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四国クマ生息地ツアー参加者唖然 徳島県の奥山にクマの生息環境なし 天然林までもが大崩壊
2019年5月26日、日本熊森協会は、人工林率63%の徳島県のクマ生息地を見に行くツアーを組みました。
午前9時、徳島県那賀町の四季美谷温泉(標高400m)に集合。
うれしいことに、徳島新聞のツアーお知らせ記事を読んで7名の方が、外部から参加してくださいました。
熊森協会からは、会長、名誉会長、本部職員2名以外に、赤松正雄顧問、元徳島県木頭村村長の藤田恵顧問をはじめ、徳島県・高知県・愛媛県の熊森会員が参加、その他那賀町の知人たちも参加してくださり、総勢35名のツアーとなりました。
一車線の剣山スーパー林道を車で走り、四国第二峰の剣山(1955m徳島県)をめざします。
剣山スーパー林道は9割が舗装されており、地道の1割も平らに整備されていました。
徳島県は、こんな山奥にまでと、信じられないぐらい人工林が多い県です。
崩れている人工林もありました。
上の人工林が崩れている
標高1200mまで来たところで、剣山が見えてきました。
待望の針広混交林が現れました。広葉樹はブナやミズナラなど、針葉樹はシコクシラベ(シラビソの変種)やモミなどです。
標高1500mの奥槍戸山の家に到着。車はここまでです。
藤田顧問が怒りを込めて語られました。
石の上に立って語る藤田顧問
「ここは、クマが高密度に住んでいた地域で、かつて直径1メートルを超すブナやミズナラの巨木の原生林だったんです。50年ほど前に、戦後の拡大造林政策で、ここから見える全ての山々の木が、尾根まで二束三文のパルプのために皆伐されました。伐採後、スギを植えたけれど、山が崩れたりして根付きませんでした。山の保水力が失われ、川の水量も川魚の種類や数も激減してしまいました。とんでもないことになってしまったのです。放置していたら、そのうち今のように一見、針広混交林に一部は戻りました。しかし、全て2次林であり、原生林ではありません。細い木ばかりです。内部には下層植生がありません。とうとう森に戻らなかったところもあります。奥山は急斜面な上、土壌も脆弱で、気候条件も悪い。何千年何万年と気が遠くなるような長い年月をかけて形成されてきた原生林をいったん伐ってしまうと、もう元の森には戻らない。全て元凶は拡大造林政策です。」
昼食後、徳島の方が、かつての天然林がわずかに残っており、クマの冬眠穴もあったと言われる山に、みんなで入って行きました。山の中に入ってびっくりしました。シカのお口が届くところまで、緑が全くありません。ブナ、ダケカンバ、ツツジ、ヒメシャラ等の木はところどころに残っているのですが、下層植生がほとんど何もないのです。15年前までは、2mを越えるスズタケで一面が覆われていて、やぶ漕ぎをしないと進めなかったそうです。何という変わりようでしょうか。スズタケは完全に消えており、背の低いミヤコザサにとってかわられていました。山全体が乾燥してカサカサです。あちこちで木が枯れています。
ディアラインがくっきりと出ている山の中
1時間ほど山を登り続けましたが、歩けども歩けども、クマが生息できそうな森もクマの痕跡も皆無です。この山は大崩壊しつつあると感じました。四国の山に詳しい方に聞くと、ここだけではなく、四国では一見、針広混交林のいい森に見える山の中も、今や全てこうなってしまっているということでした。四国の山は元々海底で形成された岩石の山です。雨が降るたびに表土が流れ落ちているようで、岩盤がむき出しになってきていました。たとえ植林しても、もう元の森に戻すことは無理なのではないかと感じました。
次郎笈(1930m)の森林限界となっている頂上が見渡せる標高1700mまで登りましたが、かつての原生林は、完全に消えていました。こんな隠れ場所のない山に、怖がりのクマがいるわけありません。今回は、クマの痕跡や巣穴を見ることができると地元の方から聞いて、ツアーを組みましたが、結局、ご参加いただいた皆様にお見せすることができず、申し訳ございませんでした。四国のクマの最後の生息地といわれている剣山周辺までもが、いかにクマが棲めない場所になってしまっていたかが分かりました。
四国の奥山は、クマの食糧にならないスギやヒノキの植林で埋め尽くされているだけではなく、残された自然林も大荒廃していることが分かりました。
熊森から
