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2007年版「豊田市の100年の森づくり構想」の天然林目標が2018年版で下方修正された訳

熊森はこれまで、豊田市森林課の取り組みを高く評価してきました。

2005年4月1日に藤岡町・小原村・足助町・下山村・旭町・稲武町の7 市町村と合併し、広大な森林を持つことになった豊田市は、まず森林課を、本庁ではなく、足助町という現地に移転します。

そして、2007年に「豊田市の100年の森づくり構想」を発表しました。

 

その中で、林業採算性が見込めない場所や環境保全上天然林である方が望ましい場所においては、人工林を針広混交林を経て天然林化することにより、およそ 100 年後には、現状約 50%を占める天然林を 70%程度まで増加させる構想が描かれていました。

 

「豊田市の100年の森づくり構想」 wクリックで図が大きくなります。

 

しかし、2018年度版「新・豊田市100年の森づくり構想」では、100年後の天然林の割合が下方修正されています。

「新・豊田市の100年の森づくり構想」 wクリックで図が大きくなります。

 

いったい何があったのでしょうか。

担当課に問い合わせてたところ、山主さんたちが予想外に人工林の天然林化を渋るので、下方修正せざるをえなくなったということでした。

 

戦後、造りすぎた人工林の天然林化を急がないと、この国は21世紀を生き残れないと、大変な危機感を抱いている熊森の前に大問題が立ちはだかったのです。

 

確かに、山主さんとしては、税金で持ち山の人工林を天然林化してもらったところで、金銭的な利益が生じるわけではなく、将来にわたる水源の確保や、野生鳥獣との共存、災害に強い山などの明確な意志を持ち合わせていない限りは、うれしくも何ともありません。

もし、間伐にとどめておいてもらって人工林を維持しておけば、いつか材が売れてもうかる時がくるのではないかという淡い期待があるのでしょう。

 

今は、政治も経済も社会も文化も、全てお金が支配する時代です。今だけ、金だけ、自分だけの刹那的利己的な病的社会にあっては、山を経済性でしか見られなくなっている山主さんを責めることもできません。

 

こんな時代に、人工林の天然林化を進めるには、持ち山の天然林化に同意してくださった山主さんには、毎年わずかであっても森林環境税から水源税や生物多様性保全税が入るなどの、金銭的インセンティブが必要なのではないでしょうか。

他にもいい知恵が浮かんだ方は、ぜひ教えてください。

 

 

 

 

 

「森林環境税で放置人工林を天然林へ」室谷悠子会長が国会議員を訪れ、精力的にロビー活動中

「森林環境税法案」は2月8日に閣議決定されたので、ネットでも法文を読めるようになりました。「森林環境税法案」

ただいま、衆議院総務委員会で審議中です。本会議で採決後、3月には、参議院総務委員会で審議される予定です。

法文第34条に、森林環境税の使途として、

1 森林の整備に関する施策

2    森林の整備を担うべき人材の育成及び確保、森林の有する公益的機能に関する普及啓発、木材の利用の促進その他の森林の整備の促進に関する施策

となっていますが、これだけでは税が林業用整備や間伐に使われるだけになることが考えられます。間伐では、天然林は再生しません。

法文に、この税で、放置人工林を順次計画的に天然林へ移行していくという文言を入れてください!

熊森は動きに動いています。

 

2018年

12月4日

総務省市町村税課担当職員に (総務省)

12月4日衆議員議員に訴える室谷悠子会長(国会議員会館)

 

2019年

2月5日参議院議員に訴える室谷悠子会長(国会議員会館)

2月20日衆議院議員に(国会議員会館)

これまで約20名の国会議員に会って、訴えを聞いていただくことができました。

 

地元でも、地元選出国会議員にアタック

 

2月23日

石田真敏総務大臣の和歌山県地元秘書に訴える(和歌山県岩出市)

和歌山県北野久美子支部長・真造賢二和歌山県みなべ町議会議員

 

「森林環境税で放置人工林を天然林へ」の署名27000筆は、3月上旬に、石田真敏総務大臣に提出予定です。

<2019年は、、日本の林政大変革期です>

私有林に関する法律

「森林経営管理法」2018年国会成立、

森林環境税法案」2019年国会審議中

「森林バンク法案」2019年国会提出予定

 

yahooニュースに、「森林環境税」(現在衆議院総務委員会で審議中)が登場2

以下、yahooニュース2019年2月22日

住民税に1000円加算される森林環境税とは何か?

