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2018-11-03

10月26日室谷会長ら、大量罠によるクマの捕殺とクマ狩猟の中止を兵庫県鳥獣対策課に申し入れ

熊森本部は、兵庫県本庁の環境部長室を訪れ、秋山和裕部長、遠藤英二環境創造局長、塩谷嘉宏鳥獣対策課課長らに、「山中でのクマの大量駆除及びクマ狩猟の中止を求めます」という、井戸知事あての申し入れ書を手渡し、改善を訴えました。

 

2時間にわたる申し入れ結果を、以下に要約します。

 

(1)春に出した大量の駆除許可で、無害グマを罠に掛け捕殺する体制を即中止ください

「こんなの、もはや有害駆除じゃないですよ」と、訴える室谷会長と水見研究員

 

県庁:罠が設置されている集落や田畑から200メートルゾーン内に、クマが来なければいいのです。

 

熊森:集落や田畑のすぐ裏が山という地形の場合、200メートルゾーン内の山中をクマが歩いてもこれまで殺処分対象ではなかった。昔から許容している地元も結構ある。しかも、罠は米糠という強力なクマ誘引剤でクマを誘引しているため、200メートルゾーン外にいる遠くのクマまでおびき寄せて獲っており、問題です。

 

県庁:具体的な被害が出ていないのにクマを獲るなということは、人がクマに襲われて死んでから獲れということか。

 

熊森:そんなことは言っていない。山の中にひそんでいるクマまで獲っている実態が問題なのです。集落内まで出て来て事故を起こす恐れのあるクマに対しては、追い払いや被害防除対策、時にはこれまでやっていたようなドラム缶檻による有害捕獲が必要なのは当然です。

 

県庁:森林動物研究センターが出した生息推定数918頭は、かなり信憑性が高いと聞いている。15%の137頭まで捕殺しても大丈夫というのが環境省の見解だ。

 

熊森:森林動物研究センターは918頭に至ったプログラミングの公開を拒否しているため、第3者が検証できない。918頭は科学的とは言えず信頼できません。

 

県庁:もしプログラミングを公開したら、結果が2000頭であっても、熊森は受け入れるんですね。

 

熊森:検証してみます。とにかく、春からずっと、2379基のクマ捕殺檻が口を開けている実態を、直ちに止めてほしいです。

 

県庁:地元の要望もあるだろうからむずかしいが、検討します。

 

 

(2)無益な殺生となっているクマ狩猟を中止してください。

 

県庁:環境省が、生息推定数が800頭を超えたら狩猟再開と決めている。環境省の基準に合わせているだけだ。

 

熊森:800頭が適正かどうかは別として、少なくとも環境省は、奥山にクマの生息地が確保されていることを前提に言っている。しかし、兵庫県の場合、奥山人工林、奥山道路開発、奥山自然林のナラ枯れ、シカによる自然林の下層植生の消滅等、クマたちは生息環境を失ってしまっています。まだ奥山生息地が残っている地方の県と同じ基準は認められません。

 

 

(3)「すごいアウトドア」などと、レジャーやゲーム感覚で狩猟者を養成するのはやめてほしい

県庁:「すごいアウトドア」は、環境省が作ったことばだ。

 

参照:井戸知事あての申し入れ書

 

熊森から

この日、県庁記者クラブで記者会見のアポを取っていましたが、前日に記者クラブ記者から、時間がとれなくなったとのことで、急遽中止連絡が入りました。多くの方に兵庫県の実態を知ってもらって共に考えていただきたかったのに、残念でした。

 

兵庫県 もはや狂気! 918頭のクマに対し、山中に捕殺罠2379基を常設していた

多数のクマ捕殺罠が兵庫県の山中に常設されており、誘引剤に誘引されて入ったクマは、問答無用で全て殺処分されていることに気づいた熊森は、正確な設置罠数を兵庫県本庁の鳥獣対策課に電話でたずねました。

 

2017年から登場した捕殺許可証明書が2枚付いたシカ・イノシシとクマの共用捕殺罠

(許可証の1枚はシカ・イノシシ用、もう1枚はクマ用 撮影、2018年)

 

全ての罠には井戸知事名の捕殺許可証明書がついているにもかかわらず、兵庫県本庁鳥獣対策課の答えは、「本庁としては毎月のクマの捕殺数が上限の137頭を超えていないかチェックしているだけで、罠数は把握していない。現場にも行ったことがない」という意外なものでした。

 

そこで、地元農林事務所に問い合わせていただくようお願いしました。

 

その結果、判明したこと。

生息推定数918頭の兵庫県ツキノワグマに対して、

 

平成30年度兵庫県内で

 

下ろしているクマ捕殺許可頭数、601頭!

 

山中のクマ常設捕殺罠2379基!

 

以上が、明らかになりました。

 

熊森は、頭がくらくらしてきました。

いくら何でも、ここまでやるか。

もはや狂気としか思えません。

 

地元行政はどこも、「全て、県の指示通りに動いているだけです」と言われます。

 

その県というのは、本庁の鳥獣対策課ではなく、兵庫県森林動物研究センターであることが、今回のことで判明したように思います。

 

 

 

 

 

 

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