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2018-02
四国のツキノワグマの絶滅回避に向けて、2月27日高知県庁記者クラブで熊森が記者会見を予定
- 2018-02-26 (月)
- くまもりNEWS
高知県庁記者クラブでの記者会見 14時~15時
当日現地携帯090-1073-0980
本部事務所0798-22-4190
明日、記者会見が終わった段階で、ブログに速報を出す予定です。
お楽しみに。
速報 2月27日 四国のツキノワグマを絶滅の危機から救うため 高知県のクマ生息地の山林24haを購入しました!
- 2018-02-27 (火)
- くまもりNEWS
生息推定数わずか十数頭~数十頭、絶体絶命の危機にある四国のツキノワグマの絶滅回避には、えさ場の保全・復元が不可欠です。四国の山は標高1000m付近まで、スギ・ヒノキの人工林で埋まっており、クマが個体群を維持するための最低数である100頭までの数を増やすことができません。
日本熊森協会が絶滅回避のためにできることはクマのえさ場拡大だと考え、本日、第1弾として高知県香美市物部町の自然林24haを購入しました!
赤枠内が本日購入した山
この山を拠点に、四国のみなさんとともに、えさ場である自然林の再生に 次々と取り組んでいきたいと思います。みなさん、ぜひ応援してください!
当協会の「クマ保護基金」にご協力を!
今回のトラスト地購入代金には会員の方のご寄付を使わせていただきました。また、トラストまでの調査や登記費用には、当協会の「クマ保護基金」を使わせていただきました。山林代金をご寄付くださった方、「クマ保護基金」にご寄付をいただいた方々に心から感謝申し上げます。
「クマ保護基金」は現在大阪で保護飼育中のクマの世話と、クマと人が共存するための実践活動に使わせていただきます。
ゆうちょ銀行振替口座 00980-7-203246 口座名「くま保護基金」
たくさんの方に応援していただかないと、大荒廃して放置されている我が国の奥山再生は進みません、四国のクマの絶滅を止め、水源の森を次世代に残していく日本熊森協会の活動にご賛同いただける方は、ぜひ当協会にご入会いただき、奥山再生の大きな流れを作っていただきたいです。
熊森解説
購入した山林はクマ保護のための重要拠点
四国に唯一残されたクマ生息地である剣山地区の中で、動物の移動確保のために四国森林管理局(林野庁)が設定した「緑の回廊」が途切れる箇所が3か所あります。そのうちの1つである高知県と徳島県の県境にある物部川源流域の石立山山系の山林(標高670~1340m)が、本日購入した山林です。
分断された緑の回廊を拡大する効果も期待されます。自然林を中心とした山林で、NPO法人四国自然史科学研究センターの調査でツキノワグマが利用していることも確認されています。一部人工林も含まれていますが、購入後は、人工林部分を除去し、自然林を再生させます。
四国のツキノワグマの生息数が増えないのは、絶対的な生息地(えさ場)不足
四国山地のツキノワグマは現在では徳島県と高知県にまたがる剣山山系の標高1000メートル以上の山岳地帯に十数頭から数十頭しか生息していないと推定されています。1991年には、環境庁(当時)によって「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されており、国内で最も絶滅が危惧されている地域個体群です。
現在、四国のクマは狩猟禁止となっていますが、数が増えません。その原因は、戦後の拡大造林で四国山地が高標高までスギやヒノキの人工林に置き換えられてしまった上、近年はわずかに残された自然林の下層植生がシカによって消えてしまうなど、絶対的な生息地(えさ場)面積が不足です。
四国のツキノワグマの絶滅回避をめざして、これまでいろいろな団体が調査研究されてきました。そのことにより、私たちは四国のクマの危機的な状況を知ることができました。
設立以来21年間、クマたち野生動物のえさ場復元活動に各地で取り組んできた熊森としては、なんとしても四国のクマにえさ場を拡大してやりたいと強く思ってきました。本日第1弾の山林購入に成功し、とてもうれしいです。応援してくださったみなさんのおかげです。
当協会は、今後さらに、四国での山林購入を増やしていきたいと考えています。剣山周辺の高標高地帯に山をお持ちの方で、自然林再生にご協力いただける方は、至急ご連絡ください。0798-22-4190(良いクマ)
