議員が、9月8日の丸1日を開けて、室谷悠子熊森会長らと共に兵庫県の奥山に入ってくださいました。

熊森本部の案内で奥山荒廃をご自分の目で見られた3人目の国会議員の誕生です!

 

この日、午前9時、車で神戸市を出発し、兵庫県北部の人工林地帯に向かいました。

人工林地帯に入ると、さすがに片山議員も「よくここまで植林しましたねえ」と、人工林率の高さに驚いておられました。

これまでも見て来られた風景だと思いますが、説明がないと、山を見ているようで見れていなかったのだろうと思いました。

 

この日は、9月に入ったというのに猛暑日。片山議員は熊森本部スタッフの説明を聞きながら、人工林、広葉樹植樹地、天然林と湧き水などを、噴き出す汗をぬぐいながら山に入って視察し続けてくださいました。また、地元リーダーの話を聞いたり、地元の人達と言葉を交わしたりもしてくださいました。

 

片山議員は、翌朝、東京での会議に出なければならないので、夕方まで奥山の視察を続け、夜の新幹線で東京に向かわれる予定でした。

ところが、あいにくこの日の夜、台風15号が関東地方を直撃する恐れがあるという情報が入り、新幹線が計画運行を発表。新幹線が動いているうちに東京に向かうには、午後3時に姫路駅に着いていなくてはならないことになりました。

残念ながら、最後に見ていただく予定だった若杉天然林の視察を中止せざるをえませんでした。若杉原生林は、また別の機会に見てくださるそうです。片山議員、本当にありがとうございました。

 

百年先千年先を見越して、今取り組まねばならない日本の奥山水源の森の緊急保全活動。このような私たちの市民活動を支援したところで、1円にもならない上、生きている間は評価もされないし、票にもつながらないと思います。

それでもいいので、この国の未来のために動きたいと時間を割いてくださる国会議員が目の前に現れました。国民のひとりとして、久し振りになんとも言えないすがすがしくて幸せな気分にひたることができました。

 

片山議員に続いて、かつてクマたちが多く棲んでいた奥山水源の森の荒廃実態を見ておこうと思ってくださる国会議員さんや地方議員さんがおられたら、ぜひ、当協会にお知らせください。経費は、当協会の会員の会費を使わせてもらいますので、無料です。

 

熊森事務所に帰り、今日撮影した写真を使ってさっそくこの日のブログを書こうとしたのですが、不注意で画像を消去してしまいました。がっくりしていましたら、片山議員が東京に向かう新幹線の中で書いてくださったと思われるツイッターが、片山議員のカメラに記録された写真と共にアップされていました。

 

片山大介議員のブログ>も、ご覧になって下さい。

 

 

兵庫県戸倉トラスト地 植生調査の結果

こんにちは。インターンシップ学生のTです。9月2日に、広葉樹植樹地の植生調査を行うため、奥山保全トラストさんが保有している戸倉トラスト地を訪れました。今回はそのことについて、書かせていただきます。専門知識がないので、あまり専門的なことは書けませんでしたが、どうか、あたたかい目で閲覧していただけたら幸いです。

 

戸倉トラスト地は、兵庫県宍粟市にあります。2006年に購入され、その広さは、120ha(363,000坪)になります。今回、トラスト地の入り口部分に入らせていただきました。

 

また、今回の植生調査に主原憲司先生も来てくださいました。

 

車から降りて、少し歩き始めたとき、シカにかじられたオタカラコウとシダを発見。これらは、シカが本来食べるものではありません。主原先生いわく、これは森の中のシカの食料が減ったことが原因だそう。それによって、シカが本来食べようとしない植物を食べ始めたということです。今後、さらにシカの食料がなくなると、毒性のある植物まで食べるようになるそうです。とてもかわいそうです。

 

シカにかじられたオタカラコウ

 

シカにかじられたシダ

 

丁寧に植生について教えてくださる主原先生

 

また、トラスト地でヤマビルを初確認しました。職員さんによると、去年は全くいなかったそうです。不幸なことに、ボランティア学生が一人、ヤマビルに血を吸われてしまいました。痛みがないので、昼休憩まで気付かなかったそうです。ヤマビルのいる時期には、十分な対策が必要ですね。

 

ポイズンリムーバーで毒を抜いている様子

 

