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2018-10

10月13日 兵庫県クマ無差別大量捕殺体制を知って、強烈な精神被害を受けた集会参加者たち

「兵庫県3年目のクマ狩猟と大量捕殺を考える会」が、尼崎市商工会議所で開催されました。

 

室谷会長が、兵庫県のクマ対応の変遷と背景についてレクチャー

 

9月13日、9月26日の熊森ブログでもお伝えした通り、熊森本部は今年、兵庫県のクマ有害捕殺が暴走していることに気づき、7月12日、3名で兵庫県庁鳥獣対策課を訪れました。そして、21年間兵庫のクマや山を見続けて来た者として、今年、こんなに有害捕殺されるクマが出るのはおかしい、いったいどのような基準で有害とみなしているのかなど、担当者に実態を調べていただくようにお願いしました。

 

しかし、残念ながら、3か月近く待ってもお返事がいただけませんでしたので、独自に調査に乗り出すことにしました。

 

そして、既に報告させていただきましたが、県発表の生息推定数が918頭(360頭説もあり)という兵庫県のクマに対して、春の時点でクマ捕殺許可数が数百件、井戸知事名で下ろされていたことなどが発覚してきました。ここまでやるかと信じられないようなクマ大量捕殺を強化する体制が兵庫県行政により仕組まれていたことがわかり、この集会で報告させていただきました。

集会には、尼崎市選出の県会議員さんもご参加くださいました。

 

後半は、水見研究員による現地調査報告です。

 

報告には、地元で取材してきた人たちの動画が次々と映し出される(公表許可済み)

 

山間にあるA町では、山すそに沿って民家がズラリと並んでいます。

従来、クマ捕獲罠の設置が認められていた場所を、水色で塗ってみました。

 

これまでは、集落に出て来たクマが捕獲対象だった

 

昨年7月から黄色に塗られた集落裏の山中200メートルゾーン、または山中にある田畑や施設から200メートルゾーンにも、クマ捕獲罠を掛けていいことになりました。

罠は、山中に多数設置されているシカ・イノシシ罠にクマと書いた札をつけて共用罠とし、クマがかかれば、クマがいたら怖いからという精神被害名目(実際の被害は何も出ていない)で殺処分していいことになっていました。

 

クマ捕獲罠の設置場所が大きく拡大された

 

しかも、200メートル以内にいるクマだけを捕殺するのではなく、遠くのクマまで米糠という強力な誘引剤で誘引して罠に呼び込み、かかったクマは、捕殺上限137頭という制限がかかってはいるものの、問答無用で、無差別に殺処分していました。

 

シカ・イノシシ・クマ共用捕獲罠

 

山の中でおとなしく暮らしているクマまでを、しかも具体的な被害が何も出ていないのに精神被害名目で殺処分するということは、兵庫県が、クマをもシカ・イノシシ並に頭数調整対象としたことを意味します。これまで県は、クマは管理計画という名であっても、実態は保護計画ですと表向きは言っていましたが、実態は完全に管理計画であることが明らかになりました。

 

兵庫県は、これだけのクマの有害捕殺体制(無害捕殺体制)を構築しながら、今年からクマ狩猟に於いても、ひとり上限1頭の制限を撤廃し、クマ狩猟許可を希望者全員に与えることにするなど、とにかくクマを殺すことに躍起になっています。

 

クマは犬よりずっと鼻がいい動物です。1キロメートル先の腐った魚の匂いを嗅ぎつけてやってきたクマの例を報告されている研究者もおられます。大好きな米糠の発酵臭をぐっとこらえて集落より200メートル以内の罠に入らないようにがんばったクマがいたとしても、県は、今度は、そこにハンターを派遣して狩猟を奨励してくるのです。クマ狩猟希望者に今年も県は、バッチを与えたり講習会を開いたりして便宜を図っています。

現在のクマ捕殺場所:集落罠、裏山200m以内罠、それより奥は銃で狩猟

 

突然クマの有害捕殺数(無害捕殺数)が増えた訳を知って気分が悪くなり、多かれ少なかれ集会参加者は皆、大きな精神被害を受けました。

 

