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第6次ツキノワグマパブコメを機に前代未聞2023年度秋田県クマ大量出没の原因を推察する①

秋田県は令和6年12月23日(月)から令和7年1月24日(金)まで、第13次秋田県鳥獣保護管理事業計画(変更案)」及び「秋田県第二種特定鳥獣管理計画(素案)」についての意見募集(パブリックコメント)を行っています。
その中に、秋田県第二種特定鳥獣管理計画(第6次ツキノワグマ)(素案)21ページがあります。

 

これを機に、長年、全国のクマ問題を見てきた日本熊森協会として、2023年度秋田県クマ大量出没の原因をまとめておきたいと思います。

もちろん、自然界は超複雑系で、人間の頭では何をもってしても完全には測り知ることができない世界であることは、最初に申し述べておきます。

 

まず初めに、秋田県の皆様におかれましては、この年、前代未聞、大量のクマが山から出て来て人身事故も過去最多、どんなに大変だったかを思い、改めてお見舞い申し上げます。しかし、こんなことになったのは、クマに原因があった訳ではないことを知っていただきたいのです。

 

まず、戦後の1950年から2024年11月末までの以下の秋田県クマ殺処分数グラフを眺めてみてください。(クリックで拡大)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昔、秋田で狩猟や有害駆除で獲られていたクマは、年間たったの100頭以下?届け出がどこまであったのかわかりませんが、秋田県がツキノワグマ管理計画を作られた平成15年以降の数字は精度が高いと思われます。

 

 

2023年度は東北全域でブナ・ミズナラ・コナラ全てが大凶作でした。秋田県では、狩猟(150頭)、個体数調整捕獲(31頭)、有害捕獲(2153頭)で、生息推定数4400頭の53%に当たる計2334頭のクマが殺処分され、主に人の生活圏で62件(70人)の人身事故が起きました。

 

ちなみに2024年度のブナ・ミズナラは昨年から一転して並作~豊作、11月末現在のクマ有害駆除数は363頭、人身事故は10件(11人)にとどまっています。

ある町の行政担当者に聞くと、お盆以降クマの目撃はピタッと止んでいたのに、冬になって雪の中で目撃されるクマが何頭かいるということです。前年集落にまで大量出没して大量殺処分されたクマたちの生き残りが人間の生活圏にそっと住み着いてしまっているのでしょうか。または、彼らは母グマを殺され、冬眠することを知らずに生き延びてしまった孤児たちではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新聞記事

 

さて、2023年に、どうしてこのような大量出没が起きたのでしょうか。

 

秋田県の素案では、秋田県は県土の70%が森林で、野生鳥獣の良好な生息域が広がっており、昭和50年代から奥山中心に実施してきた生息調査の結果から、本県のツキノワグマの生息状況はかなり安定していると考えられると記述されています。
しかし、秋田県は戦後のスギだけの拡大造林政策による人工林率が50%と高率で、多くが放置されていること、2023年度生息推定数の53%のクマが殺処分されていることを考えると、どうしてこのような記述になるのか理解できません。

 

素案は、クマ大量出没の原因として、

①中間山地の過疎化・高齢化

②クマ類の分布拡大

③個体数の増加

 

をあげておられますが、中間山地の過疎化・高齢化は今に始まったことではないし、クマが急に分布を拡大したり、急に個体数を増加させることなど動物学的にあり得ないので、大量出没の原因はこれらではないでしょう。

 

原因特定を間違うと、対策は皆外れてしまいます。案の定、秋田県の対策は、環境省にお願いしてクマをシカ・イノシシに次いで指定管理鳥獣に指定してもらい、さらに捕殺強化できるようにすることでした。

 

昭和50年代から奥山中心に(猟師が目視で)実施してきた生息調査の結果から、秋田のクマは安定生息との記述が素案には3回も出てきますが、肝心のその方法での生息推定数の変化がどこにも出てきません。県庁にこの調査での生息推定数を問い合わせると、情報公開請求するように言われ、その結果はまだ出ていません。

 