戸倉トラスト地では、クマのエサを確保するために、クマの好きな実をつける木(クリ、サルナシ、ウワミズザクラetc…)が植えられています。中には枯れているものもあり、全ての木々が順調に成長しているとは言えないようです。

 

また、主原先生の指示で、大切な苗木を守るため、自然に生えてきたコシアブラの木(約3メートル)を数本、初めて除伐しました。これから苗木がすくすくと成長して、美味しい果実を実らせてくれることを願うばかりです。

 

シカよけ網で囲まれた植樹地

森林環境税・譲与税の学習会 in 東京

首都・東京で放置人工林を豊かな天然林へ 8月24日

森林環境税・譲与税法が成立し、各自治体に森林整備のため、森林環境譲与税が配られ、予算化されています。

森林環境税の導入をきっかけに、首都・東京で、豊かな森再生の流れを広めたいと急遽学、学習会を開催し、室谷会長が講師をしました。7名の議員の皆様を含む25名が参加してくださいました。

ツキノワグマは人工林率40%を超えると絶滅へ向かう。

東京都のクマ生息地である多摩地域の人工林率は60%を超えており、その多くが放置され荒廃しています。

関東の人工林マップ(オレンジが人工林)

首都圏全体を見ても、水源地の森が人工林になってしまっていることがわかります。

水源確保、土砂崩れによる災害防止、東京で絶滅寸前となっているツキノワグマの生息地確保(生物多様性保全)、花粉症軽減のためにも、放置人工林の天然林化が必要です。

 

放置人工林の天然林化はほぼ計画されていない

勉強会に、先立ち、熊森本部と東京都支部で、東京都の全自治体に今年の森林環境譲与税に使途について聞き取り調査をしました。聞き取りの結果、森林を持つ自治体でも、都市部でも、森林環境譲与税を天然林化(広葉樹林化)に使うという自治体はほとんどありませんでした。

東京都も水源地域の間伐は実施していますが、自然の森に戻していくという事業はなく取組みが全く進んでいません。

東京都自治体への聞き取り結果

 

市民が声をあげ、水源の森再生の流れを

森林環境譲与税の使途を決めるのは、自治体です。市民が声をあげ、要望することで、税を豊かな森再生のために本当に必要なことに使ってもらうことができます。

参加された議員の皆様から「森林環境税や譲与税について、詳しく知ることができたので、自分の自治体で動いてみたい」「各自治体を指導する立場にある都や県に働きかける必要があるのでは」と言った声が上がりました。

学習会の後、参加者で意見交換をし、東京都支部でも取り組んでもらえそうな自治体を探して、要望をしていこうことになりました。

【熊森の提案する森林環境譲与税の使途】

1 森林がある自治体

 放置人工林の天然林化(広葉樹林化)を進めるための事業(予算)をつくってほしい

2 都市部の自治体

①自治体の水源地にあたる地域の放置人工林の天然林化を応援してほしい

②子どもたちの森林の大切さを伝える環境教育の実施

森林環境税・森林環境譲与税についてたくさんの人に知ってもらい、大切な税金を本当に必要なことに使ってもらうために、これからも全国で学習会を開いていきたいす。

ぜひ、日本熊森協会本部事務所までご連絡ください。

初めまして「とよくん」

初めまして。インターンシップ学生のTです。8月29日から9月5日まで熊森協会でお世話になります。

 

初日の今日は、くまの「とよくん」のお世話をさせていただきました。それについて僕が感じたこと、とよくんの近況報告を書かせていただきます。

 

初めに僕が獣舎の方へ歩いていくと、とよくんは獣舎から顔を出して「初めまして。」と言わんばかりにこっちを見ていました。そのあと獣舎へ行くと、エサ用の穴からクンクンと顔を出してくれました。ツキノワグマを間近で見たのは初めてでしたが、とても愛くるしい印象でした。

 

とよくんは4本の足を使って歩いていました。とよくんの後ろ足について調子が良くなかったことを事前に伺い、心配していましたが、これを見てほっとしました。この日も、職員さんがキウイに薬を入れて、とよくんに投薬していました。これからさらに良くなることを願うばかりです。

 

最初に僕がさせていただいたのは、うんちのお掃除です。大きいうんちがどーんとバルコニーに落ちていました。排泄は良好なようです。職員さんと協力して、数回に分けてバケツへ。その後、職員さんがモップを使ってバルコニーを綺麗に掃除しました。

