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多くの事を教えてくれた「トヨ君」      くまもりインターン生の感想(1)

8月23日、大阪にある高代寺で飼育されているツキノワグマのトヨ君のお世話にインターン生として参加させて頂きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お世話隊が来てくれた 寝室から顔を出したトヨ君

 

私自身、動物系の専門学校に通っていて、学校ではアルパカやカピバラ、その他小動物のお世話はしたことはあるのですが、ツキノワグマのお世話は経験がなかったので、期待や不安を抱えて挑みました。

ボランティアの方々と5~6人で行ったので、作業内容としてはとても簡単で新鮮な体験を楽しくできました。

 

学んだ事も多く、やはり一番印象が大きかったのはクマへの認識が変わった事です。

この文章を読んでくださっている方でもクマ=人を襲う、怖い動物 と思っている人が大半だと思います。

かく言う私もクマには怖いイメージが少しありました。それをガラっと変えてくれたのがトヨ君でした。

 

トヨ君はとてもおとなしく、穏やかでエサを与える時やデッキブラシを用いてブラッシングをする時でも暴れることなく、むしろ甘えてきて、まるで大きめな甘えん坊の大型犬のようでした。

トヨ君を見ればクマを怖がっている市民や行政の方の印象を大きく変えることが出来るかも知れない、そんな可能性を感じました。

 

住宅街から近く、交通のアクセスが良い所にある大阪府豊能町のお寺で飼育されているにも関わらず、訪れる人が少ないのは、とよ君の存在を知らない人が多いからだと思います。

新聞やテレビなどのメディアでもっと取り上げて欲しいです。

個人で簡単に情報発信できるTwitterやInstagramなどのSNSで呼びかけることも大事だと思います。

この文章を読んでくださっているいる方は、是非、高代寺を訪れてトヨ君の事をSNSで情報発信して下さい。

 

人間は知らない物に恐怖を覚えます。故にクマを良く知らない市民や行政はクマを怖がり駆除しようとします。

皆さん、クマについて向き合ってください。よく学んでください。

クマは生態系においてとても貴重で重要な存在なのです。

機会があれば是非またトヨ君の飼育のお手伝いに参加したいと思える貴重な体験でした。

(19才男性)

この報道、おかしくないですか 新潟県燕市イノシシ大捕物

(マスコミ報道大意)

9月2日午前6時半ごろ、燕市でイノシシを目撃したと住民から110番通報があり、通報を受けた市職員や燕署員ら約25人が出動し、約5時間にわたり、このイノシシを捕獲しようと追い回して大捕物となりました。

イノシシは最後、用水路の中で疲れ果てて動けなくなっていたところを、地元の猟友会によって銃で射殺されました。

けが人はいませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間に追い掛け回されて、このイノシシ、5時間も走り続けたのです。

どんなに怖かったことでしょう。どんなに息が切れていたことでしょう。

最後、けが人なしと言うテロップが出ましたが、イノシシが殺されたのはいいのでしょうか。

 

燕市役所電話0256-92-1111に電話をしてみました。担当は生活環境課です。

 

熊森:燕市でイノシシの目撃は多いのですか。

燕市:ほとんどありません。山中で年間1~2頭目撃されるぐらいです。イノシシがほとんどいない地域です。

熊森:なぜ、捕獲しようとされたのですか?

燕市:銃を撃てない場所だったので。

熊森:では、最初から、殺すつもりだったんですね。このイノシシが一体、何をしたというのでしょうか。

燕市:ガラスを割ったんです。

熊森:それは皆さんが追い詰めたので、恐怖のあまりパニックになって逃げようとしたからですよ。

燕市:無言

熊森:野生動物を見かけたら、刺激しないようにそっと見守るというのが鉄則ですよ。何の用で出てきたのかわかりませんが、別に野生動物は人間のそばにいたいわけではないので、早朝、ちょっと人間域をのぞいてみただけなんじゃないかと思います。それを、あんなに大勢で5時間も追い掛け回して射殺するというのは、倫理上、教育上、とんでもないと思いました。いじめの最たるものを見せられた思いです。生き物たちの生命の尊厳が完全に忘れられています。

燕市:そのような電話を10件ぐらいいただきました。

熊森:燕市では、クマが出てきたときも、こんな風に追い掛け回されて殺されるのですか。

燕市:クマはいません。シカやサルもいません。

熊森:終わったことを言ってみても仕方がありませんが、次回からは共に生きる地球の仲間たちにこんな仕打ちをしないようによろしくお願いします。

燕市:警察も含めみんなに伝えます。

 

熊森から

いったい最近の日本人はどうなってしまったんでしょう。

ペット以外の動物は見つけ次第殺す。

恐ろしい国になってきています。

みんな狂ってしまったんでしょうか。

このニュースを見て、人間、とんでもないことをしていると思った方はたくさんおられたはずです。

黙っていては伝わりません。おかしいと思った人はみんな声を上げてください!