繁殖力の弱いクマを半数以上捕殺して翌年、生息数が安定していたのなら、まるでミステリーです。

 

環境省も同調してか、昨年9月の環境省の「特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン補足資料」で、個体群管理に関する考え方として、従来の「個体群を安定的に維持または回復させる」から、「個体群を安定的に維持しつつ、人との軋轢軽減を図ることができる個体数に管理する」と、いつのまにか記述を変更しています。(管理するという行政用語は、捕殺するという意味です)

 

環境省伊藤信太郎大臣は、クマ類を指定管理鳥獣に指定する際、絶滅が確実視されている四国のクマだけは除外しました。ということは、全国のクマを、四国並みの絶滅寸前数にまで低減させるのがいいと考えているのでしょうか。

 

みなさん、クマが豊かな森林生態系や災害防止にどれだけ大きな寄与をしているかの生物学的知識が完全に欠如していると感じます。クマだけを見るのではなく、森林や自然を全体として見ることが必要です。オオカミを絶滅させてしまってから、オオカミが人間には到底不可能なシカやイノシシなどの生息数調整をしていたなど気づいても、もう取り返しがつかないのです。
人体と同様で、生物種が失われて行く度に、機能器官がひとつずつ失われていくことになり、全体が支えられなくなっていきます。

 

農作物被害や人身事故を無くしたい気持ちはよくわかりますが、生息数を低減させても絶滅させない限りこれらはなくなりません。それよりも奥山広葉樹林再生と聖域化による棲み分けの復活、恒常柵などによる被害防止対策を取った方が、ずっと被害防止や事故防止に効果があり、人々が安心して暮らせるようになります。その上、水源は守られ、山地災害も起きにくくなります。もっと総合的に考えるべきだと思います。

 

ゾーニング管理を導入するとありますが、ゾーニング管理は絵に描いた餅です。地図上にあちこち線を引いてみても、人間もクマもそんな線がどこに引かれているのかわからないので、意味がありません。

 

 

 

 

 

 

 

と言って、2023年のようなクマ大量出没はたまりません。いったいあの原因は何だったのか、②に続きます。

 

わが国の恵まれた自然を全生物丸ごと守ることで、未来永劫に水や食料を確保できる国に

今春から、熊森は29年目に入ります。
完全民間団体として会費と寄付だけで、本当によくぞここまで分裂もせずにがんばってきたなあと、感無量です。利権ゼロの団体がここまで大きく活動して来れたのは、使命感いっぱいのスタッフたちや、会費や寄付で熊森を支えてくださる多くの国民の方々がいてくださったからです。
心からお礼申し上げます。

 

クマたちが平成になって山から餌を求めて出てくるようになり、有害獣として駆除し続けられているのを見てかわいそうに思ったわたしたちが、原因を調べ出したのは33年前です。そして、日本文明を支えてきた水源の森が戦後の国土総合開発や拡大造林政策により大荒廃し、森の動物たちが餌場を失って苦しんでいることを知りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他生物の惨状を見てかわいそう、何とか助けてやりたいと思うのは人間の本能であり、この本能は人類が地球上で生き延びるために非常に重要な本能です。自然を守ることにつながっていくからです。最近はこの本能を失ってしまっている大人を見かけることが多くなってきました。

この本能をまだ失っていなかった当時の兵庫県尼崎市立武庫東中学校の中学生たちは、クマが山から出て来る原因を調べだしました。そして、野生動物たちの餌問題だけではなく、山が年々保水力を失い、湧水が激減してきているという奥山水源問題にも気づいたのです。

 

しかし、学者、行政、国、どこに訴えても動いてくれるところは皆無でした。大学生になって、まず自分たちが森の再生に取り組んでみよう、うまくいったら社会全体に広めようとみんなで熊森協会を結成したのです。各地で、森再生実験を開始し、日本奥山学会で発表してきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちは必死で動いてきましたが、行政も国も未だに動いてくれないばかりか、最近は、二酸化炭素削減のためと言って二酸化炭素の吸収源である森林をメガソーラーや巨大風力発電などの再エネで広大に伐採することを推進し、???となっています。ますます水源の森が失われ、野生動物たちの餌場がなくなっていっています。

