くまもりNews
この時期氾濫するクマ目撃ニュースに思う
- 2023-07-04 (火)
- くまもりNEWS
最近、クマ目撃ニュースが氾濫しています。6~7月は親離れした若グマが、今後の生活場所を探しに遠出する時期ですから、目撃が増えるのは当然です。
クマは元来平和的な動物なので、人間が目撃したからと言って、ほとんどの場合、別に何も起きません。理由もなく人間に向かってきたりしないのです。彼らが、向かってくる理由を人間が作らないように気を付けることが大切です。
市街地などクマがいては困る場所にクマが出てきたことがニュースになるのはわかりますが、山裾や山道などのクマの生息地で、しかも早朝午前4時など、クマがいて当然の場所にクマが人目を避けて行動していたケースまで問題視するニュースが結構見受けられます。クマはどんな場合でも人間が目撃できてはいけないのでしょうか。問題視する前に、人間が宅地開発や道路建設でクマの生息地にどんどん入り込んでいるから目撃してしまうという側面もあることを忘れてはいけないと思います。
クマを必要以上に危険視したりクマに必要以上に恐怖を抱かせる報道が多いのが気になります。視聴率を稼ぐためでしょうか。祖先たちがこの国で共存してきた動物です。温かい目で見守ることも必要だと思います。
2023年山の斜面で目撃された体長約70センチのツキノワグマ。写真は山形県警。
これも、クマ目撃ニュースの常套句、「人や物に被害はありませんでした」と報道されていました。
兵庫県のクマ生息地の方が、「クマなんて毎日見かけるよ。昨日は、畑の横を歩いていたよ。わしら昔から、お互いに空気のような存在として一切干渉せずにやってきた。最近、行政が、クマを見かけたらすぐに通報するようにとうるさく言ってくるんだが、何のために通報するんだ?」と言われていました。
日本でクマは唯一、人間より力の強い動物です。彼らと素手で闘うと、人間は大けがをしたり、時には命を失います。よって、確かに要注意動物です。しかし、人間には人間より力の強い動物の存在が必要だと思います。必要だから自然界に存在しているのです。
兵庫県宍粟市戸倉トラスト地で野生動物を調査
自動撮影カメラで野生動物の生息状況を調査
6月17日土曜日、(公財)奥山保全トラストが所有する戸倉トラスト地の野生動物の生態を調査するために、自動撮影カメラを設置しに行きました。
白破線内がトラスト地
これまでは尾根筋にカメラを設置していましたが、今後は川筋をメインで調査することにしました。理由としては、
1、川は多くの動物が利用するので、どんな動物がいるか、どんな行動をするかが分かりやすい
2、同時並行で川の映像を撮影することで、水量など川の様子の変化をしることができる
トラスト地内の谷川
今後、継続してデータを収集し、上記の2点を調べていきたいと思います。
継続的にデータを蓄積するために、尾根筋にもこれまで通りカメラを1台設置することにしました。
調査では川筋に合計9台のカメラを設置する予定です。戸倉トラスト地は中心を西から東に向かって赤谷川という川が流れています。その川を上流へ遡っていきながら、野生動物が現れそうな場所にカメラを設置します。移動や設置に時間がかかるので、今回は川筋4台、尾根筋1台の合計5台の設置を行うだけで精いっぱいでした。
自動撮影カメラをセット
カメラは付属の紐か針金で頑丈な木に固定します。雨を避けるために金属製の傘を必ず設置します。
川沿いは大きな岩や倒木が点在し、崖や急斜面があるので移動が大変でした。怪我のないように細心の注意を払って行動しました。
今後は定期的にSDカードと電池の交換を行い、異常などがないか入念にチェックしていきます。
戸倉トラスト地を少しでも野生動物たちにとって棲み良い環境にしていけるよう、頑張ります!
以下の写真は、以前、このトラスト地で谷川に浸かっていたクマが撮影されたものです。
谷川に浸かるクマ 2,016年日6月27日
7月1日(土)五常小学校「おしごとマルシェ」に、自然保護の仕事紹介としてくまもりが参加!