また、林野庁、環境省、高知県、徳島県、民間団体などの皆さんにも、四国のクマたちが絶滅する前に、なにとぞえさ場拡大に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
私たちも、今後、さらなるえさ場復元拡大に取り組みます。
四国のみなさんと奥山保全・再生
日本熊森協会は、設立以来、地元の皆さんと一緒になって、ツキノワグマをはじめとする多種多様な生物が棲める豊かな森の保全・再生に取り組んできました(全国各地での奥山購入実績 日本熊森協会として225ヘクタール)。
クマの棲む豊かな森を四国の奥地に保全・再生することは、人間の生活にとっても水源の森の確保をはじめ、計り知れない恵みとなります。
クマは世間で言われているような危険な動物ではなく、大変臆病で、棲み分けにより人間と十分共存できる動物です。お知りおきください。
四国には、日本熊森協会高知県支部と愛媛県支部があります。四国のさらに多くのみなさんと、四国の山の再生、ツキノワグマの絶滅回避に取り組んでいきたいです。
ただいま、高知県庁で記者会見中です!
四国地図に赤く塗られた部分が林業のためのスギヒノキの人工林で、動物の餌がない場所です。
<本日夕方6:30からのテレビニュース報道予定>
テレビ高知、高知さんさん、RKC高知
日本熊森協会のクマのえさ場復元事業をご支援ください!
くまもり本部2018年3月度> 自然保護ボランティア募集(初参加、非会員も歓迎)
- 2018-02-22 (木)
- _環境教育 | いきもり | お知らせ(参加者募集) | 太郎と花子のファンクラブ | 豊能町誤捕獲クマ「とよ」
熊森協会本部では、各分野のボランティアを募集しています。
会員・非会員に関わらず、多くの方々にご参加していただきたいです。
学生さんや若い方も、みなさん誘い合ってご参加ください。
ご参加いただける方は、活動日の3日前までに電話、FAX、メールにて熊森協会本部事務局までご連絡ください。
本部電話番号 0798-22-4190
本部FAX番号 0798-22-4196
メール contact@kumamori.org
2018年3月の活動予定
<いきものの森活動>
毎月第3火曜日 他に活動が必要な場合は土日を中心に活動を実施します
3月17日(土)風倒木の処理(三田)
3月20日(火)苗床の防鹿ネット修理(千種町鷹巣)
午前8:00に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください
チェンソーを使えない方はのこぎりでご参加いただけます。
- いきものの森活動は人工林の間伐や実のなる木の植樹、クマの潜み場の草刈りや柿もぎなど、兵庫県北部を中心に実施しているフィールド活動です。参加者のペースに合わせて活動を進めていきますので、誰でもご参加いただけます。
現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。
天候不順で中止になることがあります。
<環境教育例会(於:本部事務所)>
3月12日(月) 毎月第1月曜日
- 小学校や保育施設などで、森や動物の大切さを伝える環境教育を実施しています。環境教育例会では、授業に向けての練習や打ち合わせ、プログラムの作製を行います。絵本の読み聞かせや紙芝居にご興味のある方、子どもがお好きな方、ぜひご参加ください。
<とよ君ファンクラブ(大阪府豊能町高代寺)>
3月6日、13日、19日、27日
(第1,2,4週は火曜日、第3週のみ月曜日に変更)
- 大阪府豊能町で保護飼育しているツキノワグマのとよ君のお世話です。
現地までの交通手段は本部にご相談ください。
<太郎と花子のファンクラブ(和歌山県生石町)>
3月は定員に達しました。申し訳ありません。
参加費:1000円(交通費)
- 和歌山県生石高原で保護飼育しているツキノワグマの太郎と花子のお世話です。
午前8:30に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください。
現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。
環境教育以外は兵庫県ボランティア保険(4/1~3/31の年間500円)への加入が必要です。