クマに対してここまでの捕殺体制を組んでいる都道府県はありません。兵庫県は、貝原知事時代に築いた「全国一のクマ保護先進県」から、まちがいなく井戸知事になって「全国クマ保護ワースト1県」に転落です。

 

このような指示を出す県行政には、クマに恨みがある人がいるのか、クマとの共存をめざしている熊森をつぶしてやろうという人がいるのか、他府県と比べても、もうとにかく兵庫の異常なクマ捕殺体制です。

 

シカやイノシシはずいぶん前から頭数調整の名目で、殺せるものはすべて殺すという無制限捕殺が行われています。もちろん、私たちは、これも生命尊厳思想を忘れた間違った対応だと思っています。しかし、シカやイノシシと比べて、繁殖力が弱く、生息推定数がけた違いに少ないクマにまで頭数調整捕殺を導入するなど信じられません。しかも、このようなやり方に変えたことを、一般県民はもちろん、県の委員にさえ隠していました。許せないことです。

 

捕殺数と推定生息数

 

この日、地元の人達や地元の猟師たちの声が多く紹介されました。

もちろん、兵庫県にはクマなど殺してくれといつも大きな声で言われる町長さんもおられますが、意外なことに、クマとは昔から共存してきたので、クマ殺せの声は集落にないという所も多いのです。

地元猟師たちの中には、クマは増えていない。研究者が、今の数が918頭というなら、昔も918頭だったのだろう。この20年間に15倍に爆発増加したと言われても、笑ってしまう。2倍になっただけでわかるよと苦笑する方もおられました。

猟師だがクマ狩猟再開には絶対反対。地元にはクマを捕りたい猟師などおらん。都会の猟師が来て半矢グマを作るだけ。迷惑しているという声もありました。

 

熊森から

兵庫県は、地元住民や地元猟師からクマをどうしてほしいかアンケートをきちんととって、私たちに一度見せてください。

今のようなクマの大量捕殺を願っているのは、地元ではなく、兵庫県森林動物研究センターと兵庫県行政ではないのかと思えてきました。

今回、自分たちで現地に行って調べてみて、私たちは、兵庫県で何かとんでもないおかしなことが行われているという感想を持ちました。

兵庫県のクマが爆発増加したと騒いでいた研究者たちは、公務員を一斉に退職し(ひとりはセンターに残っておられますが)、野生動物の捕獲業務等を行う株式会社を設立し、兵庫県森林動物研究センターがあるのと同じ町に本社を置いて、行政からの仕事を請け負ってもうけておられますが、これはどう考えればいいのでしょうか。

 

速報 残り1頭の子イノシシ、山中放獣に成功 福岡県北九州市門司区

5日間現地に通い続けてくださった熊森福岡県南里支部長から、「本日、北九州市が残り1頭の子イノシシも放獣してくれました」という電話が本部に入り、写真や動画も届きました。支部長の声は弾んでおり、本当にうれしそうでした。

残り1頭の子イノシシが山に帰っていく瞬間(南里支部長が撮影した動画の切り取り)

 

動画を見ると、たくさんの門司区職員の皆さんが休日返上で放獣作業に参加してくださっています。

心からこの子イノシシを助けてやろうと、みなさんが一生懸命になっておられるのが、画面から伝わってきます。

最初から職員のみなさんは、この兄弟イノシシをなんとか助けてやりたいと思っていたということで、それでこそ人間、心が温かくなります。個体数調整(頭数調整)派の研究者は別として、ふつうの国民はみんなそう思うだろうと思います。

本当に、いいことをしてくださいました。心よりお礼申し上げます。

 

ところが実態としては、このあと山中に逃げ込んだ子イノシシを、無数の個体数調整(頭数調整)用のイノシシ・シカ捕殺罠が待ち構えているのです。時間の問題でこの兄弟イノシシもかかると思います。

この罠にかかると槍で突かれるなどして残忍な方法で、すぐに殺処分されてしまいます。

野生動物問題を野生動物を殺すことで対処しようとしている平成日本の狂った姿です。

こちらの方も、マスコミ陣にしっかりと取材していただき、全国民のみなさんに、可能な限り殺さない対応策に切り替えるよう、声を挙げていただきたいのですが、残念ながら、マスコミは報道してくれません。