 

水だけではありません。日本は工業立国として栄えればよい。人間が生きていく上で日々必要な食料の多くは海外に依存しておけばいいという考えで、国が進んでいます。その結果、日本の農村は崩壊し、田畑や牧場、漁場をつぶす一方の政策がずっと取られてきました。世界の食糧生産がダウンしてくると、当然、食料輸入は止まります。一番に大量餓死するのは日本人だろうというデータを出しておられる学者もいます。

 

年々悪化の一途の水供給、食料供給。本来このような問題は官僚の皆さんや政治家の皆さんが取り組むべき問題です。

 

熊森は今年も、水源の森の重要な構成要素である野生動物の保全と森再生の2本柱に、5年目となる再エネ森林破壊問題を加え、以下の3本柱で精一杯活動していきます。本年度もご支援のほど、どうぞよろしくお願いします。

 

①クマに代表される野生生物の保護(くくり罠使用禁止、捕殺強化をめざす指定管理鳥獣からクマ類の指定を解除)

②拡大造林政策などで荒廃している広大な森林の再生(森林環境譲与税使用の拡大)

③再エネ森林破壊事業(メガソーラー、巨大風力発電)の白紙撤回を求める地元を支援

 

累計57万部達成のくまもり小冊子「クマともりとひと」を読んでいただければ、熊森の活動がわかります。すぐ読めますので、まだの方は、ぜひ、お読みください。
1冊100円+送料。100冊ご注文くださった方は、送料が無料になります。
お申し込みは電話0798-22-4190、またはinfo@kumamori.orgまで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表紙絵は、クマに代表される大自然に抱かれている人間。パパコさん作です。

 

この本を作ってくださった方が、以前、この本が100万冊売れた時点で、日本は一気に変わると思うと言われていました。そうなるといいですね。それまでに、取り返しのつかない国土自然破壊が進んでしまうのではという不安もあります。(完)

1月26日まで第7次エネルギー基本計画案へ意見を❗ 水源の森を🌳 再エネ開発で壊してはいけない

再エネ比率を2040年までに4~5割に高めるという第7次エネルギー基本計画案についてのパブリックコメントが募集されています。

⚡保安林での乱開発が進む恐れ⚡
中を見てみて衝撃を受けました。陸上風力発電の推進のために「保安林解除手続の迅速化」が盛り込まれていました。
⚡保安林を壊してはいけない⚡
 保安林は、水源保全、災害防止等公益のために指定されています。森林を破壊して、再エネ推進は温暖化防止に逆行します。ましてや保安林を解除して、森林を伐採し、多量の切土・盛土をして再エネを進めるなんて論外です。水源破壊、国土破壊、生物多様性破壊、流域の住民と森で生きる多様な生物の生命を脅かす、恐ろしい行為です。
 その他にも、陸上風力発電推進のために、環境影響評価制度の効率化を検討する等、環境アセスでも規制緩和が進む可能性があります。
🌟意見を入れてください🌟
計画案30頁15行目の「保安林解除の迅速化を進める」を削除してくださいだけでもよいので、ぜひ、たくさんの声を届けてください。
🐻意見参考例🐻  熊森の意見はPDFをご覧ください。
森林をはじめ貴重な自然を破壊する再エネは進めない
住民の生活を破壊する再エネは進めない
1 保安林での再エネ開発は禁止を。規制緩和は絶対すべきでない。
陸上風力発電についての
31頁15行目 「保安林の解除に係る事務を迅速に実施する」の部分を削除
2 今でも情報公開や住民参加の手続が不十分な環境影響評価手続を緩和すべきでない。
陸上風力発電についての31頁13行目から15行目 「環境アセスメントについて、事業特性を踏まえた、効果的・効率的なアセスメントに係る制度的対応の在り方を検討する」を削除

チャリティーイベント いのちの水~先人が守ってきた「入らずの山」は今~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の水源が枯れていく‼️そんなこと想像したことがありますか?