自車参加も可能です。
たくさんの方のご応募をお待ちしております。よろしくお願いします。
2月12日 三田市 「森の蘇り」の大西理事長ら、皮むき間伐した木の伐倒を熊森に現地指導
- 2018-02-18 (日)
- いきもり | お知らせ(参加者募集)
NPO法人「森の蘇り」は、日本人が外材を大量に輸入し続けることによって、海外の原生林を大量消滅させていることに、大変胸を痛めてこられました。熊森も全く同感です。
片や、日本には、戦後植林されたまま山中に放置されている「線香林」と呼ばれるスギやヒノキの人工林が、大量に残されています。以前は間伐材が工事現場の足場材などとして飛ぶように売れたときもあったのですが、今は足場材が鉄材になったため、需要がありません。
NPO法人「森の蘇り」大西理事長は、なんとかこの間伐材を利用する方法はないか、間伐材で家を建てられないか、いろいろと研究されてきました。すばらしいブログを書かれていますので、ぜひお読みください。
一方、熊森は原則として、材の切り出しなど不可能な奥山で活動しておりますから、残念ながら、皮むき間伐した人工林のスギ・ヒノキは、これまで山に放置してきました。
台風の時、皮むき間伐材が倒れて危険ではないかという声もありますが、意外と台風の時倒れるのは葉がついた生木の人工林の方です。
この度、熊森の皮むき間伐材で、道に運び出せそうなものがあれば、無料を条件で、「森の蘇り」が引き取って利用してくれるかもしれないということになりました。ただし、「きらめ樹間伐材」(=皮むき間伐材)は、木が乾燥しているので、チェンソーの使い方にコツがあるということです。そこで、大西理事長らに来ていただき、熊森8名は、皮むき間伐材の安全な伐倒法を現地指導してもらいました。
チェンソー未経験者でも伐れるように教えられるということで、初体験者にも参加してもらいました。
まずは基本のフォームから指導です。
次は実際に樹木のそばに立ってフォームを確認します。「森の蘇り」さんは徹底的にフォームにこだわります。
次は玉切り。この時もフォームを大事にします。皆さん慣れない姿勢で大変そうです。
そして、ついに伐倒をします。本日、初めてチェンソーに触ったという人も伐倒に挑戦です。伐倒方向、バーを水平にする、逃げる方向を確保、いろいろ考えると緊張してきます。
なんとか伐り終えましたが、ここからが大変です。木の板を組み合わせたものを小さい丸太の上に敷いて、その上に樹木を落としてロープで引っ張ります。
だんだん樹木が斜めに倒れてきます。最後は一気に倒れるので、みんなでその場をすばやく離れます。
こんな調子でこの日は4本伐倒しました。
これまでは生木をたくさん伐倒してきましたが、皮を剥いで乾燥した木を倒す方法を初めて教わりました。ふだんの伐倒にも使えそうな学びの多い講習会でした。
今後、この場所では、皮剥ぎした材のチェンソー伐倒を進めて「森の蘇り」さんに材を利用していただこうと思いますので、多くの方にご参加いただきたいです。
次回からは、元林業に従事していた熊森職員が伐倒を指導させていただきます。
2月16日 いきもり活動in三田 皮むき間伐した木の伐倒
- 2018-02-18 (日)
- いきもり | お知らせ(参加者募集)
前回、「森の蘇り」さんに講習会を実施してもらった時の参加者に、さっそく手伝っていただきました。
以前、くまもりチェンソー隊で活躍してくれていた方も応援に駆けつけてくれました。
チェンソーを使うのは久しぶりということだったので、午前中は枝打ちと玉切りでチェンソーの感覚を思い出してもらい、午後から伐倒してもらいました。
「森の蘇り」さんから習った伐倒方法を取り入れつつ、自分たちが一番確実で安全、スピーディだと思う方法で伐採しました。
くまもり秘伝の「かけるゾー」でロープを高い位置にかけて、追い口を切りながらロープで引っ張ります。そして、倒す方向にある立木にわざと伐倒木をかけます。
倒す方向が確定した後は、ロープを引っ張ったり、フェリングレバーで木を回して、地面まで木を倒します。
この日は7本伐採しました。玉切りするとちょっとした木材の山ができました。木がかなり軽くなっていたので、運ぶのも楽々です。
少しずつ林内も明るくなってきました。
本日は3名でやってみました。
次回は2月23日(金)に実施します。
チェンソーを使える方も、使えない方もご参加ください!
