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9月10日 アベマキとクヌギのドングリが待ち遠しい大阪の「とよ」

長野市の宮澤先生によると、7月下旬から8月上旬のある日、カレンダーでも持っているかのように、毎年そのクマ固有の日から、突然に冬ごもり前の食い込みが始まるそうです。そして、いったんスイッチが入ると、朝から晩まで食べ続けようとするということです。冬ごもりをさせないような飼い方だと、食い込みさせる必要はありませんが、私たちは「とよ」を冬ごもりをさせてやりたいと思っているので、秋にはたくさんドングリを与えてやりたいです。

 

もうすぐ、マテバシイのドングリが落ち始めますが、去年試したところ、なぜか、「とよ」はマテバシイは食べません。(注:枝についた青いマテバシイは1度食べました)クマの生息地にないドングリだからでしょうか。アベマキかクヌギのドングリでないとだめなのです。アベマキとクヌギのドングリが落ちるのはまだまだ先です。待ち遠しいです。今年はその他のドングリも食べるかどうか試してみたいと思っています。

 

9月10日のお世話日には、7名が参加しました。

寝室のエサ入れ引き出しを引き出すと、いつものごとく、水も食料も空っぽになっています。健康です。今日の食料第1弾は、バナナとモモです。水と食料で誘導して「とよ」を寝室に閉じ込めてから、獣舎のお掃除です。

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糞を取ってから、すのこをプールできれいに洗ってやりました。

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その後、プールを洗って、きれいな水を入れてやります。

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今日は初めて、寝室の屋根に積もった落ち葉の掃除もしました。秋になってきたことを感じます。

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ドングリの代わりに、「とよ」の大好きなクルミをあげることにしました。

 

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常動行動をする場所に、洗ったすのこを敷いて、お掃除完了。

 

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このメンバーでお世話しました。(クマ用のプールです)

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最後に、「とよ」を運動場に出してやります。

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「とよ」はいつものように、獣舎の東端を行ったり来たり、常動行動を開始です。

そのうち、じっと止まったので、わたしたちは、常動行動が終わったのかと期待しました。

しかし、よく見るとオシッコをしていました。

早く常動行動を卒業してほしいです。

でも、最近は、お世話に行った私たちと目を合わせるようになってきたので、「とよ」も少しずつ人間に慣れてきたなと感じます。

いつか、見つめ合ってお話ができるようになるといいな。

 

この国に、こんな魅力的な動物が棲んでいたなんて。日本に生まれて本当によかったと思います。

いつものことですが、参加者一同、「とよ」を観察することによって癒され、満足感いっぱいになって家路につきました。

8月27日 とよ君ファンクラブ 元野生グマの飼育に挑戦

とよは、お世話に行くと、私たちを見て、すぐに寝室の餌箱の所に飛んできました。

木曜日以外は、お寺が餌や水をやって、健康観察をして下さっています。

まず、お寺との連絡黒板を読んで、1週間に食べたものや体調をチェックします。

 

今週も元気にしていたことがわかりました。良かったです。

餌箱には新鮮な水と果物を入れます。バナナ10本、スイカ半玉、すぐに食べ終わっていました。追加です。

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とよが食べている間に、鉄の扉を閉めて寝室に閉じ込めます。

次に、プールの掃除から始めます。余り掃除が長引くと、もう出たいと言って、扉をたたき始めるのだそうです。この日は、掃除が終わるまで約2時間、とよはおとなしく寝室で待っていました。

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最近なぜか、とよはプールに糞をします。自然界では、谷川に入った時、糞尿をしていたのかもしれませんが、プールの水は流れないので、ここでしてもらったら困ります。しかし、どう教えたらいいのかわかりません。とよも、流れない水があることを不思議に思っているかもしれません。

 

山上には水道がないので、夏場は井戸水だけでは追いつかず、たくさんのポリタンクで運んできた水を、プールに入れていきます。これはかなりの重労働です。やっとのことで、3分の1程度の深さにまで水が入りました。とよには悪いけれど、今日はこれで限界です。だれが給水車かタンク車を貸してください!

