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12月10日 鳥取市でクマとの共存を考えるシンポジウム

この日のシンポジウムには、鳥取市福祉文化会館2階会場いっぱいに、数十名の参加者がありました。まず最初に、長野県軽井沢町のNPO法人ピッキオ職員玉谷宏夫氏と広島県役場職員の栗栖浩司氏から、講演がありました。

熊森の自然観や動物観とどこがちがうのか、少しわかってきました。一つの現象に対しても、人にはいろんな考え方や見方があるものだと、改めて思いました。違いがあっても、相手への敬意を失わずに、耳を傾けることが、人としては大切です。このような舞台の上の短い時間だけでは、どこからこのような違いが生じているのか、わかりませんでした。現代人はみんな忙しいのですが、じっくり話し合える機会があればと思います。

後半の初めは、鳥取県庁担当者からの発表でした。今年、鳥取県は、クマが増え過ぎているという民間調査会社からの調査報告を受けて、東中国山地の3県のなかで唯一、クマの個体数調整を開始すると新聞に発表済みでした。しかし、熊森は、鳥取県に対して、個体数調整捕殺の導入撤回を求めていました。理由は以下です。

①人工林率54%で、しかも、その多くが放置された人工林である鳥取で、クマが増え過ぎられるはずがない。

②去年、多くのクマたちが山から出て来たのは、数が増え過ぎたからではなく、なぜか山がありえないような大凶作だったからだ。その証拠に、今年は、目撃数も捕獲数も激減している。個体数調整の導入は、過剰防衛である。

③他生物の生命も尊重されるべきで、可能な限り殺さない対応が求められる。

この日、鳥取県庁担当者は、個体数調整の導入実施を検討すると言う文言に押さえて発表されました。これは行政としては、メンツを考えればなかなかできないことです。鳥取県行政担当者を讃え、拍手を送りたいと思いました。

このあと、熊森協会から森山会長も参加して、シンポジウムが始まりました。4つの違う立場からの声が出されて、バランスのとれたシンポジウムになったと思います。このような会には、必ず、奥山を歩き続けている熊森協会が出席すべきであると思いました。

最後に、熊森鳥取県支部長が、福島原発事故を引き合いに出して、これまで人間のやってきたことを、クマ対応についても見直すべき時ではないかという、人々の胸に響く発言をされ、閉会となりました。

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