こんな無慈悲な国にしてしまってはなりません。

それにしても、野生動物を見たら、みんなで追い掛け回して殺す。

クマを筆頭に、このような映像を何の疑問も感じず肯定的に連日流し続けている最近のマスコミを憂えます。弱者を思いやれない風潮を日本社会に広めていると思います。マスコミ関係者はもっと温かい人間性あふれるニュースこそを取り上げるべきです。猛省を促したい。マスコミが、日本人をだめにしていっています。

 

一方、ネットニュースでは、アメリカオハイオ州でプールに落ちたシカ2頭が脱出できなくなっているという通報を受けた警察官が救出に乗り出した。助けられたシカは、そそくさと立ち去っていったというニュースが出ていました。

これでこそ人間でしょう。このニュースにホッとしました。

 

 

 

もはや末期症状 クマたちが山から次々と出て来るその訳は

今、日本では連日、クマたち野生動物が食料を求めて人里に出てきています。

そして、害獣や危険動物のレッテルを張られ、罠や銃で片っ端から人間に殺されていっています。(殺すと役場からお金がもらえる仕組みができあがっている)

 

なぜ、日本のマスコミは目の前の現象だけを報道して、その背後にある原因に誰一人触れようとしないのでしょうか。その知性のなさには、信じられない思いがします。物事にはすべて原因があるのです。その原因とは、

 

奥山生息地から動物たちの食料が消えてしまった!

 

8月下旬、熊森は兵庫県のクマ生息地を調査しました。

放置人工林で埋まっているクマ生息地、人工林の中は茶色一色で動物たちの食料は皆無です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頂上にわずかに残された貴重な自然林の色が赤い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頂上付近を望遠レンズで撮影

 

ナラ枯れの再襲来です。

自然林の中のドングリの木々が、「ナラ枯れ」という現象で今夏枯れてしまい、真っ赤になっているのです。山の実りの豊凶を論じる前に、木そのものがなくなってしまっているのです。

 

 

近年、森の中から、

昆虫が消え、

液果の実りが消え、

堅果(ドングリ類)の木が大量に枯れていきます。

この傾向は年々ひどくなっていく一方です。

こんな山に誰がした?

 

拡大造林、

放置人工林、

奥山にまで縦横に張り巡らされた道路、

酸性雨、

地球温暖化、

農薬の空中散布、等々。

 

すべて人間活動が原因です!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スギの人工林の前に1本だけ残っていた希望の星、クヌギ(ドングリの一種)の巨木も、今年のナラ枯れで枯れてしまっていました。

クマたちはこれを見て、もう生きられないと泣いていることでしょう。

 

集落周辺にかけた熊森の自動撮影カメラには、農作物を狙って、深夜、人間におびえながら夜な夜な出て来るクマたちが次々と撮影されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

熊森自動撮影カメラ8月14日

 

23時50分、あたりの様子をうかがいながら、そっとクマたちが農作物に近づきます。

でも、電気柵や金網に阻まれて、中に入れません。

 

生きるために食べようとした。彼らのしたことは死刑に値するほど悪いことなのでしょうか。

 

野生動物たちが喋れたら、人間は金儲けのため、自分たちの快適さと便利さのため、私たちの生息地を取り返しのつかないまでに壊し続けてきました。わたしたちには食べ物がないのですが、どうすればいいのですかと訴えることでしょう。

 

熊森スタッフたちは、農作物をクマから守ったり、クマと人の事故が起きないようにしたり、連日地元に泊まり込んで地元の手伝いに大汗を流しています。まさに、クマと人の攻防戦です。ずっとブログの更新も止まったままです。

 

 

専門家と呼ばれる先生方は、この異常現象に対して、

クマの生息推定数を毎年どんどん増加させていって、相も変わらず、

クマが増え過ぎている。

クマが人を恐れなくなった。

クマが人間の作物の味をしめたことによる現象であると説明されています。

 

じゃあと、行政のみなさんは、増え過ぎたと言われるクマの捕獲(=捕殺)指示に躍起です。

大量のクマ捕獲罠を仕掛けているだけではなく、山中のシカやイノシシ用の罠に誤捕獲されたクマまで片っ端から殺処分しています。(法違反)

 

イヌブナの実りもゼロ。

今年の山の食料のなさは、2004年(平成16年)の再来だと地元の方の声。

皮肉なことに、人里のドングリやクリ、カキなどはよく実っています。(人間はいいな、おなか一杯食べている)

 

リニアをはじめ、今も自然大破壊に国家予算をつぎ込み続け、自然破壊によって生きられなくなった野生鳥獣は大量殺戮してしまう。弱肉強食の典型国家。

わたしたち人間の倫理観はどうなってしまったのでしょうか。

私たち熊森はもはや、良識ある一般国民のみなさんに訴えるしかありません。

こんなことを続けていて、私たち、そして私たちの子や孫は幸せになれるのでしょうか。

他者の不幸の上に築いた幸せは、いずれ必ず破たんします。(完)

 

 

北海道砂川市の養鶏場で箱罠に捕獲された若ヒグマ、捕獲3日目にやはり殺処分 電気柵設置を!

砂川市で、養鶏場の飼料倉庫のガラス戸を割って中の麦を食べるなど、農家に被害を与えてきた若いオスヒグマが、7月30日夜、箱罠にかかりました。

 

 

 

 

 

 

 

日テレより

 

北海道の多くの町で、罠設置は事実上自由に認められ、罠に掛かったヒグマは100%殺処分されてきました。(2019年度殺処分されたヒグマは、756頭)

7月31日のニュースでは、直ちに射殺せず、動物園などの貰い手を探しているということで、ヒグマに心を寄せている方々の中には、ついに北海道でもヒグマを殺さない動きが出てきたと、感激された方も多かったと思います。しかし、実際は8月2日に殺処分されています。

 

今回すぐに射殺しなかったのは、昨年、土手にいる子グマを砂川猟友会長が射殺した時、同じ場所にいたもう一人の猟友会員が、安全確認が不十分な発砲であったと指摘したことから、公安委員会が猟友会長の銃免許を取り上げたという事件がバックにあるようです。(罠免許は取り上げていない)

