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2024-06
とよに事務所のヤマモモを届ける
- 2024-06-27 (木)
- くまもりNEWS
一切お世話をしていないそうですが、事務所のヤマモモの木に、驚くほどいっぱい実がついています。
ヤマモモは暖地性の植物で、尾根のようなやせ地でも育つそうです。
これまで北海道にいたので、ヤマモモを見たことがありません。
とよ君に内緒で味見をしました。
紫色に熟したのはそこそこ甘かったのですが、赤いのは酸っぱい!
グルメのとよ君のためできるだけ熟した実を採ってやりました。
とりあえず、ビニール袋2つ。
早速、担当の方にお願いしてとよ君のお世話日に持っていっていただきました。
ボランティアさん、差し入れありがとう!
とよ君がおいしそうにやまももを食べている様子をみなさんも下の動画で見てください。
とよ君はクワの実も大好きで、会員の庭に植えられた桑の木にびっしり実る実を、毎年、とよ君に差し入れしているそうです。
肥沃な大地である平地の木々の実りは豊作です。
山の木々(液果・堅果)は、元々、平地ほどは実らないのでしょうが、里に出て来ているクマたちが山に帰れるように、もう少し実ってほしいです。
兵庫県三田市で数年前に皮むき間伐したスギを、すべて伐採!~ボランティアさんの底力~
- 2024-06-27 (木)
- _奥山保全再生
7年前、熊森は兵庫県三田市で、多くのボランティアさんに参加していただき、放置人工林の皮むき間伐を行いました。
(以下は、当時のブログ)
皮むき間伐は、チェーンソー不要、小学生でも手軽にできる間伐です。
ただし、簡単に皮がはがれるのは、木が地中からどんどん水を吸い上げている6月前後の成長期だけです。
今回の熊森の出動は、皮むきされて立ち枯れた木がシカ除けネットに倒れ込んで、シカが畑に入って来たという地元からの連絡を受け、
この際、フィールドチームで全部片づけようとなったものです。
伐採する箇所は3か所で、伐採すべき木は300本近くもあります。
<現場A>
ここは、倒木が小屋の上に倒れる恐れがあり、緊急性の高い場所です。
延べ2日間、作業人数5人で終了しました。
<現場B>
密植しているため、伐採時には隣の木に引っかかってしまうことも頻発。
ボランティアさんたちは、伐採した木の枝打ちや整理を積極的に行ってくださいました。
現場Bは延べ5日、作業人数延べ18人で終了しました。
↓Before
↑After
<現場C>
ここはスギの密度が特に高いため、作業前に念入りにミーティングをし、みんなで情報を共有しました。
現場Cは延べ3日間、延べ16人で作業完了!
↓Before
↑After
山主さんから「本当によくやってくださいました。」とお礼の言葉を頂き、うれしかったです。
まとめ
3月から本部フィールドチームとボランティアさんたちで合計8回にわたり作業した3か所の現場。
延べ32人というたくさんのボランティアさんにご参加頂きました。
初めて参加して下さったボランティアさんがほとんどでしたが、みなさん「楽しかった!」
「目に見えて達成感ある」「いい汗かきました」と満足して笑顔。
くまもりの底力は、会員さんのボランティアだなと実感できる場面でした。
ご参加下さった皆さん、本当にありがとうございました!
熊森から
皮むき間伐は、元々建築屋さんが木の皮をむいて立ち枯らし、1年後に材が乾燥した頃、山から伐り出して使用するものです。
しかし、熊森の活動は奥山が主で伐り出しが難しいため、皮むき間伐後に材を使用する予定はありません。
今回、伐採を担当した職員が、皮むきされて皮がない材を伐ろうとすると、幹がくるくる回って伐りにくかったと言っていました。
皮1枚といえども、あるとなしではそんなにちがうのですね。
ならば、最初からチェンソーで伐採しておけば、2度手間にならなかったという反省があります。
しかし、皮むき間伐にかかわってくださったみなさんが、山の事や木のことについて楽しく学んでくださったと思うと、
三田市の皮むき間伐は、意味があったと思います。
この後、ここの人工林がどう変化していくか、見守っていきたいと思います。
とよくん獣舎のペンキ塗り作業がおわってピカピカに❗
- 2024-06-08 (土)
- くまもりNEWS
豊能町高代寺内にあるとよくんの獣舎の塗装作業は5月17日に始まり、途中雨で作業日が変更になることも多々ありましたが、ようやく昨日終了しました。
以前より濃い緑色になり、周囲の樹木とも調和しているようです。
before
after
ペンキの匂いが大好きなとよくんは、顔や身体をスリスリとこすりつけてペンキの匂いを堪能(?)していました。
ちょっぴり鼻にペンキがついているところもご愛敬。
連日作業をじゃますることなく、じっと静かに見守っていたとよくんの姿に塗装屋さんも、「かわいいね、えらいね」としきりにおっしゃっていました。
最後にご褒美のハチミツをもらって夢中に舐めるとよくん、きれいになった獣舎で快適に暮らしてね!