 

 

以下、毎日新聞記事(10月27日)を追加

イノシシ、残る1頭も救出 箱わなで捕獲

 

北九州市門司区の砂防施設に今月12日からイノシシ2頭が転落して出られなくなり、市と福岡県によって27日までに捕獲された。高さ約6メートルの壁に囲まれた施設から2頭を出すため、市と県がわなを仕掛けるなどあの手この手で「救出作戦」を展開し、約2週間ぶりに山に返された。

 

市によると、迷い込んだイノシシは1歳半ほどの成獣2頭で、体重約40キロ。施設は、県が近くの山からの土石流などを防ぐために設置したもので、幅約15メートル、長さ最大約25メートルのコンクリート造り。2頭は山の斜面から滑り落ちたとみられる。

 

野生鳥獣は簡単に保護することができず、当初は市と県は静観していた。だが、イノシシが出られなくなっている様子がテレビで流され、市に「助けてあげて」といった電話やメールが400件を超えた。このため、市と県が協議し、救出に乗り出すことを決めた。

 

24日に脱出用の長さ約6メートルのスロープを設置し、25日にスロープに餌を置いて誘導したが失敗。このため、26日に施設内に箱型のわなを仕掛けたところ、26日午後3時半ごろに1頭目を捕獲し、もう1頭も27日午後1時ごろに捕獲した。

 

現場はJR鹿児島線・小森江駅から北東に約1キロにあり、付近には団地などがある。イノシシは畑を荒らしたり、人を襲ったりする害獣でもあるが、駆除を望む声はわずかだったという。県の担当者は「再発防止策を考えていきたい」と話した。

 

熊森から

環境省をはじめ、日本の野生動物関係の行政は、権威や肩書のある個体数調整派の研究者に動かされており、野生動物を殺して数を低減することで野生動物問題を解決しようとしており、残虐の一言です。

しかし、一般国民は当然ながら、地元も含め、野生動物を殺したくない人がほとんどなのです。

今回の件で、行政は民意を知ったと思います。

何とか、殺さない問題解決法に方向転換していっていただきたいものです。

 

福岡県北九州市門司区にある砂防ダムに転落した2頭のイノシシの子、10月26日まず1頭救出成功

福岡・北九州市門司区にある砂防ダムに迷い込んだ、2頭のイノシシ。

県はこれまで、脱出用のスロープを設置したものの、失敗。

そこで、餌でスロープに誘導しようとしたものの、またしても失敗。

そこで26日、捕獲放獣に向け、箱罠を設置しました。

 

10月26日、まず1頭救出を伝えるテレビ西日本ニュースです。

 

 

この事件を振り返ってみます。

10月18日、朝日新聞に、以下のような記事が出ました。(記者さんに感謝)

 

12日の朝から2頭のイノシシの子供が北九州市門司区の川に造られた砂防施設間に転落して、脱出できなくなっている。イノシシは駆け上がろう何度も試みるが、途中で力尽き、川底を所在なげにうろつくばかり。近所の住民が忍びないとして区役所に救出をお願いしたが、門司区役所や市鳥獣被害対策課の担当者によると、野生動物が自然界の中で今回のようなアクシデントに遭った場合、鳥獣保護法の考えでは「原則として手出しをせずに見守ることになっている」ため、手出しが出来ないとの答え。

 

さらにイノシシは農作物などに大きな被害をもたらしていることから、福岡県が罠や狩猟による捕殺も考えている。(以上、記事の要約)

 

この記事を読んで、東京の動物愛護団体JAVA がすぐに反論し、6メートルの砂防堤の底に落ちた2頭のイノシシを「山に帰してあげて!」と北九州市長に要望してくださいというメールを拡散されました。

 