 

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運動場の掃除が終わってから、とよがどの果物から食べるか見ようと、運動場に果物を並べてみました。本当はもっと野菜的な物も与えたいのですが、何をやっても市販のクマフードと果物しか食べないので、しかたがありません。トマト、キュウリ、ナス、トウモロコシ、ゴーヤ・・・どれも食べません。

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いよいよ、寝室の扉を開けてやります。

なぜか、また、運動場の東端を行ったり来たりの常道行動が始まりました。どうしてこのような行動をとるのか、私たちにはわかりません。以前は必死で行ったり来たりしていましたが、最近は、行ったり来たりしますが、それほど必死でやっているようには見えません。

そのうち、プールに飛び込みました。

 

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とよは、プールが浅いので、一生懸命姿勢を低くして水につかり、ごくごくと音を立ててプールの水をおいしそうに飲んでいました。山にいた時も、こうやって谷川の水を飲んでいたのでしょうか。私たちが見ている間に3回、プールに入り、私たちをちらっと見上げていました。

濡れたままで体も振るわずあがってくるので、せっかく新しく敷いてやった藁が、すぐにぐちょぐちょに濡れてしまいました。仕方がありません。

また常道行動が始まります。運動場に置かれた果物は、ちらりと、目で追っていました。

取りやすかったのか、そのうち、一瞬にして梨をくわえ、常道行動しているところまで持って行って食べました。その早いことと言ったら、一瞬にして食べ終わりです。再び常道行動にもどります。次に狙ったのは、ブドウです。巨峰の所にさっと来て、一房を一瞬にして食べ尽くしました。ペロッとしたら、巨峰が全部消えていたという感じでした。味わって食べているとはとても思えません。

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とよ、来週また来るね。元気でね。

この日お世話に来てくださった皆さんです。

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とよの獣舎の後ろの柿の木に、実がびっしりと付いていました。甘柿だそうです。実ったら、お寺の皆さんがきっと食べさせてくださると思います。

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ほんとうに、ここは抜群によい環境です。心配した夏場の蚊も、そんなに多くはありませんでした。(クマにはフィラリア病はないそうです)
お寺の皆さんに改めて感謝して家路につきました。

7月16日 「とよ」元気です 

ふだんはお寺の皆さんがお世話してくださっていますが、木曜日はくまもりのお世話日です。

大阪府豊能町高代寺クマ保護獣舎に集合です。

みんな大変ですが、お世話隊は「とよ」に会うのが楽しみでなりません。

夏場は水が不足します。

この日は、水遊びが大好きな「とよ」のために、家から20リットルのポリタンクに水を入れて持ち寄りました。

 

まず、好物を与えて、寝室に「とよ」を誘導します。

「とよ」は賢くて、最近はこの手順を覚え、さっさと寝室に入ってくれます。

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まるでフルーターです。野菜はなぜか食べません。

どうやって食べているのか、寝室の隙間からそっとのぞいてみました。すごい食欲で、ムシャムシャ食べています。

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スイカは一番に持ち出して、赤い部分だけ食べています。

「とよ」の食事後の食器の中です。モモの種は、容器外に捨ててありました。

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「とよ」が食事中に、プールの水替えをします。

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少しですが、きれいな水が入りました。(これで約400リットル=ポリタン20個分)

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「とよ」を寝室から出してやりました。

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プールに入って、ブクブクとおいしそうに水を飲んでいました。

今日のプールは水深が浅いので、ちょっととまどっているようでした。

何度も出たり入ったりします。そのたびに泥足で入るので、水が汚れてしまいます。

しかし、お世話隊のみなさんは、そんな「とよ」を、目を細めてみているのでした。

お世話隊のみなさん、ご苦労様でした。

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7月30日とよ君の世話

毎週木曜日に大阪府豊能町高代寺で飼育されている「とよ」の世話には、北大阪や兵庫の阪神地区の会員さんらが参加してくださっています。この日は、本部からも1名参加しました。