皆さん、獣舎にぜひ遊びにきてください。
週に1度のお清掃ボランティアも募集していますので、こちらもご参加お願いします!
【お掃除ボランティア】6月は11日(火)・16日(日)・25日(火)を予定しています
ぽつんと一軒家に住む犬たちが、うれしそうに散歩に飛び出したのに家の前で動かなくなった訳
- 2024-06-01 (土)
- くまもりNEWS
先日、和歌山県の山の中の一軒家に住む方を訪れた際に、お聞きしたお話です。
山に犬を捨てる人がいて、その方は3頭も保護飼育されています。
8月のある日、いつものようにうれしそうに家から散歩に飛び出した犬たちですが、家を出たところで立ち止まり、地面の臭いをかいでいたと思ったら、今日は散歩に行かないという感じで家に戻ってしまいました。
後でわかったのですが、離れたところにあるクリの木に、クマが来ていたのです。
足跡の臭いを嗅いだだけでわかるんですね。
争いを避ける動物たちの対応をすばらしいと思いました。
またこれも8月のある日、周囲のまだ青いクリの木の実を食べに、サルの群れが突然現れました。
今度は犬たちは、サルの群れに向かって一斉に吠えながら追いかけていきました。
サルの群れはどっと逃げていきましたが、しばらくするとまたもどってきました。
するとまた、犬たちが飛び出していって吠えながら追いかけます。
サルの群れはまたどっと逃げていきます。
これをこの日7~8回繰り返したところ、これ以来、サルの群れがここに来ることはなくなったそうです。
実際に闘ったり殺したりせずに折り合いをつけていく動物たちの知恵は、人間以上だと思いました。
自然の中で野生動物たちと人間が共存するには、犬が不可欠ですね。
山の中の一軒家で保護飼育されている犬たち
この犬たちは、なぜか家の中にいることを好むそうです。
事故0捕殺0のベテラン行政担当者のクマ対応 ③人間などに驚いたクマが建物に逃げ込んだ場合
- 2024-06-17 (月)
- くまもりNEWS
(3)人間などに見つかり驚いたクマが建物内に逃げ込んだ場合
建物出入り口がギリギリ見える100mほど離れたところに担当者が車を止め、エンジンも止めて窓を閉めて待機します。クマに対して風下であったり充分な距離が確保出来ているようであれば窓を開けてもエンジンをかけていても大丈夫です。建物の扉は全開にしておき、夜になるのを待ちます。それ以外の人はすべて立ち去るか、規制線外に出てもらいます。クマをパニックに陥らせる回転灯やエンジン音などは厳禁です。
このようにして平静な環境を作って見守ると、多くの場合、人の動きが止まる午前2時から4時に、クマはそっと出て来て山にさっと帰って行きます。暗視スコープやサーマルビジョンでクマが山に帰ったことを確認します。
こうやってこれまで多くのクマを山に返してきましたが、交通事故等で怪我をしていた場合は一晩では出てきません。3日目ぐらいに建物から出て山に帰って行った例もあります。その間、飲まず食わずなので、水やえさを与える必要はありません。(与えても、飲まない食べない)
(4)クマのいる山に入る場合
私は、林業用の顔面シールドを付けたヘルメットをかぶって入ります。これだと、あっ襲ってきた!と思った瞬間、顔面シールド降ろし、顔面をガードできます。基本的に唐辛子スプレーは使いません。唐辛子スプレーが噴射できるように準備する前に、クマが目の前に来てしまう恐れがあるからです。
クマが人間に一撃を加えて逃げようとする場合、立ち上がってのしかかるようにして前足を振り下ろすことが多いため、しばしば前足の爪が人間の顔に当たり顔面の大けがとなります。(クマが人の顔を狙って襲ってくるのではなく、たまたま位置的にそうなる)顔面ガードを付けていると、このケガを防ぐことができますし、ヘルメットで頭を守れます。
クマから逃げきれないときは、出来るだけ戦います。先に金属が付いた靴で鼻か口を殴るか蹴ると効果的です。といっても、襲ってきたことは、今まで数百回山でクマに出会って3回しかありません。
もちろん唐辛子スプレーは非常に有効なので、一般登山者の方や、相手がヒグマである場合などには積極的に使用していただきたいです。私は行政担当者なので、唐辛子スプレーを使用してパニックになったクマが集落に下りて行って市民に危険が及ぶ恐れを避けたいという思いもあるのです。
(5)クマやシカが線路に入って列車に轢かれないようにするコツ(轢死が、すごく多い)
①シカの場合
シカが線路に執着する理由は多岐に渡るため、理由を特定するのは経験を積んだ人材でないと困難ですが、何故その場所で線路に入るのか理由を調べます。
鉄粉を舐めたくて入っている場合は、線路から離れたところに、錆びた古い線路などを置いてシカが舐められるようにしてやると、そこにみんなで舐めに行き、もう線路に入らなくなります。
②クマの場合