- 2023-07-04 (火)
- くまもりNEWS
大阪府枚方市の五常小学校では子供たちからのアンケート結果をもとに、「おしごとマルシェ」というプログラムを学校で定期的に開催しているそうです。
過去には「伝統文化編」などいろいろ開催されてきたそうですが、今回は「防災・SDGs」というテーマで開催されました。
くまもり協会は自然保護の仕事を紹介しようとして参加。他にも、消防士や自衛隊の方、ユニセフの方など、テーマに関係するいろいろな職種の方々がボランティアで参加されていました。
くまもりは音楽室を借り、マルシェとしてクマや森、林、農地などの展示・クイズ・ゲーム・紙芝居を用意しました。
子どもたちはどんな風にやってきてくれるのかな。ドキドキしながら展示の準備です。
いつも使っている杉間伐ゲームや
展示パネル、原寸大の保護グマとよ君のパネルと
シカの被害対策実演用ジオラマなどなど!
10時、準備完了。マルシェ開始です!
10時~15時の間、子供たちはスタンプラリーをしながら各教室を回ってきます。
子ども達が続々とやってくるのでスタッフもてんてこまい!
まずはクイズコーナーや展示コーナーに案内。
ある程度子どもたちが集まったら紙芝居「ドングリのもりをまもって」を上演します。
結局この日は紙芝居を7回も上演することに。
もう、へろへろになってしまいました。
でも、参加した子供たちから、紙芝居良かったの感想が多かったそうで、がんばりがいがありました。
普段の授業では先生方が教えられないことを伝える「おしごとマルシェ」、面白い試みだと思いました。
ボランティアでお手伝いしてくださった会員のみなさん、参加してくださった子供たち、皆さん、本当にありがとうございました。
くまもり神奈川がくくり罠への錯誤捕獲問題の勉強会を企画
- 2023-07-03 (月)
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くまもりマスコットグマくろちゃん天寿を全う32才4か月
- 2023-07-01 (土)
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みなさまにお知らせ<速報>
山形県鶴岡市の佐藤八重治さんが愛情いっぱいに飼育されてきた元みなしごグマのクロちゃんが、7月1日13時に亡くなりました。
思わず鶴岡市の方を向いて合掌させていただきました。
クロちゃんはそのあまりの可愛さに、当時の森山まり子会長が、熊森のマスコットグマとして写真を使わせていただきたいと佐藤さんに申し出ました。
佐藤さんの快諾を得て、クロちゃんの写真は熊森の各種出版物に数多く使われてきました。
かわいいクロちゃん wクリックで大きくしてね
最近は、クロちゃんも高齢となり体調が思わしくなく、佐藤さんが獣医になった気持ちで必死に勉強して薬を与え、看病しておられました。
今朝は、ちくわといなりずしとポカリスエットを与えると食べたそうです。
午後、声をかけると、立って入り口までやってきて倒れ、息を引き取ったということです。
佐藤さんは、クロ子が亡くなったら重いのでどうやって獣舎から出そうかなと思案されていたそうで、入口までやって来て亡くなったクロちゃんに感謝されていました。
あす、山の畑に埋めに行くとのことです。
クロちゃん、長いこと熊森の宣伝娘を務めていただきありがとうございました。
合掌。
お父さんとお散歩も懐かしい思い出
佐藤八重治さん、32年間、我が子同様にクロちゃんのお世話を、本当にご苦労様でした。
母親からはぐれ衰弱した子グマ 保護され旭山動物園に…保護したのは砂川市のハンター池上さん
- 2023-07-01 (土)
- くまもりNEWS
以下、北海道ニュースUH2023年6月30日配信より
連日クマの出没が相次ぐ北海道。
札幌市内でも住宅街近くで出没を繰り返し、住民の不安が増しています。
また幌加内町の朱鞠内湖では釣り人が襲われ死亡したほか、標茶町では乳牛がOSO18に再び襲われるなど、深刻な被害も生じています。