「とよ」が高代寺に獣舎へ移って、まもなく4ヶ月です。
この間、新しい獣舎に慣れるだろうか、エサは何を食べるだろうか、世話をする高代寺の方々 と熊森会員、参拝者の方たちに慣れるだろうかなどいろいろと心配がありました。

「とよ」は幸い、新しい環境には慣れてきましたが、食べ物については今も試行錯誤が続いています。
「とよ」は捕獲された 時に4歳でしたので、自然の中である程度の好みができていると思われます。また同じ食べ物でも、季節(時期)によっても食べたり、食べなかったりします。

普段はクマフードと果物を与えていて、私達が世話に行く日は果物を中心に与えています。

 

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会員のHさんの車には、エサとワラと水が満載

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獣舎横で打ち合わせ

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フンの数と量を記録しています

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汚れたワラを交換しています。

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プールの水を入れ替えるために、ゴミをすくい取ります

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プールを洗った後に、持ってきた水を入れます

 

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今日のエサはブドウとキウイとバナナとモモです。
イチジクは食べませんでした。

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掃除が終わって、「とよ」を運動場に戻すと、さっそくプールに飛び込んで、ゴクゴクときれいな水をおいしそうに飲んでいました。獣舎のステンレス容器には、常時、水を入れてありますが、どうも、プールの水を飲むのが好きなようです。

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約2時間の掃除の後、獣舎前で記念撮影。お疲れさまでした。

現在のところツキノワグマの世話に慣れた会員さんを中心にお世話していただいています。もう少し「とよ」が人間に慣れてきて怖がらなくなってきたら、新たなメンバーの方にもお世話に参加していただこうと思っています。(tsy)

 

 

6月24日大阪府豊能町「とよ」のプールの水替え

みなさんの愛情を受けて、「とよ」は、元気です。「とよ」に会いに行くのを毎日の楽しみとする住民も出てきました。誠に、クマは接した人の心をとらえてしまうすばらしい動物です。

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えさは、クマフードと果物などです。この日は、大好物のバナナやビワ、スイカ、モモなどを平らげました。

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「とよ」が、夢中でビワを食べているところです。種は出します。人間と本当によく似ています。スイカも食べるのは赤いところだけです。

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普段、何をどれだけやってどれだけ食べ残したかわかるように、お寺の皆さんが表に1週間分の与えたえさの記録を書き込んで下さっています。毎日食べ残しゼロです。「とよ」が元気なのがわかります。ウメやブルーベリーまで食べています。

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獣舎が山の上なので、飲料水は手に入りますが、プールの水の補給に苦労しています。

この日は、お寺のタンクの水が残り少なかったので、20リットル容器で下から水を運び、プールの水を替えてやりました。

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水が足りなくて、プールの4分の1ぐらいしか入れてやれませんでしたが、「とよ」は、さっそく嬉しそうにプールに入り、水をごくごくと飲んでいました。

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ちゃんと飲み水を獣舎内のステンレス容器に入れて与えているのですが、プールの水の方を飲むのは、野生グマ故でしょうか。

 

 

以上、6月24日分です。

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写真は6月18日のお世話の様子

熊森会員のみなさん、週1回のお世話通い、ありがとうございます。

 

5月10日 「とよ」のクマ舎にヨシズはり

最近は、真夏のように暑い日があります。季節的には少し早いような気もしますが、この日、「とよ」のクマ舎にヨシズを張ってやりました。

クマさんを見ようと次々と家族連れなどが山の上まで登ってこられます。みなさんクマに大変好意的で、よくぞこのクマを殺処分から救ってやってくださったとお礼を言われ、喜んでくださいます。

大阪府民にとって、クマの生存が身近に感じられる場所になってきたことがわかりました。

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 訪問された方々に、クマの生態などについて説明する森山会長(白トレーナー)

 

食料庫をのぞくと、私たちがふだん買えないような高価な果物がずらりと並んでいます。「とよ」に食べさせてやってほしいと、匿名で府民がお寺に送ってこられるのだそうです。ありがたいことです。

