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2022-08

真夏のとよ君 プールに入り浸り

夏本番、とても暑い日が続いています。

とよ君はハァーハァーと口呼吸で少し暑苦しそうですが、元気に動き回っています。

もちろん、のびているときもあります。

クマは、人間ととてもよく似た動物です。

伸びているときの格好も人間と同じですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暑いなあー(8月16日撮影)

 

氷詰めのブドウを置いてあげると、頑丈な歯でバリバリと氷を割りながら美味しそうに食べていました。夏の暑さに負けることなく食欲旺盛です。野菜も果物も残さず平らげてしまいます。

 

ブドウは氷の中に!

 

 

 

 

 

 

 

ブドウが欲しくて、氷を夢中でかじるとよ!

 

 

 

食事を終えるとプールにザブン!肩まで水に浸かってとても気持ちよさそうでした。クマは水が大好きです。

「とよ君、こっち向いて~」と声をかけると、顔をカメラに向けてくれました。かわいい!

クマは水が大好き!

 

 

 

とよ君は人間に対してもとても優しく、愛嬌をふりまいてくれます。

自分の名前が「とよ」であることもちゃんと理解しており、人間の言葉に対しても反応します。お世話に行く度にイヌのようだなと感じます。

熊森職員やボランティアの方々を一人一人識別しているようで、本当に賢い動物であることがわかります。

多くの方にとよ君と触れ合っていただいて、クマはどんな動物なのかを体感してもらえたら嬉しいです。

本当のクマの姿を知れば、今のように全国駆除一辺倒ではなく、クマと共存しようという流れが起きてくると思います。

 

 

ボランティアでとよ君のお世話を手伝いに来てくださる方、募集しています。お世話日は毎週火曜日です。第3日曜だけは日曜日に実施しています。1回限りのお世話やご家族での参加、学生さんももちろん歓迎します。参加してくださる方は、事前に本部事務所までお申し込みください。

山上獣舎に至る道が細いため、自車参加の方は軽自動車をお勧めします。

電話0798-22-4190(良いクマ)

 

 

今後、岡山県若杉天然林で原生林ツアーは可能か

熊森結成以来25年間、毎年夏に本部が実施してきた若杉原生林(岡山県西粟倉村)ツアー。

 

この原生林では炭焼き窯の跡が発見され、200年前に一度ブナが伐られてタタラ製鉄用の炭に利用されたことが近年判明しました。(若杉天然林に名称変更される)しかし、その後は幕府によって森が守られてきたのでしょう、200年のブナの巨木群が繁る原生状態の生物の多様性が保たれたすばらしい冷温帯の森83haです。(でした。)

 

今年の若杉天然林ツアー。

入り口前駐車場に到着。周辺は、よく手入れされた裏スギの人工林です。間伐が行き届いているため、下層植生も育っています。

トイレ周辺は、他所から持ってきたドウダンツツジ、ヤマボウシ、ナナカマド、イロハモミジなどの植栽木が育っています。

 

天然林内に入ります。

入ったところのビニールシート群には、ぎょっとさせられます。

ナラ枯れの直接の原因である約5ミリの昆虫、カシノナガキクイムシ(カシナガ)が拡散しないよう、枯れたミズナラの木を伐って虫ごとビニールシートで覆ってあるのです。なぜ、カシナガが冷温帯で大繁殖しだしたのか、原因はよくわかりません。各地でいろいろなカシナガ対策が取られましたが、現在、有効手段がありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カシナガが拡散しないように、枯れたミズナラの木を小さく伐って厚いビニールシートで虫ごと覆ったもの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

耳を澄ませて谷川の音を聞く。原生林・天然林は、私たちの水源の森です。

 

 

 

 

 

 

 

湧き水

 

夏なのに谷川の水が冷たいのは、雨水ではなく湧き水だからです。

例年の水温測定で、以前は17度でしたが今年は19度。

 

 

 

 

 

 

 

 

老木が倒れてできたギャップ。日光が入り次の芽生えを育てます。原生林の特徴です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熊森職員がわずかな生き物としてアオダイショウの若者を一匹だけ発見 観察後逃がす。

 

 

熊森協会を結成した25年前と比べると、森の劣化が著しい若杉天然林ですが、それなりに参加者のみなさんは楽しみ感動してくださっていました。

一方、長年この山を見てきた私たちは、谷川の水量や動植物の姿がますます減ってきたなあと、変化に驚いています。

もう、これが生物の多様性が保たれた天然林ですとは言えないと思いました。

 

