くまもりNews
10/31投票 宮城県知事選&宮城県衆院選立候補者全員に全国再エネ問題連絡会がアンケートを送付
- 2021-10-23 (土)
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建設反対の声をあげる力が弱い所に、容赦なく再エネ事業者が押し寄せている <風力発電編>
- 2021-10-22 (金)
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以下は、現在アセス進行中の風力発電事業をプロットしたものです。
風力発電によって自然が破壊され、多くの鳥やコウモリたちの命がバードストライクによって奪われ続け、自然界になかった振動、音、低周波音、光のちらつきなどの公害が四六時中発生して野生動物や地域住民を苦しめます。
現在計画中の風力発電 (能登の風力発電を考える会提供)
現在、作動中の風力発電
以下は、今後の風力発電の建設計画を見た人たちの反応です。
Aさん:稚内・下北半島・秋田沿岸部・福島原発周辺・能登半島・川内原発周辺など、いったん狙われると、とことん事業者が押し寄せてくることがわかりますね。
Bさん:すでに事業者が入っているところに、さらに事業者が押し寄せていることがわかります。
Cさん:仕方ないと諦めたところに、容赦なく押し寄せているということではないでしょうか。住民の反対運動があまり無いところが狙われているのだと思います。
そして、原発が立っているところにも多い気がします。住民の反対運動が弱いという面と、稼働していない原発の送電設備を使えることでコストが下がるという面もあるかもしれないです。
Dさん:ひどいですね。日本の国土が国内外の投資家たち金の亡者によって食い荒らされていくのがよくわかります。取り返しがつかなくなってから気づいても遅いです。第一、太陽光や風力のような不安定な電力は主力電源になどなりえないのに、自然エネルギー100%をめざそうだなんてスローガンが生まれています。政治家も多くの国民もエコだと騙されていることにすら気付いておりません。
Eさん:風力発電用風車はすべて外国製なので、外国の鉱山で鉄鉱石を掘り出して、工場で風車を作って、ヨーロッパから船に乗せて日本に運んできて、山に道を造って木を伐ってコンクリートで固めて、できてからは点検や修理に車で通い続ける。それぞれの段階で膨大なエネルギーを使うので、ますますCO2を排出する。寿命はたったの20年で、解体や廃棄物処理にまた膨大なエネルギーを使う。本当にCO2削減に役立つのかの計算結果はあるのか、はなはだ疑問。
風力発電は150億円ぐらい用意できる大金持ちしか参加できない事業のため、外国の大金持ちが多く投資してくる。
これだけ投資してもなおもうかるのは、日本では風力発電で発電した電力をFIT法によって高い値段で電力会社に買ってもらえ、その価格が20年間保証されるからです。
その財源は、なんと毎月私たち国民が電気料金に上乗せして強制的に徴収されている再エネ促進賦課金です。
以下は、我が家の今年8月分の電気料金明細書です。
明細書の下の部分を拡大してみます。
右欄下から2番目に、虫眼鏡で見ないと見えないような小さな字で再エネ促進賦課金950円が印字されています。印刷のインクも薄くて大変わかりづらいです。ひと月約1000円の賦課金がいつの間にかかけられています。
私たち一般国民から強制的に徴収されたこのお金が、FIT法によって、国内外の大金持ちをさらに富ますことに使われているのです。そして、わたしたちの国土はぼろぼろに破壊されていくのです。
みなさん、私たちの国土を守るために、自然破壊、森林破壊を伴う風力発電にノーの声を私たちと一緒にあげましょうよ。
再生エネルギー問題でお困りの方は、全国再エネ問題連絡会にご加入ください。一緒に日本の自然や森林を守りましょう。
少ない今秋のクマの目撃数、くまもりは今年、ドングリを原則運びません
- 2021-10-20 (水)
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今年のツキノワグマの目撃数は、各地ともかなり少ないようです。
2019年、2020年とあまりにも大量に捕殺しすぎたので(過去最多、2年間で1万1千頭捕殺)、生息数がかなり減ってしまっているのではないかと心配する声が、各地から熊森本部に届いています。
今年、山の実りがいいから出て来ないんだろうという行政の声もあります。
中には、うちの集落だけは例外で、クマが押し寄せるように出てきており、住民は危機感を抱いているという地域もありました。どうも1頭のクマが頻繁に豊作のクリを狙って集落内で出没を繰り返していただけのようでした。
2019年2020年2021年の月別ツキノワグマ目撃数を環境省から入手し、熊森本部でグラフ化して見ました。
今年はまだ8月までのデータしか集まっていないということですが、明らかに過去2年と違っています。クリックで拡大します。
山の実りも、全国行政に聞き取ってみました。
地域によってかなりばらつきがあります。
クリックいただくと表が出ます。
新潟県のように、3年連続山の実りが悪い地域もあります。新潟県のクマ生息地に住む会員たちから、「今年も山の実りが悪いが、クマはほとんど出てきていない。絶滅するんじゃないだろうな」という不安の声が本部に届いています。新潟県はクマの保護体制がなく、熊森の支部もないため、真相がわかりません。
以上のような状況につき、今秋、熊森は、原則、ドングリを運びません。よって、ドングリも集めておりません。遅くなりましたが、皆様にお知らせさせていただきます。
【速報】熊森顧問 務台俊介衆議院議員 環境副大臣に就任!