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食料庫の一部

クマに何を食べさせてやっているのですかと、よく聞かれます。

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今のところ、動物園などで使っている乾燥クマフードに果物や野菜をそえて与えています。クヌギのドングリは食べますが、マテバシイのドングリは食べません。

何を与えるのがいいか、現在試行錯誤中です。

餌を入れる引き出しは、大阪市にあるステンレス鋼材を取り扱っている豫洲短 板産業株式会社が4つも作って寄付してくださいました。ステンレス製のどっしりとした素敵な容器です。大切に使わせていただきます。

 

さて、肝心のとよは、どうしているでしょうか。

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 なにかにとりつかれたように常動行動を繰り返しているとよ

 

相変わらず、東の端を、行ったり来たり、常動行動を繰り返しています。次々と人が訪れて、神経が休まらないのでしょうか。3日前にプールまでの道のりに敷いてやった芝生が 土だけになっており、芝生はもう見る影もありません。

プールは大好きです。飛び込んで気持ちよさそうにしていたり、プールの水を飲んだりしています。

しばらく一般公開を取りやめた方がいいのではないかという考えが、また浮かんできました。

クマ舎には自動撮影カメラをかけていますが、人が来ていないときは、ゆっくりと獣舎の地面に座って、寝室の餌箱から持ち出した果物などを食べています。

 

この日持たれた、お寺と熊森の「とよ飼育会議」で、いつもとよを見て下さっているお寺の方のお話から、この1か月間、とよなりにいろいろと学習していることがわかりました。最初の頃は、早朝であっても、登山客が訪れると、寝室から飛び出して行って威嚇していたようですが、最近は、人が来ても朝のうちは知らん顔で、遅い時は昼前まで寝室で寝ているそうです。人が来てもいちいち飛び出していかなくても大丈夫ということがわかってきたのだろうと思います。

獣舎に近づいてきた人に走って行って、フッという音を出して威嚇することも、ずいぶん減ってきたそうです。もう少し様子をみてみることにしました。

とよは、お寺のみなさんに大変大事にしてもらい、愛情をこめてかわいがってもらっていることが、この日の会議でも再確認できました。とよ、よかったね。

 

寝室に入っている時のとよは、とても落ち着いてリラックスしています。ここは自分の家で安全な所だと思うようです。寝室のわずかな隙間から覗いてみると、左足で右足裏をかゆそうにかいていました。足裏の傷が、治りかけてきたのかもしれません。目と目があいましたが、とよはゆったりとしたままでした。

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この日は、プールの水を全部抜いてプールをきれいに洗い、新しい水を入れてやりました。

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とよ、元気でね。また来るね。

 

 

 

 

 

突然歩けなくなった「とよ」の看護と回復まで

4月27日とよが歩けなくなった

お寺から、「今日は、とよが寝室から全く出てこなかった。どうしたのか寝室の隙間から覗いてみると、足の裏から血を出しており、歩けなくなっている。どうしてやればいいのか。死んじゃうんじゃないか。よほど痛いらしくとよがしょげかえっている」という、悲痛な電話が入りました。クマ専門の獣医などいませんから、さっそく熊森は、近くの犬猫病院の獣医さんに尋ねてみました。野生は舐めて治すから、様子を見るしかないという答えでした。

 

4月28日足の裏にヨードチンキをぬってやる

とよは、足の裏を地面につけないように肘をついて寝室から出てきてオシッコをし、また寝室に戻ったそうです。お寺のみなさんはその痛々しい姿に胸を痛め、かわいそうでたまらないと、あちこちに相談の電話をされたそうです。うれしいことに町や府の方も心配してくださって、とよの獣舎に飛んで来たり、動物園の獣医さんを紹介したりしてくださったそうです。結果、お寺の方が、水鉄砲に薄めたヨードチンキを入れ、とよの足裏めがけてかけたところ、うまく患部にあたったということです。お寺のみなさんの必死の看護話を聞いて、胸が熱くなりました。

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前両足の裏を付けないように、肘を付けて寝室から出てきたとよ

 

