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66年前戦争に負けたことと54基の原発設置がどう関連するのか 船瀬俊介著「原発マフィア」が国民に教えてくれること


私たちは日本の森や森の動物たちを守ろうと悪戦苦闘してきた。一生懸命だった。しかし、3月11日以降、放射性物質という私たちの力ではどうしようもないもの、五感では感知できない得体のしれないものが私たちの守ろうとしていたものの上に降り注ぐようになった。

一説には、東日本はもちろん静岡あたりの山も、もう当分は危険だから入らないほうがいいという。万事休すだ。しかも、森や動物だけではなく、私たち人間の身体だってこの先どうなっていくのかわからないのだ。この前の台風で、福島原発からの放射性物質が全国に拡散されたという。

このところ、全くもって不可解なのは、「フクシマ」を忘れたマスコミ報道である。国・企業・御用学者たちのいう「原発安全神話」を国民に垂れ流してきた反省はないのか。また今、同じ国・企業・御用学者たちのいうことを垂れ流しているだけの報道ではないか。何の危機感もない。どうしようもない事態を生み出しておいて、「がんばろう福島」なんてなぜ言えるのかわからない。本当は、海にも、地下水にも、土にも、牛だけではなく全ての生物にも、大変なことが起きているはずである。福島県の小学生の1割が県外に転出したそうだが、大変なことだ。

さらに理解できないのは、あれだけ国民をだましてきた新聞やテレビの報道に、また国民が今も疑いもなく耳を傾けて安心していることである。

もっと理解できないのは、原発事故を見事予測していた一部の良心的な学者たちが、「本当は原発なんていらない。日本の電力は足りている」と言っているのに、原発利権に群がってきた電力会社たちが流す「原発を推進しなければ日本の産業が壊滅する」という言葉を信じて、「原発やむおえなし」といまだに唱える人たちがいることだ。自然保護団体の中でも、原発問題に口をつぐんでいる所が多い。明日にでも大地震が起きるかもしれない。新たな原発が事故を起こしたら、どうするのだ。放射性物質が降り注いで来たら、どうやって自然など守れるのか。この問題には一刻の猶予もない筈だ。

こんな中、左でも右でもないリベラリスト船瀬俊介氏が書かれた「原発マフィア」を読んだ。そうだったのか。謎が次々と解明されてきた。日本は66年前、戦争に負けてアメリカに占領されたのは知っていたが、今も属国だったのだ。そういえば、独立記念日はいまだにない。世の中の問題は日本だけで考えていてはわからないが、アメリカとの関係で見ればわかってくる。

私たちは、自然保護団体なので、森や動物のことは全力を挙げて調べているが、他の分野のことはそこまで調べる余裕も力もない。よく調べておられる人たちの本をいろいろ読んでみることだ。「原発マフィア」全国民必読の書として推薦したい。

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