怖いのは、かつての森を知らない今の若い人たちが、生き物たちが消えたこの森を見て、これが天然林だと何の疑問もなく受け入れてしまうことです。

森に種の大量消滅という大異変が起きていることに、誰も気づかないことです。本当の森にはこの時期、昆虫などが無数におり、数など数えられません。

 

1997年に第1回の原生林ツアーを実施したときは、クマがアリの巣をあばいて食べた後や、看板に付けた好奇心によるひっかき傷などが生々しかったです。1998年実施時には、ミズナラの巨木群にクマ棚が延々と続き、皆で大感動しました。テレビ局にも取材をしてもらいました。コエゾゼミの背中の模様がアイヌの着物の模様とそっくりで驚きました。今では何もかもが、消えています。

 

ナラ枯れには、松枯れ防止用のヘリコプターによる薬剤散布?、酸性雨(霧)?、地球温暖化?シカ増加説?いろいろな説がありますが、原因は不明です。いずれにしても、人間活動の何かが原因だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奥山冷温帯から始まり、最近は里山に下りて来たナラ枯れ

クヌギなどのドングリ類がひと夏で枯れ、山々が赤く見える(中国自動車道周辺)

 

原生林や天然林は本来、生物の多様性が保たれた森です。参加者は、野生生物の姿や痕跡を見たかったと思いますが、もはや奥山にほとんど生き物がいません。以前、あんなにびっしり生えていた林床のチシマザサもスカスカです。昆虫に詳しいスタッフが、これなら明石市の公園の方が、ずっと生き物がいろいろ見れますよと明かしてくれました。(ガックリ)

 

来年から原生林ツアーの実施場所を、まだ自然が残っている石川県白山とかに変えた方がいいのではという提案がありました。西日本にはもう他に残されていないからです。森に何かとんでもないことが起きていることを、私たち人間は他生物の大量消滅から気付かねばなりません。いずれ、私たち人間にも、大変なことが起きてくると思います。そのときにあわてふためいても、もう手遅れです。

 

未来を決めるのは今なのです。

 

比べてみよう

1998年7月26日第2回若杉原生林ツアー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間の背丈を超える下層植生がびっしり繁り、森の中が見通せない。クマが棲める。

 

2022年7月31日第25回若杉原生林ツアー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下層植生が著しく衰退しており、林内が見渡せる。クマは棲めない。目撃多数となる。

 

2022年 九州遠征その1 熊本県

4月16日、垂見和子(一財)ネイチャー生活クラブ理事長が主催する「くまもと地球会議2022」で森山名誉会長が40分間の講演をさせていただきました。

九州の自然に関する話題として、鹿児島県馬毛島のマゲシカの話や、長崎県五島列島宇久島のメガソーラー事業計画の危機的な話も入れさせていただきました。

全記録DVDあり

 

とても豪華な会場でした。熊本各界から、参加者140名。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場風景 於: ANAクラウンプラザホテル

 

懇親会 蒲島郁夫知事のご挨拶は、参加者の心をつかむすばらしいお話でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

蒲島知事と森山名誉会長

 

子供時代、大変貧乏で苦労されたという蒲島知事は、全く偉ぶらない優しい感じの方でした。

阿蘇にもメガソーラーの業者が殺到したが、阿蘇はダメとすべて断られたそうです。

困っている県民がいたら、県庁に呼ぶのではなく自分から出向いて行ってじっくり話を聞かせていただきます。それが知事の仕事ですと言われていました。

こんな知事さんがおられるのかと感動しました。

知事と親しくお話させていただき、いい思い出になりました。

木村副知事は、十数年前、鳥取県庁にいた時、当時の熊森鳥取県片山支部長(片山知事の奥様)主催の熊森講演を聞いてくださったということで、よく覚えていてくださっており、話が弾みました。

 

「くまもと地球会議2022」のスタッフたちは皆ものすごく元気で美しく、熊本の女性パワーに圧倒されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

スタッフの皆さん

 

上田支部長を初め、熊森熊本県支部の皆さんも参加してくださいました。

地元林業会社を初めこの日、新たに熊森会員になってくださったみなさん、ありがとうございました。

 