 

国会答弁で登場した「森林環境税」

2019年2月15日、衆議院本会議で、高井崇志議員(立憲)が、放置人工林問題を取り上げ、森林環境税で広葉樹林化を図るという内容の議論を行った。

高井崇志議員:

森林環境税・譲与税について伺います。今、日本の森林は保水力を失い、危機的状況にあります。その最大の要因は、戦後、拡大造林政策により、天然林を伐採し、植えられたスギ・ヒノキの人工林が放置され続け、荒廃していることです。

放置された人工林は、保水力が低下し、昨年の西日本豪雨災害や、北海道胆振東部地震でも、土砂崩れの大きな原因となりました。

クマなどの野生動物が山で生きられなくなって、里へ出て来て捕殺される事例も相次いでいます。農家の被害が深刻ですが、動物たちも放置人工林の被害者です。

さらに、国民の3割が、スギ・ヒノキの花粉症に悩まされているという弊害もあります。

今回の森林環境税・譲与税を活用し、放置人工林を、保水力豊かな天然林に戻すことを進めるべきと考えますが、総理の見解を伺います。

安倍晋三内閣総理大臣:

高井崇志議員にお答えします。森林環境税と森林林業についてお訊ねがありました。わが国の森林は、戦後植林されたものが本格的な利用期を迎えていますが、十分に利用されず、また、適切な森林管理も行われていないという課題に直面しています。

このため、森林バンクも活用し、森林整備をしっかりと加速させてまいります。その際、地域の自然条件等に応じて、針葉樹だけでなく、広葉樹が混じった森づくりも進めます。

新たに創設する、森林環境税・譲与税も活用し、こうした政策を推し進め、次世代へ豊かな森林を引き継いでまいります。

議論の中で、森林環境税、放置人工林など、馴染みのない言葉が出てきている。これらについて解説してみたい。

森林環境税とは?

森林環境税という新たな税が創られたことを知っている人は、どれくらいいたのだろうか。

森林環境税は、2024年度から住民税に1000円上乗せされる。現在、個人住民税を納めている人は約6200万人いるので、年間約620億円の税収となる。

なぜ2024年度からか。それは復興特別税の徴収が終了した後に導入されるからだ。復興特別税とは、東日本大震災の復興増税の一環として納めていたもの。全国の自治体が行う公共施設の耐震化や避難路整備などの費用として、2014年6月より、個人住民税に1000円加算された。その1000円が目的を変えて徴収されることになる。

いったん国に納められた森林環境税は、市町村と都道府県に対し、森林環境譲与税という名称で配られる。森林環境譲与税は今年(2019年)から配られる。2024年に森林環境税の徴収が始まるまでの5年間は借入金で賄われる。

分配方法は、自治体の森林面積、林業従業者数に応じて決まる。そして森林整備、間伐、林業に携わる人材の育成、公共建築物への木材利用促進などに使われるとされている。

次に放置人工林について考えてみたい。

小学校4年生の社会科の教科書には、次のように書かれている。

「日本は、水が手に入りやすい国と言われています。その理由の1つに、豊かな森に恵まれていることがあげられます」

この単元では「水がどこからくるのか」を学ぶ。家庭の水道の蛇口から出る水は浄水場から来る。さらに遡ると水源は川の水や地下水であり、最終的には森に降った雨が水の源であるとされ、この説明が登場する。こうした教育の効果からか、子どもたちは「森が水を育む」のは常識と考えているようだ。

さらには水と森について、こんなふうに語られるのを聞いたことはないだろうか。

「森に雨が降る。大部分の水は森の土にしみこむ。スポンジのように柔らかな森の土は水を蓄える。地面に浸透して地下水となり、その地下水はやがて湧水となって川に流れ出す。このため森は、天然の浄水場と呼ばれる」

ペットボトル水のCMなどでおなじみのフレーズだ。こうした宣伝文句によって「森は豊か」と思っている人は多い。

 

多くの人がイメージする森(著者撮影)

