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2013-01

日本の山からなぜウサギが消えたのかーーやと病

かつて、あんなにたくさんいた野ウサギですが、今は、本当に見かけなくなりました。野ウサギがいないと、猛禽類たちが生きていけません。わたしたちは、ウサギが消えた原因を、ずっと知りたいと思っていました。

 

先日、高齢の猟友会員たちと懇談した際、この件をたずねてみたところ、すぐに答えを教えてくださいました。

 

「やと病だよ。拡大造林を始めたころ、苗木をすぐにウサギが食べてしまうので、困ってしまった国が、やと病(野兎病)菌を山にまいたのさ。この菌はすごい感染力で、みるみるうちに山からウサギが消えていったよ。当時は、ウサギを捕まえて、腹を裂くと、みんなこの病気にかかっており、白いぶつぶつがいっぱいついていたものさ」

 

これが本当なら、国は、拡大造林を進めるために、ウサギに対して、生物兵器を使ったことになります。

 

この件について確実な情報をお持ちの方は、もう時効ですから、当協会にお知らせくださいませんか。

沢沿いの人工林伐採事業に大分県行政が本腰・・・熊森大拍手→全国に広まれ

 以下 大分合同新聞社 oita-pressより引用
  豪雨災害に強い森林へ 大分県が地域計画見直し

 

大分県は昨年7月の豪雨で大量の流木(熊森注:人工林のスギ)が発生したことを踏まえ、災害に強い森林づくりを推進するため、地域森林計画の見直し作業を進め ている。下流部にある住宅地などへの被害を抑え、漁業への影響といった二次災害を防ぐ観点から、河川沿いの人工林については流出の恐れのある木の伐採を急 ぐ必要があるとし、本年度中に計画を策定し、新年度から早速、伐採事業などに着手したい考えだ。

 

昨年の豪雨災害では、河川の増水に伴い、木が土砂と一緒に押し流されたり、斜面が崩れるなどした。県は数万本の流木が発生したと推定。流木は下流部の橋桁や橋 脚に引っ掛かって河川の氾濫を引き起こし、住宅地などへの被害を拡大させたとの指摘もある。別府湾や豊前海に流れ出した流木は、漁業関係者にも大きな影響 を与えた。

 

土砂と一緒に流出の恐れがある木については切り倒す方針。

 

土砂崩壊の危険性がある急傾斜地では河川から5~10メートルの幅で間伐して、広葉樹を交ぜて 植えたり、自然植生を回復する案を検討している。事業は各市町村が担う。

県は伐採費を全額補助する方針で、「これまで流木被害に特化した対策はなかった。 事業効果が大きければ、県内全域に広めたい」(森林整備室)としている。

 

竹田市は、県の方針を受け、土砂の浸食被害が大きかった玉来川をはじめ玉来川水系の吐合川、滝水川の各上流部3地域、約30ヘクタールを事業対象の候補 地として挙げている。事業を推進するには、所有者の同意を得た上で、市の森林整備計画を改正する必要があり、担当者は「所有者の数が多く、遠方に住んでい たりする人もいて、作業は難航している」と言う。
市は「6月の梅雨時季前までには順次、事業着手をできるようにしたい。被害を最小限に抑えるため、多くの人の協力をお願いしたい」と話している。

 

<ポイント>地域森林計画
知事が全国森林計画に基づき、民有林について10年を1期として立てる計画。森林関連政策の方向性や地域的な特性に応じた森林整備、保全の目標などを示す。市町村森林整備計画の指針ともなる。

以上

 

<熊森から>

熊森は、以下5か所の人工林を広葉樹の自然林に至急戻すべきだとして、国会議員や林野庁、都道府県庁にお願いし続けてきました。今回の大分県の取り組みは、そのうちの一つ、沢沿いです。

 

日本の森林面積は2500万ha(うち40%にあたる約1000万haは、スギ、ヒノキ、カラマツ等の人工林)で、大部分は十分な管理がなされず、大荒廃しています。

 