人々からクマの駆除を求める声が高まる中、衰弱した子グマが人々の善意によって動物園に保護されるという珍しいケースが北海道でありました。
6月18日に出没した子グマ(提供・砂川市のハンター池上治男さん)
子グマが保護されたのは砂川市。
6月8日から市内の公園で子グマの目撃が相次いでいました。
そして、6月18日午前7時30分ごろ、同じ公園内で体長60~70センチほどの子グマがいるのが目撃されました。
子グマは落ちていた木の実を食べる様子を見せていましたが、近くに母グマがいる恐れがあり、出動したハンターが現場で警戒を続けました。
その後、時間が経っても母グマは現れず、何度も同じ場所にとどまっていることなどから、母グマとはぐれたと判断。
ハンターが子グマを保護しました。
子グマは腹を空かせた様子でかなり衰弱していたということです。
保護された子グマ(提供・砂川市のハンター池上治男さん)
保護したのは砂川市のハンターで鳥獣保護員を務める池上治男さん。
池上さんは、2018年に砂川市の要請を受け、警察官立会いのもと、猟銃でクマを駆除しましたが「建物に届く恐れのある方向に撃った」として北海道公安委員会に猟銃の所持許可を取り消されました。
その後、処分を不当だとして、道を相手に処分の取り消しを求めて訴えを起こし、2021年に勝訴。その後、道が控訴したため、今も訴訟は続いています。
そんな中でも、池上さんはクマの出没情報があるたび見回りや警戒を続けています。
元気になった子グマ(提供:旭山動物園)
その後、池上さんと砂川市の話し合いによって、子グマは旭川市の旭山動物園に保護されることになりました。
旭山動物園によりますと、クマを含めケガをした野生動物などがいれば可能な限り、保護受け入れをしているということです。
ただ、全てを受け入れているわけではなく、今回は園内で収容可能だったことや、母グマとはぐれて衰弱していたことから子グマの保護受け入れができたということです。
元気になった子グマ(提供:旭山動物園)
この子グマ、保護されてから約1週間でエサをしっかり食べるなど、順調に回復。
27日からは屋内と屋外の展示場を行き来できるほど、元気になっていると言います。
熊森から
クマという動物に無知で、クマに必要以上に恐怖を抱かせる連日のマスコミの過剰なクマ目撃報道にうんざりしていましたので、このニュースにはほっとしました。
困っている生き物を見たら思わず助けたいと思うのは、人間の本能のはずです。
クマへの恐怖をあおるニュースと、クマへの思いやりあるニュースと、どちらのほうが視聴率が稼げるのか、マスコミ各位に調べてみてほしいです。
また、旭山動物園の、クマを含めケガをした野生動物などがいれば可能な限り、保護受け入れるという発言も高く評価したいです。
元気にした後、自然界に返せるものはまた返してやってほしいです。
それでこそ、動物園です。
神奈川県またしてもくくり罠に錯誤捕獲された絶滅危惧種クマを殺処分 県立七沢森林公園厚木市
神奈川県厚木市には、県立七沢森林公園という65ヘクタールもある広大ですばらしい森林公園があります。
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公園パンフレットより転載 wクリックで拡大
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この公園に仕掛けられたシカ・イノシシ捕獲用罠に6月20日、1頭のツキノワグマが誤ってかかっていたそうです。
またしても、放獣場所がなかったからという理由で、神奈川県は残り少ない絶滅危惧種ツキノワグマを捕殺してしまいました。
ツキノワグマの捕殺について
令和5年6月20日(火曜日)午前7時30分頃、県立七沢森林公園内に設置されたシカ・イノシシ捕獲用のくくりわなに、1頭のツキノワグマが掛かっているのを、見回りにきたわな設置者が発見しました。