JAVAの拡散メール

記事では、「野生動物が自然界の中で今回のようなアクシデントに遭った場合、鳥獣保護法の考えでは『原則として手出しをせずに見守ることになっている』という。」とまるで鳥獣保護法の決まりで手出しできないような市のコメントが出ていますが、鳥獣保護法で、アクシデントにあった野生動物を助けてはいけないという規定はありません。そもそも、人間が作った砂防施設のせいで転落し、山に戻れないのですから、これは自然界でのアクシデントではなく、人災です。

 

鳥獣保護法の規定により、理由はなんであれ、またすぐ放すとしても捕獲する場合、捕獲許可が必要になりますが、市長が許可を出せばいいわけです。

 

ご存知のようにイノシシは農作物を荒らす悪者とされてしまっていて、全国的に有害獣駆除の対象になっていますが、それと今回の落下事故は別問題です。「イノシシは駆除している動物だから」として、今回のイノシシたちをじりじりと衰弱させ、餓死させるのは動物虐待に他なりません。

 

熊森から

JAVAさん、その通りです。

 

福岡県には熊森の支部があります。クマが絶滅した福岡県で、熊森福岡は、イノシシの棲める森を再生しようとイノシシ森協会の活動を続けて来られました。(一番の大型動物に目を付けるのが、熊森のやり方です)

さっそく会員が現地に急行。連絡を受けて、支部長たちも連日現地にかけつけて行政交渉など続けてくださいました。

どんな経緯があったのか、本部はまだ詳細を把握しておりません。

しかし、どちらにしても、北九州市がこのイノシシたちを救出して山に逃がしてやろうと決め実行されたことは、すばらしいことです。

心から感謝します。

 

1999年に、野生動物の頭数計算や捕殺を教え子たちの仕事にしてやろうと考えた動物学を専攻する大学の教授たちが、当時の環境庁を動かして、「鳥獣保護法改正案」という、名前は美しいのですが、中身は恐ろしく残酷な「頭数調整捕殺法案」を国会に提出しました。

 

熊森をはじめ全国の自然保護団体が一致団結して、この法案に強力に反対しました。クマ・サル・シカ・イノシシなどの適正頭数を人間が決めて(実際は決められない)、多過ぎていたら(実際は数えられない)、山の中にいようが無被害であろうが殺害して良いという、弱者になったことがないエリート人間たちの身勝手で恐ろしい思想です。

 

いったん廃案直前まで追い込んだものの、政治的な力が働いて、一転して成立してしまいました。ここから、日本の野生動物たちは、受難の時代を迎えるのです。

 

最初、行政担当者の皆さんは、そんな無茶はできないと非協力的でしたが、やがて中央の強い圧力で、日本国中で問答無用殺害が始まるようになりました。野生動物を数字だけでしか見ない、完全に誤った自然観に基づくものです

 

シカ・イノシシ・アライグマなど、見つけ次第どころか、罠で誘引までして、おびただしい数の野生動物が大量殺害されていきました。

 

あれから約20年。頭数調整は、研究者や業者をもうけさせただけで、完全に破たんしています。殺しても殺しても、食料がある限り、野生動物の数はすぐ元に戻ってしまうのです。私たちの税金は無用の殺生に使われているのです。頭数調整捕殺は、生き物に優しい気持ちを持っていた多くの一般国民の心を、どれだけ傷つけてきたかしれません。できる限り殺さない恒久的な対策を考えるべきだったのです。

 

<数字>と<殺害>の2つだけが渦巻く頭数調整一色の今の我が国において、今回のイノシシ救出は、教育上も、国民の精神衛生上も、とても良いものでした。

 

北九州市長や担当部署に、お礼の言葉を送りたいです。

 

<北九州市役所>

〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号

市長: 北橋健治様

電話: 093-582-2525(広聴課)

FAX: 093-582-3117(広聴課)

市長へのメール: https://ssl.city.kitakyushu.lg.jp/cgi-bin/enquete/registEnquete.cgi?EID=5f8dd86f0a4b077d42620afab3db8ff7

 

担当部署: 産業経済局農林水産部鳥獣被害対策課

電話: 093-582-2269

FAX: 093-582-1202

鳥獣被害対策課へのメール: http://www.city.kitakyushu.lg.jp/san-kei/san-choujuhigai.html

英スコットランドで野生のヤギ銃殺、米ハンターに地元住民が激怒 

以下、CNNニュースより

 

