くまもりNews
とよくん、冬ごもり近し
- 2021-12-14 (火)
- くまもりNEWS
多くのみなさまの愛情を受けて、今年も「とよ」は心身共に健康で穏やかな日々を過ごすことができました。
みなさま、本当にありがとうございます。
今年はどういうわけか、みなさまからのドングリ到着時期が例年より半月早かったです。
おかげで、とよは連日大量のドングリを食べ続け、例年より早く丸々と太りました。11月にはもういつでも冬ごもりに入れるのではと思えるほど、体脂肪を蓄え終わりました。
あとは、高代寺山に初雪が積もるのを待つばかりです。
例年、とよは、初雪後、即、冬ごもりに入り、春までもう寝室から出てきません。
現在、近くに住んでおられる3名のパートさんが、連絡を取り合いながら交代でとよのお世話にあたってくださっています。
毎日、お世話後、報告文、写真、動画などが本部のラインに入ってきます。
週1回は、本部職員とボランティアの皆さんが、お世話に入っています。
以下は、最近の報告文の一部です。
訪れると、とよは寝室の藁の中で寝息を立てて寝ていましたが、5分ほどすると出てきて、リンゴ、キウイ、柿、イチゴを食べ、また、寝室に戻ってしまいました。昨日与えたクマフードやドングリは、食べていません。プールの水はどちらもきれいで、入った形跡がありません。
そのすぐ後、登山客の方々が来られ、残念がっておられたので、トヨ君カードをあげましたら、「見れた気分になりました」と、皆さん喜んでくださいました。
自然エネルギー推進の国策が、各地の自然を大破壊 当別町議会風車中止請願を採択 長周新聞
- 2021-12-21 (火)
- くまもりNEWS
日本の自然を大破壊していいですか?→NO.
メガソーラーや風車が、日本の自然を大破壊していますが、いいですか。→NO.
ただし、今や再エネ推進は国策ですから、多くの国民が勇気を出して声を上げないと、奥山森林大伐採を止められません。
ほとんどのマスコミが、国や投資家、電力会社などに気兼ねして再エネの自然大破壊問題にふれません。一体この国のマスコミはどうなってしまったんでしょうか。まるで、戦前のマスコミと同じです。全国各地でどんな大変なことが起きているのか、どうか、国民に伝えてください!
そんななか、長周新聞は自分たちの生存をかけて手弁当で歯を食いしばって取り組んでいる名もなき人々の、自然破壊型再エネ阻止活動を連日、伝え続けてくださっています。
以下は、12月13日の長周新聞です。
風力反対広がる北海道当別町
町議会が全会一致で中止請願を採択
熊森から
道内・本州各地の風力発電所で、めまい、頭痛、耳の圧迫感、睡眠障害が一定の割合で発生しており、東伊豆の風力発電所では、5人の住民が血圧上昇によるクモ膜下出血でなくなっているそうです。
この記事で面白いと思ったのは、東京からの移住者や避暑に来る別荘の人たちが中心になって反対署名を広げているという話です。地元では、土建業さんにいっとき仕事が入るのを邪魔しにくいなど、いろいろなしがらみがあって、内心反対でもなかなか声を上げづらい現状があります。移住者や別荘の人たちが、大きな声を上げて、地元の大切な自然を守っていけばいいですね。もちろん、地元の勇者も声を上げて下さい。
西当別風力発電事業では、住民が知らないうちに事業を進めたため、町民が怒り出しました。業者が10月24日に説明会を開いたところ、200人を超す住民が詰めかけ、終了時間を大幅に超えたとのことです。
各地で、熊森会員が、自然破壊型再エネ事業に反対の声を上げてまさに闘っています。
国策を方向転換させるには、もっともっと多くの国民の声が必要です。泣き寝入りする必要などありません。
日本国憲法で守られた生存権を行使するため、再エネ問題で困っておられる方は、ぜひ、熊森も共同代表の一人である「全国再エネ問題連絡会」にご入会下さい。
全生物のため、子や孫のため、共に、自然破壊を止めましょう。
会費無料です。ご連絡ください。
尚、毎月第3土曜日18時から、定例ZOOM会議を持ってみんなで情報交換をしています。
ご質問ご意見は随時受け付けています。
クマさん68頭全員にプールを設置してやりたい 12月24日まで 登別クマ牧場が寄附金を募集中
- 2021-12-14 (火)
- くまもりNEWS
登別クマ牧場が、310万円の寄付金を募集中です。
熊森は秋田県八幡平クマ牧場など、これまで、飼育グマの飼育支援やクマ飼育環境の改善にも取り組んできました。