ツキノワグマが公園内に立ち入ったことによる公園利用者や施設への被害はありません。
当公園では、引き続き、公園利用者への注意喚起を行い、安全管理に努めてまいります。
なお、他の動物捕獲用のわなに掛かったツキノワグマについては、人身被害を生じさせる恐れが高い場合を除き、人が怖いことを学習させて奥山に放獣することとしていますが、放獣できる場所を確保することができなかったため、やむをえず、捕殺しました。
(1)性別、大きさ等
性別 メス、全長 127cm、体重 44.5kg
(2)捕殺の状況
ア 日時 令和5年6月20日(火曜日) 午後2時47分
イ 場所 神奈川県立七沢森林公園(厚木市七沢901-1)
(3)捕殺後の措置
学術研究のため、神奈川県立生命の星・地球博物館に搬送します。
捕殺したツキノワグマ(神奈川県の記者発表ページより)
問合せ先
神奈川県県土整備局厚木土木事務所
所長 竹内 電話 046-223-1711
道路都市課長 西田 電話 046-223-1715
以上 上記HPより
熊森から
神奈川県がクマを殺処分したことを即公開されていることは評価しますが、神奈川県発表では県のツキノワグマは残り少ない絶滅危惧種であること、国の鳥獣保護管理法では錯誤捕獲された動物はその場で放獣することになっているのに、神奈川県が法違反を行ったことが書かれていません。
また、公園利用者への安全管理には心配りされていますが、何も悪いことをしていないのにくくり罠にかかって恐怖と痛みを味わった上、殺処分されてしまったクマへの思いやりや謝罪が全くありません。これは神奈川県だけの問題ではなく、今の日本の行政全般の傾向です。日本の行政担当者の多くは、政権と結びついたワイルドライフマネジメント系の研究者たちに洗脳され、人間さえよかったらいいという人間中心主義に染まってしまっています。この考えでいくと、人間は自然を破壊し続けて、やがて自らも滅ぶことになります。しかし、日本人は元々、他生物の命と人間の命は同じく貴いという持続可能ですばらしい生命観を持っていたので、今も、多くの一般国民はこのようなニュースを知れば、私たち同様、胸を痛める方が圧倒的に多いと思われます。
神奈川県では5月にも相模原市で錯誤捕獲されたクマを殺処分しており、熊森はその時も、今後このようなことがないように、市町だけに任せず、至急県が放獣場所を確保するように県行政の皆さんにお願いしたばかりです。2022年度、神奈川県は錯誤捕獲グマを4頭も殺処分しています。2023年度はこれで2頭目。 これでは、神奈川県ではツキノワグマは絶滅危惧種なので保護していますという言葉が嘘になってしまいます。
どうしてこんなことになったのか、熊森本部は今回も順次担当部署に電話して聞き取っていきました。
①神奈川県庁 環境農政局 緑政部 自然環境保全課
県庁は報告は受けていたようですが、実質的な判断は現地の出先機関に任せているようです。
②七沢森林公園管理事務所
ほとんど何もご存じではないようでした。
③神奈川県厚木土木事務所
県立公園なので、厚木土木事務所がこの公園を実質管理をしていることがわかりました。シカを見かけたりイノシシが地面を掘った跡があったりしたので、厚木土木事務所がくくり罠を掛けたいと、神奈川県県央地域県政総合センター環境部環境調整課に申請して、捕殺許可を得たそうです。
今年は4月から30個のくくり罠を掛けており、3か月間でシカ1頭がかかった。イノシシは0頭、そして、今回クマがかかったということでした。クマの錯誤捕獲があったばかりなので、もうくくり罠はいったん公園から撤去されたのかと思っていたら、まだ掛けたままで、7月1に片付けようと思っているということでした。(3か月間の設置許可だったのかもしれません)
熊森からは、またクマがかかるかもしれないので、放獣場所が見つからない限りすぐに撤去してくださいと訴えました。
④県央地域県政総合センター