ご参加いただける方は、前もって本部事務所までご連絡ください。
1月27日 水源の森を守るための川上・川下交流フォーラム 主催:エコネットあんじょう
「矢作川水源の森トラストプロジェクトフォーラム2018」が、愛知県安城市のアンフォーレ1階で開催され、熊森の森山会長もパネリストとして呼んでいただきました。
まず、2つの発表を聞かせていただきました。
①根羽村(長野県)ー安城市の場合
<川上>根羽村:90㎢(うち92%が山林、人工林率75%)、人口 921人 産業はずっと林業※
※明治期に村有林を全世帯450軒に5.5ヘクタールずつ分配したため、全世帯が山林所有者。
<川下>安城市:86㎢(うち田畑47%、宅地27%)、 人口180000人、産業は農業や自動車工業
安城市による水源の森の守り方
1.平成3年・・・根羽村の分収育林48ヘクタール(=人工林)が伐採されそうになった時、地元では再造林費用のめどが立たなかったため、安城市は費用分担してこの分収育林事業に30年間契約で参入し、伐採を止めた。木材価格の低迷で、今後、分収が見込めないため、材として売れそうな木以外は強度間伐を施して、保水力を高めるために針広混交林に変えていくべきとの声が出ている。
2.平成23年・・・NPO 法人エコネットあんじょうが上の分収育林地の対岸にある自然林36ヘクタールを3600万円で買いとって安城市の水源の森として手つかずで保全していこうと呼びかけている。
②道志村(山梨県)ー横浜市の場合
<川上>道志村: 80㎢、人口 1685人
<川下>横浜市:438㎢、人口 3730000人 京浜工業地帯
横浜市による水源の森の守り方
1.1916年(大正5年)・・・横浜市の水源の森として、道志村の36%にあたる山林2780ヘクタール(自然林63%・人工林27%)を購入。現在保安林。
横浜市は、生産林(=林業)と環境林(=水源涵養林・生物多様性保全林)をはっきりと区別して、それぞれの用途に合わせて管理の仕方を変えている。現在道志村の6割にあたる4600ヘクタールの人工林が放置されて荒れているため、横浜市は市民ボランティアを募って間伐などを進めている。
この後のパネルディスカッションでの森山会長の発言
発表いただいた2例とも、川上と川下がトップだけではなく住民に至るまで交流して助け合っており、すばらしい取り組みだと思いました。
●森≠林
今後、森造りについて論じ合うとき、森林という日本語を使わないようにする必要があると私は強く感じています。森と林は、別物として定義しなおさないと、このようなパネルディスカッションでも話が混乱して訳が分からなくなってしまいます。
自然林を森と言い、林業のための人工林を林(生やす)というと決めませんか。
しかるに、林野庁が、人工林を森林と呼ぶものだから、国民は訳が分からなくなるのです。
このたび国会で課税されることが決まった「森林環境税」は、現時点までの内容では、「林業振興税」と名前を変えるべきです。
林野庁にも問い合わせてみたんですが、「市町村が行う間伐や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に使う」とされています。もうお分かりですね。全て林業やそれに伴う林道建設に使われるのです。
しかし、みなさん、戦後1000万ヘクタールも作ってしまった人工林、私たちの多額の税金を投入してまで今後も今の規模のまま管理する必要はありますか?