熊野の山岳修験が守ってきたもの…それは「水源の森」
古の時代から受け継がれ士日本魂とは?
なぜ日本では「首都東京」でも。クマが生き残る世界でも珍しい国なのか…
真実を知ると感動で魂が震えます。

【詳細】

日時:令和7年2月15日(土)12:30 正式参拝 於  廣田神社拝殿

Healing Jazz Singer 猿丸詩摩子 奉納演奏

【正式参拝は希望者のみ直接拝殿へお越しください(玉串料1,000円)】

講演会 13:15開場  13:30開演 於 廣田神社参集殿(西宮市大杜町)

会費:2,000円(お子様・学生無料) ※収益から経費を差し引いて「日本熊森協会」と「玉置の世界遺産を守る会」に寄付させていただきます

申し込み:https://dream-kitchen-mico.stores.jp/items/6766402d09d63009852c951c

玉置の世界遺産を守る会 代表 原秀雄「玉置水源の森 いのち輝く神域林景観再生を目指して」

日本熊森協会 名誉会長  森山まり子「日本の水源の森は今~森なくして人なし~」

主催:くまもり応援隊

共催:一般財団法人 日本熊森協会

協力:一万人のお宮奉仕  NPO法人熊野生流倶楽部

第20回 日本熊森協会 滋賀県支部記念のつどい「生物多様性からみる森づくり」

 

 

 

 

 

 

 

 

坂田昌子氏講演会 環境NGO虔十の会代表 /(一社)コモンフォレスト・ジャパン理事

【講師プロフィール】

生物多様性ネイチャーガイド。高尾山の自然環境保全を中心に、生物多様性を守り伝えるためネイチャーガイド、ツリーハウス作り、生物多様性をテーマにしたイベントやワークショップ、勉強会を多数主催。

現在は東京都の高尾山にコミュニティスペースと生物多様性情報の発信基地を兼ね備えた高尾ツリーダムカフェをセルフビルドで建築中。

また生態系を読み解きながら行う伝統的手法による環境改善ワークショップを全国各地で開催。生物多様性の保全に尽力し、日本各地を駆け回りつつ、生物多様性条約COPや地球サミットなど国際会議にも継続的に参加。ローカルにしっかり足を据えながらグローバルな視点で動く環境活動家。

【詳細】

開催日時:2月8日(土)午後1時~3時30分

場所:スカイプラザ浜大津 7階  ※京阪京津線「浜大津駅」から徒歩3分

(滋賀県大津市浜大津1丁目3-32 浜大津市営駐車場7階)

入場無料/定員90名

【主催・申し込み】

主催:日本熊森協会 滋賀県支部

Email:kumamorishiga@gmail.com

TEL:090-2011-5530 / FAX:077-537-6875

後援:滋賀県

巨木と水源の郷をまもる会

びわ湖源流の森林文化を守る会

 

🎍くまもりより新年のご挨拶を申し上げます🎍

 

 

 

 

 

 

新潟県阿賀町トラスト地周辺にて(ドローン撮影:工藤真那)

~再エネ事業者が所有していた約1,000haの土地をトラスト地として取得~

  2024年もたくさんの方に応援いただき、全国で活動を行うことができました。
日本熊森協会ができる前から私たちに指導してくださっている、今年で98歳になるツキノワグマ研究のさきがけであられた宮澤正義先生は、「現在の人類は生物界でひとり勝ちし、無敵の地位を得た結果、地球の森羅万象はことごとく自分のものだと勘違いし、敗者の痛みに鈍感になり、気に入らない生物を排除するようになりました。何十億年もの長い進化の果てに現世にたどり着いた仲間たちを絶滅に追いやり、自らもまた絶滅に向かう。裸の王様です」と人類の将来を憂いておられます。
自然と対立し続けたままでは、私たちの社会はそう長くは続かないでしょう。今も続く、再生可能エネルギーの名のもとに行われる森林破壊や捕殺に偏ったクマとの軋轢の解決法を、自然とも他生物とも共存できる方向へ変えていく実践活動が今、何よりも必要とされていると実感しています。
2025年も、対話を続けながら、実践活動によって進むべき道を示していけるよう、全国の仲間と力を合わせて進んでいきます。
みなさんも、ぜひ、日本熊森協会の自然保護活動にご参加ください!!

