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5月5日 クマ生息地で地元の研究者による勉強会を実施(兵庫県但馬)

5月5日、クマ生息地である兵庫県北部の但馬地方で、地元の熊森会員に呼びかけて集まっていただき、初のくまもり勉強会を持ちました。

午前中は、人間の手によってスギの人工林にされた暗い山を思い切って伐採し、希少動物(両生類)の棲める環境に再生した場所を、地元の研究者の方に、見せてもらいました。あちこちでタムシバの白い花が咲く山で、研究者の調査に同行し、調査方法や生息環境について学習していくなかで、知らなかったことを学んでいきました。

地元の方によると、林野庁の、拡大路網、大型林業機械導入の「森林・林業再生プラン」が国会を通ったためか、今、地元では、山の中に作業道がどんどんと造られていっているということでした。なぜ道を造るかというと、道を造らなければ、大型林業機械を導入しても機械のアームが届かないからだそうです。
しかし、その新たに造った道を使って、山の動物たちがどんどん人里に移動できるようになり、獣害がいっそう増加。それにつれ有害駆除もいっそう増えるだろうと、地元の方が言われていました。獣害が起きる原因はすべて人間が造っており、殺されるのは動物の方ということです。

午後からは、地元の施設を借りて、座学です。
座学では、先生がたくさんの希少動植物をスライドで紹介しながら、「(この動・植物は)この但馬地域にしかいないんですよ。」と繰り返し強調して説明されました。但馬地方には、多様な動植物が生息するのに必要なすばらしい自然環境があったことを学んでいきました。このすばらしい自然を残すため、先生は、熊森同様、深山奥山のゾーニングをさかんに訴えておられました。但馬中を何十年も歩き続けて来られた先生にしか語れないすばらしくかつ膨大な講義内容でした。詳しくは、会報などで、今後、会員の皆さんにお伝えしていく予定です。

熊森は、豊かな自然環境を守ってまもっていくためには、地元の方々の生活を理解し、人間と動植物がどのように共存できるかについて、地元の方々と一緒に考えることが大切だと考えています。今後もクマ生息地の会員の方々の集まりを企画し、このような「野外+座学」の勉強会を設けて、非会員の方も含め、たくさんの方々のご意見をお伺いしながら奥山保全・再生活動を進めていきます。

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