多くの人がイメージする森(著者撮影)

ところが実際に出かけてみると、森の様子に驚かされる。下草のないむき出しの地面にやせ細ったスギ、ヒノキがぎっしり立ち並んでいる。見上げると枝葉が傘を広げたようになっていて、晴天でも薄暗い。スギ、ヒノキの直径は細く、切り株を見ると年輪は外側ほど窮屈になっていて、あまり成長していないことがわかる。

 

実際にはこのような放置人工林がある(著者撮影)

 

1950年代、それまであった広葉樹の森を伐採したり、畑を潰したりし、資材として利用しやすいスギやヒノキが盛んに植えられた。これを拡大造林という。

苗木はほぼ同じ早さで成長する。だが、狭い土地にすし詰め状態では、枝葉が重なりあって地面まで日光が届かない。土の栄養もすべての木には行き渡らない。大きく育てるには、適当な間隔で木を伐採しなくてはならない。これを間伐という。マキとしての需要があるうちは間伐材も高値で取引されていた。

ところが1960年代に木材の輸入が始まった。国産の木材は安い外国産の木材との価格競争で敗れた。さらに新建材(石膏ボードや合板を使った工業製品)も出回るようになると国産の木材の需要は減り、熱心な林業家をのぞくと、間伐も行われなくなった。

日本は国土の7割が森林だが、そのうちの多くが放置された人工林。太陽の光は重なり合った枝葉に遮られて昼でも暗く、光合成が行われないために下草はなく、裸の土がむき出しになっている。光を失った大地は生命の息吹を失う。草のない地面のうえに、やせ細ったスギ、ヒノキがお線香のように立っている光景は異様だ。

放置された木が倒れ始めた

昨年を表す漢字は「災」だった。2018年に世界で発生した自然災害による経済損失は2250億ドル(約25兆円)だった(米保険仲介大手エーオン)。

台風や大雨などの気象災害が約96%(2150億ドル/23兆6500億円)を占め、個別の災害では、日本の台風21号の損失額が世界第4位(130億ドル/1兆4300億円)でアジア太平洋地域最悪。西日本豪雨が世界第5位(100億ドル/1兆1000億円)だった。9~10月の台風24号の被害も45億ドル(4950億円)とかなり大きい。

 

崩れてしまった山(著者撮影)

 

なかでも9月4日に徳島県南部に上陸した台風21号は、1993年の台風13号以来「非常に強い」勢力のまま上陸。強風によって各地で大量の倒木が発生し、いまだにそのままになっている場所がある。多額の税金をかけて植林され、長年育てられてきたスギやヒノキが根をむき出しにしたまま無残に倒れている。

昨年10月、台風21号で被災した京都北部の山を歩いた。倒木が山道をふさぎ、周囲の山林を見渡せばおびただしい数の木がなぎ倒されたままになっていた。鞍馬寺と由岐神社のある京都市左京区の鞍馬山には、暴風の生々しい傷痕が残る。

京都府内最大の木材市場「北桑木材センター」では、取り扱う木材量が急増した。台風21号で倒木した地元の木が大量に持ち込まれているためだ。扱い量は例年の5~6割は多い。搬入される倒木材はほとんど京北地域のもので、民家や一般道路そばの木は早くに処理されたが、山中では林道が倒木や土砂崩れで通行できない箇所が多く、放置されたままの倒木は相当量が残っている。倒れなかった木も民家近くのものは被害を防ぐために伐採する所有者が増えている。

災害時に流れ出す木

豪雨災害の被災地を歩くと流木の多さに驚く。2017年の9州北部豪雨の際、朝倉市杷木志波(はきしわ)を流れる北川の下流域では、筑後川に注ぎ込む約200メートル手前の本陣橋に無数の流木が引っかかり、勢いを蓄えた濁流が周囲の民家をのみ込んだ。日田市でJR久大線の鉄橋が流失したのも、押し寄せた流木が原因とされている。水が引いた後、残った流木は道路をふさぎ、多くの集落を孤立させた。住民や消防隊員ら数十人がスコップで泥をかき出したり、チェーンソーで丸太を切ったりしながら、懸命に捜索を続けていたが、土砂と流木に阻まれ難航していた。このように被災したすべての河川で大量の流木が発生し、国土交通省の調べでは、9州北部豪雨に伴う大分・福岡両県の流木発生量は約21万立方メートル(17万トン)に上る。