すべてのクマさんにプールを設置してやりたいという登別クマ牧場の今回のキャンペーンに、熊森も賛同します。
現在、270万円が集まっており、あとわずかです。
ご協力いただける方は、ぜひよろしくお願いします。
12月24日(金)23時が締め切りとなっています。
詳しくは、以下をクリックください。
https://readyfor.jp/projects/bearpark-welfare/announcements/195102
北海道登別クマ牧場HPより
2021年12月12日 札幌市にてくまもり北海道支部結成準備会 参加者45名で盛会でした
- 2021-12-14 (火)
- くまもりNEWS
北海道のヒグマは、毎年、箱罠にかけられて大量に駆除されています。カナダなどの海外と違って、いまだに、北海道には放獣体制すらありません。
加えて、国内外の投資家による風力発電や太陽光発電などの巨大再エネ事業が、北海道の豊かな大地を破壊し続けています。
今年秋、本部から北海道支部結成に関するアンケートを北海道全会員に送ったところ、30名の方から、支部結成に協力したいという返信を頂くことができました。
12月12日午後、札幌市で北海道支部結成に向けての会員の集いを持ったところ、45名の方々がご参加くださいました。
会場風景
前半
■日本熊森協会 室谷 悠子会長■
熊森協会とは何か、熊森の支部はどのような活動をするのか、会長が40分間話しました。最後に、会長が「ヒグマの大量捕殺問題や、再生可能エネルギーによる大規模な自然破壊を止めるためにも、北海道に熊森が支部を作り、地域と密着して自然を守るための活動に取り組んでいきましょう」と、熱く呼びかけると、会場から大きな拍手がわきあがりました。
室谷会長
■日本熊森協会顧問 門崎 允昭氏(北海道野生動物研究所所長)
私のヒグマ研究53年の間で、北海道で発生した過去のヒグマの人身事故を見ると、ほぼすべてのケースで、ヒグマから自分の身を守るための鉈(なた)、自分の存在をヒグマに知らせるための遠くまで音が伝わる鈴などを携行されていませんでした。農作物被害も多いですが、電気柵や有刺鉄線で事前に防げるケースが多いです。支部ができ、実践的な対策活動、研究活動が北海道でも始まることを願っています。
山に入るときのクマよけ道具の使い方、持ち方、門崎顧問が実演して教えて下さいました。参加者の皆さんも目からうろこでした。
門崎顧問
■日本熊森協会顧問 安積 遊歩氏■
人もクマも、命はみな平等。すべての命が尊重される世論になれば、人の暮らしもよくなります。これからも協力したいです。
安積顧問
■札幌市の熊森会員 中山 布美香氏■
熊森の活動は、ずっと私がしたいと思ってきた活動です。世の中を変えていくためには、多くの方々に私たちを知っていただき、仲間になっていただかねばなりません。政治家や行政にも、動いていただかねばなりません。北海道でも支部を作り、各地で講演会を実施して熊森の考え方を広めていきたいです。北海道会員1万人をめざしたいです!
中山会員
■日本熊森協会本部 主任研究員 水見 竜哉氏■
北海道北見市出身の私は、雄大な自然の中で育つと同時に、開発され丸裸になった山々を見てきました。日本全国にすでに作られた、風車やメガソーラー開発により消えた森林は、13府県で調べただけでもすでに9993ヘクタールにもなります。今、47都道府県の実態を調べていますが、東北・北海道のように広大な自然が残され、クマが生息している場所が、再エネの大規模開発に次々と狙われています。法整備や法規制が間に合っていません。私たち市民が声を上げていかないと、日本の国土は取り返しのつかないまでに破壊されてしまいます。
水見 本部主任研究員
■石狩郡当別町の熊森会員 大澤 俊信氏■
当別町で計画されている巨大風車建設は、地元の山を壊し、クマの生息地を破壊し、水源の森を破します。巨大な風車の回転によって生じる恐れのある低周波や健康被害等、様々な弊害が懸念されています。再エネ推進は国策ですから、わたしたち地元住民が声を上げないと、どんどん造られて行ってしまうという状況です。今、風車建設反対運動に立ち上がっています。何とか、この自然大破壊を止めたいのです。
大澤会員
後半
参加者の皆さんに自己紹介をお願いし、その後、意見交換会をし、たくさんのご意見やご提案をいただきました。
参加くださっ たみなさん、応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました!