- 2021-10-07 (木)
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10月3日午後 こんなにトンネル掘って大丈夫? リニア市民ネット大阪第16回勉強会 JR高槻駅前
- 2021-10-02 (土)
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●アメリカのリニア推進企業、敗訴! 2021年8月
アメリカに、JR東海が設立した現地法人が売り込みをかけたリニア計画があります。しかし、それに強く反対する市民運動が起きており、土地収用法でリニア駅の土地獲得をめざしたした企業に対し、裁判所が土地取得を認めないという判決をおろしました。
住民の反対理由は、以下です。
●リニアに乗れるのは富裕層だけ
●振動と建設のために住宅価値が下がる
●緑地も喪失する。
アメリカにも、リニア反対運動が起きていたのですね。
詳しくは、リニア問題をずっと追ってくださっているフリージャーナリスト樫田秀樹氏のブログ「記事の裏だって伝えたい」をご覧になってください。
日本では、田園調布の住民たちが原告となって、JR東海のリニア工事の差し止めを求めた裁判の第1回口頭弁論が、10月26日に迫っています。
さて、コロナ禍でお休みしていた市民ネット大阪の第16回勉強会が復活です。会場はJR高槻駅を降りたところのビル。
初めての方も、ぜひ、ご参加ください。
日本の大地を、これ以上トンネルだらけにしてもいいのでしょうか。
考えるのか、見過ごすのか。
この問題、若いあなたにも責任があります。
森林伐採を伴う自然破壊型再生可能エネルギーに国は規制を 各省庁・政党党首に訴えて回る
- 2021-10-02 (土)
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全国再エネ問題連絡会(日本熊森協会内に事務局)共同代表の静岡県の山口雅之氏(函南町のメガソーラーを考える会)らが中心となって、森林伐採を伴う再生可能エネルギー事業に早急に規制をかけないと、安全安心な暮らし、生物の多様性、水源の森を失うなど、取り返しのつかない国土破壊を許してしまうことになるとして、連日上京し、各省庁の官僚の皆さんや各政党党首にまとまったお時間を取っていただき、必死に説明して回っています。
1日目(9月17日)の公明党山口那津男代表と日本維新の会片山虎之助代表の訪問には、静岡県の山口雅之氏、吉原英文氏、兵庫県から森山まり子熊森名誉会長、熊森東京都支部の小迫優子会員(10月より東京都支部長)が参加しました。奥山の森林伐採を止めていただかないと、クマが絶滅してしまいます。
資料写真などを多くお見せして、再エネ利権でで暗躍している悪質業者の実態や現行法の不備(FIT法、森林法、環境アセス法など)を指摘させていただきました。
公明党山口那津男代表
日本維新の会片山虎之助代表
山口代表は、森林伐採を伴うメガソーラーや風力発電の弊害について長時間お話を聞いてくださり、問題点が大変よくわかりましたと言ってくださいました。
片山代表は、開口一番、「自然を破壊しての再エネはおかしいだろう」と、すぐに私たちの主張をご理解くださいました。
熊森顧問の片山大介議員も同席くださり、今年改正されたばかりの温対法(地球温暖化対策法)について、話してくださいました。
改正点は3つで
①長期的な方向性を法律に位置付け、脱炭素に向けた取組・投資を促進
②地方創生につながる再エネ導入の促進
③企業の排出量情報のオープンデータ化
です。
これでは、今、全国各地で起きている再エネ問題を解決することはできないので、今後、国会議員の皆さんに、動いていただきたいです。
全国再エネ問題連絡会共同代表が今年の9月以降に懇談した省庁は、経産省、林野庁治山課、環境省です。
これまでに訴えを聞いてくださった政党は、公明党、日本維新の会、NHK党立花孝志代表、立憲民主党平野代表代行、共産党笠井亮議員、社民党福島みずほ代表、れいわ新選組辻村ちひろ議員です。
この後、最大与党の自民党にアタックします。
どなたが私たちの必死の訴えを聞いてくださるのでしょうか。
期待しています。