そのあとバケツの水を入れ替えさせていただきました。思った以上に大変でした。

とよくんにご飯を与えさせていただきました。数回に分けて与えました。そのたびにとよくんは、それをすぐさま完食。次はまだかと訴えてきます。とよくんにとって、今の時期は冬に備えて脂肪を蓄えないといけない時期。それに加えて食事制限中でおなかがすいているのか、とよくんは少しイラついた様子でご飯を求めていました。それを見てとても申し訳なく感じましたが、とよくんの足にとって食事制限は欠かせないものだと聞きました。がんばれ。とよくん。

餌を元気に食べるとよくん

 

とよくんは外へ出たいのか、バルコニーの檻を噛み始めました。今のとよくんの生活空間は狭いので、ストレスが溜まってしまうかもしれません。とよくんのストレスをためさせないためにも、スライス丸太に加えて、大きい丸太を投入。とよくんのストレスがたまらないことを願うばかりです。

 

追記:とよくんの写真が少なめだったので、8月26日に撮影されたものをお見せします。この日も、元気にご飯を食べていたようです。

 

鼻にご飯を付けたままのとよくん

 

 

山菜のミズを元気に食べるとよくん

東京都が絶滅危惧種のクマ4頭目を有害捕殺、8月22日、東京都支部と熊森本部が現地に出動

推定生息数60頭、東京都の絶滅危惧種クマ守れ!

くまもり東京都支部員たちの必死の現場訪問活動や行政への要請活動にもかかわらず、東京都は今年4頭目のクマを有害捕殺しました。

そして、現在も、まだ、クマ捕獲罠を設置中です。

 

場所は奥多摩湖の隣山、中腹に位置します。

建物裏側には古い物置きがあり、放置されて腐敗した味噌や古い果実酒などが入った一部破損した容器が置かれています。その周辺からは腐敗臭が漂っていました。

ここにクマが夜、出てきました。

行政は、クマを誘引している生ゴミ(倉庫内)の除去は行わずに、クマ捕獲罠を設置しました。

 

倉庫内の誘引物を生ゴミに出す準備 8月17日撮影

 

くまもり東京都支部は、クマが出てこないように、誘引物の除去や電気柵の設置を家主に申し出ました。しかし、受け入れてもらえません。

捕獲したあと殺処分するのではなく、放獣してほしいというくまもりの長年の切なる願いに対して、東京都行政はいまだに放獣予算を付けようとしません。(都内の業者に依頼すれば、1頭1回放獣20万円)

住民の安全とクマの救命の両方を願うなら、クマを誘引している物を片付けて、クマの忌避剤を撒くしかありません。

 

 

8月22日、本部職員2名が出動し、レンタカーを借りて、東京都会員2名と計4名で、現地で被害防除活動を行いました。

以下は、その時の報告です。

 

現地に着くとうれしいことに、先日訪問したくまもり東京都会員たちと神奈川県支部長の説得を受けて、家主が生ゴミを町の回収に出してくださっていました。感謝。

 

生ゴミが消えていた現地

 

しかし、クマの誘引物を入れたクマ捕獲用の箱罠は、口を開けたままです。これでは5頭目がやってきて、また捕殺されます。

家主はおられませんでしたが、奥様がおられ、夜ごそごそとやってきたクマと、台所の窓を挟んで目が合った話など、詳しく語ってくださいました。私たちが、クマは東京都の絶滅危惧種に指定されているというお話をしたところ、奥様は、「それは知らなかった。」と大変驚かれていました。

そして、「クマはどこにでもいるものだと思っていた。昔からこの地域はクマが出てくるから、東京にはたくさんクマが棲んでいる、むしろ昔より数が増えているんじゃないかと思っていた」と、話されました。

 

クマの侵入経路を教えてくださる奥様(中央)

 

生ゴミは片付けてもらっていましたが、現場にはまだ腐敗臭が漂っています。建物の周囲を歩いてみると、果物やなにかよく分からないものがビンに詰められたまま、大量に廃棄されていました。ものすごいにおいで、このままではまたクマを引き寄せてしまいます。クマは、腐敗臭に誘引されることを伝えると、また、大変驚かれていました。しかし、奥様は足の調子がわるく、ほとんど遠くへは歩けません。重いものも持てなく、これらのビンも捨てたいがどう処理をしようかと悩んでいるということでした。

 

果物を漬けた古い液体などが放置されていた

 