4月29日食事はとれている

とよは動けないが、水や食べ物だけはとれているときいて、熊森もホッとしました。とよの獣舎の地面は、オシッコがたまらないようにと砕石を敷いてあるのですが、その上をとよがあまりにも(人々を威嚇するため?)走り回ったため、どうも、足裏の皮がめくれてしまったようだということがわかってきました。対応を考えねばなりません。

 

4月30日(木)獣舎地面にわら敷き

この日はくまもりのお世話日です。とよが痛そうにして足の裏を地面につけないように持ち上げているので、足裏の写真を撮ってみました。これはひどい。これは痛いと思います。しばらく、ヨードチンキを塗ってもらわねばならないでしょう。

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皮膚が破れて血が出ている 痛々しいとよの前足の裏

 

対策として、寝室からプールまで、とよの歩く道に、藁を敷き詰めてやりました。そうしたら、足裏を付けてゆっくりととよが四足で歩いたのです。また歩けるようになった。みんな大喜びです。

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 藁の上を四足であるいたとよ

 

偶然ですが、クマを見に来られた方の中に、獣医さんがおられました。とよが歩けなくなった話をすると、原因を教えてくださいました。9か月以上も、狭い檻に閉じ込められている間に、とよの足の裏の皮はすっかり薄くなってしまった。その足で、とよを見に来てくださった人たちに対応しようと、激しく砕石の上を走り回ったため、足裏の皮がむけてしまったということでした。

こんな状態なのに、とよはこの日、何回もプールに飛び込んでいました。よほど水が好きなんでしょうか。

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5月2日すだれ囲い

見に来てくれた人間たちに、とよが神経をすり減らさないように、獣舎の周りをすだれで囲ってやりました。これで、とよはほっとして落ち着いたように見えました。

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5月7日(木)芝生敷き

とよの足裏により優しいものとして、寝室からプールまで芝生を敷いてやりました。

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とよは気持ちよさそうに、芝生の上を四足で歩いていました。

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とよが四足で歩いている。こんな当たり前のことが、今回、本当にうれしいわたしたちです。

 

まだまだ課題はこれからでしょうが、お寺とくまもり、とよを見に来てくださった方々、みんなで協力し合って、とよを大事に育てていきたいと思います。

みなさん、これからも、元野生グマとよと、とよの飼育を応援してください。

 

「とよ」と命名 大阪府豊能町誤捕獲グマ

4月26日、獣舎の前に、名前の札をかけました。

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獣舎の東側に、クマ飼育開始を記念して、お寺の方と甘柿を記念植樹しました。柿は本当は1日中日が当たる場所がいいのですが、とりあえずこの場所に植えました。

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日曜日だったせいか、次々と家族連れやカメラを持った若い人たちが、クマを見に来られていました。ありがたいことに、皆さんとてもクマに好意的で、やさしい目で見て下さっていました。

 

しかし、とよは、獣舎の東端を、行ったり来たり走り続けるという常動行動を繰り返していました。人間が近づくと、飛んで行って、フッと威嚇しているときもありました。

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獣舎の東端を走り続ける「とよ」

 

私たちがお世話を終えて帰る時、とよは寝室に入りました。疲れてぶっ倒れているような感じでした。あれだけ何時間も走り続けていたら疲れただろうと思います。

 

このクマは、野生で大人になったクマですから、まだ人間が怖いようです。ひとりで必死に人間に対応してフラフラになっている感じでした。

 

まだ、一般公開は無理だったかなとわたしたちも考えてしまいました。わたしたちは、野生グマを飼ったことがないので、わからないことが多々あります。対応策を考えてみます。(4月26日)

 

癒されます 週刊文春4月30日号に、大阪府豊能グマ写真 

京都府会員から、本日発売の週刊文春に豊能町誤捕獲グマの記事が載っているという連絡を受けました。

一番の当事者である当協会が取材を受けていないのに、どんな記事になっているのか心配になりました。

 

さっそく、近くのコンビニに飛んで行って文春の立ち見をしたのですが、記事がさっぱり見つかりません。

何かの間違いかもしれないと帰ろうとして、裏表紙から5枚ほどめくったグラビアコーナーに載っているのを、やっとのことで見つけました。

 