おかげさまで支部役員もそろい、この後、支部結成に向けて、みなさんで詰めが行われていく予定です。ご期待ください!
くまもりが「西中国ウインドファーム配慮書」に会として意見書を送付
- 2021-12-08 (水)
- くまもりNEWS
以下は、電源開発株式会社が計画している「西中国ウインドファーム配慮書」に、日本熊森協会が送付した意見書です。
電源開発株式会社 風力事業部 陸上開発室様
「(仮称)西中国ウインドファーム事業 計画段階環境配慮書」意見書
令和3年12月8日
〒662-0042 兵庫県西宮市分銅町1-4
日本熊森協会 会長 室谷悠子
会員18618名を代表して、以下の意見書をお送りします。
<結論> 計画されている事業は、生物多様性保全、水源保全及び近隣住民の生活の保全の観点から白紙撤回していただくしかないです。
日本の電気供給の基幹を担う、日本を代表する大企業として、企業倫理の観点から、このような大規模な環境破壊・住民生活破壊を発生させうる開発から撤退を英断していただきたいです。
Fit法が制定された当初、予測されなかった再エネ事業による問題が噴出してきており、全国各地で事業者と住民との間の紛争が起こってきています。法整備や規制には時間がかかるために、追い付いていない現状がありますが、地域に問題を発生させ得る事業は行わない姿勢を示すことが、社会から信頼される企業であると考えます。
当協会は、クマたちが棲む最高に豊かな森をこの国に残すための実践活動を25年間続けて参りました全国組織の実践自然保護団体です。
1.自然生態系保全・水源確保に反する計画です
貴社が企画されました「西中国ウインドファーム事業」の配慮書を全て見させていただきましたが、事業計画地域はまさに環境省が絶滅の恐れがある地域個体群に指定している西中国山地ツキノワグマ地域個体群の生息地であり、100%樹林地帯です。ここは西中国の人々の貴重な水源の森でもあります。自然生態系保全の面からも、未来にわたる地元の水源確保の面からも、自然を改変することが許されない場所です。
尾根筋に風車群が建設された暁には、尾根を渡るコウモリや渡り鳥が甚大な被害を受けることは貴社も予測されている通りです。
2.ほぼ全域が保安林であり、改変は森林法の趣旨に反します
事業計画地域は、ほぼ全域が保安林に指定されている森林地域です。土砂災害警戒区域や砂防指定地、地滑り防止区域などが含まれており、地元住民が安全で安心して暮らせるよう、保安林に指定されているのです。ここを改変することは森林法の保安林指定を無視することになり、住民の暮らしをおびやかします。許されるものではありません。
太陽光発電と違って、風力発電は森林破壊面積が少ないという方もおられますが、尾根筋は山の命ともいえる大変センシティブな場所の上、巨大なブレードを配送するため尾根筋に至るまで伐り開かれなくてはならない道幅の広い林道面積のことも加えると、森林が受けるダメージは建設工事中も建設後も大きなものです。
3.事業計画を半減しても配慮書を正当化できるものではありません
貴社は、この地域の尾根筋に風車を並べることによる各部門への多大なる負の影響を繰り返し予測して記述されております。その点は評価できます。しかし、下記のように、配慮書には当初考えていた事業面積の半分以下に計画を縮小したことを正当化する表現が相次いでおり、私たちは受け入れることができません。
記
配慮書抜粋:事業の実施に伴う地形の改変及び施設の存在による影響を最小限に留めるために、風力発電機設置想定範囲を絞り込んだ。重大な環境影響は回避又は低減できる可能性が高いものと評価する。
以上
確かに当初の事業面積を半減すれば、重大な環境影響は半減またはそれ以下になるかもしれませんが、それでも現在の計画が森林生態系や住民生活に与える影響は限りなく甚大です。
貴社配慮書による事業実施想定区域と風車数
総面積1万175ha(山口県7千648ha、島根県2千527ha) 風車33基
当初の事業面積を過大に見積もっておき、その後、面積を縮小したので事業実施は認められるべきという主張に対しては、半減させたからよいというものではないことを申し入れさせていただきたいと思います。(完)