とてつもなく強い腐敗臭でした。4人で悶えながら、処理をしていきました。ビンの中身は新聞紙などにしみこませたりなどしてごみ袋に回収しました。4人で3時間かかりました。

 

ビンはきれいに洗ってゴミ袋に入れ、ゴミ捨て場へ

 

クマの通り道と思われる場所は、はしごでふさがれていました。もし今度通ったら、倒れて音がするようにと、防犯ベルの代わりに設置したものです。

奥様が設置された、クマを防ぐはしご

 

そこで、私たちは、用意してきたクマの忌避剤を設置しました。1つ目は、ペットボトルに入れたニコチン水です。喫煙所から煙草の吸殻をもらってきて作りました。ペットボトルの上部には、クマの嫌がるニコチンの臭いが出るように、小さな穴をたくさんあけてあります。

 

ニコチン水

 

2つ目は、東京支部のKさんが取り寄せてくださったウルフンエキスです。実験的にクマの通り道に設置してみました。相当きつい臭いです。こちらも、奥様の許可のもと、設置しました。家屋に近いところでは臭いがきつすぎるため、ハシゴでクマの侵入経路をブロックしているあたりに設置しました。

 

ウルフンエキス設置

 

誘引物の回収と、クマ侵入経路上に忌避剤の設置を行ったことで、家主の奥様から大変喜ばれました。生ごみやにおいの出るものはもう外にはおかないよう約束していただきました。

あと、この場所へクマが来る残りの要因は、ただ一つ。クマ捕獲用罠の中に入れられた誘引物だけです。

 

この後、役場へ向かい、回収したごみを受け取っていただきました。役場の担当課長を訪ねましたが、不在でした。事前に、「行きます」と、支部の方からお伝えしてあったのですが、熊森とは会いたくないのでしょうか。

 

仕方がないので係長さんに、「今日、私たちはクマの誘引物を除去してきました。しかし一つだけ除去できていない誘引物が残されています。それは捕獲罠です。罠があることでクマを誘引しています。本当に地元の方の安全を守りたいのであれば、クマが出てこないように、どうか罠の撤去をご検討ください。そして、こうした誘引物除去作業は、本来罠をかける前に最優先で行ってほしいです。人手が足りないのであれば、私たち市民団体にも相談してください。可能な範囲で出向きますのでよろしくお願いします」と伝えました。しかし、係長は、クマ捕獲罠を撤去するとは言ってくださいませんでした。

 

帰りに現地の山を見ると、スギやヒノキの放置人工林に多く覆われていました。これも何とかしなければなりません。くまもりが地元議会に、放置人工林の天然林化の陳情を出したのですが、採択されなかったということでした。

 

スギやヒノキの放置人工林で覆われていた東京都の奥地

 

この日はずっと鼻に臭いにおいが付いていました。

 

東京都にも熊森会員がたくさん誕生したら、今日のようなボランティア活動がもっともっと行われるようになります。

この国で、市民団体を大きく成長させて、郡部国民と都市部国民が助け合い、自然や野生動物たちの命も大切にするやさしい国を作っていきたい。

これが、熊森協会がめざしているものです。

 

とよのその後

「とよ君のその後がブログに出ませんが、大丈夫ですか。」

福岡県の40才代の女性から、8月23日、熊森本部に電話が入りました。

この方は動物が大好きで、会員ではありませんが、熊森のブログをずっと愛読されているのだそうです。

毎日のさまざまなくまもり活動にてんてこ舞いで、とよ君の続報を出せていませんでした。すみません。

以下、急遽、報告させていただきます。

 

とよは、8月14日に突然四足で立ち上がって2~3歩あるいてから、良くもならず悪くもならず、同じような状況が続いています。

表情は、毎日とても穏やかですので、不快感はないはずです。食欲は旺盛で、排泄も順調です。

 

 

華々しい回復はまだ見られませんが、私たちとしては、四足で立てるようになったこと自体が奇跡で、神様に感謝したい気持ちです。

 

毎日、本部職員とお世話隊が、お世話に通っています。

とよは、バルコニーの一番端でウンチをするので、まずは、バルコニーのお掃除からです。

 

バルコニーの床洗い

 

元気になってきたとよは、安静保持用バルコニーから出ようとしたのか、鉄格子を曲げていました。

修理してくれている青年は、小学校2年生の時から熊森会員として活動し続けてくれているS君です。とよが心配で、仕事を休んで世話に来てくれる時もあります。

 

バルコニーの金網の補強作業

 