この猟友会長に対する処分に反発して、他の砂川猟友会員も、みんなが銃を使わないことにして公安委員会などに抗議している最中のようです。私たちには、問題の真相がわからないので、この問題に対するコメントは差し控えさせていただきます。

 

砂川市で捕獲されたヒグマの貰い手を市が探しているというニュースを初めて知った時、私たちがまず思ったのは、もらい手などいるわけがないのに、本気なんだろうかということでした。

 

放獣するしかない。

 

動物園を探すと言っても、動物園は保護のためにあるのではなく、展示のためにあるのです。今いるヒグマが死なない限り、新たなヒグマなど不要です。かわいい子熊ならまだしも、野生で大きくなったヒグマを貰う動物園や施設など考えられません。(人が根気よく愛情をかけ続けて飼えば、野生で大人になったクマでもいずれ人によくなつくようになることは、熊森がツキノワグマで実証済みです)

このヒグマの命を助けてやろうと思った人がいたとしても、ヒグマを飼うにはものすごく堅牢な獣舎が必要で、そんな獣舎を今日明日にすぐ用意できる人などいません。これだけ力が強くて巨大な動物を養うことができるのは、豊かな大自然だけなのです。

 

捕獲されたことで、このヒグマが学習して、放獣後、もう人間の所には行かないようにしようと反省するのを期待するしかありません。

 

ヒグマ研究第一人者で札幌市在住の熊森顧問門崎允昭先生は、ヒグマがここにやって来ないようにするには、

 

電気柵設置しかない

 

と断言されています。

 

熊森は、砂川市担当者に、①被害額を弁償する、②今後ヒグマがこの場所に来ないように電気柵設置代を出す。よって、このまだ若いオスグマを放獣してやってほしいと交渉しました。

 

しかし、市の担当者は、絶対に放獣しないと断言しました。理由は、放獣してもし被害が出たら自分たちの責任になるからというものでした。

 

みなさんはどう思われますか。

熊森は、放獣したら、このヒグマは森の奥にとんで帰ると思います。人間と違って、よくもオレを捕獲したなと人にかかってきたりしないと思います。放獣後、もし、何かあったとしても、この地にこのヒグマがいるのは自然です。元の自然に戻っただけですから、行政の責任など何もないと思います。

 

 

どうも、北海道民のおおかたの野生動物観は、長年ツキノワグマなど多くの大型野生動物たちと共存してきた本州のわたしたちと違うような気がします。

 

北海道出身のある本部スタッフは、本州に来て近畿地方のいくつかの奥地にクマ調査に入ったとき、地元のみなさんがクマのことを「クマさん」と敬意をもって話すのに驚いたと言います。2階の窓を開けたらカキの木にクマが来ていたと言われるので、行政に知らせましたかと聞くと、不思議そうに、何で届け出る必要があるのか。昔からクマさんと一緒に暮らしてきたと言われ、北海道ではありえない感覚だと思ったそうです。

 

明治以降、入植した和人たちは自分たちが生きる大地を得るために、人の2倍も3倍も大きい先住民であるヒグマを駆除し続けました。開拓者だったのです。

北海道大学では、どうしたら北海道からヒグマを根絶殺害できるかを研究されていたそうです。

ヒグマから見れば、見つかり次第、訳なく銃を撃ってくる人間は、悪魔のような存在だったと思います。アイヌと違って、和人はヒグマと共存した経験がなかったといえるのかもしれません。

 

もちろん入植者は、全国各地から北海道に新天地を求めて移住してきた人たちですから、殺生を禁止する仏教の慈悲の心を併せ持つ人たちも多かったはずです。同じ生きとし生けるものとして、銃の前には完全無力で人間に滅ぼされようとしている哀れなヒグマに深い思いを寄せた方々もおられたのではないでしょうか。

 

25年ほど前、旭川の営林署の人たち数名に、ヒグマをどう思うかインタビューをして回ったことがあります。「ヒグマにはいつも会っているけど、穏やかな動物だ。本州のツキノワグマのように人身事故など起こさない。私たちの作業場の横で、子供を連れてきて遊んでいるよ」という、回答ばかりでした。ヒグマもツキノワグマ同様、争いを好まない平和愛好者なのだとわかりました。自分が人間にやられそうにならない限り、ヒグマの方から人間をやっつけてやろうなどとは思ってもいないのです。そんなヒグマを、私たち人間は殺すのです。

 

以前はヒグマ駆除一辺倒だった北海道庁ですが、現在、ヒグマとの共存を打ち出しています。しかし、私たちのようにヒグマへの理解や共感からではなく、生物多様性の保全が世界的な流れとなってきたことが大きな原因かもしれません。

北海道のヒグマも平和愛好者

 

ヒグマと共存しなければ、私たちは豊かな自然や豊かな森を失います。ヒグマへの愛ではなく、自分たちの利益のために、ヒグマを絶滅させないようにしようと思ったのでしょうか。北海道は先進的な海外と比べると、共存のための制度が、まだほとんど整っていないように熊森は感じます。

 

今回の砂川市のヒグマ殺処分の件で、いろいろな方から熊森本部にメールが入りました。以下にご紹介します。

 

メール

・7月3日からたびたび養鶏場の飼料にやってきた問題個体だから殺処分するしかなかったと市の担当者は言われましたが、どうしてもっと早くヒグマ用の電気柵を張るなどの対策をとられなかったんでしょうか。問題個体を生み出した人間側の責任はないのでしょうか。おびき寄せておいては殺すという悪循環を繰り返しているように感じます。