今や、我が国の林業は、補助金で成り立っているだけというのは皆さんもご存知です。
なぜ産業として成り立たないか?材価が安いからです。なぜ材価が安いのか。需要がないからです。
なぜ国産材の需要がないのか?大量の安い外材が入ってきたからだと勘違いされている方が多くおられます。
違います。国民のスギ・ヒノキ材に対する需要がどんどん減ってきているのです。
木造建築を建てる人は激減です。空き家が今国中にいっぱい。今後、人口は確実に減っていく。
日本国が今しなければならないのは、根羽村のように林業に向いており林業の専門技術を持つところは、当然林業の町として残すべきですが、それ以外の人工林は、水源確保のために、生物多様性保全のために、災害に強い山にするために、私たちの税金で自然林に戻すことなのです。
林野庁自身も、戦後、1000万ヘクタールも人工林を造りすぎた。660万ヘクタールに減らしていきたいとはっきり言っています。
●人工林を自然林に戻すには、皆伐が必要
熊森は、当然、人間のことも林業のことも考えますが、自然保護団体ですから、それだけではダメで、全生物のこと、全産業のこと、次世代のことまで考えています。熊森は設立以来21年間、奥山の人工林を森に戻すために、実に様々な実験を繰り返してきました。以前この場に呼んでいただいたときは、人工林に7割の強度間伐をかけて、間に広葉樹の苗木を植えて、針広混交林づくりに取り組んでいますと発表させていただきました。
しかし、今日は、前言を取り消します。10年間様子を見た結果、最初のうちはよかったのですが、50年生のスギの間に植えた広葉樹の3年苗は、やがて、スギの成長に負けてしまい、針広混交林にはなりませんでした。スギの3年苗を植えて放置していたら、針広混交林になったという所はあちこちにあります。針葉樹の苗木と実生の広葉樹のスタートラインがほぼ同じだったからでしょう。しかし、50年生のスギの間に植えた広葉樹の3年苗では、無理です。結局、地元の皆さんは、残されたスギを全部伐って除去されました。水源を確保したいからです。人工林を自然林にもどすには、間伐ではダメで皆伐です。部分的であっても、人工林は皆伐しなければ、その中に広葉樹の苗木は育たないという報告をさせていただきます。
●日本も水が不足している
日本は雨や雪に恵まれているから、水源の森の保全など必要がないと思っている方も多くいます。昨年度のわが国の食料自給率は38%でした。水ジャーナリストの橋本淳司先生が、せめて食料自給率を50%に上げられないかと計算されたそうです。その結果、不可能なことがわかりました。今、日本に降っている雨や雪、日本の森から湧き出す水、これだけでは、50%の食料自給は無理なのです。私たちは、外国に降った雨、外国の森から湧き出た水によって生産された食料で生きながらえているのです。
不要な人工林を、あってはいけない場所にある人工林を、森に戻す。今、このことにこそ、多額の税が使われるべきだと考えます。税の名前は、「森林環境税」でもなく「林業振興税」でもなく、「森再生税」です。
最後に感想ですが、エコネットあんじょうさんのフォーラムは、自分と考えが違う発言であってもみなさんがきちんと聞いてくださいます。出演者、参加者のレベルがとても高いといつも感じます。今後も、森再生情報を交換していきたいです。今回も、くまもりを呼んでいただき、ありがとうございました。(完)
2月8日 和田山ロータリークラブで室谷副会長が卓話
兵庫県朝来市にある和田山ロータリークラブの例会で熊森の室谷副会長が卓話をさせていただきました。
荒れて放置されている奥山のスギ・ヒノキの人工林を、もう一度、豊かな森に戻すため、21年前から地元の方と一緒に行っている熊森の森復元活動を紹介し、地元である和田山ロータリークラブのみなさんともぜひ一緒に森復元に取り組みたいと伝えました。
和田山ロータリークラブのみなさんは16年前からくまもりをずっと応援してくださっているだけあって、熱心に聞いてくださいました。「20年くらい前に急傾斜で植樹を頑張っている様子を見たよ!」と、熊森ができたての頃、朝来市でしていた森復元を知ってくださる方もいました。