翌日の4月17日、支部員のみなさんと、長年、環境教育を担当されてきた熊本県玉名郡南関町の会員のお宅を訪ね、所有している山や棚田を見せてもらいました。同行くださった会員の皆さんは、農薬も肥料も使わない自然農です。(さすが、熊森です)

自然がいっぱいで、本当にいいところです。代々林業や棚田をされてきた方の自然に対する知識はすごいです。これまで、多くの子供たちにも環境教育をされてきたということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

林田さん宅で会員のみなさんと (中央が林田さん)

 

山のいたるところに、神様が祀られています。

その度に、いちいち手を合わせて進みます。

「今日もこの山に入らせていただきます。」「ありがとうございました。」

この謙虚さと感謝が、自然を守ってきた日本の心だと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山神様に手を合わせる

 

山上から、南関町の山を見おろしました。すばらしい景色です。

左端のはげ山のようなところは、業者がメガソーラーを作ろうとして皆伐したら山が崩れてしまった場所だそうです。

業者は撤退してしまったらしいですが、この後どうなるのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南関町の雄大な眺め この時期、緑の濃さで自然林と人工林の分布がわかります。

 

現代人はあまりにも山のこと自然農法のことに無知です。

林田さんがお元気なうちに、山の事、棚田の事をしっかり聞いて、文字に残しておきたいものです。

 

追記:熊森から

今回の記事に対して、ダム建設復活など、熊本県蒲島知事の県政には問題もあるというご意見を2件いただきました。しかし、個々の熊本県政に言及するだけの力を私たちは現時点では持っておりませんので、申し訳ございませんが、回答は差し控えさせていただきます。今回は、私たちから見た知事の一面をご紹介させていただいただけということでお願いします。

8月3日 青森県三村知事 八甲田風力発電計画に明確に反対を表明

Web東奥

定例記者会見で発言する三村知事=3日午後、県庁

 

青森市や七戸町など八甲田周辺で民間事業者が計画中の風力発電事業について、三村申吾知事は3日の定例記者会見で、「再生可能エネルギーなら何をやってもいいのか」と語気を強め不快感を示した。長年、県内の水循環の整備に取り組んできたことを挙げ、環境保全の観点から反対の立場を明確にした。

 

熊森から

みちのく風力発電事業計画地である約1万7300ヘクタールの森林面積のうち、十和田八幡平国立公園が占める面積はほんのわずかです。そこを外しますからいいでしょうというユーラスさんの計画変更案は、青森の森を守ろうと必死になっている人たちをなめています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑色部分が国有林 赤線部分が風車設置予定場所
地図は青森市市議中村美津緒氏Facebookより許可を得て転載

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みちのく風力発電想像図

 

問題は森林伐採なのです。国有林の伐採なのです。

 

 

国有林は国民の財産であり、9割が保安すべき保安林に指定されています。

国有林は、日本国民の貴重な財産です。

二酸化炭素の吸収源である国有林を伐採して、脱炭素のために風力発電設備を造るなどの主張は、本末転倒です。

事業者の目的が事業収入にあるのは明らかですが、ここはひとつ日本国のために、森林伐採計画を白紙撤回してください。

 

青森県三村申吾知事、いろいろとしがらみがあると思いますが、よくぞ環境保全の観点からと明確に反対表明してくださいました。

 

みなさん

①青森県三村申吾知事に感謝の気持ちをお伝えください。

青森県庁企画政策部広報広聴課電話:017-734-9137

FAX:017-734-8031
koho@pref.aomori.lg.jp

 

②みちのく風力発電計画に反対して必死に声を上げ続けている市民団体Protect Hakkodaさんの署名がまだまだ少ないので、100万人ぐらいになるよう、署名を拡散してあげてください。私たち国土保全・森林保全を願う国民の力の見せ所だと思います。

 

Protect Hakkoda~八甲田の自然を後世に~change.org

東北山間部で再エネ事業のために伐採された森林面積は東京ドーム1200個分 新たな伐採許すな

以下、産経新聞7月30日より

 

東北山間部での再エネ開発、東京ドーム1200個分

 

 

上地図はエネ開発により伐採された森林面積

 

山林関西電力が宮城、山形両県にまたがる蔵王連峰での風力発電計画を地元の反対を受けて撤回するなど、再生可能エネルギーの大規模開発に波紋が広がる中、東北地方6県の山間部に建設された太陽光と風力発電所の面積が総計5613ヘクタールに上ることが30日、自然保護団体「一般財団法人日本熊森協会」(兵庫)の調査で分かった。これは東京ドーム1194個分に相当する面積。大半は太陽光だが、風力発電の大規模開発計画も急増している。