熊森から
日本列島最後の聖域である奥山の自然が、再エネ推進名目の事業によって、全国各地で破壊されようとしています。一度壊された自然は、もう二度と元に戻りません。
本末転倒とはこのことです。
再エネ事業者の暴利を支えているのは、私たちの家庭の毎月の電気料金に上乗せされている再エネ賦課金です。ちなみに、先月の我が家の再エネ賦課金は、1233円でした。このお金が、国内外の大金持ちの懐に入っていく仕組み、それがFIT法なのです。トホホ。
11/14~11/20 高知県トラスト地で四国のクマさんの餌場づくり 今年度分終了報告
- 2021-12-05 (日)
- くまもりNEWS
四国のツキノワグマは、高知県と徳島県の境の1000m~1200mの標高帯に、十数頭~数十頭生息しているのみで(NPO法人四国自然史科学研究センターの調査)絶滅が危惧されています。
四国山地は、高標高までスギやヒノキの人工林で覆われてしまっており、もはやクマたちの餌場がほとんどありません。
熊森は、四国のクマの絶滅を止めるため、高知県香美市にあるクマ生息地の真っただ中の山を2ケ所買い取りました。
①熊森四国第一トラスト地 24ヘクタール
2017年2月購入。ほぼ全域が自然林。
②熊森四国第二トラスト地 25ヘクタール
2018年10月購入。
97%が55年~70年生のスギやヒノキの人工林。
トラスト地内にかけた自動撮影カメラに、何度かクマが撮影されています。(2020.11.22ブログなどに既報)
どちらの山も急峻で、昔の道は崩れてなくなっており、登ることさえ困難な山です。
2019年より、第2トラスト地の広葉樹林化開始
まず、現地にあるものを使って、人が通れる道を造りました。
一気に山を乾燥させる皆伐を避けて、山の様子を見ながらくりぬき伐採を進めています。
これまで伐採した人工林跡地が、グーグルアースで確認できます。
<2021年度 高知県トラスト地広葉樹林化報告>
今年は一週間の作業計画を組みました。
毎日、標高差400mの急峻な山を登り、トラスト地の人工林を伐採し、実のなる木を植樹し続けていきました。
伐採は、地元木頭の森林組合員たち、特別参加は静岡県の熊森会員(森林組合員)、伐採木の処理や実のなる木の植樹は愛媛県熊森会員2名、本部3名で行いました。山も作業も危険が伴うため、今年は、熟練者だけで広葉樹林化に取り組みました。
作業道を歩む
特に大変だったのは、作業初日です。標高700mの石立山登山口から作業現場のある標高1100m地点まで、片道2時間かけて、何十キロもの重さの伐採用具や苗木などの資材を運びあげました。トラスト地に着くとすでにへとへとでした。
しかし、へこたれている場合ではありません。みんなでがんばって、励まし合い、人工林の伐採、切った木の玉切り・枝打ち、枝の片づけと植樹等々をやりこなしました。
搬出さえ出来たら伐採木は売れるのですが、架線を張るなどいろいろと地元森林組合にも相談しましたが、地形的に不可能との結論。トラックの入る林道を造るしかありません。しかし、山が急峻すぎるため、そんなことをしたら造った道の部分から山が崩れてしまう恐れがあります。残念ですが、結局、切り捨てるしかありません。
木が太く育っており、なかなか伐り終わらない
11/19 トラスト地から、石立山が見えるようになった
伐採跡地にシカ除け網を張り、実のなる木を植樹していく
四国は雪が少ないため、昨年張り巡らしたシカ除け網が倒れずに立っていた。苗木はシカに食べられることなく、無事に育っていた。ラッキー。
昨年、鹿除け網の中に植えたクリの苗木
シカ除け網の中の植生が少し回復。網の外は何も生えていなかった。
<2021年~参加者してくださったみなさんの感想~>
●木頭森林組合のHさん
「今回の作業地は比較的平坦な場所でしたので、それ故に木を倒しにくかったです。しかも、太いヒノキが多く、難しい作業でした。しかし、山にだいぶん光が入るようになってきたので、木だけでなく草花も生えてくるのではないかな。蜂など昆虫の生息地にもどればいいな。」
●愛媛県会員一柳武志さん