ノルウェー大使館で対談を行いました ~雄大な自然を誇る環境先進国ノルウェー~
- 2021-10-01 (金)
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氷河によって作りだされた雄大な景観が美しいフィヨルドの国、ノルウェー。
オーロラや夏の白夜など、高緯度に位置することで紡ぎだされるダイナミックな自然とそこに溶け込む人々の暮らしが魅力的な国です。
また、国を挙げて環境・気候変動対策にも力強く取り組んでおり、首都オスロが2019年の「欧州・緑の首都(European Green Capital Award)」に選定されるなど、国民に「自然と生物多様性」が根付いている国でもあります。
今回、地球規模で悪化している森林劣化の問題と日本の野生のクマが直面している問題に関して会談させていただきたいと大使館に連絡したところ、「是非おいでください」とすぐに返信をくださいました。
デンマーク大使館に続いて、ノルウェー大使館に訪問、公使参事官(Minister Counsellor)のリーネ・アウネ氏(Ms. Line AUNE)、広報担当官(Information Officer)の土山亮子氏と貴重な意見交換をさせていただきました。
対談そして意見交換
会談では、現在の日本は、拡大造林政策によって全森林の半分近くが実をつけない人工林に変わった上、さまざまな開発により、生息域を奪われたクマたちが人里に降りて来ざるを得ない状況になってしまったこと、それにもかかわらず山の中にまで罠にかけ、かかったクマを子グマにいたるまで殺処分している現状を伝えました。
このような状況が続くと、近い将来、クマが絶滅に至る地域が次々出る可能性があるということをデータに基づくグラフや実際の奥山の森林の状況を撮影した写真を示しながら、室谷会長が説明しました。
さらに近年のミズナラ・コナラの木が枯れるナラ枯れ現象の問題についても話しました。リーネ・アウネ公使参事官は、大変興味を持って私たちの目をしっかり見ながら熱心に話を聞いてくださいました。
その後、アウネ氏は、ノルウェーの森林管理に関してはEUのフレームワークに沿って行なっているが、森林の劣化問題は常に注視していかなくてはいけない問題であること、またナラ枯れについては初めて聞いたので、本国の状況を確認したいと話されました。
今後、ノルウェー大使館から本国の環境問題に関わる団体と日本熊森協会が連携を取れるよう働きかけてくださることになりました。
日本ではまだまだ野生動物の危機や森林の危機が浸透していません。どのようにすればいいかと質問すると、生物多様性や森の保全は大変重要な課題であり、その重要性の観点からアピールしてはどうかとアドバイスくださいました。
最後に、ノルウェーを訪れたことがある熊森会員に「オスロからフィヨルドに向かう車窓からノルウェーの豊かな森を見ていただけましたか?」と質問されました。その温かい笑顔に自国の自然や森への深い愛情と誇りを感じました。
別れ際、大使館の外まで見送ってくださったアウネ氏と土山氏に「在任中に日本の水源の森をぜひ見てください。ご案内します」と伝えると「ぜひ!」とおっしゃってくださり、再会を約束して大使館を後にしました。

ノルウェー大使館Twitterでもご紹介くださいました
世界初森林皆伐禁止令の国ノルウェーより学ぶこと
ノルウェーは岩山(フィヨルド)が多いため、森林率自体は33%と高くはありませんが、森林保全への国民の関心が高く、2016年、生態系保護をめざして、国内の全森林の皆伐を禁止するという世界初の決定を下しました。
それと同時に、熱帯雨林地域での違法な森林伐採とそれにより生産された商品(木材だけでなくパーム油、大豆、牛肉など)を調達しないことも約束しました。
さらに世界の森林保護のプロジェクトに資金提供し、森づくりに関わる人の人権擁護にも乗り出すことを発表しました。
会談を終えて
このように自然保護への関心が高いノルウェー大使館での面談も大変意義深いものとなりました。貴重な機会をいただき心から感謝しております。デンマーク大使館に続いてノルウェー大使館にも温かく迎えていただいたことで、地球環境問題は各国が協力し合うことで解決への道が開けるのではないかと希望を抱くことができました。