 

同協会の調べによると、東北6県の山間部に建設された太陽光と風力発電所の開発面積は、今月時点で443カ所5613ヘクタール。内訳は、宮城199カ所2086ヘクタール▷福島116カ所1615ヘクタール▷岩手66カ所825ヘクタール▷青森27カ所759ヘクタール▷秋田24カ所190ヘクタール▷山形11カ所138ヘクタール-だった。

 

全国では2万3843ヘクタール(太陽光2万3009ヘクタール、風力834ヘクタール)といい、東北6県で全国の約24%、4分の1近くを占める。

 

同協会の水見竜哉主任研究員(29)は「特に宮城県は山林を開発してメガソーラーや風車を作った場所が圧倒的に多い」と指摘、自然環境への悪影響を懸念する。

 

とりわけ風力発電をめぐっては近年、風の適地が多いとされる北海道と東北地方の山間部に大規模開発計画が集中。資源エネルギー庁の資料によると、1メガワット以上の事業のうち標高250メートル以上の山間部での事業の割合は、平成25年度の6%から令和元年度は46%に急増している。

 

熊森から

再エネのためにどれだけの森林が伐採されたか、グーグルアースなどの地理情報ソフトを使いながら、根気よくひとつひとつの事業による実際の森林伐採面積を計算していきました。膨大な時間がかかりました。

今後はなにとぞ、もう森林が伐採されないようにと願う強い心があったからこそ、こんなしんどい作業をやりとおせたと思います。

7月31日若杉天然林ツアー 道中の山々を見た参加者から自衛隊出動要請の声

7月31日に実施されたグリーンコープ主催の若杉天然林ツアーに、熊森本部から8名のスタッフが同行してガイド役を務めさせていただきました。

 

うっそうと繁る里山自然林

朝9時、神戸三宮を大型バスで出発して、阪神間から一番近い原生林状態の森である若杉天然林(83ヘクタール岡山県)に向かいます。道路の両側に続く山々の木々の緑がきれいです。

かつて、六甲山をはじめ瀬戸内海沿岸の山々は、塩田用のたきぎ取りや炭焼きなど人々の過剰利用ではげ山だらけだったと言われています。

しかし、1960年代の燃料革命以降は、里山は利用されなくなりました。鳥が運んできた種などが自然に芽生えて、今では木々が大きく育っており、うっそうとしています。一見原生林風ですが、これは原生林ではなく自然林です。クマはいません。

自然林の中にところどころ、夏なのに紅葉したかのように赤茶けた木々が見られます。なら枯れで枯れたドングリ類の木です。

 

拡大造林政策による人工林

青々とした元里山の山並みを見ながら、中国自動車道を西に進んでいくと、山の緑が急に濃くなってきました。戦後造られたスギだけヒノキだけの人工林地帯に突入です。ここは、人工林率73%の宍粟市(しそうし)です。

 

 

兵庫県はありがたいことに、井戸知事の時代に日本で初めてメガソーラーや風力発電に対して条例で厳しい規制をかけてくださったため、山には他県のようなメガソーラーや尾根筋巨大風車など、異様な再エネ人工物は見られません。

 

中国自動車道を出て国道29号線を進み、途中で下車して参加者の皆さんに人工林の中をのぞいてもらいました。

林内は真っ暗で、草1本生えていません。

 

 

 

 

 

 

 

放置人工林の中をのぞいて、砂漠化している内部を見る参加者たち

 

シカなどの野生動物たちが人間のところに出てこないように、人工林の周りには金網が張り巡らされています。

もし、自分がシカなら、ここから出てくるな。出てきたら殺すぞと言われたら、何を食べたらいいのでしょうか。泣きたいです。

道中延々と見てきた青々とした人工林ですが、木を一斉に取り除いたら、中は茶色一色の砂漠です。

 

生き節の時に枝打ちしておかないと、材にしたときに節が外れて板に穴が開くと聞いています。

ならば、今更、枝打ちしても手遅れですね。この大量の木々、何に利用できるのでしょうか。バイオマスで燃やしてしまうという手もあるでしょうが、私たちの膨大な税金を投入して造ってきた人工林の最後が、燃やして終わりでは悲しくなります。二酸化炭素削減の国策が泣きます。