森林保全担当の家田は、「豊かな森づくりは自分たちの代だけではできないので、子や孫にも伝えてください」という話をしました。
行く前、和田山は積雪がすごいのではないかと危惧していましたが、北陸地方と違って雪はほとんどありませんでした。
次世代に豊かな水源の森を残すための熊森の活動を伝える講演や卓話をこれからもどんどんしていきたいです。
お話をさせていただける団体さんがありましたら、お気軽にお声掛けください。
クマのことは熊森に訊けの流れ! 東京新聞が秋田県クマ大量駆除問題について、森山会長を取材
くまもりは長年、ツキノワグマ研究第一人者宮沢正義先生(長野県在住)や、ヒグマ研究第一人者門崎允昭博士(札幌市在住)に指導していただきながら、徹底した現場主義で、会の全力を上げ、全国の熊とその生息地を調査してまいりました。
クマや森の問題、生息地再生活動については、「熊森に尋ねるとわかる」という流れが、やっと社会認知されてきました。ここまで来るには、実に26年間にわたるわたしたちの全人生をかけた知的で誠実いっぱいの取り組みがありました。感無量です。自然界のことは人間には永遠にわからないことでいっぱいですが、その中でも熊森のコメントは、クマだけではなく、奥山生態系全てにかかわるものであると自負しています。
以下、東京新聞1月18日記事
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【続報】 東京都での親子グマ違法捕殺がテレビ等で報道されました
2月1日にお伝えした、東京都青梅市の親子グマの違法捕殺問題の続報です。
2016年11月、東京都青梅市で、猟友会員が、捕獲許可が1頭しか出ていないにもかかわらず、山で木に登り逃げていた3頭の親子グマを射殺しました。2頭の子グマを射殺したことは最近まで隠されていました。
熊森は、1月31日、クマを撃った猟友会員を鳥獣保護法違反で刑事告発するため青梅警察署に申し入れしました。
また、2月1日には、東京都知事宛に再発防止と絶滅危惧種である東京都のツキノワグマ保全強化の要望書を提出しました。
熊森の活動がいくつものメディアで報道されています。
親子グマの死を無駄にしないために、クマの生息地である奥山の自然林の復元と、クマと共存できる保護体制の構築ができるよう、関東での活動もこれまで以上に広げていきたいです。
たくさんの方にこの問題を知ってもらいたいので、ぜひこの記事を拡散してください。
【各社のニュースはこちらから見られます】
弁護士ドットコムニュース
https://www.bengo4.com/c_1009/c_22/c_21/n_7366/
TBSニュース
http://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye3280091.htm
NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180201/0007388.html
産経新聞
http://www.sankei.com/smp/life/news/180201/lif1802010035-s1.html
【速報!】東京都青梅市での子グマ2頭の無許可射殺を刑事告発へ
2016年11月、東京都青梅市で、猟友会員が、捕獲許可が1頭しか出ていないにもかかわらず、山で木に登り逃げていた3頭の親子グマを射殺しました。2頭の子グマを射殺したことは最近まで隠されていました。
日本熊森協会は、関係者の証言と現場調査から、2頭の子グマの捕獲は鳥獣保護法等に違反するとして、昨日、青梅警察署を訪れ刑事告発を申し入れました。
また、本日、東京都のツキノワグマ保護体制の構築を求めて、東京都知事宛の申入書を提出しました。
熊森の副会長の室谷弁護士の外、東京都の市野綾子弁護士、島昭宏弁護士にも告発代理人としてご協力いただきました。