「今年もしんどかったけど、クマをはじめとする野生動物の生息地を再生したり、地元の水源の森の復元につながると思うと、体が動く限り頑張りたいです。」
●本部ボランティアSさん
「どこまでお役に立てるのか不安に思いながらの参加でしたが、実践保自然護団体クマモリ活動の真髄を見た思いでした。地元森林組合の方々や他支部の方々と合流し、本部スタッフの指示のもとワーク。前地権者との想いのリレー。熊森協会にしかできないことですね。よき経験をさせていただきました。今後もできる限り参加できればと思います。」
●熊森本部スタッフ 藤村 健人
普段から、フィールド活動でアシスタントをしております。今回は、苗木など、何十キロもある重たい荷物を持って登る毎日は、想像以上に大変でした。でも「豊かな森にしたい」という四国の有志の皆様の思いを知ったり、木の伐倒を目の前で見たりと、大変貴重な機会でした。まだやることはたくさんありますが、この場所がクマが棲める豊かな森に戻っていくと嬉しいです。
● 現場監督及び作業 熊森本部職員 水見竜哉
今年も無事故で、例年の3倍以上の作業を進めることができました。
徐々に伐り進めていくと、人工林の中に、時折、1本だけの弱弱しいクリの木やミズナラの木が発見されることがあります。これからは思い切り日光を浴びて、大きく元気に育ってほしいです。
このトラスト地ではこの3年間で、計5か所1ヘクタールの人工林を伐採したことになります。
人工林率は97%から93.4%まで下がりました。
この3年間で植えた実のなる木の苗木は93本です。良く育っています。植樹苗以外にヤマモミジやシバグリ、モミジイチゴ、タラノキなど自然に生えてきた植物も見られました。早く、多種多様な植物が茂る森に戻していきたいです。
今後も、着々と四国のクマたちの餌場づくりを進めてまいりますので、みなさん、応援してください。
2021年、新たに造った植樹地内にて、作業参加者たちの記念撮影
参加してくださったみなさん、応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。(完)
北海道にも大きな自然保護勢力を 12月12日支部設立に向けた室谷会長を囲む札幌集会のお知らせ
- 2021-11-28 (日)
- くまもりNEWS
室谷会長を囲む札幌集会のお知らせ
2021年12月12日(日)13:30~16:00
会場 札幌市産業振興センター セミナールームC
会場電話011 820 3033
地下鉄東西線「東札幌駅」から徒歩7分
駐車場有 2時間200円以後30分ごとに100円
当日熊森携帯:090-3288-4190
くまもり北海道会員のみなさま
これまで熊森本部は北海道庁を訪れたり各振興局に電話するなどして、殺処分一辺倒のヒグマ対応に対し、放獣体制の構築を求めるなど、長年、改善を求めて参りました。しかし、一向に改善がみられません。
また、今後、続々と予定されている北海道での巨大風力発電事業などによる自然破壊にも、大きな危機感を持つようになりました。
北海道にもくまもり支部が必要だとの思いが強まり、今秋、くまもり北海道支部設立に向けてのアンケートを北海道全会員に出したところ、30名の方から支部設立に協力するという返信がありました。支部役員に立候補してくださった方々も何名かおられます。本部としては大変心強く、うち、ズームを使える会員たちで10月2日、11月27日とオンライン会議を持ちました。
広い北海道です。今後どのようにして支部を構築していけばいいのか、下記の日程で、熱い集まりを持ちたいと思います。ぜひ、北海道会員のみなさまの案をお持ちよりください。また、会員だけではなく、ご家族や北海道の自然を守ることにご関心のあるご友人など、みなさん誘い合ってお集まりいただければと願っております。
冬の時期ではありますが、全道から多くの方にお集まりいただければありがたいです。
尚、本部から室谷悠子会長、水見竜哉主任研究員、札幌から顧問の安積遊歩先生や北海道野生動物研究所所長門崎允昭先生がご出席くださいます。