直接の担当者は不在でした。職員の方に、この公園をはじめ、クマの放獣場所はないといっている市町に対しては、クマがかかるかもしれないような場所にくくり罠の設置許可を出さないようにお願いしました。神奈川県には、緑の回廊もある丹沢という広大な国有林があるのですから、神奈川県森林管理署と連携して、市町に放獣場所がない場合は、国有林に放せるようにしてほしいとお願いしておきました。
四国のツキノワグマのように、残り10数頭になってしまってから慌てても、種の保全は非常に難しいです。神奈川県の場合、いろんな部署の方々にクマ保全に頑張ってもらおうと思っていますが、やはりこうなったらもう急がねばならないので、黒岩祐治知事に早急にクマの放獣場所を確保していただくよう動いてもらうしかないと感じました。
もちろん、熊森は、シカやイノシシにならくくり罠を掛けていいと思っているわけではありません。足をばねで締め付けて切断してしまうこんな残酷な罠は、人間として使用してはならないと考えています。多くの国民の皆さんに実態を伝え、野生動物たちに共感できる感性をお持ちの方々に声を上げてもらいたいです。野生動物にやさしい国をつくるのは、研究者でもなく、行政でもなく、名もなき心優しき一般国民の声なのです。
クマが錯誤捕獲されにくいくくり罠ベアウォーク
- 2023-07-01 (土)
- くまもりNEWS
クマが錯誤捕獲されにくいくくり罠があると聞いて、どんな罠か調べてみました。
(一財)日本森林林業振興会 長野県支部が開発したベアウォーク(改良型くくりわな)です。
以下は、同振興会の札幌支部のブログの一部です。
これがベアウオークです。
内側の筒に鹿の足が載ると、重さで筒が下がり、ワイヤーが足を”くくる”という罠です。
このベアウオークは、実は筒の上に蓋をすることにより、誤って熊を捕まえてしまうこと(錯誤捕獲)が出来るだけ少なくなるよう改良・工夫されています。
ベアウオークのsettingと鹿とクマに対する反応は以下のyoutubeで紹介されていました。
熊森から
購入窓口は長野県支部です。電話すると担当者が丁寧にいろいろと教えてくださいました。
この罠を考案したのは以前森林管理署で働いていた林野庁の職員だそうです。
お値段は8320円で、この3年間に約1500個ぐらい売れたということです。
設置効果を尋ねると、年間のクマ錯誤捕獲が27頭もあった長野のある場所にベアウォークを導入したところ、錯誤捕獲が3頭に激減したそうです。蓋はそのうち劣化するので、蓋だけの別売もあるそうです。
2007年に成立した鳥獣被害防止特措法の予算は国庫100%ですから、このお金を使って地元行政が購入すればたくさん買えると思いました。
もちろん、クマの錯誤捕獲が考えられる場所にはくくり罠を設置しない、これが原則であることはいうまでもありません。
尚、熊森はこれまで各地で野生動物による被害を現地で無数に視察してきましたが、被害発生は必ずしも野生動物にすべての原因があるわけではなく、人間側に責任がある場合が多々ありました。野生動物たちも人間同様動物ですから食べないと生きていけません。鳥獣被害と言っても彼らが悪意を持って何かをしたわけではなく、生きるために作物を食べたのです。そういう訳ですから、農家にとって鳥獣被害は死活問題ではありますが、シカやイノシシであっても、いきなり「殺す」から入るのではなく、祖先がしていたように被害防止対策から入るのが、人間として、また自然と共存してきた持続可能な日本文明からも正しいやり方だと考えます。
ただし、現実には第一次産業がつぶされて来た結果の現在の日本の産業構造から、郡部は過疎化高齢化がはなはだしく、被害防止対策に取り組める人員が手薄です。全国民の税金で、行政が被害防止対策員を雇用する必要があると熊森は考えます。可能な限り野生動物たちを殺さない対応は、思いやりのある人間社会を作るためにも、この日本列島で未来永劫に人類が生き延びるための自然環境保全のためにも必要なことであると熊森は考えます。
くくり罠、このあまりにも残酷すぎる罠の氾濫に黙っている国民でいいのか