現在、多額の補助金(=私たちの税金)をつぎ込んで、日本全 国で森林整備という名の事業が実施されていますが、残念ながら、その実態は、木材生産のための2割~3割程度の弱間伐を施す事業がほとんどで、5年もすれば、残された木が成長し、元の木阿弥。整備した割に、成果を上げていないのが現状です。

 

沢沿いの針葉樹一辺倒の人工林は、沢沿いの広葉樹の花に集まる虫を山から消して、谷川の魚からえさを奪い、生態系を破壊し、土壌や流木を流出させ、人災と呼べる大災害を招いているので、早急に広葉樹へと樹種転換することが必要です。

 

今後は木材生産に特化しただけの今の補助金制度ではなく、治山・治水に結びつく適度な皆伐や間伐、生態系まで見つめての落葉広葉樹の導入に力を入れ、昔の自然の沢沿いの森に早急に戻していくべきでしょう。

 

年末から持ち越した納得のいかないクマ殺処分2件

クマ殺処分は、どれも納得のいかないものだらけですが、昨年末に起きたクマ殺処分2件も、私たちには納得のいかないものでした。新聞記事を読んで、胸がつぶれそうになりました。

 

その① 東京都あきる野市で、12月25日のクリスマスに、箱罠にかかった10キロの子グマを射殺。

 

その② 兵庫県養父市(旧関宮町)12月30日、スキー場にうずくまっていた雌グマ1.2メートルを射殺。

 

 いずれも、ツキノワグマが絶滅危惧種に指定されている地域での殺処分です。

 

いずれも、新聞記事になったからわかったもので、記事を書いてくださった記者さんに、まず感謝です。

また、いずれも、すでに殺されてしまった後で知ったため、当協会としては救出に向かえず、残念でした。

一日も早く、クマが殺される前に、当協会のようなクマの立場からもクマ問題が見れる団体に、相談や情報が持ち込まれる時代になってほしいです。

 

当協会は、新年、まずこの2件の徹底検証を行うことにしました。

 

 

「生態文明の建設」を大きく推進することを表明ーー中国

2013年最初のくまもりブログは、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌「グローバル ネット」12月号から頂いた情報(以下、一部引用)でスタートしたいと思います。

 

・・・2012年11月、北京の人民大会堂で、中国共産党第18回全国代表大会が開催され、10年間国家のトップの座についていた胡錦濤総書記が、総括と今後の国家の方向と目標を示した。その中で、「生態文明の建設を大きく推進する」が強調された。また、この時、中国共産党の党規約を改正し、生態文明の建設を、党規約に盛り込んだ。

生態文明というのは、自然を尊重し、自然に順応し、自然を保護するということのようで、胡錦濤総書記は、

「最後に、われわれはぜひとも一層の自覚を持って自然を大切にし、より積極的に生態系を保護し、全力を挙げて社会主義生態文明の新しい時代に向かって邁進しなければならない」

と、報告を結んだ。・・・

 

熊森から

国家の指導者が、このような指針を打ち出したのは、すばらしいことだと思います。

 

経済成長を追う余り、公害垂れ流しの環境破壊国家となった隣国中国には、私たちも自然保護団体として眉をひそめてきました。数年前、揚子江イルカの最後の一頭が、揚子江の汚染が進んだため死亡し、ついに絶滅した時、わたしたちはため息をついたものです。

 

しかし、当協会顧問の前兵庫県知事貝原俊民氏が、「中国のトップリーダーたちに会ってきたら、このままではいけないという危機感がものすごくあった」と私たちに教えて下さったので、隣国の全員がお金に狂ってしまっているわけではないと知り、一縷の希望を持ちました。

 

そして、今回の、胡錦濤氏の報告を読んで、(行き着くところまで環境破壊が進んだ結果でしょうが)、国を挙げて、文明の方向転換が始まることを知り、大いに期待したいと思うようになりました。ここまできっぱりと宣言された胡錦濤氏に、大拍手です。後をついで、今後10年間、中国のトップリーダーとなる習近平新総書記が、この路線を深く理解し、大いに進めてくださるよう祈ります。これからの隣国中国の変化が楽しみです。

 

熊森新年のことば

「自然保護大国でなければ、21世紀は生き残れない」

 

 

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