英北部スコットランドの島に生息する野生のヤギを相手にこのほど狩猟を行った米国のハンターが、殺した獲物とポーズをとる写真をソーシャルメディアに投稿したことに対し、地元住民から激しい怒りの声が上がっている。

英スコットランドで野生のヤギ銃殺、米ハンターに地元住民が激怒

非難を浴びているのはフロリダ州生まれのラリサ・スウィトリクさん。カナダで放映されている狩猟番組のホストも務めるハンターだ。このほどスコットランド西岸沖のインナー・ヘブリディーズ諸島に属するアイラ島を訪れ、野生のヤギを狙った狩猟を行った。

 

ソーシャルメディアに獲物のヤギと笑顔で写る写真をアップしたスウィトリクさんは「ヤギたちは島の断崖に住んでいて身を隠すのがうまい。2日がかりでようやく大物を仕留めた。距離200ヤード(約183メートル)からの完璧な一発だった」と、狩猟を楽しんだ様子をつづった。

 

スウィトリクさんはこのヤギのほかにも、別のヤギ1頭、ヒツジ1頭、アカシカ1頭を仕留めた写真を投稿している。

 

これに対し、ネット上では怒りの声や、ヘブリディーズ諸島での狩猟の禁止を求める意見が寄せられた。

 

スコットランド出身の男子プロテニスプレーヤー、アンディ・マリー選手の母で元テニスコーチのジュディーさんは、ツイッターへの投稿で問題の狩猟を「恥ずべきことだ」と批判。政府に対して同様の事態を防ぐ対策を講じるよう強く要求した。

 

スコットランド自治政府のスタージョン首相は、「殺した野生動物の写真を誇らしげに公開することで地元住民が不快な思いをするのは理解できる」としたうえで、政府として現状を調査し、法律の改正が必要かどうかを検討する考えを示した。

 

英国内にも狩猟が一般的に行われる地域はある。とりわけ土地を管理する目的から野生のシカを間引く必要がある場合には、ハンターがその役割を担う。ただ米国と異なり、殺害した動物を戦利品として誇示する習慣はあまりみられない。

 

 

熊森から

自分たちが生きるためではなく、ただ単に自分たちの快感や達成感、喜びのためだけに大型の野生動物たちを次々と殺害し続けている人たちがいます。

 

このような人たちは、自分達が倒した野生動物と一緒に誇らしげに笑顔で記念写真を撮ってSNSに投稿したりして楽しむのです。

このような人たちを、「トロフィーハンター」と呼びます。

 

しかし、このような人たちは、大きな勘違いをしています。自分は銃という武器をもっており、相手の動物たちは丸腰です。人間が勝つのは当たり前で、勇者でも何でもありません。日本の武士道から言えば、単なる卑怯者であり、弱い者いじめの最たるものです。このような残虐な行為はスポーツでも何でもなく、地球上から根絶させなければならない犯罪だと私たちは思います。

 

何の罪もない生き物を殺すことでしか達成感が味わえない人々を哀れに思います。人生にはもっと別のすばらしい達成感がいくつもあります。みんなが手を差し伸べて彼らに教えてあげなければならないと思います。

 

それにしても、さすが、動物保護先進国のイギリスだけあります。地元住民から激しい怒りの声が上がっているということです。ここが日本との違いです。思いは同じであっても、日本人は声を上げないのです。しかし、抗議しなければ、いつまでたっても世の中は良くなりません。

 

日本では、環境省が、数年前から、すごいアウトドアとして野生動物を殺すことを若者たちに勧めるイベントを全国展開しています。熊森は一貫して、抗議し続けてきました。狩猟は軽い気持ちで参加すべきものではありません。そんなことをすると、動物はもちろん、狩猟者も不幸になります。環境省はこのようなイベントを即刻中止すべきです。

 

10月28日の神戸市に於ける環境省主催「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」の開催に対して、熊森は抗議活動を計画しています。

会員はもちろん、会員でないみなさんも、ぜひご参加いただき、世に思いを伝えていただきたいです。

 