- 2023-07-01 (土)
- くまもりNEWS
ほとんどの国民は、シカやイノシシを獲るためのくくり罠が我が国の野山に大量に設置されるようになったことをご存じないと思います。この機会に、知っていただきたいです。
兵庫県の奥地のある猟師は、ひとりで100個のくくり罠を仕掛けていると言われていました。そんなにたくさん野生動物を獲ってどうするのか聞いたら、行政から1頭いくらと駆除費がもらえるんだということでした。
環境省が狩猟者を増やそうとキャンペーンを繰り返したところ、銃猟師ではなく簡単に免許が取れる罠猟師がぐんと増えました。
くくり罠は強力バネで足をワイヤーで締めあげるため、足が壊死し失われるなど残酷すぎること、無関係な野生動物たちが誤ってかかってしまい放置されて死んでいく錯誤捕獲例がすごいこと、熊森は、これらをずっと問題にしてきました。
先日、ある方から、78万回も再生されている感動的なユーチューブがあると教えていただき、ちょっと長いなあ(約19分間)と思いながらも引き付けられて最後まで見てしまいました。
ユーチューバーの方に、この動画を熊森のSNSで紹介させてもらっていいですかとたずねたところ、野生動物の活動をされている方からご連絡いただくのは初めてです、活動のお役に立てればうれしいですと快諾をいただきました。
・
シカ・イノシシ捕獲用のくくり罠に誤ってかかってしまったクマが出てきますが、ハッピーエンドに終わります。
錯誤捕獲に詳しい行政担当者に、こんな例はあるのかたずねたところ、非常にまれな例で、普通はいったんくくり罠にかかったら抜け出せないという答えでした。
みなさんもよかったらご覧になってください。くくり罠の勉強にもなります。
熊森としては、この場所は野生動物たちのエリアで、ここにシカやイノシシがいて当然いい場所であり、こんなところにまで人間が罠を掛けるのは行き過ぎだと思います。
2023年くまもり本部原生林ツアー広島県臥龍山は8月26日に日程変更します
- 2023-06-23 (金)
- くまもりNEWS
クマさんごめんね、ちょっとみせてね。
毎年夏休みに実施しているくまもり本部原生林ツアー。
年1回は、原生林に入って心身を癒しませんか。
今年は、広島県の奥山で実施します。
4月の全国大会で、今年は8月6日広島で実施しますと発表してしまいましたが、この日は広島にとって原爆が落とされた特別大切な平和記念日です。
そこで、2023年くまもり本部原生林ツアー広島はこの日を避けて、8月26日に変更させていただくことにしました。
行先は島根県境近くにある臥龍山(がりゅうざん)1223メートルです。
島根県との県境近くに位置します
臥龍山は、広島県山県(やまがた)郡芸北(げいほく)町にあります。珍しい湿原植物や鳥類、昆虫などの宝庫です。昭和30年代までは全山ブナの巨木に覆われていましたが、東面と南面は残念ながら伐採されてしまいました。しかし、西面には、今もブナやミズナラの巨木林が残されていることがわかりました。
臥龍山のブナの巨木の前で
本部スタッフたちは6月4日、研究者と第1回目の調査に入りました。
本部がある兵庫県では失われてしまった、下草が生い茂る原生的な森でした。
まだ、ここにはシカが入っていないということで、ヤマビルやマダニにもいないそうです。
さまざまな昆虫や鳥はもちろん、真新しいクマの痕跡も見られます。
熊森本部スタッフたちの楽しい森林生態学ガイドで、広島の奥地に残された原生的な森を感動体験されませんか。
夏休み中の子供たちも大歓迎。夏休みの理科の自由研究が1日で完成しますよ。
人生に1回は原生林体験を。1年に1回は原生林に。
原生林はからは1年中、清らかで滋養豊かな水が湧き出しています。。
当日、広島駅から車を出す予定ですが、登山口には広い駐車場があるので、自車参加も可能です。
少なめの人数で実施したいと考えていますので、参加をご希望される方は早めに本部までお申し込みください。
詳細をお知らせします。