昨年度とよは、7月末から冬ごもり用の食い込み期に入りました。

足?背中?の痛みが取れた今、たくさん食べたいはずです。餌を欲しがってか、8月24日に、とよは「こっこっこっ」と、鳴きました。みんな、クマが鳴くのを初めて聞いたので、びっくりしました。しかし、とよの足のためを思うと、あまり太らせてはいけません。お世話隊は心を鬼にして、給餌量を、例年の3分の2程度に減らしています。クマフードも、今は1日50グラムしか与えていません。

 

今日はどれくらい餌を与えようかと、みんなで話し合うお世話隊

 

お世話記録は毎日細かく書いて、明日のお世話隊にバトンタッチします。

飼育記録

 

いっぱい食べて太っていたとよですが、減量に成功してお腹周りもすっきりとスマートになりました。獣舎内では四足で立っています。

給餌穴から顔を突き出して、もっと欲しいと餌をねだるとよ2019.8.23

 

寝室のお掃除が終わるまで、バルコニーで待っているとよ

 

お医者様は、「ここまで良化したのはとても良い兆候です。長い経過を経て元通りになっていくことも考えられます」と、励ましてくださっています。

冬ごもり前の食い込み期に食い込みが出来なかったクマは、冬眠中に死ぬと聞いています。足の負担を思うと、今、とよを太らせてはなりません。

しかし、冬ごもりのことを思うと、今、食べさせなければなりません。どうすべきか、悩ましい限りです。獣医さんに近々相談してみます。

 

とにかく、私たちは愛情100%で、連日とよに接しています。みなさん応援してください。(完)


			

新潟県クマ生息地調査でわかったこと

6月20日(木)、自然保護団体として久し振りに新潟県庁を訪れました。

もちろん、「第2期新潟県ツキノワグマ管理計画」を熟読した上でのことです。

事前に、県民生活環境部・環境企画課・鳥獣保護係に電話を入れておきました。

できれば、森林環境税のこともあるので、林政課の担当者ともお会いしたいなと思いました。

兵庫県西宮市にある熊森本部から飛行機で新潟空港へ、新潟駅からはバスに乗って県庁前で降りました。

えらく立派な県庁ですが、外にも内にも人影がほとんどありません。

 

新潟県庁

 

新潟県の人口は約222万人。人口が少ないからなのでしょうか。

知る人ぞ知るですが、明治初期、新潟県の人口は東京都よりも多くて全国一位でした。(第一次産業全盛時代の明治21年、新潟県人口166万人全国一位)

 

鳥獣保護係の方には会えましたが、クマの担当者は不在でした。

新潟県のツキノワグマの推定生息数は1574頭(平成28年計算)です。

どうやってこの生息推定数を算出したのか訊ねたら、「新潟大学に頼んで出してもらった。どうやって計算したのか、県としては知らない」ということでした。

新潟県のクマは、①狩猟、②残雪期の予察駆除、③年中可能な有害駆除の3種によって、命を奪われます。

 

「第2期新潟県ツキノワグマ管理計画」の内容は、なかなかすばらしいものです。

(1)生息環境整備 (2)被害防除対策 (3)個体群管理の順に、論じられています。

一番に生息環境整備が位置付けられているのはその通りで、他県でも見習ってほしいです。野生動物は生息環境さえあれば、人間などに何もしてもらわなくとも生き抜いていけるのです。

 

有害捕獲された個体でも、場合によっては、県と市町村が連携して学習放獣を試行的に実施することになっています。

今回の訪問で聞きたかったことの一つに、いつからどうやって学習放獣を開始したのか、効果はどれくらいあるのかがあります。

たずねてみたところ、県は学習放獣に関しても何も把握しておらず、文面はすばらしいが、実際には実施しているところがないように感じました。

 

鳥獣のことで環境省に電話すると、鳥獣関係の許認可は都道府県に全て降ろしたので関知しませんという反応が返ってきます。

一方、都道府県にたずねると、県は把握していないので出先機関や市町村に聞いてくださいと言われるところも多く、都道府県がどこまで日本の鳥獣保護に責任を持っているのかというと、はなはだ不安になります。

 

人権の方は、戦後、虐げられてきた人たちが声を挙げだしたのでずいぶんと進歩したと思います。しかし、物言えぬ野生動物の生存権に関しては、声を挙げる人間がこの国にはまずいないので、生息地は破壊され、何の罪もない動物が無駄に大量捕殺されており、無責任極まりないことになっているような気がします。