プロの写真家が撮ったからでしょう。

まず、クマと住職さんの表情豊かな写真が、とにかくすばらしい。このページを見ているだけで、心が癒されます。見入ってしまいます。

添えてある文章も、読ませます。

 

ほっとしました。皆さんも良かったら、今週の「週刊文春」4月30日号を手にしてみてください。

 

ここに至るまでの、熊森メンバーの大変な努力は一切書かれていませんが、そんなことを世に認めてほしいと思って活動しているメンバーは熊森にはだれ一人いませんから、まあいいかと思いました。

新獣舎への移送時の、当協会の名前を一斉に伏せたマスコミ報道と違って、住職さんの、「獣舎も餌も、日本熊森協会が寄付を募って提供してくれている」というコメントがきちんと載せられています。

 

ちなみに、記事では、このクマの名は、これまで仮称として私たちが使ってきた「トヨ」という名になっていました。

 

クマが、人間と心を通じ合わすことのできるすばらしい動物であることを、この1枚の写真が世に十分に伝えています。この獣舎を建設して良かったと、改めて思いました。寄付してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

 

行政に記者会見を止められたこともあって、寄付金はまだ必要経費の半分強しか集まっていませんが、気長に集めていきます。

 

4月16日 威嚇しては寝室に戻る豊能グマ 一般公開1週間目の野生 

この日は、これまでこのクマに餌を与え、移送檻を掃除し、このクマが狭い檻の中で精神的に参ってしまわないようにはげましの声を掛け続けてきてくださった、くまもりのクマ、ベテランお世話隊の人達が集まりました。

まず、獣舎の前で打ち合わせです。

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クマの状態を調べながら、動画を撮影します。

https://youtu.be/Z_QN0xRmYKw

 

クマは見かけと正反対で、とても臆病な動物です。知らない人が次々と見に来るのが、まだ、怖くてたまらないらしく、人が来る度に走って行って、必死に檻に体当たりして威嚇して回っていました。

 

威嚇に忙しく、せっかく与えた大好物の食べ物も、ほとんど手を付けませんでした。まだ人に慣れない野生グマを、一挙に、一般に公開してよかっただろうか。もう少し人間に慣れるまで、非公開にした方が良かったのではないか・・・いろいろと考えてしまいます。

 

しかし、運動場のいたるところに落とされた沢山の糞を見て、人間が来ないときには間違いなくしっかり食べていることが確認されました。人間に会うのが嫌なら、隠れておれる寝室も用意してあるし・・・。もう少し、様子を見てみることにします。クマは、ベテランお世話隊の人達とは、目と目を合わせていました。

 

棒で獣舎の鉄格子をたたいたりした人がいたようです。親しみのつもりかもしれませんが、クマはとても怖がりなので、そっとにこやかに見るだけにしてやってほしいと思います。

 

この日は桜の花びらがプールにたくさん落ちていました。クマの顔に桜の花びらがくっついて泳いでいるのが、とてもかわいかったです。それにしても、まだ寒いのに、クマは何度もプールに飛び込んでいました。

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どんなものを与えていけばいいのか、いろいろと研究しています。

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あんなに大好きだったタケノコやリンゴですが、今はもう食べません。ブドウとキウイが今は大好物です。キウイは丸ごと食べます。干物の魚は、頭を残して食べます。(人間みたいですね) 去年の秋の ドングリ、今春のフキ・・・いろいろ並べて、餌を研究しています。

 

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このクマは、いったん野生で大人になったクマですから、赤ちゃんの時に母を撃たれて孤児グマとなった和歌山でお世話中の太郎や花子とは、かなり嗜好や反応に違いが出てきそうです。いったん飼ったからには、最後まで責任を持って、お寺の方たちと協力して、楽しんでお世話をしていきます。(とてもかわいい顔をしたクマなのですが、あまりにもクマの動きが速いので、写真にうまく撮れません。どなたか、いい方法があれば教えてください)

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