尚、会場整備の都合上、ご出席いただける皆さまは、できるだけ本部事務所まで、前もってご一報頂けるとありがたいです。当日参加も歓迎です。
熊森本部電話0798-22-4190
本部メールcontact@kumamori.org
楽しくなければ熊森ではない
強くなければ熊森ではない
大きくならなければ熊森ではない
広島・山口・島根の2020年度ツキノワグマの捕獲総数523頭の7割にあたる364頭が「錯誤捕獲」
- 2021-11-27 (土)
- くまもりNEWS
前回に引き続き、くくり罠の錯誤問題です。
(以下、11月22日 中国新聞記事要約)

山口県中部の山中で撮影されたツキノワグマ(山口県提供)
県別ツキノワグマ捕獲総数は、島根352頭、広島131頭、山口40頭。
うち、殺処分合計は425頭と過去最多。
捕獲後は危険なため多くが殺処分となる。
環境省は3県のツキノワグマを西中国地域個体群としてレッドデータブックで「絶滅の恐れがある」としており、狩猟を禁止している。3県の計画では殺処分できる上限の目安を年間に計94頭としている。にもかかわらず、2020年度の捕獲数は過去最多で523頭、大きく上回った最大の要因は、錯誤捕獲の増加にある。
熊森から
熊森は早くから、野生動物たちの足を切断してしまうくくり罠の残虐性と無差別性に注目し、くくり罠の使用禁止を環境省に何度も訴えてきました。
熊森の会長が協議会委員を長年務め錯誤捕獲問題を訴え続けてきた兵庫県は特別で、シカ・イノシシ用くくり罠に錯誤捕獲されたクマは100%放獣されているもようです。
しかし、クマの恐怖や足切断などの重傷例も起きます。放獣されるからいいというものではありません。クマ以外にもおびただしい野生動物たちが錯誤捕獲され殺処分されたり放置されたりしています。生物倫理に著しく反しています。このような残虐罠を、しかも、山の中にまで仕掛ける権利は、肥沃な大地を野生動物たちから全部奪い取ってしまった人間にはないはずです。
環境省の旗振りで罠免許所持者は増える一方です。兵庫県の山奥に住む猟師に聞くと、狙った動物を獲るには、イノシシ道など各種野生動物の通る道が見えてこないとだめで、道が見えて来るのに2年かかったと言われていました。都市のにわかペーパー猟師に、狙った獲物だけ獲ることなど無理だということでした。
熊森は、野生動物のためにも、弱者を大切にする優しい人間社会を作るためにも、鳥獣被害対策の大転換が日本民族に求められていると思います。
宮城の猟師くくり罠を真円12センチに戻すならイノシシを駆除しにくくなると不満 熊森見解は?
- 2021-11-26 (金)
- くまもりNEWS
以下、11月23日河北新報より
里山を駆け回るイノシシの群れ。駆除するわなの形状見直しで異論も=宮城県亘理町
「このままでは繁殖適齢期のイノシシがくくりわなで捕獲できず、獣害を止められない」。
宮城県で有害鳥獣駆除に当たる猟友会員から河北新報社に憤りの声が寄せられた。きっかけは、くくりわなの形状変更(縮小)を呼び掛ける全国組織の大日本猟友会(東京)の提言。わなの形状が駆除にどう影響するのか。現場の事情を探った。
大日本猟友会:
9月1日発行の会報「日猟会報」で、わなを12センチの真円にするよう訴えた(イラスト参照)。 同会の担当者は「(規定より大きな形状のため)クマを誤って捕まえる錯誤捕獲が多発しているし、人間の子どもが掛かる可能性もある。会員は本来の形状のくくりわなか、箱わな、銃で捕獲してほしい」と促す。
環境省が2007年に規制緩和した現行のくくり罠 最大径が18~26センチの楕円(だえん)形のわな製品が出回っている。
■宮城県蔵王町遠刈田猟友会の前会長 佐藤秀一さん(79)
大日本猟友会の主張に真っ向から反論する。
理由はイノシシ特有の蹴爪(けづめ)の位置。ひづめとほぼ直角に横方向へ伸びており、繁殖可能な体重50キロ以上の成獣は足の横幅が12センチを超える。わなの枠内に収まらず逃げてしまうという。佐藤さんは「わなの形状が会報通りに変更されれば、どんどんイノシシが繁殖してしまう」と危惧する。
佐藤さんによると、わなで足全体をくくるイノシシと違い、クマは指1本でも引っ掛かるので最大径を縮めても意味がないという。