集合場所:神戸サンボーホール前 集合時間12時 当日熊森携帯 090-3288-4190

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以上、よろしくお願いします。

【御礼】 トチノキ巨木トラスト基金 目標額1400万円を達成!熊森の会員のみなさまのおかげで、巨木群を守ることができました

熊森通信96号で、会員のみなさまに、ご寄付を呼びかけさせていただいた、琵琶湖源流のトチノキ巨木群40本のトラスト基金が、目標額に達成しました。

熊森通信発送から、1か月足らずで、たくさんのみなさまにご協力いただき目標額に達成したことは驚くべきことで、関係者一同、感激でいっぱいです!
熊森会員のみなさまの力なくして、巨木群は守れませんでした。心から感謝申し上げます。

豊かな自然を守りたいというみなさまの熱い支援を受けて、熊森本部も滋賀県支部もびわ湖源流の水源の巨木林が永遠に守られるよう、びわ湖源流の森林文化を守る会とともに保全に取り組んでいきます。

本当にありがとうございました。

日本熊森協会 会長 室谷 悠子

~基金の口座を閉鎖させていただきました~
これから入金をしようと思っていただいていた方もおられると思いますが、基金の目標額達成に伴い、下記口座は閉鎖させていただきました。
入金ができなくなりますのでご注意をお願いいたします。
ご寄付を予定されていた方は誠に申し訳ありません。お気持ちはしっかりと受け止め、今後の保全活動に取り組んでまいります。

ゆうちょ銀行郵便振替口座 00980-1-235939

10月30日の講演会近し 季刊『道』198号に、熊森新顧問である安藤誠氏のロングインタビュー

どう出版の季刊『道』という雑誌には、一度しかない人生を、まさに真剣勝負で生き切っているオーラいっぱいの人達が、毎号次々と登場します。

以前、当時熊森会長だった森山まり子現名誉会長も、主幹である宇城憲治先生とのロングインタビューで取り上げていただいたことがあります。

 

熊森本部では、来る10月30日に、芦屋市(昼)と尼崎市(夜)で、安藤誠氏の講演会を企画しています。
こんなすばらしいお話に、人々がなぜ殺到しないのか、不思議でなりません。
きっとみんな、こんなすごい人物がいることを知らないからでしょう。

 

現在、芦屋会場はほぼ満席ですが、尼崎会場は、まだ残席があります。

参加してみようと思われる方は、至急、お申し込みください。

☎0798-22-4190

 

 

以下は、10月23日発売の季刊「道」198号のロングインタビュー(2)のガイドより

 

北海道アウトドアマスターガイド・写真家 【安藤 誠】氏

 

日常の奇跡を感じて

大自然に学び、魂を込めて生きる

 

「自然はごまかさないし、嘘がない。

 

自然を見ていれば、

胡散臭い人は絶対分かるのです。

 

それが分かるようになるには、

自然、森や海や空、雲を見て

感性を鍛えておくことが大事です」

 

 

子供の頃から親が心配するほどヒグマへの

強い思いがあったという安藤誠さん。

 

その思いを温めながら、安藤さんが、

塾講師やギタリスト、大工などの仕事を経て、

 

北海道阿寒郡鶴居村にペンションを建て、

プロのガイドとなったのは約20年前のことだ。

 

相手のことを思うがゆえに、徹底して勉強、工夫し、

常に最高のものを提供する安藤さんの姿勢は、

 

内なるエネルギーとなって、塾の講師時代はもちろん、

ガイドとなってからもいかんなく発揮され、

常にクライアントが求めるものを求め、

丁寧に感じ取り、期待以上のものを届ける

プロとして活躍を続けている。

 

それは、出会う人、関わる人すべてに、

全力で向き合うという安藤さん独自の

生き方にもつながっている。

 

そんな安藤さんを慕い、全国から弟子入りする人が

後を断たない。

 

ガイドになるまでの道のり、プロとしての

ゆるぎない信条、アラスカへの思い、自然、

動物たちへの思い、これからの活動について

縦横に語っていただいた。

 