 

・アイヌの人々はクマを神聖な生き物としてみなし、共存してきました。北海道も、今後は、自然や野生動物に対して、敬意をもったやり方で問題解決を図って欲しいと思います。

 

・私は、日本人が最近ますます人間第一主義になっていると感じ、とても危惧しております。自然あってこその人間であることがわからなくなってしまっている方が多いと思います。

 

・殺さないヒグマ対策に取り組んでこそ、子供たちに尊敬される大人です。ヒグマが先住民であったことを忘れない謙虚さが、日本人に必要です。

 

・私はカナダに長い期間住んだことがあります。私が出会ったほとんどのカナダ人は、クマに遭遇したことがあると言っていました。しかし、クマを捕獲して殺処分するという考えはなく、人間がクマの生息地の近くにいるのだから、こちらが注意すれば良いという人ばかりでした。

 

クマよりも、※スカンクの方が困ると言う人もいました。(おならをかけられると1週間は強烈な臭いが取れません)
カナダも昔は今の日本のようにクマ駆除一辺倒だったそうです。カナダでできたことは、日本でもきっとそのうちできると信じています!

 

熊森注 スカンク   ツキノワグマ研究第一人者の熊森顧問長野市在住宮沢正義先生は、かねてより、クマ対策に使えるとして、スカンクの強烈な臭いに注目されています。猛獣の目の前を、マリリンモンローのような足取りで平気で歩くスカンクは、相手に脅威を与えるのではなく、相手に嫌われることによって、身を守っているのです。スカンクの臭いを研究して工場で合成できると、クマよけに使えるかもしれません。

 

 

(最後に)暑い日々です。箱罠に囚われの身の3日間、このヒグマに水や食料を与えてやってくださっていたのでしょうか。箱罠の中の誘引物につられてうっかり入ってしまったという一度の失敗だけで死刑判決を受けたこの若いオスヒグマの冥福を祈ります。共存するには、人間側にも寛容ややさしさが必要です。

 

毎年、数百頭ものヒグマが、北海道でこうやって問答無用で殺されていく。北海道は開発されたといっても、山だけではなく、まだ平地にも広大な森が残されているところが多く、そこもヒグマたちの生息地です。本州と自然条件がかなり違っているため、本州人がわからないことも多々あります。そのため、私たちは北海道民の声もしっかり聞いていきたいです。

平地もミズナラなどの森で、ヒグマの生息地である北海道

 

カナダ在住のクマ研究者、カピラノ大学名誉教授の熊森顧問フイッツアール先生は、カナダで半年教え、京都大学で半年教えることを繰り返しておられました。日本のクマ対応を調べて、以前のカナダと一緒だ。クマを駆除対象としか見ていない。生きとし生ける者への共感が日本人から失われている。なんて遅れているのだろう!とショックを受けておられました。先生のご自宅のリンゴの木にも大きなクマが来るそうですが、「ダメ!」と言うと帰っていくそうです。どうしても帰らないクマは、カナダでは自分たち自然保護団体が捕獲してヘリコプターで山奥に運んで放獣しているとして、写真を見せてくださいました。

 

野生動物を害獣視し、殺す対象としか見ない今の日本、人間が根本的に狂ってしまっていると私たちは感じます。

 

彼らが一体どんな悪いことをしたというのか。人間の物を食べた。食べられたら困る物なら、確かに大変な労力を要しますが、殺す前に食べられないように被害防除の努力を人間側もすべきでしょう。

 

ヒグマが先住民として尊重される日々が一日も早く来るように、心あるみなさんに、もっともっと声を上げていただきたいです。わたしたちは、熊森北海道支部が立ち上がる日を、釧路在住のプロのネイチャーガイドで野生動物写真家である熊森顧問安藤誠氏(自称北海道人)と共にずっと待っています。(完)

 


			

クマ署名☆お店でチラシを同封してもらおう!

日本熊森協会では、「クマの乱獲をもたらしている罠捕獲の規制強化を」の署名を集めています。

署名についての詳細はこちらから。

●インターネット署名はこちら

http://chng.it/yS4f8FF2

●紙署名はこちらからダウンロードください

http://kumamori.org/fi…/1515/8590/4188/20200403175627001.pdf

(多くの署名用紙が必要な方は、本部までお知らせください。郵送させていただきます。)

目標2万筆、、、なのですが、コロナの感染拡大が警戒される中、本部・支部恒例の街頭署名集めもすることができず署名の集まりが大変悪い状況です。

現在、紙署名、ネット署名あわせて6793名集まっています。ご協力いただいた皆様ありがとうございます!

 

どうすればもっと集まるか悩んでいた中、京都の会員さんよりとっても素敵なアイデアが!

 

「私のよく行くオーガニックショップで、商品を買ってくれたお客さんにチラシを渡して、電子署名をしてもらえるようにしたいんです!」

「紙署名だと、郵送してもらわないといけないですし、チラシを受け取った人が、電子署名なら気楽にしてくれるのではないですか?」

 

たしかに!

 

ということで、その京都の会員さん、早速チラシを作成し、印刷してくれました!

 

 

 

 

 

イラストレーターのデータは以下から9月末までダウンロード可能です。

印刷会社にはこのデータをダウンロードしていただき、入稿できます!

https://9.gigafile.nu/1002-bd3544904bf6f5109f7ab02a97f425df0

 

チラシ下部のQRコードはChange.orgの署名に直接行くことができます。

お店をやっている方、お友達のお店で配ってもらいたいという方、是非ご自由に活用いただけるとうれしいです!