絶望的な、四国のクマの生息地を見てしまいました。5年前に、このあたりの山に来られた方が、1200mより上のササは死んでいなかったと証言されていましたので、ササ枯れが猛スピードで進んだ結果だと思われます。犯人はシカということにされていますが、地球温暖化で昼夜の気温差が大きくなったことも、ササ枯れを引き起こした原因だと言う研究者もおられます。ならば、人間も原因です。
兵庫県でも京都府でも、同様の奥山大荒廃が進んでおり、クマを初めとする野生動物たちは生きられなくなり、奥山を出て、里山に集結しています。里山の植物は、地球温暖化の影響を受けにくいため、里山には豊富な食料があるからです。
私たち人間は、日本の山が、奥山から大崩壊していっていることを知って、かつての保水力豊かな山をどう取り戻すのか、奥山の動物たちの絶滅をどう止めるのか、真剣に考えねばなりません。(完)
5月25日 徳島県美波町、スギ人工林伐採跡地の自然回復状況を視察
2019年5月25日、日本熊森協会本部スタッフ4名と赤松正雄顧問は、美波町にお住いの方を訪れました。
この方は、30年前にUターンしてみて、子供の頃あんなにうじゃうじゃいた川や海の生き物が消えたり激減したりしているのにびっくり。
山をスギやヒノキに変えたからだと気づかれたそうです。
日本熊森協会としては、川や海の生き物が消えたのは、「森が消えれば海も死ぬ」(北海道大学松永勝彦教授著)で、スギやヒノキの植林が原因でフルボ酸鉄が山から十分供給されなくなったからだと科学的にも証明されていることを伝えました。
この方が、3年前に裏山の人工林を自力で伐採し、放置している場所を見せてくださいました。
中央が、伐採跡地
徳島の温暖湿潤の気候が、植物の成長に合うのでしょう。結構シカがいるというのに、シカ防除などしなくても、クマイチゴやタラノキなどトゲげのあるものを中心に、みるみる多様な植生が回復してきていました。徳島県はなんと恵まれた県なんだろうと、うらやましくなりました。
お会いした地元議員さんも、「戦後のスギ・ヒノキノの拡大造林は完全に失敗だった。森林環境税を使って、人工林を天然林にもどしたい」と、強く望まれていました。
ここは若者も入って地域おこしに取り組んでおり、裏山にアスレチック施設を造るなどいろいろとおもしろいことをされていて、いろんな人たちが訪れているようでした。
この日は、民宿に泊めていただきました。
台風襲来時の雨と風は恐ろしいそうですが、それ以外はとても暮らしやすくていいところだとわかりました。
5月24日 元農林水産大臣政務官に面会
「国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案」について
衆議院の審議では、<立地条件等に応じた針広混交林化等の多様な森づくりを推進する>という付帯決議を付けていただきました。
日本熊森協会としては、もう一歩踏み込んで、国有林内の人工林伐採跡地の広葉樹林化(ベター)又は天然林化(ベスト)を進めてもらえるように訴えています。
なぜなら、自然界では、気候や標高によって、自然状態が広葉樹林であったり、針広混交林であったり、針葉樹林であったりします。よって、熊森のめざす森林を一言で表すには、「天然林化」という言葉が最適なのです。
広葉樹林 針広混交林 針葉樹林
・戦後、皆伐した奥山原生林の面積628万ヘクタール
(民族の大失敗、近い将来水源枯渇の恐れ)
・国有林内の人工林面積232万ヘクタール
・造りすぎたためなどの理由で針広混交林に戻す国内人工林の面積343万ヘクタール(林野庁発表)
→ (熊森の主張)ならば、国有林内の人工林面積から、まず天然林に戻すべき
5月23日夕方、自民党農林水産委員会理事の上月良祐議員事務所から、お会いできるという連絡をいただき、森山まり子名誉会長が急遽、上京しました。
参議員議員会館
上月良祐議員と森山熊森名誉会長
上月議員は、茨城県選出で農林水産大臣政務官をされていたことがわかりました。「これから人口も減っていく一方ですから、使わなくなった山や田畑は、自然に戻していけばいいと個人的には思っています。」と、言われました。熊森の主張を誠実に聞いてくださったことに心から感謝します。
記念写真を撮ってもいいですかとお聞きすると、天然林化を訴える熊森の資料をさっと手に持って、これと一緒に撮りましょうと言われ、うれしかったです。
この法案に関する審議時間は少ししかないようですが、引き続き、審議を見守っていきたいと思います。
参議院農林水産委員会議員への配布物第2弾
赤松顧問の投稿「豊かな森を取り戻すために」が神戸新聞全県版に
神戸新聞全県版に掲載! 2019年5月26日(日)