198号の詳細 今回のテーマは「生き方が人を育む」です。
http://www.dou-shuppan.com/dou198-lp/

上をクリックしてみてください。安藤ファンにはたまらない企画
ですね。購入して全文読みたい方は、以下へ。

季刊『道』のお申し込み
http://www.dou-shuppan.com/teiki-2/

 

 

 

リニアに関するマンガ冊子の訴訟、県は争う姿勢

以下、テレビ山梨より

山梨県が作成したリニアに関するマンガ冊子

 

山梨県が作成したリニアに関するマンガ冊子は違法な支出だったとして、市民団体がおよそ1200万円の費用返還を県に求めた裁判が16日始まり、県側は争う姿勢を示しました。

 

市民団体は山梨県が作成したリニアに関するマンガ冊子について、リニアの良い面しか書かれていない偏った内容のもので、これを県内の各学校へ配布したことは違法な支出として、県を相手におよそ1200万円の費用返還を求めています。

 

16日、甲府地方裁判所で始まった裁判の意見陳述で、原告団の川村晃生代表は「冊子はリニアのPR誌で、よいことづくめで宣伝している」と述べ、負の側面がない冊子配布は行政の自由裁量権を越え違法と訴えました。

 

一方県側は、県の整備方針に基づき作成されたもので違法とは言えないとし、請求の棄却を求めました。

 

 

熊森から

子ども洗脳以外の何物でもないこのような冊子配布に応じた教職員がいたとしたら、教師として全員アウトです。

実際に配布した教師はいたのでしょうか。

 

もしこのような冊子が配られてしまった学校があるのなら、リニアの負の面をPRする冊子を今からでも配布していただき、双方の意見を子供に伝えて下さい。それでなければ、教育になりません。

 

日本国内で、しかも教育現場で、こんな子どもロボット化事業が展開されていたなんて、戦慄を覚えました。

これって、本当に、日本国内であった話なのでしょうか。信じられません。

山梨県教育委員会に問い合わせてみます。

 

 

 

丸々と太ってきた 高代寺のとよ

「とよ」は、このところ、会員の皆さんらに送っていただいたクリとドングリを毎日10キロ平らげています。

 

置いてやっても、これまでと違って、カキやリンゴにはもう目もくれません。

食べたいのは、クリとドングリだけなのです。

10月15日は、米糠、クリ、ドングリの順に食べました。

 

1日の食事量である10キロのクリとドングリ。

 

この1週間でお腹が見事、ぽっこり出てきました。

冬籠りに向けて、食い込みに必死です。

 

以前、兵庫県森林動物研究センターのクマの専門家が、秋にクマが人里に出て来る理由を5つあげておられました。そのうちの2つは、カキの実など里の物の方が山の物よりおいしいから(味しめ説)、人間を恐れなくなったから(人なめ説)でしたが、「とよ」を、見ていると、どうも違うのではないかと思います。

 

熊森は、クマは本当は冬籠りに備えてシバグリやドングリを食べたいのだけれど、人間にシバグリやドングリの木を伐られてしまい、食べるものがないので、怖い人間のところに一大決心して出て来ていると思います。その証拠に、クマは昼行性なのに、里に出て来るのは主に暗くなってからです。みなさんはどう思われますか。

 

同じ現象を見ても、見る者によって、解釈が180度違ってきますね。

 

ちなみに例年「とよ」は、12月に入って、もういつ冬籠りに入っても大丈夫なまで全身に脂肪を溜めこみ終わると、再びリンゴや柿も食べ始めます。

 

 

神奈川県厚木におられたツキノワグマ花子ちゃんのお父さん、和歌山まで会いにきてやってください

太郎と花子の獣舎がある和歌山県有田川町の生石(おいし)高原にも、さわやかな秋風が吹くようになりました。

生石高原はススキが原で有名です。

 

2005年のことです。当時、神奈川県厚木市(訂正:相模原市でした)に、経営されていた会社が倒産したことによって、長野県から連れ帰って14年間育てていたツキノワグマの飼育が続けられなくなってしまった、土建会社の社長さんがおられました。

 