印刷した物が必要な方は熊森協会本部事務所までお知らせください。

熊森協会事務所連絡先: TEL 0798-22-4190 FAX 0798-22-4196

北海道砂川市で、養鶏場の飼料を食べに来た親離れしてまもないヒグマを捕獲 処分を検討中 

砂川市は、罠の中に生かして入れたまま今後の方針を検討中

北海道砂川市で、若いヒグマが捕獲されたというニュースが各地の熊森会員から本部に届きました。

飼料被害相次ぐ養鶏場に設置された箱ワナにかかったヒグマ 

砂川市(日本海テレビ 2020.7.31)

 

熊森本部スタッフが、すぐに市の担当者に電話をしました。

 

<以下、熊森と市の担当者とのやり取り(概要)>

熊森:なぜ捕獲したのですか?

 

担当者:何回も養鶏場のエサを狙いにやってきたので、罠をかけて捕獲することになりました。今年初の捕獲です。

 

熊森:被害対策は出来ていたんですか?電気柵は?追い払いは?

 

担当者:猟友会が毎日パトロールしていました。猟友会が昨年の事件で銃を取り上げられてしまったので、銃は持たずに車で見回りしていました。

 

熊森:この後、このヒグマをどうするのですか?猟友会は銃を取り上げられているんですよね。

 

担当者:動物園に引き取ってもらえないか、あたっています。しかし、今後それが難しければ殺処分もやむを得ません。

 

熊森:銃が使えないのに、どうやって殺処分するんですか。

 

担当者:他の自治体から捕獲業者を呼んで来ようかと検討中です。

 

熊森:何とか山に放してあげられませんか。クマの引き取り手を探すのは至難の業ですよ。このヒグマは捕獲されたことで、大きなショックを受けていますから、もうここに来ない可能性もあります。本州では、人間の手で2~3年間保護飼育したクマを山に放している地域がありますが、1頭も帰って来ないようです。

 

担当者:それはツキノワグマでしょ。ヒグマは行動範囲が広いから街まで下りてきてしまいますよ。山に放したら、また街に下りてきて軋轢が生じますよ。

 

熊森:山にはまだ何百とヒグマがいますよ。出てくるたびに罠をかけて捕獲し殺処分するのですか。被害を防ぐためには、クマが来ないように誘引物をしまったり除去したりする、電気柵などを設置するなど、まず人間側が行うべき対応があります。人身事故も人間側の対策で防げます。今回の被害額は熊森が弁償しますので、どうか山に返してやってください。

 

担当者:放獣はできません。被害があった場合、行政が責任をとらなくてはなりません。

 

熊森:人間と野生動物とは何千年もの付き合いじゃないですか。クマを殺処分したら行政が責任を果たしたことになるのですか。野のものは野に返す、これが基本原則ではありませんか。山に返してやってください。お願いします。

ー話は平行線で終わりましたー

 

北海道でもヒグマ放獣体制を!

北海道では、2017年→744頭、2018年→827頭、2019年→756頭ものヒグマが捕獲され、全て殺処分されています。

 

海外と違って、北海道にはいまだにヒグマの放獣体制がなく、罠に捕獲されたヒグマは全て殺処分しています。罠には強力な誘引物が入れられており、乱獲が懸念されます。

 

本州・四国にいるツキノワグマと同様に、ヒグマも基本的には、人に遠慮して、人を避けて生きています。人間側が誘因物の除去、追い払いやクマを寄せ付けない環境づくりなどの被害防除を急ぎ、安易な捕殺に頼らない体制をつくるべきで、これなくしてはクマとの共存などできません。

 

このヒグマは、親と離れたばかりです。これから1人で生きていく術を学んでいく若いクマです。人間のところに出て行くと捕まるという恐怖を今回経験しました。北海道でもヒグマの放獣体制をつくるべきです。

 

熊森本部も放獣すべきという交渉を続けますが、皆様もぜひ砂川市に放獣すべきであるという声を多く届けてください。

 

現在、このヒグマが弱ってきたという情報も入ってきています。砂川市は、水や餌を与えてやっているのでしょうか。このヒグマは、まだ、今、生きています。

 

砂川市 経済部 農政課 農政係
〒073-0195 北海道砂川市西6条北3丁目1-1

TEL 0125-54-2121(内線352・353)

FAX 0125-54-2568

 

罠による捕獲規制とクマとの共存を求める署名にご協力ください!

 

昨年は、ヒグマ・ツキノワグマ併せて約6000頭ものクマが駆除されました。この膨大な捕殺数は、被害対策を罠設置のみに頼っている日本の実態が招いています。

 

クマは大変罠にかかりやすい動物です。

被害防除やクマを寄せつけない対策の支援を進め、放獣体制の整備により、クマと共存できる社会をみんなで作っていきましょう。

 

熊森は、今、罠による捕獲規制を求める署名を集めています。

ぜひ、ご家族や知人にも呼びかけて、多くの署名を集めていただきたいです。

 

●インターネット署名はこちら
http://chng.it/yS4f8FF2
●紙署名はこちらからダウンロードください
http://kumamori.org/fi…/1515/8590/4188/20200403175627001.pdf
(多くの署名用紙が必要な方は、本部までお知らせください。郵送させていただきます。)

 

