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2019-03-30
3月28日 雪が解けた兵庫県北部クマ生息地の熊森植樹地で、苗木のシカよけ柵を補修 今春初
- 2019-03-30 (土)
- くまもりNEWS
2019年3月28日、熊森本部森保全部会のメンバー6名は、兵庫県宍粟市にある2012年、2014年、2015年、2018年の熊森植樹地のメンテナンスへ行ってきました。
熊森が長年人工林の広葉樹林化を続けてきた奥山域は、毎年平地の何倍もの雪が降り積もり、植樹した苗木やその周りを囲うシカよけ柵がなぎ倒されます。
しかし、今年は西日本地域を中心に暖冬で、メディアの報道によると兵庫県北部の豪雪地域は、例年の7%しか積雪がなかったそうです。この日は既に残雪もなく、囲いは例年ほども倒れていませんでした。
しかし、場所によっては柵が倒れていたり、雪の重みでネットがずり下げられたりしている個所もありました。
柵が倒れた箇所では、シカに頂芽を食べられてしまっていないか(頂芽を食べられると、その後うまく生育できなくなってしまいます)心配でしたが、多くの苗木は無事でした。
作業は、朝10時30分から15:30まで。メンバー皆で奥山の野生動物生息地保全と、水源の森再生に燃えてがんばりました。
充実した一日でした。
初めてフィールド活動に参加したメンバーの感想
「初めての補修作業でしたが、日本の森の現状、野生動物の生息地がいかに荒廃しているか、新しいことを学ぶ良い日になりました。ケガ人が出ることもなく、最初から最後まで楽しく円滑に作業ができました。」
みなさん、お疲れさまでした。
作業後、この近くで2018年7月の西日本豪雨災害によって、スギの人工林が大きく崩れた国有林を見に行きました。
密植されたまま放置された針葉樹の単一人工林は、根が浅く、いかに災害に弱いかが、よくわかります。
メンバーの一人が「こりゃなんとか森林環境税を使って早く天然林に戻さないと、兵庫でもこれからどんどんこんなことが増えていくなあ」とつぶやきました。
注:森林環境税は私有林が対象。
森林環境税・譲与税法案は3月24日に、「放置人工林の広葉樹林化」という附帯決議がついて国会を通過しました。
これからは森林環境譲与税を使った市町村での体制づくり、広葉樹林化の実践例づくりを進め、全国へ広めていくことが熊森の使命です。
熊森本部フィールド活動は、次回は、4月7日(日)です。
豊岡市但東町の植樹地で同様の作業を行います。
日本の森再生のための力になりたい方、ぜひご参加ください。
お申し込みは、熊森本部まで至急。
胸がつぶれる 石木ダムに50年間反対し続けてきた地元住民たちの土地を長崎県が強制収用申請
映画「ほたるの川のまもりびと」を、見に行きました。(現在、大阪の第七藝術劇場など各地で上映中)
なんとなく、ほたるを川に呼び戻す活動かと思って見に行ったら、全然違う内容でした。
50年前、川棚町に石木ダム計画問題が持ち上がりました。
地元住民が50年間も反対運動を続けておられます。
50年!?もう、気が遠くなりそうです。
人生のほとんどすべてを、ダム反対に費やさざるをえなかったことになります!
映画によると、住民は、業者によるダム工事の強行に備えて実力阻止部隊を結成し、1年中見張っています。
工事をする人は、行政からお金をもらって次々と新しく元気な人がやってきますが、地区を守ろうとする住民には、どこからもお金が出ません。その上、代わってくれる人もなく、同じ人間がずっとがんばり続けるのですから、もうへとへとだと思います。みんな年老いていきます。
想像しただけで、どんなに大変かと思います。
休みの日でも、旅行にも行けず見張りを続けなくてはなりません。
たとえ、どんなに意味のあるダム工事計画であったとしても、50年間も住民が立ち退きたくないと断り続けているのですから、完全に行政の負けです。
行政が最後まで残っている13家族を説得できなかったのです。
そんなところにダムを造る権利は国にも県にも市にも誰人にもありません。
もはや基本的人権を認めるかどうかの問題です。
いくら自分がいいと思っても、相手が絶対嫌だということは、してはならないのです。
これは、最低限の社会ルールだと思います。
行政としては、地元の人たちに、みなさんを50年間も苦しめ続けてきてすみませんでしたと謝り、反対運動に命を懸けてきた信念の住民たちを表彰すべきでしょう。
ところが、こともあろうに、長崎県は、国がダム事業を認定したことを盾にとって、ダムの完成で水没するおよそ9万平方メートルの土地などを国家権力によって機動隊を使って強制的に収用するための「裁決申請」を行ったのだそうです。もう無茶苦茶だと思いました。完全に、政治ゼロの世界です。
それにしても、小さな小川のような石木川をせき止めて、あんな大きなダムいっぱいの水などたまるのでしょうか。
工事会社が仕事欲しさに政治家を動かして、ダム工事を進めようとしてきたとしか思えません。
作家故森村桂さんが言われていたように、工事会社にお金をあげたらいいと思います。
50年も、彼らなりにがんばり続けたのですから。
ただし、工事は一切しないでください。
(土建業のみなさんは、国土をコンクリートで固める自然破壊工事ではなく、今後は、放置人工林の天然林化を仕事にして下さい。それなら応援します。)
みなさんも、ネットで石木ダムのことを調べてみてください。
50年前と今では、時代がすっかり変わっています。
これからはどんどん人口が減っていく時代です。
調べれば調べるほど、ここまでの無茶がこの国で許されていいのかと、胸がつぶれそうになりました。
熊森顧問の、京都大学名誉教授今本博健先生が、石木ダムを造る必要など全くないことを、見事、論理的に説明されています。
全国から長崎県知事に、もうここの地区の住民を自由にしてやってほしい。これ以上いじめるのはやめよという声を届けませんか。こんないじめを見逃して、いじめのない学校や社会など作れません。
強大な国家権力に押しつぶされようとしているこの地区の13軒の勇者たちを、全国民で支えていきましょう。
最近、各地で、このような国家権力による国民いじめや野生動物いじめが目立ちます。
まだ正義感を失っていない若者たちに、先頭に立って声を上げてもらいたいです。
国家権力につぶされそうになっている弱者たちを、人ごとだと思って黙って見すごす人たちは、本当に自己中で、弱虫だと思うのですが、みなさんはどう思いますか?
熊森は声を上げます。
映画の最後に登場した川原(こうばる)地区のみなさんの歌声が、今もずっと耳に残っています。
最後まで戦い続けてきた13軒のみなさんの心を思うと、泣きそうになりました。
みなさんも、長崎県知事に声を届けてください!
長崎県庁 〒850-8570 長崎市尾上町3-1 電話095-824-1111(代表)
FAX 095-826-5682
P.Sちなみに、ダム賛成派の声も聞いてみようと思ってネットで調べてみると、何と、長崎県が、ダム推進動画を造っていました。
<長崎県制作、石木ダム推進動画の感想>
偏見無しで見せてもらったつもりですが、見ただけで、その嘘嘘しいこと。
バックには大きな川棚川が流れていますが、今回のダムはその支流の小川みたいな小さな石木川をせき止めるダムで、問題をすり替えていることがすぐにわかりました。
それにしても、登場人物はみなさん、やらされていることが見え見えの演技。
お金がもらえるなら、良心や正義感を捨てる人はいつの世でもいるんですね。
映画「ほたるの川のまもりびと」に出て来た人たちの真実味ある発言と、思わず比べてしまいました。
反面動画として見てください。
おもしろいです。
改めて、人間どう生きるべきか教えられます。