次世代へ向け、汚染されていない自然を残すため我々がするべきことは、環境への配慮です。それにもかかわらず、今、日本中の山間部で、メガソーラーを建設するために森を数十ヘクタール、ときに百数十ヘクタールも切り開く工事、つまり森林の「大規模皆伐」が頻発しています。
さらには、バイオマス発電の燃料調達や、風力発電の巨大風車建設のために森の木を伐る例も増えています。森林減少を大問題だととらえ皆伐を禁止し、世界の森林伐採についても力強く取り組むノルウェーの政策と比べると、日本人の危機感のなさに愕然とします。
我が国でも、野生動物の危機や森林破壊の問題に、早急に取り組まなければなりません。もっと多くの国民が関心を持ってくれるように、森林破壊や劣化の流れを食い止められるように、思いを新たにさらに取り組んでいきます。
熊森通信108号発送
- 2021-09-28 (火)
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9月27日、28日で、一般会員向けの会報発送を終えました。
もうすぐ着くと思います。
お楽しみに。
表紙は、なんとしても開発を止めたいメガソーラー開発の一つ、青森市で現在、森林伐採中の「新青森太陽光発電所建設事業」105ヘクタールです。
目次
グラビア 宮城山形北部風力発電伐採予定地の森(奥羽山脈林野庁緑の回廊)
巻頭言 森林を破壊しての温暖化防止などない!会長 室谷 悠子
特集 祝 全国再エネ問題連絡会結成 くまもりは共同代表で事務局を分担
自然破壊を伴うメガソーラー・巨大風力発電事業に規制を
丹波篠山酒井市長と懇談 自然と人が共存棲み分けできるまちに
電力大量消費社会からの脱却 金井塚 務 氏
主原 憲司 顧問と歩く 長野県八ヶ岳
全国初調査
クマ保全 くくり罠錯誤捕獲の実態と鳥獣捕獲体制の改革
長野県小諸市農林課野生鳥獣担当員 竹下 毅 氏
新顧問紹介 衆議院議員 土屋 品子 氏
第26回くまもり本部原生林ツアー
新支部長紹介
・宮城県支部
・栃木県支部
太郎と花子のファンクラブ・くまこ
とよファンクラブ
北海道 57年ぶりに市街地で羆による人身事故 原因と対策
顧問 門崎 允昭 氏
会報発送風景
ボランティアさん毎回ありがとうございます。
9月7日 豊かな自然や住民生活を破壊する事業に規制を!河野大臣に全国再エネ問題連絡会が訴え
- 2021-09-07 (火)
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第15回 内閣府「再生可能エネルギーに関する規制等のタスクホース」(オンライン会議)で、全国再エネ問題連絡会共同代表山口氏(静岡県)が訴える
タスクフォース:緊急性の高い、特定の課題に取り組むために設置される特別チームのこと。もともとは軍事用語で「機動部隊」を意味する。
全国再エネ問題連絡会は、メガソーラーや大規模風力発電問題に取り組む団体が、国政へ声を届けるために設立されました。
熊森は、事務局と共同代表を務めています。
今回、上記タスクフォースで、連絡会の山口雅之共同代表が、全国で起こるメガソーラーや大規模風力発電開発に関する問題点について訴えました。
第15回目のテーマ
地域と共生した、持続可能な再エネ(主に太陽光発電)の導入拡大に向けた規 制・制度の在り方について
政府出席者
河野太郎規制改革担当大臣、藤井副大臣、内閣府事務方幹部
出席官庁
経産省(新エネ課:FIT法、電安課:電気事業保安関連)
環境省(温対法、環境アセス関連)
農水省林野庁
委員
大林ミカ(自然エネルギー財団)
高橋洋(都留文科大学)
原英史(元経産省)
川本明(元経産省)
招へい
山口雅之(全国再エネ問題連絡会共同代表)
全国再エネ問題連絡会の山口代表は、利益優先の違法・杜撰な再エネ開発により地域住民の生活が脅かされている実態を力強く訴えました。タスクフォースの委員の専門家のみなさんも、現実に起こっている再エネ開発のトラブルを解決するために、具体的な規制が必要であるとして、各省庁に的確な意見や質問をしてくださいました。皆様ありがとうございます。