 

参加者のみなさんの中には、日本にはいい森がいっぱい残っていると安心されていた人も多く、日本の山の現状を知らなかったと大変ショックを受けておられました。(いまだに学校でも教えないし、マスコミも伝えないから、仕方がないですね)

 

若杉天然林前に着いて昼食。

その後、いよいよ、天然林内に入ります。

 

原生状態の天然林

熊森協会を結成した25年前と比べると、森の劣化が著しい若杉天然林ですが、それなりにみなさんは楽しみ感動してくださっていました。

 

帰りも、再び人工林率93%の岡山県西粟倉村や宍粟市の人工林で埋め尽くされた山々を車窓から見続けました。いくら何でも自然生態系を無視してスギやヒノキばかり植え過ぎだろう。まだ気づかないのか。怒りがわいてきました。

 

林業に向かない部分の人工林の天然林化運動

①野生動物のために、

②水源の森確保のために、

③災害に強い森にするために、

熊森協会は結成以来、造り過ぎた人工林の天然林化を全国に訴え続けてきました。

森林環境税ではくたくたになるまで国会に通い続けて、天然林化に予算が使えるようにしました。

だが、私たちがどんなにがんばっても世の中は変わらない。むなしくなりました。

私たちが人生をかけてがんばり続けてきたこの森再生運動・野生鳥獣との棲み分け復活運動の25年間は、いったい何だったのか。

宍粟市の山々を見ると、林業用主伐も全く行われていません。

林業にも使えない人工林ならば、未来のためにも伐採して天然林化を進めるべきです。

今晩、人工林の夢を見てしまいそうなほど、人工林連続の景色でした。

皆さんも、下の動画でしばし、バスの窓から外の景色を見てみてください。

行けども行けども、岩場以外は山の上まで人工林です。

 

地元の人たちは、今や過疎化高齢化で動けません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤色部分がスギやヒノキだけの人工林

 

以下は、日本文明存続のために天然林に戻すべきと熊森が主張してきた山の5か所です。

・奥山全域

・尾根筋

・山の上3分の1

・急斜面

・沢筋

 

今後のこと

どうしたら天然林に戻せるのか。

参加者のおひとりがつぶやかれました。「自衛隊に伐ってもらうしかない」

中国では、人民解放軍が山に植林していると聞きますから、若くて元気な自衛隊の皆さんに人工林を伐ってもらう。名案かもしれません。

うーん。こうなったら、熊森が株式会社を作り、税金を使って天然林化事業を全国展開していくしかないのかも。

水道の蛇口をひねっても、水が出ない。そうなってから慌てふためいても、手遅れなのですよ。みなさん。

私たち日本国の未来を大人の責任で守りましょうよ。

祖先への感謝、未来への責任、生きとし生けるものへの畏敬の念。これが日本文明です。(完)

7月21日くま森が天然林化中の兵庫県戸倉植樹地の草刈り作業

人工林の天然林化への道のり~草刈り作業~

 

7月21日木曜日、本部職員羽田とボランティア2名が、兵庫県宍粟市戸倉にある3か所の広葉樹植樹地で草刈り作業を実施しました。植物はこれでもかというくらい生長しており足の踏み場がないほどでした。植樹した木本類を傷つけないように、手鎌を使って手作業で草を刈りました。

 

今回たくさん生えていたイヌワラビをはじめとするシダ類は、本来シカが食べるものではありません。植樹木を守るシカ除けネットの内にも外にもたくさん生えています。シカが食べないために伸び放題です。

しかし、近年は森林内のシカの食料が激減したことで、シカが本来食べなかった植物まで食べ始めているそうです。今後、さらにシカの食料がなくなると、毒性のある植物まで食べるようになるだろうといわれています。シカが気の毒です。

鹿よけネット内は、シダ類を中心に植物が生い茂っていました

 

 

 

 

 

 

 

 

青々として地面が見えません

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間程の作業で植樹地を囲ったシカ除けネットの内外を一通り刈り終えました。雨の中の作業となったため、足元が滑りやすく体力を消耗しましたが、これで苗木に光が当たるようになったと思います。

ヤマビルが多く、参加者全員が血を吸われてしまいました。ヒルは肌にくっついても痛みがないので気付かないことが多いです。シカがいる地域にはヒルもたくさんいます。ヒルよけ対策が必要です。

 

倒木がはっきり見えるくらいすっきりしました

 

 

 

 

 

 

 

植物の生長はとてもはやいです

 

 

 

 

 

 

 

生長してきたミズナラ!大きく育って欲しいです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戸倉には今回草刈りを行った3か所以外にも天然林化中の植樹地があります。今後も皆で力を合わせて天然林に戻るよう頑張ります!