クマが線路を積極的に利用する主な原因は二つあり、ひとつには長距離を楽に移動するためで、もうひとつはシカの轢死体を食べるためです。
そのため列車がシカをひいた時には、出来るだけ早くシカの轢死体を線路外の山側に置いておくと、クマが次に轢かれるのを防ぐことが出来ます。
シカ避けとしてカプサイシン(唐辛子)を線路に塗ることがありますが、クマはカプサイシンに執着するので、この処置を施した路線では、次に、クマが轢かれる恐れが生じます。(完)
事故0捕殺0ベテラン行政担当者のクマ対応 ②夜の集落に餌を求めてクマが出た場合
- 2024-06-17 (月)
- くまもりNEWS
(2)クマが夜間に餌を求めて集落に出てきた場合
人間への警戒心があるクマなので、問題を起こすことは少ないです。
夜間に集落周辺の餌を食べて山への朝帰りが遅れ、早朝人間に見つかってしまったクマも、問題を起こすことの少ないクマです。
夏場に住宅密集地の小学校の近くに夜間に出てきたクマがいました。夜間でも撮影可能な自動撮影カメラをかけた結果、そのクマは小学校のプールで泳いでから、山に帰って行ったことがわかりました。
行政担当者は家屋から何m離れたところに来ているかなど、情報収集に努めます。家屋から100m離れていても危険な時もあれば、毎年来ているクマで5mしか離れていなくても大丈夫なクマもいます。
その地域のクマ社会が成立していれば、経験豊かな母グマが子グマに教育を徹底させるので、何時頃にどこまでなら出て行っても安全か、クマたちは皆、理解しています。よそからクマがやってきても、そこの母子グマを見習って集落に近づき過ぎないように気を付けます。このような母子グマの存在は流れグマが来ても集落に近づき過ぎないように教え、集落を守ってくれる貴重なクマで、決して捕獲してはならないクマです。
事故0捕殺0ベテラン行政担当者のクマ対応 ①昼間の集落に餌を求めてクマが出た場合
- 2024-06-17 (月)
- くまもりNEWS
ある町のツキノワグマなど野生動物対応のベテラン行政担当者(10年間引き続き担当中の男性)は、昨年度、それなりに次々とクマが集落に現れる中、クマによる人身事故ゼロ、クマ捕殺ゼロを達成されています。この方に、人身事故ゼロ、クマ捕殺ゼロのコツを教えていただきました。
コツは、一言で言うと、「クマを一切刺激しないこと」です。
人身事故を多発させている行政担当者のみなさん、行政対応に問題はなかったでしょうか。ご検討ください。
総論:まず最初に、なぜクマが集落に出て来たのか見分けること。
1、食べ物を求めて出て来た
→柿の実など、取り除くことのできる場合は取り除く。
・ただし、集落外縁のものを狙って出てきた場合は、下手に取り除くとクマが集落内に入ってくることがあるので、許容することも考える。
→気を付ける。
早春の渓流には、落実直後はタンニンが強く食べられなかった前年のトチなどが、渓流の水にさらされている間にアクがとれて、クマが食ベられる状態になっているため、釣り人は渓流でクマに出会うことがある。要注意。
→危険なので近づかない。
・シカの死体や腐乱死体に発生したウジ虫を食べに来ている場合は要注意。近くでのランニングやサイクリングは危険。
2、5月前後に、母グマまたは子グマが、発情しているオスから逃げようとして出て来る
→オスグマを追い払ってやると、山に帰る。
3、蛍の出る頃、早朝、集落の川で水浴びのために出て来たり、単に通行するだけなどの一過性のもの
→あまり問題視しなくてよい。
4、母から独立したばかりの好奇心の強い3歳くらいの若グマが、人間の集落を見に来る。
→見に来ただけなので、しばらくしたら自分から帰って行く。
各論
(1)クマが昼間に餌を求めて集落に出てきた場合
人間への警戒心が薄いクマであることが考えられるため、要注意。
連絡を受けた行政担当者はすぐに現地に向います。この場合、人身事故を起こさせないというのが行政としての一番の目標となります。とにかくクマを刺激しないように、クマから離れたところでクマの動きをそっと気長に見守ります。マスコミにはご遠慮願います。
警察官は遠く離れたところにいて、市民がクマがいる方向にやってこないようにするという役割に徹してもらいます。
クマがもし集落内へ移動するようであれば、少人数の専門員でクマに気づかれないようできるだけ離れて一定距離を取りながら付いていき、そっと監視し続けます。
クマをパニックに陥らせるパトカーの回転灯やサイレン、拡声器などは一切厳禁です。
大声や爆竹で脅したり追い払おうとしたり追いかけたりすることも厳禁です。そんなことをすれば、クマが見当が付かない方向に逃げだしたり、反対に物陰に入り込んで動かなくなることがあり、これが人身事故につながります。出来るだけ普段と変わらない静かな環境を保持し、クマが平静に山に帰るまで見届け、終わります。
人がそっと離れたところから見守っていたことに、クマは気づいています。