2025年元旦 (一財)日本熊森協会 会長 室谷 悠子

とよ君冬ごもりに入りました❄!

とよ君冬ごもりに入りました❄
-2度になると冬ごもりに入るとよ君。
今年は冬も暖かいからか、なかなか眠りに入ってくれませんでした。
寝室でウトウトしている日もありましたが、お世話をしてくれる人が来ると、のそのそと出てきたり。眠りも浅いようです。
やっと眠ってくれて一安心。次に起きてくるのは3月のお彼岸の頃です。

御礼 クラウドファンディング1000万円目標達成

🌸🌸 御  礼 🌸🌸
クラウドファンディング目標達成‼️
支援してくださった方が800人を超えました。本当にありがたいです。心から感謝申し上げます😊
人と自然は決して敵対するものではありません。
捕殺を続けるだけでは解決になりません。
全国でクマと棲み分けて共存できるようにするための実践活動に取り組めるよう来年も頑張ります。心のこもったご寄付は大切に使わせていただきます。
共存のためのヒントは
猟友会支部長と行ったシンポジウムでもお話をしています。ぜひご覧ください。
🌟YouTube公開🌟
🐻自然保護団体と猟友会が考えるクマ問題🐻
クマとの共存し、人身事故を減らすには、根本的発想転換が必要‼️
現場を知り尽くした専門家があつまったシンポジウム。
①発表編
②パネルディスカッション編

秋田市で目撃が続く子グマ、熊森本部が放獣または保護を要望済み

市街地に大人のクマが出て来るようになった地域のみなさん、どんなに大変か、心からお見舞い申し上げます。

 

戦後、奥山のクマ生息地の森を皆伐し、跡地に実のならないスギやヒノキばかり植えて放置し大荒廃している人工林、最奥地の観光地に連なる立派な舗装道路、こんなことをしていたら、餌場を失ったクマが餌を求めていずれ山から出てきますよ。そうなるまえに、奥山の餌場を再生し、人間は奥山から撤退しましょうと、熊森は28年間、各方面に緊急提案をし続けてきました。

 

しかし、国も都道府県も、どんどんとクマの生息地を奪うことばかりしてきました。これまで何度も私たちは、クマと人間、どっちが大事なんだ!と、お叱りを受けてきました。どっちも大事です。こんな簡単なことがわからなくなってしまったのは、自然界の仕組みを知らない国民がほとんどになってきたからでしょう。

 

さすがに、ナラ枯れによるミズナラの総枯れや昆虫の相次ぐ消滅は、私たちにも想像外でした。これも、クマの生息を脅かす一大事です。

 

どちらにしても、クマが市街地にまで出て来るようになったのは、研究者たちが言うように、クマが増え過ぎたからではありません。クマに責任はありません。人間側に大いなる責任があります。

 

秋田市の市街地で連日、子グマの目撃が続いています。

市街地で母が殺されたのを知らず、母を探し続けている子グマなのかもしれません。

餌を求めて水路を歩いているうち、気が付いて地上に出たら、そこは市街地。人に見つかって逃げているうち、山に帰る道がわからなくなって、迷っている子グマなのかもしれません。

人情としては、水やえさはどうしているのか、心配になります。

子グマですから、殺傷能力はありませんが、市街地をうろついている状況は、クマにももちろん人にも良くありません。

秋田市はそのうち捕獲するのでしょうが、熊森本部は放獣または保護の要望を伝えてあります。

秋田県は全国で唯一、原則としてクマを放獣しないと決めています。

いつ秋田県のだれが決めたのか知りませんが、これ、おかしくないですか。

鳥獣保護管理法(環境省)に違反では?