しかし、残念ながら、経済産業省や林野庁、環境省の回答には真剣さがなく非常に中身の薄いものだったと思います。
特に林野庁の、再エネで森林を伐採したら保水力が衰えるというなら、より強固な調整池を作ればいいという発想は安易過ぎます。
林野庁は、メガソーラーや風力発電を建設するために森林がどんどん伐採されているというのに、規制をかける気はないようでした。
宮城県と山形県の県境北部では、緑の回廊に指定しているクマたちが棲む豊かな国有林を、外資のエネルギー会社に貸し、開発許可を出しています。
我が国に最後に残された生物の多様性に富む水源の森を潰してしまうことについて、林野庁で働く人やOBはどう感じているのでしょうか。
山口代表は、
「今日の国の答えは今までの延長線ばかり。全く改善されない。
事業者の財産権より私たちの生存権の方が優先されるべき。国民の命と暮らしを守るのが行政でしょう。
今の現状では悪徳業者がのさばるばかり。環境アセス法に罰則をつけてほしい。
県知事がいくら開発に反対しても、林地開発許可を不許可にできないなんておかしい。
今、このユーチューブを見ている方たちは失望されているはずです。
森林法に決定的な欠陥があります。森林法を改善しない限り、国民は守られません。悪徳業者が森林法10条を悪用してくる。現状ではお金を儲けることしか考えていない悪徳業者がのさばるばかり。違反者には認定を取り消す仕組みが必要。
今日のような答弁では、私たちは国に対して不信が募る一方です。もっと真剣に困っている全国各地の国民の声を聞いて、考えて欲しい。」
と必死に訴えましたが、担当部局は消極的だったと思います。
最後に河野大臣が「今日聞いた話は一部の地域の例だと思います。」という話をされましたが、この問題は一部の地域の問題ではなく、全国で起きている、あるいはこれから起こり得ることです。
自然生態系にとっても、地域の人々にとっても「極めて危機的」な問題であることを、各省庁の担当者の方にもご理解いただきたいです。
空気中のCO2濃度を下げるためにCO2の吸収源である森林を伐採して設置する自然エネルギーなど本末転倒です。自然エネルギーは自然を破壊しない場所で設置されるべきです。
山口共同代表、たいへんお疲れさまでした。これを皮切りに自然破壊型の再エネ問題に困っておられるもっとたくさんの方々を巻き込み、国政へ意見を届けて行きましょう!
★メガソーラーや大規模風力発電に取り組む住民のみなさん★
全国再エネ問題連絡会へ、ぜひご参加ください!!
豊かな自然や地域を破壊する開発を止めるため、力を合わせましょう
https://saiene-news.com/
長野の森を見る会② 八ヶ岳連峰 道路、別荘、観光施設・・・どこまでも人間が入り込んでいた
- 2021-09-06 (月)
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2日目 8月8日(日)
訪れた八ヶ岳連峰は、南北30km余りの八っつの大火山群からなっています。熊森はこれまで各地のクマ生息地を調査してきましたが、今回が最も標高の高い場所です。
茅野市から見た八ヶ岳連峰(茅野市市街地の標高が800m~900m)Wikipediaより
岳という漢字からわかるように、これらの山は下の方は森林ですが、上に行くと高木の育たない森林限界となっており、草原や岩石地帯になっています。
長野のクマの生息地は1000m~1400mと言われています。関西と違って人間の住んでいるところの標高が高いため、平地がすでに落葉広葉樹林帯です。よって、クマは奥山の動物ではなく裏山の動物なのです。
今回の目的地は、蓼科山と赤岳の間の麦草峠です。
黄線が今回の行程(3月撮影写真引用により落葉広葉樹林は茶色、針葉樹林は緑色)
9時に標高1400mの白樺湖を出発。
山岳道路はコロナ禍にもかかわらず、結構、人も車も多くてびっくりしました。東京ナンバーが多かったです。
11時に標高1900mに到着。
コメツガやヤツガダケトウヒなどの針葉樹やダケカンバが中心。
もう、クマの生息地ではありません。びっしり植えられたカラマツの人工林は、戦後の植林によるものです。