クマとの共存をめざす 兵庫県宍粟市波賀町の原観光りんご園を応援したい その2

ブルーベリー狩りが始まりました

林業では生きていけない、農業でも生きていけない、兵庫県宍粟市波賀町原地区のみなさんが、幸福重信専務理事(当時)の元、この地での生き残りをかけての始めたのが、観光リンゴ園でした。

 

しかし、2004年は異常年で、台風が10回も上陸し、リンゴ園のリンゴは9割が落下してしまいました。さらに、この年は、ブナ・ミズナラなどの奥山の実りがゼロというありえない大凶作年だったのです。そのため、残されたわずかなリンゴを、今度は、毎晩数頭のクマがやってきて食べ尽くしてしまいました。

この年、原観光リンゴ園は泣く泣く閉園を余儀なくされました。

 

この時、みんなは頭が真っ白になって、クマを殺してやろうと思われたそうですが、よく考えてみると山を動物たちの餌が何もない放置人工林だらけにしてしまったのは、自分たちです。

クマこそ被害者だと気付きました。みんなで自分たちがやって来たことを反省し責任を取ろうと決意しました。

こうして、「クマに報復ではなく、クマと共存を」と、集落の周りのスギの人工林を、毎年1ヘクタールずつ、動物たちに食料を提供できる広葉樹林に戻す取り組みが始まったのです。

 

2004年秋、「リンゴはクマにプレゼントしたとあきらめる」という幸福専務理事のコメントを新聞で読んだ熊森協会が、現地に駆けつけて意気投合。それ以来、日本熊森協会は、地域をあげたこの取り組みをお手伝いさせていただいています。

 

約20年に亘る広葉樹林化の取組みで、原観光りんご園の周りに広葉樹林が復活してきていることが衛星写真でもよくわかります。

今年は、近くにあった宿泊型温泉施設の閉鎖や新型コロナウィルスの影響で、原観光リンゴ園では来訪者が減り苦しい状況におかれています。クマとの共存をめざしてがんばっておられるこのような地域を、熊森もいろいろな形で応援したいです。

濃い緑はスギ等の人工林。りんご園周辺の薄めの緑の部分が原地区のみなさんが広葉樹林に戻した部分。

 

原観光りんご園では、7月24日からブルーベリー狩りが始まりました。

8/1から8/10まで、ブルーベリー狩りに来園すると、大人おひとり ブルーベリー150gパックのプレゼントがあるそうです。入園料は大人600円、 4歳以上小学生以下の子ども300円 。

りんご園には森の雰囲気を満喫しながら家族でも宿泊できるコテージもあり、5〜6人用(各棟1泊1万7000円)と12人用1棟(1泊2万5000円)です。

近くには、奥山の天然林から湧き出る原不動滝やキャンプ場もあります。

アマゴのから揚げや、りんごジャムも販売しています。

ぜひ、たくさんの方に、原観光りんご園を訪れていただきたいです。

訪れた際には、「熊森のブログを見ました」とお伝えください。

問い合わせは原不動滝観光組合へどうぞ。

 

クマの棲める森づくりの実践現場を見学したいという方は、事前に日本熊森協会までご相談ください。調整させていただきます。(日本熊森協会 0798・22・4190)

 

 

7月22日 野生動物との棲み分けをお手伝い

8月末頃にリンゴの収穫が始まる原観光りんご園、リンゴの実が少しずつ大きくなり始めています。

野生動物との共存には、動物たちが生息できる環境を保障してあげることと野生動物を寄せつけない環境をつくり棲み分けを進めることが必要です。現在わが国では、鳥獣被害対策として、野生動物の大量捕殺に莫大な予算がついていますが、いくら捕殺を強化しても、棲み分け対策ができていなければ被害を止めることはできません。

熊森では、過疎や高齢化で野生動物との棲み分け対策ができなくなっている地域の支援も行っており、この日は、原観光りんご園で、柵張りや草刈りのお手伝いをしました。

右側斜面の草刈りをしました。

草刈り後。ひそみ場をなくすことで動物たちは集落に入りにくくなります。

りんごの木の周りの網の補強のお手伝い。

日本熊森協会の子会社である(株)麻生共棲林業では、野生動物と棲み分けるための環境づくりを応援したいと、今年から、クマの被害対策のサポート事業を始めることにしました。まだ、実験的な事業ですが、野生動物との共存と鳥獣被害の根本解決をめざして、実践を重ねられればと考えています。クマの被害対策のサポート事業が必要な地域の皆さんは、お声掛けください。

(株)麻生共棲林業の取組みはこちらから

8月2日 埼玉県支部の結成会を開催します

今年の1月に、くまもり埼玉県支部が池田幸代支部長のもと発足しました。

新型コロナウィルスの感染拡大の影響で結成会が延期になり、活動も思うようにできていませんでいたが、より力強く活動を広めていくため、8月2日に結成会を開催します。

新型コロナウィルスの感染が拡大している中ですので、密にならないように万全の対策をします。

本部から室谷会長も駆けつけます。埼玉県の森や野生動物を守っていくためにいろいろとお話をできればと思います。みなさまとお会いできることを楽しみにしております。

今回は、会員とそのご家族やご友人を対象とした開催になります。ご入会がまだの方はこちらからおねがいいたします!