クマは襲ってきたのではなく、山林で木の上に逃げていて無抵抗だった
2016年11月10日、親子グマ3頭の目撃情報があり、東京都猟友会青梅地区から駆除隊9名が出動し、猟犬をかけてクマの追い払いを開始しました。青梅市は、1頭しか捕獲許可が出ていないから子グマを撃たないようにと指示していました。それにもかかわらず、猟犬を追いかけていた猟友会員が、山林でスギの木に登って逃げていた3頭の親子グマを射殺しました。猟友会員は、3頭を射殺したにもかかわらず、青梅市には「1頭だけ捕獲した」と嘘の報告をし、2頭の子グマを捕獲したことは隠し、なかったことにしてしまいました。
熊森に、今回の無許可捕獲の通報があったのは、2017年11月末です。熊森本部は以降、聞き取りや現地調査等を進めてきました。
2017年12月、青梅市は、2016年に11月のクマ捕獲は1頭ではなく、3頭だったとメディアへ訂正発表をしました。青梅市の聞き取り調査では、クマを撃った猟友会員は、「クマが藪から出てきて、自分に向かってきたから射殺した」と証言しているとのことでした。
しかし、熊森本部、東京支部、神奈川支部等の現地を調査したところ、現場はスギの人工林内でクマが身を潜められる藪などありませんでした。クマが登っていたスギの木には母グマと思われる爪痕がいくつも発見されました。
また、クマを撃った猟友会員は、3頭を射殺した直後、駆除隊にいた猟友会に対し、「木に登っている親子グマ3頭を全て撃ってしまったので、市役所の人に内緒で山から下ろすのを手伝ってほしい」と依頼をし、クマが向かってきたという発言は一切していないという証言も得られました。
違法行為には、法に基づく処分を
東京都では、絶滅危惧種とされているツキノワグマは狩猟禁止措置が取られており、許可のない捕獲は鳥獣保護法や銃刀法違反となります。
クマを撃った猟友会員の「藪に隠れていたクマが向かってきたから撃った」という報告は、クマが潜める場所のない現場の状況や当日駆除隊に参加していた猟友会の証言とも矛盾します。
青梅警察署は、刑事告発を受理するかどうか検討するとのことでしたが、絶滅危惧種の保全という観点からも、事実を適正に捜査し、違法行為に対しては厳しい処分がなされるべきです。
東京都でツキノワグマの保護体制強化を要請
2月1日、熊森は東京都庁へ出向き東京都知事あてに、今後、絶滅危惧種である東京都のツキノワグマ保全強化を要請する要望書を提出し、都庁記者クラブで記者会見を行いました。
クマは、本来臆病で、人間が怖いので、積極的に人を襲う習性はありません。猟師が猟欲のあまり無抵抗のクマを「襲ってきたから撃った」ことにしてしまう、今回のようなケースは、氷山の一角であると考えられます。クマは繁殖力が低く、捕獲圧に弱いので、「危険」というレッテルを張り、安易な捕獲を進めていると絶滅に拍車をかけることになります。
東京都で、クマと人が共存できるよう、奥山への放獣や追い払いの徹底、そして何より本来の生息地である奥山の自然林の復元等の取り組みが行われるよう、東京都支部とも協力し活動を進めていきたいです。
(野生動物保全担当 水見)
ツキノワグマ保護体制構築のための東京都への要望事項
1 東京都でも、他府県のように、ツキノワグマの放獣体制をつくること。特に山の実りが凶作年の出没やイノシシ等の罠への錯誤捕獲については、捕獲したクマを山に放獣できるようにすること。
2 クマの出没時、追い払いや誘因物の除去を徹底すること。 3 絶滅防止の観点から、子連れのメスグマは原則捕殺しないことをルール化すること。 4 ツキノワグマの違法捕獲が発生しないよう、捕獲許可権者である東京都が捕獲従事者の監視体制の強化、各自治体への指導を徹底し、違反者に対しては適正な処分をすること。 5 東京都の本来のクマ生息地である奥山がスギ・ヒノキの人工林率が高く、クマが生息できない環境となっているため、奥山の広葉樹林化を進め、ツキノワグマの本来の生息環境の整備をすること。 |