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2019-10-06

強力な誘引物で山中のクマをおびき出し、無害グマを大量に有害捕殺している行政はアイヒマン?

奥山生息地が野生動物たちが棲めないまでに荒廃している西日本で、ツキノワグマを初めとする野生動物たちが罠に次々と捕獲され、銃や、電気、槍、ロープによる首絞め、炎天下放置などによって前代未聞の大量殺処分を受けています。

 

<西日本の2019年度8月末までのクマ殺処分数と放獣数>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全ての野生動物に自然豊かな生息地を保証することは、地球上で最強・最大の力を持つようになった私たち人間の責務です。

しかし、現実には、野生動物たちのすみかであった広大な山は、戦後、人間が針葉樹の単一造林に大きく造り変えてしまい、生き物の住めない死の山となっています。

熊森は、野生動物たちのために、そして私たち人間の水源の森確保のために、会結成以来23年間、奥山を、天然林に復元・再生し続けています。

また、大型野生動物と人間が昔のようにすみ分けて共存できるよう、21世紀の柵設置(=祖先のシシ垣にあたるもの)も、行政に訴え続けてきました。

 

しかし、行政は現在、動物を殺して数を低減させておけば、野生動物による被害がなくなるという短絡的なエリート研究者たちの言いなりです。

そこにはもはや、他生物の生命への畏敬の念や人としての倫理観は完全に失われてしまっています。

 

それにしてもどうしてこんなに大量のクマが有害捕殺されるのでしょうか。

わが国ではこれまで、人間に何の被害も出していないクマを有害捕殺することは、原則できませんでした。

しかし、今やっているのは、有害捕殺とは言いながら、実は、無害グマを大量に捕殺しているのです。

現在、シカやイノシシを捕獲するための罠も含めて、クマの大好物である米糠を誘引物として入れたおびただしい数の罠が設置されています。

山中にいるクマまでおびきだして、捕獲されたら、何の被害など出していない無害グマであっても、有害獣として行政が猟師や捕獲会社に殺処分させています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箱罠にかかった哀れなクマ

 

0歳児グマもどんどん殺されています。0歳児の子グマのあどけなさかわいさを思い浮かべると、とても殺す気に等なれないはずですが・・・どうしてこんな残酷なことができるのでしょうか。

 

以下、山中伸弥京都大学教授のネット発言が参考になると思います。(以下、ネットから一部転載。)

 

人間の残虐性に迫ったアイヒマン実験

 人間は、特定の状況に置かれると、感覚が麻痺して、通常では考えられないようなひどい行動におよぶ場合があります。そのことを示したのが、アイヒマン(ナチス将校で、第二次大戦中、強制収容所におけるユダヤ人大量虐殺の責任者。後に死刑に処せられた)実験です。

内気で、仕事熱心な人物が、どうして残虐になり得たのか。それを検証したのです。

ところが、白衣を着て、いかにも権威のありそうな監督役の実験者から「続行してください」とか「あなたに責任はない」と堂々と言われ、教師役はボタンを押すのをためらいながらも、どんどんエスカレートして、実験を継続したんです。(権威のある人のもとで、人間は際限なく残酷になってしまう。)

 

チームのほうが誘惑に弱くなる

ひとりで研究しているだけなら、生命に対する恐れを感じて、慎重に研究する。そういう感覚はどの研究者にもあると思います。

ところがチームになって、責任が分散されると、慎重な姿勢は弱まって、大胆になってしまう。たとえルールがあっても、そのルールを拡大解釈してしまう。気がついたらとんでもないことをしていたというのは、実際、科学の歴史だけでなく、人類の歴史上、何度も起きたし、これからも起こりえます。

チームを組んで研究することによって責任が分散され、倫理観が弱まって、危険な領域へ侵入する誘惑に歯止めが利きにくくなっているのではないか。歯止めとして有効なのは、透明性を高めることだと思います。密室で研究しないことです。研究の方向性について適宜公表し、さまざまな人の意見を取り入れながら進めていくことが重要ですし、そうした意見交換をしやすい仕組みを維持することも大切だと思います。

 

熊森から

山中教授の言葉はまさに言い得て妙です。

神の手で絶妙のバランスを保ってきた自然界に、現在、人間が手を入れてぐちゃぐちゃにしています。

シカやイノシシと比べて生息数が2ケタも小さいクマたちに、今のようなだまし討ち的な殺害を加え続けていたら、そのしっぺ返しは必ずや全生態系や人間に来ると確信します。

行政や研究者の皆さんは、大量殺害理論とその実態を隠さずに公表して、このような対応の仕方でいいのか、多くの国民の声を聞いてみるべきです。

 

 

 

 

 

 

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