年会費1000円で会員登録いただけます。

埼玉県支部結成会

2020年8月2日(日) 13時30分~(受付:13時~)

会場:埼玉会館 2階ラウンジ(JR浦和駅西口より徒歩6分)

定員:50人 (マスクをご着用ください)
完全予約制 先着順
お申込みは熊森本部まで TEL:0798-22-4190

            Mail: contact@kumamori.org

【プログラム】

「全ての生きものと共存する流れを埼玉県から」 室谷悠子会長

「支部活動のこれから」 池田幸代支部長

「飯能市のメガソーラー問題について」

6月17日 埼玉県庁 みどり自然課を訪問

クマと共存し、生物多様豊かな森林保全を求め要望書提出

埼玉県支部では、池田支部長、高橋副支部長、森田副支部長、藤井会計の4人で、埼玉県庁みどり自然課を訪れ、要望書を提出しました。

埼玉県では、ツキノワグマがレッドデータリストの準絶滅危惧種に指定されています。生息地である豊かな森を再生し、棲み分けができるよう、事故防止対策や放獣制度の導入など体制を整えてほしいと訴えました。

要望事項は、以下のとおりです。

 1 クマと棲み分け、水源の森を保全するため、奥山の放置人工林の天然林化(広葉樹林化)を進めてください。昨年、導入された、森林環境譲与税がこれに活用されるよう、県内の各市町村を支援ください。

 

2 埼玉県の「クマ対策マニュアル」は、クマの放獣を進める内容となっていますが、現在、県には放獣体制がありません。隣接する山梨県や長野県は放獣に力を入れており、神奈川県にも放獣体制があります。埼玉県でも放獣体制を整備し、クマを奥山へ帰せるようにしてください。また、シカ・イノシシ用の罠で錯誤捕獲されたクマは、法律の原則どおり、殺処分せずに放獣してください。

 

3 過疎や高齢化により、クマとの棲み分けができなくなっている地域があります。こうした地域の被害防除やクマをよせつけない集落づくりを支援し、人身事故防止のための正しい知識の普及も進めてください。私たちも、ぜひ、協力をさせていただきたいです。

今後、さまざまな実践活動により、支部もクマとの共存にむけて活動をしていきたいです。

この日は、森林環境譲与税の担当課や記者クラブにも行って、資料をお渡しました。

滋賀県高島市で支部長地区長研修会を実施!

~7月18日、19日 全国から34人が集まりました~

くまもりは、地域の自然や野生動物は、そこに住んでいる人たちが一番守ることができるという考えのもと、支部による地域に根差した自然保護活動をとても大事にしています。

全国支部地区長会は、全国で豊かな森再生や野生動物保全に取り組む、支部スタッフが一堂に会しての研修会です。

東京都支部など一部地域の5人はZOOMでの参加になりましたが、全国の13支部から21人と本部スタッフ7人の計34人の参加となりました。

今回のテーマは 「モデルをつくり、広げよう!」です。

「野生動物の生息地を奪い、自然を破壊してきた人類の限界が見えたコロナ禍の今だからこそ、支部のみなさんと熊森の実践活動をもっと広めていきたい」という室谷悠子会長のあいさつからスタート。

 

Part1 どうつくるクマとの共存

本部クマ保全担当の水見竜哉職員が新潟県南魚沼市の親子グマ3頭を昨年12月にくまもりが保護して5月に放獣するまでの活動を報告しました。

12月に南魚沼市の診療所軒下で冬眠しようとしていた親子グマが見つかったというニュースを知った水見職員らが現地に駆け付け、「冬の間はくまもりが預かって、春に放獣する」という了解を得るまでの緊迫した様子や、たくさんの方のご協力で、放獣ができたことを報告。

水見職員は、「熊森として、今後、放獣体制を全国で整備することや、捕殺に頼らない棲み分けのためのモデルをつくっていくことに力を入れたい。環境省をはじめとする全国のクマ行政が、共存をめざしたものに変えていけるよう、今集めている署名も頑張って集めましょう」と訴えました。

罠捕獲の規制やクマとの共存のための体制整備を求める署名。2万人をめざしています。 http://chng.it/yS4f8FF2

 

Part2 全国で豊かな森づくりのモデルを

本部の室谷会長の報告に続き、森林環境譲与税を巡る取り組みを愛知、長野、和歌山県支部の支部長らがそれぞれの取り組みを報告しました。

 

Part3 顧問による講演

くまもり顧問で前滋賀県知事の嘉田由紀子参院議員が「地球温暖化による豪雨災害とダムに頼らない流域治水」をテーマに講演してくださいました。

滋賀県知事時代に、ダム問題に取り組んだ嘉田顧問。トチノキ巨木保全のような水源の森保護をはじめ、流域で総合的な治水に努めることこそ、ダムよりもずっと有効な治水政策です、と強調。知事時代に近隣の近畿各府県知事らと協力して、大戸川ダムをはじめとした6つのダム事業を中止または凍結した経験をお話されました。

しかし、2年前の西日本豪雨をはじめとした「数十年に一度の大雨」が頻発し、「ダムがあってこそ、洪水は防げる」と巨大ダムの必要性を喧伝する声は根強くあります。

嘉田顧問は「ダムがあれば大丈夫というのは間違い。流域治水と住民の防災意識を高めないと生命は守れません」と強調されました。7月4日の熊本県の球磨川の氾濫で、川辺川ダムがあれば防げたのではないかという指摘もありますが、球磨川の推定流量を検証するとダムがあっても氾濫は防げなかったことが明らかとなったそうです。

さらに「洪水が起きればもともと水没する危険のある地域に住宅が建てられていることがあり、そういう場所では住民にリスクを伝えるよう訴えてきました。不動産取引の重要事項説明でハザードマップを示して十分に説明させるよう国土交通省も今年に入って取り組んでいます。そうした取り組みとともに、内水はん濫の防止や流域で川底を掘ったり堤防を強化するなど、ダム以外にしっかりと必要な事業を進めないと、洪水は防げません」と力強く訴えておられました。