大日本猟友会が活用を求める箱わなは、警戒心が強いイノシシの成獣がなかなか入らないとされる。昔のように集団で獲物を追い込み、銃で仕留める巻き狩りをするマンパワーもない。佐藤さんはクマの錯誤捕獲の多さを認めつつ「12センチの真円になったらイノシシが全く捕れなくなる。猟をやめる人が続出するだろう」と強調する。
■環境省:
「見直しは必要」 環境省は「07年度は今ほど極端な楕円形の製品が出ると想定していなかった。錯誤捕獲も懸念されるし、何らかの見直しは必要」(野生生物課鳥獣保護管理室)との立場だ。深刻化する獣害を食い止めようと、環境省は13年度にイノシシの個体数を10年間で半減させる目標を掲げている。担当者は「捕獲数が減っては矛盾する。さまざまな意見を聞き、どうするか判断したい」と話す。(桜田賢一)
熊森から
宮城県の2020年度のクマの有害駆除数は279頭です。うち、64%にあたる178頭が、イノシシ罠に誤ってかかったクマで、罠に掛かったクマは危険だからと全て殺処分されました。こんなことを放置していたら、クマは滅びてしまいます。
クマだけではありません。キツネやタヌキなど、何の問題もない大量の野生動物たちが、山の中に仕掛けられたおびただしいくくり罠に誤って掛かって殺されているのです。
今の日本のやり方の根本的な問題は、自然界の中のある種の動物だけを捕獲することなどできないということがわかっていないことです。(=自然がわかっていない)ワイルドマネジメントによる個体数調整として、山の中にどんどん罠を仕掛けてシカやイノシシを捕殺する政策は方向転換が必要です。
どうしたら大量の錯誤捕獲問題が解決できるのか。基本的には、祖先がしていたように、野生動物を殺すのではなく、被害が減るように田畑を守る対策に方向転換すべきでしょう。
山の中にいるイノシシまで獲る必要があるのですか
彼等は土を掘って根の成長を助け、豊かな森を造ってくれています。
<野生動物を殺さないで被害対策を進めている方もいます>
井上雅央(いのうえ まさてる)氏 1949年、奈良県生まれ。愛媛大学大学院農学 研究科修士課程修了。京都大学博士(農学)。元近畿中国四国農業研究センター 鳥獣害研究チーム長、退職後、同センター専門員。
井上氏は、宮崎県、熊本県、広島県、静岡県等でアドバイザー野生動物を殺さな くても防除対策をとれば被害を減らすことは可能で、女性にもできる防除対策を 各地で広めておられます。
イノシシ、サル、シカなどによる農作物被害。獣害対策がうまく機能しないの は、なぜか。
井上氏は各地を歩いた経験からその原因を鳥獣害は行政の仕事と決 めてかかる頭の固さなど「男」の論理と喝破。女性が主導で女性の論理、パワー で動き出すことでそれを突破し、集落自衛が起動し始めた成功実践例を各地に 作っておられます。井上氏の実践は、目からうろこです。『これならできる獣害対策』、『山の畑をサルから守る』『山と田畑をシカから守る』『60歳からの防除作業便利帳』など、著書多数。イノシシ編もクマ編もあります。
日本は、もういい加減に、残酷なだけの駆除や捕殺一辺倒の野生動物の生命軽視対応から卒業しなければなりません。シカやイノシシは、殺しても殺してもすぐ環境収容力に見合った元の数にもどります。膨大な税金を使って何をしていることかわかりません。発想の転換が必要です。
大発見!シカは捕食者やハンターがいなくても増え過ぎることなく自ら個体数を調整 馬毛シカ例
- 2021-11-24 (水)
- くまもりNEWS
2021年11月21日(日)環境法律家連盟JELFの公開WEBシンポ「馬毛島の今」が開催されました。
冒頭、熊森の顧問でもある池田直樹弁護士が、環境法律家連盟会長としてあいさつされました。
このシンポジウムの中で、北海道大学大学院文学研究院助教の立澤史郎博士が、一定面積以上の自然があれば、シカは自ら個体数を調整しながら自然と共生して生き続けていくという世界で2例目の非常に興味深い研究を発表されました。
巨大な滑走路が造られ、自然が大破壊されてしまった現在の馬毛島