 

 

 

 

 

兵庫県宍粟市山崎の黒豆畑のシカ防除ネット張り

狭まり続ける野生動物と農家の距離

~捕殺に頼らない農作物被害防除の実現へ~

 

6月末、黒豆畑がシカに荒らされて困っているという地元農家からの訴えがあり、熊森本部職員の水見と羽田は、兵庫県宍粟市山崎の現地を訪れました。黒豆畑に確かにシカの足跡があり、どこからか侵入しているようでした。このままだと苗が食べ尽くされてしまうので、早急に策を講じることになりました。

調べてみると、揖保川沿いの金網フェンスが一部崩壊していました。そこからの侵入だと思われます。畑の川側に防除ネットを設置することにしました。

黒いマルチシートにはシカの足跡がくっきり!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

防除ネットで農作物を守る!

 

7月16日(土)、職員羽田がくまもりボランティア3名と共に再び畑を訪れて、防除ネット設置に取り掛かりました。木の杭を杭打機やハンマーで力いっぱい打ち込んで、すぐ横に長さ2mを超える支柱を立てていきます。杭と支柱を結束バンドで固定して、風で倒れることがないようにします。

杭と支柱をしっかり固定します

 

 

 

 

 

 

 

この日は比較的涼しくスムーズに作業できました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杭と支柱を立て終えたら、数人がかりで高さ2m以上のネットをかけていきます。ネットがたゆんでしまうとシカが飛び越えてしまうことがあるので、伸ばしながらしっかりと張っていきます。その後、ネットの下部にペグを打ち込んで隙間をなくします。シカも生きるために必死で通れる箇所を探ってくるので、隙を作らないことが大切です。最後に人が行き来できる出入口をつけて完成です。

皆で協力して防除ネットをかけていきます

 

 

 

 

 

 

 

出入口は40cmほどの幅で、端は元々あった金網に紐で結びつけました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4時間ほどかけて全長約70mのシカ防除ネットが完成しました!

 

完成した全長約70mのシカ防除ネット!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネットを張って以降、畑にシカが入った形跡はなく、黒豆は順調に育っているということです。美味しい黒豆が実るといいですね!

 

シカを銃や罠で殺さなくても、人間の生活圏と野生動物の生息域を分けることで、共存の道は開けます。一人でも多くの方に、個体数管理有害駆除害獣といった言葉に疑問を持って頂きたいです。日本熊森協会は捕殺に頼らない農作物被害防除実現の道を探り続けていきます。

関電、宮城県蔵王と北海道伊達市に計画していた風力発電事業を断念 

私たちは、「ついに蔵王にまで風発か!」と心が沈みました。
再エネ事業推進は国策です。
経産省からFIT認定、都道府県から林地開発許可、林野庁から国有林貸出許可・・・、事業は合法ですから止めることは大変だとこれまでいわれてきました。
蔵王
関西電力ほどの大企業であっても、お金がもうかるなら国土破壊でも水源の森破壊でもなんでもするのかとショックを受けました。
もうみんな日本中、再エネもうけに狂っているとしか思えません。
しかし、計画発表から2か月後の7月29日に、関電は蔵王風発計画断念を発表しました。
同時に、関電は、北海道伊達市などに計画していた風発計画の断念も発表しました。
以下は、河北新報7月30日記事 クリックすると読めます。

熊森から
今回、関電に森林破壊事業を断念させた地元のみなさんに、熊森は心からの敬意と拍手を送ります。
地元には、故郷の森を守る権利があります。
福島県昭和村に引き続き、住民の声を聴き、首長が判断して本気で白紙撤回を求めれば、国策推進事業であっても止められることが実証されました。
水源の森を伐採されたり尾根筋にコンクリートを流し込まれたりして取り返しのつかないことになる前に、自然破壊型再エネ事業は国民の力で次々と阻止していきましょう。
心ある国会議員の皆さんが、法規制を急いでくださっています。
それまで、国民の力で、水源の森を守り抜きましょう!
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