ササ原の上をいろいろな昆虫が飛び交っていた
シラビソの枝に、緑色の薄い布のようなサルオガセ(猿尾枷)があちこちで垂れ下がっています。サルオガセは酸性雨に弱いため、兵庫県や京都府では消滅してしまった植物です。内陸部の長野にはまだたくさん残されていました。さすが、長野。
サルの尾が絡めとられてしまうのでしょうか
13時 標高2100mの麦草峠に到着。車で行けるのはここまでです。もっと上まで行きたい人は、歩いて登らねばなりません。
お花畑には可憐な高山植物の花々がたくさん咲いており、とてもきれかったです。びっくりしたのは、実に様々な昆虫たちが花々にいっぱい群がっていたことです。日本にはこんなにいろいろな昆虫がいたのかと思いました。(もちろん、本当はもっといますが)
人間がお花畑に踏み込まないようにロープが張り巡らされている
積雪減で、数年前から、シカがここまで上がってくるようになったそうです。お花畑に少々のシカはいいのですが、(動物の体内を通過すると、草本の種子が発芽するため)、しかし、あまりにもシカが増え過ぎるとお花畑が食べ尽くされてしまう恐れがあります。
お花畑を抜けて、ヤツガダケトウヒの森に入ります。
今のところシカは大好物のササやトウヒの樹皮を主に食べており、森の入口には、シカが森に入らないように、シカ除け網が張られていました。
この辺りは溶岩に被われるなど火山性の土地で標高も高いため、トウヒ、シラビソ、ゴヨウマツ、ハイマツ等針葉樹だけの森です。
森の中に入っていきました。木の太さが皆だいたい同じなのは、70年ほど前にパルプ材として皆伐された後、放置された2次林だからです。
原生林ではありませんが、放置されたことによって元の森にもどってきていますから、植林されなくてよかったと思いました。
しかし、この森に、シカが入り込んできていますから、今後、この森が存続できるかどうかわかりません。
シカが入り込まないように、道路を閉鎖してほしいです。人間も入り込めなくなりますが、そんなところを作っておくことは大切です。
八ガ岳中腹の針葉樹林帯入口付近①
八ガ岳中腹の針葉樹林帯奥②トウヒの倒木更新があちこちにみられる
この森の外観が見渡せる場所がありました。見事に針葉樹ばかりです。
いつまでも見ていたいほど美しい北八ケ岳針葉樹林帯
(南八ケ岳は、火山灰地帯で落葉広葉樹林帯だそうです)
熊森本部は、今回長野県の奥山に初めて入りましたが、標高が上がるにつれて林相がガラッと変わっていくことを体感しました。長野県ならではの体験です。
車で進みながらショックを受けたのは、長野の山はどこまでも別荘地やリゾート開発、観光道路などの人手が入っていたことです。これでは野生動物たちは安心して棲めません。
別荘が点在していることがわかる八ヶ岳中腹(3月撮影)
運転しながらスマホの地図に目をやると、1軒ずつの別荘に至る道路が山に張り巡らされていることがわかりました。
区画が大きい別荘地独特の道路(車中でスマホに表示された道路を撮影)
今回の長野は完全に観光地だという印象を受けました。人間には楽しいかもしれませんが、こんな奥地にまで人間が入ってきて、野生動物たちには迷惑この上ないと思います。
長野県ツキノワグマ管理計画によると、1,150平方キロメートルに及ぶ八ケ岳エリアに生息しているツキノワグマの推定数は15頭~570頭となっています。中央値は150頭だそうです。今回行ってみて、クマが棲めない訳がよくわかりました。
案内してくださった主原先生に、今回の長野の山を視る会は森林生態学的にはそれなりに勉強になりましたが、私たちが見たかったのは、人間の手がほとんど入っていない長野の原生的な森ですというと、そんな場所は北部の新潟県境にでも行かないともうありませんということでした。
1998年の長野オリンピックの時に、熊森第一顧問の宮澤正義先生が、長野最後の原生林が長野オリンピックで開発されてしまったと嘆いておられたのを思い出しました。西日本はもちろんですが、長野県でさえ、人間は大地を取り過ぎており、野生生物たちを追い詰めていると感じました。皆さんはどう思われますか。
観光は間違いなく自然を劣化させます。観光という産業について深く考えさせられた1日でした。