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2/27  熊森見解と全く正反対だった兵庫県立大学の研究者たちの発表

2月27日、兵庫県森林動物研究センター主催の「-野生動物の保全と管理の最前線―ツキノワグマの大量出没の要因と対策を考える」シンポジウムが、兵庫県立美術館ミュージアムホールで開かれ、230名が会場を埋めました。野生動物保護管理派すなわち人間が管理(=殺す)して、野生動物の生息数を適正頭数に落とすべきと考える行政や研究者たちが勢ぞろいしました。4人の研究者全員が、兵庫県森林動物研究センターと兵庫県立大学に所属されており、パネルディスカッションも、この人たちだけで(!)なされました。

全員の発表内容をまとめると、兵庫県の山の自然環境は大変良く、クマも増え過ぎて、個体数調整に乗り出さないといけない時期に来ているということでした。

(発表内容の要約)

●兵庫県の山は戦後、どんどんとアカマツなどが消え、クマの棲めるコナラなどの自然の森が増え、動物たちにとって大変好環境なものに変化した。(論拠はカラーの植生図)

●最近、クマは年平均22%ずつ増えており、1994年に60頭だった生息推定数が16年後の2010年には、313頭~1651頭と予測される。中央値は649頭で、もはや保護対象動物ではなく普通獣にすべき。(クマ生息推定数の論拠は、因子分析法による。主な因子は2つで、クマの目撃数と捕獲数の増加)

●昨年2010年のような山の実り大凶作年でも、駆除したクマを解剖すると、栄養状況もよく太っており、雌グマの93%に黄体または胎盤痕が確認され、兵庫県の雌グマは良好な繁殖状況である。(論拠は有害駆除された多数のクマの解剖)

●昨年秋は、クマたちが柿の木を自分のものとして行動がエスカレートし、味をしめて人里に大量出没した。クマはブナ・ミズナラ・コナラの実りが全くなくても、ウワミズザクラやオニグルミを食べて十分生き残れるから、去年の様な大凶作年でも人里に出て来たクマはお仕置きをして山に返し、2回目出てきたら学習能力のないクマとみなして殺処分すべし。(兵庫県は2010年度、この考えに基づいて、7頭のこぐまも含め70頭のクマを有害捕殺した。ちなみに、隣接する岡山県では、同じ状況下であったが、人里に出て来たクマは全て奥地放獣し、クマの捕殺数はゼロであった)

(感想)この発表を兵庫県のクマたちが聞いたら、殺されていくクマたちの苦しみがかくもわからぬのかと、号泣するだろうと感じました。研究者たちの発表は、わたしたち熊森が奥山を歩き続けて感じている動物たちの生息環境が大荒廃して生き残れないという危機的な状況と180度反対で、ミステリーそのものでした。発表者たちが具体的にどういう手法でこのような結論を出されたのか、質問したいことが山のようにいっぱい出ましたが、質問は質問用紙に書かれたものから当局が選択したものだけに限られていたので挙手する場がありませんでした。

兵庫県の野生動物保護管理の研究や現場の実態はこれまでも今もわたしたちに非公開であり、私たち県民や市民団体には情報がほとんどありません。結論だけ発表されても理解できませんでした。是非、全てを公開していただきたいものです。

「熊森が、質問できないようにうまく終われた」と、主催者たちが後ろで笑いながら私語していましたよと、ある参加者が教えてくれました。しかし、熊森はこれで終わるつもりはありません。機会を見つけて、わたしたちと結論が正反対になっているわけを、納得するまで質問していきたいと思います。わたしたちは、かれらの発表したことをテープ起こししてとりあえず保存しました。以下が、当日の発表者たちです。

司会者 林 良博 兵庫県森林動物研究センター所長

発表者 兵庫県森林動物研究センターより

「出没及び被害の発生状況と対応」 稲葉一明 森林動物専門員(県庁職員)

「生息環境と堅果の豊凶」 藤木大介 研究員 兵庫県立大学

「保革個体の栄養状態と繁殖状況」 中村幸子 協力研究員 兵庫県立大学

「生息動向の推移と個体数推定」 坂田宏志 主任研究員 兵庫県立大学

「行動特性と出没との関係」 横山真弓 主任研究員 兵庫県立大学

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