 

鳥獣保護係の担当者には、ていねいに対応していただきました。ありがとうございました。林政課の担当者は不在でした。ちゃんとアポを取っておくべきだったと反省しました。新潟のナラ枯れは終息したようでした。

 

 

翌6月21日、新潟県のクマ生息地を研究者と調査しました。

 

阿賀野川の豊かな水

米どころだけあって、道中は広大な田んぼ風景が続く

 

今回の新潟県の山の調査には、熊森協会の第一顧問である宮澤正義先生の娘さん(新潟県在住)も同行してくださいました。

山に入る前に、ぜひ見ていただきたいと言われたのが、娘さん推薦の阿賀野町の人工湿原「たきがしら湿原」です。

生物の多様性が保たれた100点満点のたきがしら湿原

 

湿原には様々な花が咲き誇っていました。昆虫の種類も豊かで、研究者によると、生物相も自然湿原そのもののすばらしさだということでした。湿原の奥には当然ですが、クマもいるようです。人工湿原というものの、ここは山から湧き出た滋養豊かな湧き水を湿原に導入していますから、自然湿原のようなものではないかと思いました。木道や東屋、トイレなども良く整備されており、地元の人たちによる訪問者へのおもてなしの心が随所に見られました。観光地としては最高だと思いました。

 

お昼に、熊森新潟県支部の結成を考えてくださっている新潟県の大企業の社長さんと会食しました。

 

お蕎麦が本当においしかった

 

この後、いよいよ、みんなで新潟県のクマ生息地の調査です。

 

 奥山調査後、室谷悠子会長を中心に記念撮影

 

会津に通じる山塊には、崖が点在していました。ここの地質は、火成岩の上に硬度の低い砂岩が堆積したもので、急斜面には植生を欠いた崖が多くみられます。植物相は、もちろん豪雪地帯のものです。ここは標高帯としては日本海側のブナが出現する場所ですが、なぜかブナが見当たりません。伐採された過去があるのだろうと思われます。

林分は、自然スギやアカマツの他に、亜高木層のオニグルミ、ケンポナシ、アズキナシ、ミズキ、カエデ、シデなどで構成されていました。ミズナラ、コナラが稀なのは、ナラ枯れで枯れてしまった跡なのかもしれません。スギの人工林は生育が悪く、放置されており、もはや林業的価値のないものでした。

立派な林道が造られていましたが、通る車もほとんどなく、ここでは、クマたちの生息が保たれているように感じました。

 

林内に入ると、谷川が流れていて、カジカガエルのオタマジャクシがたくさんいました。

きれいな谷川を見る室谷会長と宮澤先生の娘さん

 

豪雪と狩猟でシカが姿を消してしまった新潟県ではありましたが、最近は、シカの生息が各地で確認され始めてきました。しかし、爆発増加しているような状況ではありません。新潟県内の山林の下層植生はまだ豊かで、昔よりは減っている可能性がありますが、野生動物たちの食料もそれなりにあるようでした。

 

まだ赤い段階のヤマグワの実(黒くなるとおいしい)

 

熊森から

行きの飛行機からではわかりにくかったのですが、帰りは新幹線だったので、新潟県の山をまじまじと車窓から見続けることができました。

新潟県の人工林率は23%と低く、しかもスギを植えた場所は奥山ではなく里山がほとんどです。市街地のすぐ後ろが、もうクマの棲む豊かな森です。

 

兵庫県で見られるような山間部の高速道路開発や長距離トンネル工事など、生息環境が人為的開発によって大きく損なわれるような場所は、ほとんど見当たりませんでした。同行してくださった研究者によると、新潟県には、月山や糸魚川流域、妙高山、奥只見方面に、今も良好な森が数多く残されているということです。自然保護団体としては、是非そのような場所の森を数100ヘクタール規模でトラストして、永久保全しておきたいです。売ってくださる山主さんがおられたら、当協会にお声かけください。

 

西日本と違って、当分、新潟県のクマの生息に危機的な状況は起きないように感じましたが、①狩猟、②残雪期の予察駆除、③年中可能な有害駆除はもちろん、地球温暖化や酸性雪による森林劣化などに、今後も、注目していきたいです。

 

クマなどの野生動物や森に親しむ新潟県民が増えてほしいので、熊森新潟県支部が結成できる日を願っています。

 

 

フィード

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