馬毛島(まげしま)は、種子島西方12㎞の東シナ海上にあり、面積は8.20km2最高地点の標高は71.7m、現在は、鹿児島県西之表(にしのおもて)市に属する無人島で、1986年に鹿児島県設鳥獣保護区となっています。
この島に生息する哺乳類はマゲシカとジネズミだけで、マゲシカの捕食者はいません。マゲシカは「奈良のシカ」よりも古くから文献に記録があり、地元種子島では大変親しまれてきた動物で、不思議なことにすぐ近くの種子島のシカとも違う固有の遺伝子を有しています。そのため、環境省が「地域個体群」としてレッドリストにあげているシカです。
マゲシカ(毎日新聞写真より)
これほど小さな面積に数百頭のシカの群れが1000年以上にわたって維持されてきたことが確かな場所は、世界でも例がないそうです。
滑走路が造られる前の馬毛島の豊かな自然
立澤博士は、このマゲシカ個体群がどのようにして、増えすぎもせず減りすぎもせず個体群を維持してきたのかに興味を持ち、1987年以降30年以上にわたって調査を続けて来られました。
その結果、シカが増え過ぎると、妊娠率が落ちたり、オスの子供を中心に大量餓死が起きたりして(餓死とはかわいそうですが、これが自然)、増えたシカが島の植物を食べつくしてしまう前に、自ら個体数を減らして、シカの個体群も島の豊かな自然も持続させてきたことが分かったそうです。
これは、生態学上のすごい!大発見です。
これまで、ワイルドライフマネジメント派の研究者は、人間が適当に野生動物を殺してやらなければ、彼等は増え過ぎて自然を食い尽くし絶滅する。彼らが絶滅しないように、個体数管理を人間がしてやらねばならないと言って、駆除やハンティングを奨励してきました。しかし、立澤博士の研究で、このような自然観は間違いであったことが分かります。
人間なんかいなくても、自然界は持続可能だったんだ。
人間よ、おごるなと思い知らされました。
こんなことがわかったのも、無人島馬毛島が鹿児島県にあり、そこにマゲシカが棲んでくれていたからで、馬毛島の自然もマゲシカも、この上もなく学術的に貴重です。立澤博士は、馬毛島でなければ研究できない生態学上の貴重な課題がまだまだ多くあると言われています。しかし、人々から島の土地の99.6%を買い集めたタストン・エアポート(馬毛島開発から商号変更)から、この20年間立ち入りを禁止され、研究できない状況に追い込まれておられます。
島の所有者は、最初この島を開発してレジャーランドにしてもうけようとしたようですが、うまくいかず断念。次々と用途計画が変更されました。2011年6月、防衛省との間で、アメリカ軍のFCLPの移転先として検討とすることが発表されました。この後、所有者は島を軍事基地として国に高く売りつけようと、林地開発の許可を大きく超えて大規模な伐採・整地・盛り土をおこない(違反行為)、島を十字に横切る「滑走路」を建設しました。島の自然は大破壊され、マゲシカの生息数は半減しました。
2019年12月3日に当時の河野太郎防衛相が記者会見で、防衛省と馬毛島の所有者との間で、約160億円の売買契約の合意に至ったことを発表。その後、馬毛島の基地化計画がどんどん進められていきました。2020年8月には、同島のほぼ全域を自衛隊やアメリカ軍の総合基地として開発する以下の計画が公表されました。
島の9割を占める赤線内が、
戦闘機が爆音をとどろかせる基地に。
残り1割は、マゲシカの生息不適地。
マゲシカはどうなっちゃうの
今の基地計画では、誰が見ても、マゲシカの生存はもはや不可能です。
こんなの、日本が批准している生物多様性条約に違反です。
マゲシカは防衛省によって絶滅させられそうになっています。
ちなみに、ネットで最新情報を検索すると、防衛省は、環境影響評価(アセス)手続き中にもかかわらず、基地整備に使うコンクリートを作るプラント工事の入札を公告しました。いよいよ工事が始まるのです。多くの漁民や市長は、馬毛島の基地化に反対しています。(南日本新聞社2021年11月21日記事)
早く止めないと基地が造られてしまう。
マゲシカが絶滅させられてしまう。
全国民の、全世界の大問題にしていかねばならないと熊森は思います。
みなさんはどう思われますか。