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2019-05-16
「国有林でも天然林化、混交林化を!」と国会で訴えています
- 2019-05-16 (木)
- くまもりNEWS
国有林管理経営法改正案が衆議院通過
「針広混交林等の多様な森林づくりを推進する」
と付帯決議がつきました
私有林・国有林を問わず、戦後の拡大造林政策により、伐り出すこともできない奥山にまで植えられたスギやヒノキなど針葉樹の単一人工林の荒廃が問題となっています。
現在、審議中の「国有林管理経営法の改正案」は、国有林内の人工林について、「意欲と能力のある林業経営者」が長期に亘り、大規模な伐採をすることを可能とするものです。
しかし、法案では、人工林の大規模な伐採後、どのような森づくりを行うかという問題が十分に検討されていません。
森林環境税法の対応で国有林の問題に取り組むのが遅れましたが、熊森は、国有林でも天然林化や針葉樹と広葉樹の混交林化を進めるべきとロビー活動を始めました。
(国有林内の人工林についての熊森の要望)
1 国有林の人工林を伐採した後は、原則、天然林の再生を実施すること。また、林業として利用する場合も、針葉樹と広葉樹の混交林化を進めてください。※混交林の方が、将来の多様な林産物の需要に対応可能です。
2、林業に向かない急斜面や奥地の人工林を放置せず、森林の公益的機能が向上するよう天然林化してください。
3、長期に亘る大規模な主伐については、伐採跡地をどのように管理していくかも含め、計画を立て、事前に情報提供をしてください。 |
5月14日(火)、室谷会長と本部スタッフの水見は、国有林管理経営法改正案審議中の衆議院農林水産委員会の国会議員の方々とお会いし、「国有林でも手入れが行き届いていない場所があるのは民有林と変わらない。伐採後、どのような森にして行くかということが大事、水源・生物多様性保全、災害防止のため国有林でも天然林化や針葉樹と広葉樹の混交林化を進めてほしい」と訴えました。
翌5月15日(水)の衆議院農林水産委員会では、緑川貴士議員が、国有林の天然林化の重要性について、昨年の西日本豪雨災害で、兵庫県の国有林が崩れたことや、2018年秋田豪雨での土砂災害についても触れつつ、訴えてくださいました(衆議院国会中継はクリックして頂くとご覧いただけます。)。
そして、本日、国有林管理経営法案が衆議院農林水産委員会で可決されました。
付帯決議には、熊森が求めていたことの一部である、「針広混交林化等の多様な森林づくりを推進すること」という文言が入りました!附帯決議は、こちら
しかし、付帯決議には、天然林化(または広葉樹林化)を進めるという文言は残念ながら入りませんでした。審理は参議院に移りますが、国民みなの森である国有林を豊かな森に再生させるために、引き続き、熊森は声を届け続けます。
みなさんも、国有林で天然林化や針葉樹と広葉樹林の混交林化が進むよう、声を届けていただきたいです。
国有林野の管理経営法改正案に熊森が要望書
2019年5月15日も、国有林野の管理経営法改正案に対する質疑が、農林水産委員会で続行されました。
今回の法改正は、国有林内の手入れが行き届いた収益の上がる人工林を、とりあえず大手の10社に600ヘクタールぐらいずつ50年にわたる伐採権を与え、伐採させてあげるというものです。国民の税金を使い、1ヘクタール当たり220万円のお金をかけて手入れしてきた優良人工林が対象です。
マスコミのみなさんにこの法案を取り上げていただき、国民の声を聞いてもらいたいです。
熊森作成資料 (Wクリックで大きくなります) 国有林内の人工林
本日は、午前午後と5時間以上ぶっ通しの審議でした。国会議員のみなさんも、大変だなあと思います。
インターネット中継で、4月25日、5月8日・9日・14日・15日と審議を見てきましたが、問題点を真剣に調べ追究されている議員さんが何人もおられることがわかってきて、うれしくなりました。
こういうのを見ていると、その国会議員や官僚のみなさんの人間性やレベルが、一目瞭然でわかりますね。
(Wクリックで大きくなります)
熊森が出した要望書です。熊森要望書
今回の法改正は問題がありすぎて、まだまだ不明部分も多く、国会中継を視聴している一国民としては、継続審議が必要だと感じます。
数の力で、さっさと採決してしまわないように願いたいです。
質問内容をネットにあげている議員が見つかりました。4月25日本会議質問分
なかなか鋭いです。問題点が良くわかります。
他の議員さんも、こういうのをネットに上げて下さったら、国会中継を見る国民が増えるのではないでしょうか。