日本熊森協会は、熊森運動を理解してくださる議員のみなさんに、党派を超えて個人として応援していただいています。
赤松正雄元衆議院議員に応援していただくようになって、20年です。
この度、神戸新聞オピニオン(7ページ)の、「見る思う」というコーナーに、赤松顧問の投稿文が掲載されました。すばらしいことだと思います。
Wクリックで大きくなります。
今国会で「国有林野管理経営法の一部を改正する法案」が審議されていますが、放置人工林を伐採することも大切だが、伐採後どのように森づくりがなされるのかが重要であるという趣旨の投稿文です。日本熊森協会は、まさにその通りだと思います。
また、なぜ、日本熊森協会の主張を理解するようになられたのかも書かれています。
ぜひ多くのみなさんに読んでいただきたいです。
読まれた方は是非ご感想を送ってください。赤松顧問に届けます。
山形県鶴岡市のクロちゃんに会いに行きました
クロちゃん(メス)は、日本熊森協会のマスコットグマとして22年間大活躍してくれています。今年、29歳になりました。
本部ボランティアスタッフたちは、くまくま園に行った時、山形県まで足を伸ばし、クロちゃんを訪れました。
クロちゃんに会いに行くには、東京や大阪から山形県酒田行きの高速バスに乗って、「庄内観光物産館」で下車してください。飛行機の場合は庄内空港が最寄りです。
子どもの時のクロちゃん
昨年夏に猛暑のためか、初めて倒れ、みんなで心配しました。
今ではすっかり回復しています。
お父さんの佐藤八重治さんからイチゴをもらうクロ
山菜のイタドリやタニウツギの花をおいしそうに食べるクロ
大好物はおそうめんで、おそうめんを主食にしています。
冬はおそうめんに粉ミルクを入れたものが大好きです。
夏になると、おそうめんにポカリスエットをかけたものを好みます。
ポカリスエットバージョンでした
クロちゃんの家の2階は、宿泊施設になっています。
熊森会員は食事代だけ負担で宿泊できます。
家は、月山のふもとです。
クロちゃんの家の周りの風景
クロちゃんファンクラブでは、今年もおそうめんを募集しています。
ソバやうどんも食べます。
送り先
997-0405 山形県鶴岡市上名川字堰西36-3 佐藤八重治方 クロちゃんファンクラブまで
まだ会いに行っておられない方は、ぜひ訪れてあげてください。
参議院でも「国有林での天然林化」を訴える
- 2019-05-24 (金)
- くまもりNEWS
国有林管理経営法案が衆議院を通過し、参議院に入ってきました。
熊森は、国有林内の人工林を、天然林、針広混交林に戻していくことを求めて、ロビー活動を進めています。
5月22日、熊森の室谷悠子会長と職員の水見は、参議院農林水産委員会の議員の方々にお会いし、お願いして回りました。
翌5月23日、お会いした議員の方々が、参議院農林水産委員会で質問に立って、広葉樹林化や天然林化に言及して下さいました!

質問に立つ、里見隆治議員、5月22日参議院農林水産委員会(クリックすると、参議院国会中継が見られます)
里見隆治議員:人工林を切った後の森林づくりについて、私の先輩議員でした赤松正雄さんが顧問を務めておられます、日本熊森協会は、天然林化や針葉樹と広葉樹の混じった混交林にしていくべきだとおっしゃっています。ぜひ、進めて行ってください。

質問に立つ、儀間光男議員 5月22日参議院農林水産委員会(クリックすると、参議院国会中継が見られます)
儀間光男議員:この法案を機に、国有林の人工林は、同じスギやヒノキを植えるのじゃなしに、広葉樹や針葉樹の混交林にしていくべきです。特に、これらの人工林は山の生態系を崩す大きな原因になっているんです。人工林は、天然林のように表土があるわけではないですから、保水力がなく、大雨が降るたびに崩れ、洪水をもたらし、人里へ甚大な被害をもたらします。国有林の天然林化は、民間だけに任せず、国策でやってください!林業は山奥ではなく里でやって、山奥は動物たちが暮らせる環境を作ってやってくださいよ。
私たちのお話を聞いてくださった議員の皆さま、質問をしてくださった議員の皆さま、本当にありがとうございました!
森林環境税の時にも感じましたが、手の行き届いてない人工林がもたらす問題や、水源の森を復元するための天然林化や広葉樹林化などの重要性は、国会議員の方々によくご理解をいただけます。
参議院の農林水産委員会の議員の皆さま、ぜひ、国有林を豊かな森に戻していくために活発な審議をよろしくお願いします!
アーバン・イノシシだなんて、とんでもない!
