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元来、野生鳥獣との共存に科学者など不要

わが国の森には、大きなクマから小さなバクテリアに至るまで、自然界に元々生息していた多種多様な生き物たちが、絶滅せずにたくさん生き残ってきました。この事実は、わたしたちの祖先がこれらの生き物たちに、深いやさしさや畏敬の念を持って接し、棲み分けによってかれらに生息地を保障していた結果です。

自然生態系が守れたのは、科学研究の成果なんかではないのです。この、だれにでもわかる当たり前の簡単なことを、今一度人々にかみしめてもらいたい。

しかるに、ふつう3年ごとに部署が変わっていく行政の人たちは、権威のある大学の先生や、裏でこのような研究者としばしばつながっているかしこい業者たちの、「わたしたちの科学研究と科学的データが行政に必要です。予算を付けてください」という甘い言葉に、すぐ、ひっかかってしまう傾向にあります。自然生態系は複雑すぎて、人間には永久にわからないことでいっぱい。元々数字やグラフで表すことなど不可能な世界なので、いったん研究者や業者に付けた研究費や事業費は、毎年毎年いつはてるともなく要求され続けます。

長年クマ保全に関わってみてわかったことは、こうした①次々と論文を書きたい研究者、②お金を儲けたい業者、③専門知識がないので肩書きのある専門家によっかかるしかないと思い込んでいる行政、④保身のためには権威者たちの顔色を見ながら物書きをするしかないと思っているジャーナリスト精神を失っている記者たち、かれらによって、本来守られるべきクマたちが、ぐちゃぐちゃにもてあそばれているという事実です。

クマたちがしゃべれたら、研究者や業者に、きっとこう叫ぶでしょう。「捕まえないで。解剖研究の対象にしないで。わたしたちに、もう今後一切手を触れないで!体に化学物質を注入するのはやめて!生息地の森を返してほしい。あとはそっとしておいて」子供たちは人間であっても心が澄んでいるから、きっとみんな動物たちの叫びがわかってくれることでしょう。

行政の出している膨大なワイルドマネジメント用の予算を、生息地復元に使えば、クマも、山から出てくる野生動物たちに悩んでいる地元の人々も、みんな幸せになれるのです。

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