あの時、このクマを薬殺するしかないと追い詰められていたこの社長さんのことを知った近隣の女性から、熊森にあまりにも愛らしいこのクマを助けてやってほしいという電話が入り、太郎というツキノワグマを飼っておられる和歌山県の山田さん一家に引き取っていただきました。

 

あの時、社長さんは、お名前も今後の行先も言われないまま、熊森神奈川のメンバーたちと別れられたそうですね。

いよいよ、クマを入れた檻を積んだトラックが和歌山に向けて出発するとき、あなたは泣いておられたと聞いています。

そして、そのうち和歌山まで会いに行くからなと、クマに話しかけておられたそうですね。

 

 

名前のないクマさんでしたが、私たちが花子と命名して、大切に飼育させてもらうことにしました。

 

生石に来た日の花子2005年8月 

 

あれから13年、熊森も和歌山県支部を中心に、最大限の愛情を持ってお世話に通い続けています。

その花子も、もう27才、だんだん動きもにぶってきました。

最近はハアハアとしんどそうなう息遣いを見せるようになり、あんなに元気できれいなピンクだった歯茎や唇も白色になってきました。

食べる量も減ってきました。

花子は、最近、何かにもたれかかっていることが多くなった。10月13日撮影 

 

現在、獣医さんにも診てもらっています。

獣医さんは、心臓が弱ってきたのかなあと言われています。

 

 

あの後、ツキノワグマ花子のお父さんは、和歌山に会いに来てくださったのでしょうか。

クマは、一生恩を忘れない動物です。

花子は1日たりともあなたのことを忘れていません。

もし、お元気で存命中なら、どうか花子に会いに来てやってください。

花子がどんなに喜ぶことかしれません。

 

どうかよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

10月12日 四国のクマの絶滅回避をめざし 熊森が 第2弾!高知県香美市の山林22haを新たに取得

本日、熊森は、四国山地の剣山系にわずかに残されたクマの生息地圏内に、新たに22ヘクタールの山林を購入することに成功しました。

 

平成30年2月27日、当協会は四国のクマの生息地を確保するため、四国森林管理局が設定した緑の回廊が途切れる場所に、緑の回廊をつなぐ効果もねらって、高知県香美市物部町の自然林を22ha購入しました。

 

今回購入した山林は、前回と同じく緑の回廊が分断された場所にあり、第1弾のトラスト地から1㎞しか離れておりません。

分断されたみどりの回廊をさらにつなげることができる場所です。

現地を、拡大します。

 

 

今回購入した山林は、標高が830m~1044mで、ほぼ全域が人工林です。

熊森は、標高800m以上の山は、野生動物たちの生息地として野生動物たちに返すべきだと思っています。

 

事前の調査で、この山林の尾根付近で、ツキノワグマの今年の新しいスギの皮剥ぎの痕跡を確認しました。

山林内の数か所に、クマによる新しいカワハギが見つかりました

 

まちがいなく、クマが利用している山です。

今後は、実践自然保護団体として、人工林を伐採して自然林を再生し、クマたちの餌場拡大をめざします。

購入資金は、会員からの寄付金を充てさせていただきました。

 

室谷悠子会長や本部研究員、熊森高知県支部員らは、山林購入後、高知県のある国会議員事務所を訪れ、四国のクマの絶滅阻止や奥山人工林の天然林化に取り組んでいただけるよう、お願いしました。

 

また、午後2時からは、高知県庁記者クラブで記者会見を行いました。5名の熊森高知県支部員も参加してくれました。

報道機関としては、NHKテレビをはじめ、朝日、毎日、読売等の新聞記者が来てくださいました。

近いうちにテレビニュースで放映される予定です。

その時は、ぜひ、四国会員のみなさん、ご覧になって下さい。

 

私たちは、今後も、四国の貴重な自然を丸ごと完全な形で次世代に残していくためにも、クマの絶滅回避をめざして実際的に効果がある活動を続けてまいります。

 

みなさん、ぜひ、日本熊森協会を今後とも応援してください!

 

今回の新たなトラスト地購入にあたり、様々な方々にお世話になりました。

みなさん本当にありがとうございました。

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