本部のある兵庫県では、山の実り大凶作年の今年11月30日現在、クマの放獣216頭、殺処分105頭となっています。

人間でも動物でも可能な限りの生命尊重は、生物倫理の第一歩です。

 

秋田県はクマは山に放しても帰って来るといわれますが、秋田で実験されたのでしょうか。

兵庫県の放獣例では、8割は捕獲場所に帰ってこなかったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋田での科学的なデータを出すためにも、今回、放獣を試してみられるべきだと思います。

もし、山が雪で、もう山にこの子グマを返せないというのなら、春まで保護してから返してやればいいと思います。

他県ではそういう例があります。

 

熊森が春までこの子グマを保護せよというのならしますし、お金も出します。

 

この提案は、直接的には子グマのためかもしれませんが、実は私たち人間に豊かな水源の森を残すことなのです。また、まわりまわって、弱者にやさしい人間社会を作るために欠かせないことなのです。秋田の子供や教育にどれだけいい影響を与えるか、はかりしれません。秋田の子供たちのためなのです。

 

クマすべて殺す秋田と言われるより、助けられる命は助ける秋田と言われる方が、秋田の物産や観光イメージにも限りなくプラスだと思います。

 

今年は東北地方は山の実りがよくて、秋田市でもお盆以来、クマの目撃はぱたりとなくなっていたそうです。そこにどういう訳か、今回のメスグマと子グマです。

自然界は、私たち人間にわからないことでいっぱいです。

 

今回の子熊を保護することで、困る人は誰もいないと思います。

クマは人間が日本列島に住み着くはるか昔から、日本列島に住み着いていた先住民です。

先住民に敬意を払うのは、後から来たものとしては当然です。

秋田県のクマ対応は、市町村ではなく県が決めるそうです。

ならば、秋田県担当者のみなさん、放獣または保護をお願いします。

 

目撃が続いている秋田市の子グマについて、熊森本部への問い合わせが多いため、今回、広報させていただきました。

 

ちなみに、人工林率が40%を超えるとクマは絶滅に向かうという説がありますが、秋田県の人工林率は50%です。

日本のクマ大量殺処分に歯止めを!クマの命も人の安全も守る共存対策を広めたい!!

2023年捕殺されたクマは9097頭。日本では0歳の子グマも人里に出るとほぼ殺処分。生息地はスギ等の人工林や乱開発、温暖化など人間の環境破壊で大荒廃しており、殺処分が続けば地域的な絶滅も起こり得ます。水源の森を造るクマは人にとっても大切な存在。日本熊森協会は殺さない被害対策を広げます。現在、クラウドファンディングを実施中です。ぜひご支援を!

 

 

✨クラウドファンディングはこちらから✨

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本ではクマ(ツキノワグマ・ヒグマ)と人とのトラブルが連日報道され、社会問題になっています。クマが人里へ現れたとなると、捕まえて殺処分がいまの主な対策ですが、元はと言えば、クマのすみかである奥山を開発し、奪ってきた人間側に原因があります。その原因を解消しないまま、殺処分を続けてもよいのでしょうか。森にエサ場がなく、人里近くに頼るしかない今、この対策を続けると、クマが絶滅するまで人身事故はなくなりません。

 

クマの目撃情報や人身事故があれば、現場へとんで地元の方と対策を話し合い、行政に捕殺に頼らない対策を提案するなど、地道な活動を続けています。「棲み分けによる防除」を早急に全国的な流れにするため、全国を飛び回って活動した結果、財政状況が非常に苦しくなっています。私たちは27年間、完全民間団体として会費と寄付だけで運営してきました。これからも森や野生動物を守りたいという純粋な想いを原動力に、活動していきます。
クマ問題は年々深刻化していき、待ったなしの状況です。クマの命も人の安全も守る対策を広げる歩みを止めないために、ぜひご支援ください!!

 

 

クマの命も人の安全も守る対策で共存する社会を作りたい!

【集まった支援金の使い道】

・クマ被害防除対策などの作業    500万円
・共存のための現地調査・研究  300万円 
・シンポジウムや勉強会など周知活動  200万円 
●各計画の旅費交通費、人件費(クマ被害対策作業、現地調査、その他クマ保護活動のため)、資材購入費、広報/宣伝費 (予定)
※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

 

✨クラウドファンディングはこちらから✨

 

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