5月8日放映、NHKクローズアップ現代 「アーバン・イノシシ物語 ワシらが都会を目指すわけ」には、恐れ入りました。
都会に進出し始めた、アーバン・イノシシということですが、余りにも一方的な取り上げ方です。
全国の事例を知っている訳ではありませんが、少なくとも、子供の頃からずっと見てきた大阪から神戸に至る阪神間のイノシシ関する限りは、被害者と加害者が逆になっていると思いました。
阪神間の山を見てみましょう。
西宮市です。
イノシシの生息地をどこまでも、人間が奪っていっています。
子供の頃、山に家などありませんでしたが、今はこのありさまです。
宝塚市です。
上と同様です。
神戸市を筆頭に、経済成長期に、そして今も、都市では宅地開発が山の上へ上へと進んでいます。
イノシシが遠くから都会を目指してやってきたのではなく、都市の裏山に元々住んでいたイノシシたちが、人間による宅地開発で生き場を失って家の横まで出てきているだけのことです。
山の裏側の三田市では、もっと巨大なニュータウンづくりが行われました。
アーバン・イノシシなどと茶化し、物言えぬ野生動物たちに全ての責任や罪を押し付けるのは、人間として恥ずかしいことです。
阪神間のイノシシが、この番組を見たら、憤死すると思います。
特に都会では、確かに、人間と大型野生動物であるイノシシが隣り合って暮らすのには無理があると思います。
昔の人達が、この国土をうまく分け合って人とイノシシの棲み分けをはかっていたいたように、もう一度棲み分けを再現すべきです。
イノシシは、自然界にはなくてはならない動物です。
北秋田市くまくま園に行ってきました
今年も5月に、日本熊森協会本部でクマの保護飼育に長年携わってくださっている本部ボランティアスタッフのみなさんが、北秋田市の山の上にある「くまくま園」を自費で訪れました。
今年の参加者は4名、現役中の3名は、いずれも勤務先の休暇を取って打当温泉泊まり込み参加です。みんなで、獣舎掃除などの飼育補助の奉仕活動を行ってきました。
くまくま園の入り口 正面がツキノワグマ飼育場 写真右奥がヒグマ飼育の新獣舎
くまくま園を裏から撮影 写真左建物がヒグマ舎で、その左広場がヒグマ運動場
2018年度日本熊森協会がヒグマたちに差し入れた食料の一例
(写真提供:くまくま園)
大好物のスイカとサツマイモ
運動場に置かれたスイカ
寝室内に置かれたスイカ (一玉ペロリだそうです)
大好物のブドウ
運動場のあちこちにブドウが置かれました
現在、北秋田市のくまくま園には、新しく建設された獣舎に、十数頭のヒグマが飼育されています。
いずれも、経営破たんした八幡平クマ牧場で飼育されていたヒグマたちで、殺処分が予定されていましたが、日本熊森協会が終生保護飼育を強く願い出て実現したものです。
飼育員の方とも、すっかり仲良くなりました。
主な餌は、トウモロコシの粉とクマフードです。
飼育員の方が、獣舎の周りに自然に生えているたくさんのフキ等の山菜を摘んで来て、主食の上に置いてやっていました。
飼育員の方が、ヒグマに深い愛情を持って飼育されているのが、各場面から伝わってきます。
どのヒグマも、満ち足りてとても幸せそうな顔をしていました。
熊森本部は、くまくま園に引き取られたクマたちが元気にしているかどうか、ツアーを組んだり、ボランティアスタッフたちが訪れたりして、毎年、見に行っています。
また、年に何回かは、おいしい果物などを差し入れしています。
くまくま園に引き取られたクマたちがどうしているか心配してくださっているみなさん、ご安心ください。
以前から飼育されていたツキノワグマたちにも会ってきました。
クマはヒトと心を通わすことができる、すばらしい動物です。
メディアは、「クマは人を襲う」などの誤情報を流さないでください。
八幡平クマ牧場で飼育されていた、以前、愛知県豊田市で捕獲されたアイチとトヨコたちも元気でした。
頭数が増えないように、ヒグマ舎もツキノワグマ舎も、オスとメスを分離飼育しています。
そういうわけで、今年生まれたクマの赤ちゃんは1頭だけでした。
私たちはどんな動物も大好きですが、クマの赤ちゃんのかわいさは格別です。
みなさんも、北秋田市のくまくま園をぜひ訪問してあげてください。
大切に飼育されている動物たちを見ていると、こちらまで幸せな気分になってきます。
その時は、感想などを熊森本部にお送りいただければうれしいです。
「国有林でも天然林化、混交林化を!」と国会で訴えています