熊森の本部や支部が全国で行っている動物たちの棲める豊かな森づくりは、災害対策としての森づくりでもあります。豪雨災害が多発する近年、水の循環を止め、大規模な環境破壊になるダムをつくるべきだという声も大きくなるなかで、自然と調和した治水はどのようなものか方向性を示していただきました。

夜の部ではフェイスブックやツイッター、インスタグラムなどSNSを活用したインターネットを通じた情報発信をテーマに議論を深めました。

 

2日目、滋賀県支部のトチノキ巨木群保全や分収造林跡地での森づくりを紹介

くまもり滋賀県支部のメンバーらの活動紹介。

地域の方々と裁判などもして、伐採危機から守った樹齢200~400年のトチノキの巨木群の保全や215haの元分収造林である「麻生林」での今後の森づくりなど、長年に亘り、滋賀県支部が力を合わせて取り組んできました。

最後に、参加した各支部長らが「この半年間に何を取り組むか」をテーマにそれぞれの支部活動について発表しました。離れていても、同じ目標をもって、支え合いながら、残りの半年活動を広げていこうと確認しました。

本当は、トチノキ巨木を見に行く予定でしたが、雨が続き、地盤が悪いため現地へは行けませんでした。その代わり、最後に、近畿2府4県1450万人の生命の水を支える琵琶湖を見ながらお昼を食べて解散。充実した2日間となりました。

コロナ禍でまず一番に不要となった国家巨大プロジェクト

今回のコロナ禍で多くの人たちが立ち止まって、今後の社会のことを考える機会を得たのではないでしょうか。

今春、テレワーク、リモートワークということばが突然現実のものとなりました。

熊森も一気に、会議はズームで、スタッフ間のホウレンソウ(報告、連絡、相談)は、ラインに変わりました。

 

この時、一番に頭に浮かんだのは、もうこれで完全にリニア中央新幹線は終わったなということです。

東京-大阪間を67分で移動する必要など、もうありません。

それでもまだ、リニア中央新幹線の建設を進めようと躍起になっている偉い人たちがいる。誰よりも賢いはずの人たちなのに、信じられません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今となっては過去の夢 山梨日日新聞2015年3月24日

 

人間はお互い、自分が犯しているまちがいには気づきにくいのだと思います。

気づいた周りの人が勇気を出して忠告してあげる、これが本当の愛だと思います。

リニア中央新幹線は総工費9兆円のプロジェクトですが、9兆円を使い切ってから、不要なものを作ってしまった、大切な国土に穴をあけ続けて地下水脈をずたずたにし、取り返しのつかないことをしてしまったと気づくのではなく、今、気づいて建設を中止することが、真の聡明さというものでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山梨のリニア中央新幹線建設現場を熊森スタッフ総出で視察 2015年5月8日

 

 

 

 

 

 

 

 

リニアトンネル工事によって、地下水脈がズタズタに 2015年5月8日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野生生物と次世代の子供たちに残すべき南アルプスの森 2015年5月8日大鹿村

 

2027年の開業延期が避けられない状況となっているリニア中央新幹線。

 

静岡県の川勝知事は「リニアは国策」というが、一方、南アルプスのユネスコエコパークや大井川流域の農業、生活用水、発電事業も国策だとし、国土交通省鉄道局とJRに対し「リニアだけを国策とするのは思い上がりだ」と主張されています。

 

リニアをめぐる静岡県と国土交通省鉄道局・JRとの対立を巡っては、大井川の水問題ばかりが報道されていますが、川勝知事は水と同様に人命に関わる重大問題を指摘され、記者会見で資料まで配付されています。「しかし、それ以降、突っ込んだ取材や調査報道が行われた形跡が全く見られない。なぜこちらの報道はなされないのか。マスコミの取材力の低下について、ますます絶望的な思いを抱かざるを得ない」と嘆いておられる方もいます。

 

人命に関わるリニアの大問題とは

 

川勝知事「緊急停車したリニア中央新幹線から3キロの斜坑を徒歩で上り、非常口までたどり着いたとしても、非常口の標高は千石1,330メートル、西俣1,530メートル。

南海トラフ地震などの場合、既に静岡県内では県民、来訪者、東海道新幹線乗客等の救助に手一杯なことは確実で、リニア中央新幹線乗客の保護と下山を優先することはできません。

そこに冬場という条件が重なると、東京や名古屋の服装のままの乗客が低体温症で死亡する恐れがあります。

しかも、非常口から徒歩で10〜15キロ行かないと建物もないし、最寄りの集落は30〜40キロも離れている。

緊急時の避難については、スイスのゴッタルドベーストンネル(57キロ)や青函トンネルではきちんと対応策がとられているが、リニア新幹線の非常口の位置、設計などを見れば、考慮されていないことが一目瞭然です。」

 

ここはひとつ、マスコミの皆さんにジャーナリストとしての使命感を今一度思い起こしていただき、しっかりと、連日、取材、報道をしていただいて、毎日の生活に追われている国民に、東京大阪間の時短が不要になったこと、水や南アルプスの自然は守るべきこと、事故時の人命救助が不可能なことなど、リニアの大きな問題点を伝え続けていただきたいです。

 

コロナ禍によってリニア建設がが中止となり、南アルプスの森が守られれば、これこそ災い転じて福となすです。マスコミの皆さんの力量にかかっています。ぜひ、がんばってください!(完)

 

 

 

 

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