- 2019-05-16 (木)
- くまもりNEWS
国有林管理経営法改正案が衆議院通過
「針広混交林等の多様な森林づくりを推進する」
と付帯決議がつきました
私有林・国有林を問わず、戦後の拡大造林政策により、伐り出すこともできない奥山にまで植えられたスギやヒノキなど針葉樹の単一人工林の荒廃が問題となっています。
現在、審議中の「国有林管理経営法の改正案」は、国有林内の人工林について、「意欲と能力のある林業経営者」が長期に亘り、大規模な伐採をすることを可能とするものです。
しかし、法案では、人工林の大規模な伐採後、どのような森づくりを行うかという問題が十分に検討されていません。
森林環境税法の対応で国有林の問題に取り組むのが遅れましたが、熊森は、国有林でも天然林化や針葉樹と広葉樹の混交林化を進めるべきとロビー活動を始めました。
(国有林内の人工林についての熊森の要望)
1 国有林の人工林を伐採した後は、原則、天然林の再生を実施すること。また、林業として利用する場合も、針葉樹と広葉樹の混交林化を進めてください。※混交林の方が、将来の多様な林産物の需要に対応可能です。
2、林業に向かない急斜面や奥地の人工林を放置せず、森林の公益的機能が向上するよう天然林化してください。
3、長期に亘る大規模な主伐については、伐採跡地をどのように管理していくかも含め、計画を立て、事前に情報提供をしてください。 |
5月14日(火)、室谷会長と本部スタッフの水見は、国有林管理経営法改正案審議中の衆議院農林水産委員会の国会議員の方々とお会いし、「国有林でも手入れが行き届いていない場所があるのは民有林と変わらない。伐採後、どのような森にして行くかということが大事、水源・生物多様性保全、災害防止のため国有林でも天然林化や針葉樹と広葉樹の混交林化を進めてほしい」と訴えました。
翌5月15日(水)の衆議院農林水産委員会では、緑川貴士議員が、国有林の天然林化の重要性について、昨年の西日本豪雨災害で、兵庫県の国有林が崩れたことや、2018年秋田豪雨での土砂災害についても触れつつ、訴えてくださいました(衆議院国会中継はクリックして頂くとご覧いただけます。)。
そして、本日、国有林管理経営法案が衆議院農林水産委員会で可決されました。
付帯決議には、熊森が求めていたことの一部である、「針広混交林化等の多様な森林づくりを推進すること」という文言が入りました!附帯決議は、こちら
しかし、付帯決議には、天然林化(または広葉樹林化)を進めるという文言は残念ながら入りませんでした。審理は参議院に移りますが、国民みなの森である国有林を豊かな森に再生させるために、引き続き、熊森は声を届け続けます。
みなさんも、国有林で天然林化や針葉樹と広葉樹林の混交林化が進むよう、声を届けていただきたいです。
国有林野の管理経営法改正案に熊森が要望書
2019年5月15日も、国有林野の管理経営法改正案に対する質疑が、農林水産委員会で続行されました。
今回の法改正は、国有林内の手入れが行き届いた収益の上がる人工林を、とりあえず大手の10社に600ヘクタールぐらいずつ50年にわたる伐採権を与え、伐採させてあげるというものです。国民の税金を使い、1ヘクタール当たり220万円のお金をかけて手入れしてきた優良人工林が対象です。
マスコミのみなさんにこの法案を取り上げていただき、国民の声を聞いてもらいたいです。
熊森作成資料 (Wクリックで大きくなります) 国有林内の人工林
本日は、午前午後と5時間以上ぶっ通しの審議でした。国会議員のみなさんも、大変だなあと思います。
インターネット中継で、4月25日、5月8日・9日・14日・15日と審議を見てきましたが、問題点を真剣に調べ追究されている議員さんが何人もおられることがわかってきて、うれしくなりました。
こういうのを見ていると、その国会議員や官僚のみなさんの人間性やレベルが、一目瞭然でわかりますね。
(Wクリックで大きくなります)
熊森が出した要望書です。熊森要望書
今回の法改正は問題がありすぎて、まだまだ不明部分も多く、国会中継を視聴している一国民としては、継続審議が必要だと感じます。
数の力で、さっさと採決してしまわないように願いたいです。
質問内容をネットにあげている議員が見つかりました。4月25日本会議質問分
なかなか鋭いです。問題点が良くわかります。
他の議員さんも、こういうのをネットに上げて下さったら、国会中継を見る国民が増えるのではないでしょうか。