いったいこの木はどこからきたのか。地元の林業者は、

「周辺の林内には間伐後に放置された木々が転がっていた」

「林業経営の悪化で搬出費を捻出できないために林地に転がっていた間伐材が流れ出した」

と言う。

しかし、それだけではない。朝倉市や隣の東峰村の山あいは、地表の近くに花こう岩が風化した「まさ土」が堆積しており、大量の水を含むと崩れやすいのだが、そこに植えられていたのは、根を深く張らない針葉樹のスギやヒノキだ。それらが土砂崩れの際、立木のまま流れ出した。針葉樹は比重が軽く水に浮きやすいため、濁流を滑るように加速していったのだろう。

地元の人は、

「流木化したのは大半がスギだった。自然の広葉樹は、山肌をがっちりつかんで、まわりのスギが流されても島のように残り、ちっとも動じていなかった」

「根の深い広葉樹林と挿し木苗の杉の根の違いが歴然とした」

と、浅くてまばらな根しかない挿し木苗のスギが流れ出したことを指摘していた。スギは種子から成長する場合は、深く密集した根を張るが、挿し木の場合、根は浅く、密度も低いため、深い層や基岩の隙間まで伸びて土を縛るという「くい打ち効果」は期待できない。

急性的な被害、慢性的な被害

豪雨災害、猛暑、台風被害は今後ますます激しくなるだろう。仮に災害がこれ以上起きないとしても、森や林が健全な状態で維持できる可能性は著しく低い。山の災害は、台風や豪雨に襲われた時の急性的な被害だけではなく、慢性的な被害もある。何年もかけて根が腐り、土が緩み、雨の翌日に突如崩れる。都会に住む人たちは、この現実を見る機会はまずないだろう。未来のさらに拡大する災害の姿、死にゆく生物の姿を想像することも困難だろう。

森を守れれば幾分かはその災害は軽減できるだろう。

しかしながら、そのための十分な制度はなく、人材も資金も不足している。

被災地の林業者も「木材の価格が安すぎる」と口をそろえる。スギ(中丸太)の価格は、1立方メートル(直径50センチの材木4メートル分)当たり1万円強。ピークだった80年の3割程度まで下がった。価格の低迷は、林業者の減少に拍車をかけた。国勢調査によると、60年は44万人だったが、2015年は5万人を割っている。ましてや高齢化も進んでいる。間伐や枝打ちなど手入れが行き届かない人工林が急増しているのだ。

こうしたことの対策を打つために、森林環境税が創設された。その使用法は自治体が決めていくことになる。いかにきちんと税金が使われるかが大切なのだが、「新しい森林管理システム」は効果を発揮するのだろうか。それについて次回お話しする。

 

 

橋本淳司 水ジャーナリスト、アクアスフィア・水教育研究所代表

水ジャーナリスト、「水と人の未来を語るWEBマガジン”aqua-sphere”」編集長として水問題や解決方法を発信。アクアスフィア・水教育研究所を設立し、自治体・学校・企業・NPO・NGOと連携しながら、水リテラシーの普及活動(国や自治体への政策提言やサポート、子どもや市民を対象とする講演活動、啓発活動のプロデュース)を行う。近著に『67億人の水』(日本経済新聞出版社)、『日本の地下水が危ない』(幻冬舎新書)、『100年後の水を守る 水ジャーナリストの20年』(文研出版)、『水がなくなる日』(産業編集センター)など。

 

 

ドイツ、「昆虫保護法」の制定検討 環境相、殺虫剤の使用削減など計画

以下、yahooニュースから転載

【AFP=時事】ドイツのスベンヤ・シュルツェ(Svenja Schulze)環境相は17日付の独紙ビルト日曜版(Bild am Sonntag)で、昆虫を保護するため、殺虫剤の大幅削減や巨額の研究費拠出を盛り込んだ法律を制定する方針を明らかにした。人間の活動が昆虫の生態に及ぼす影響に対しては世界的に懸念が高まっている。

社会民主党(SPD)のシュルツェ氏は同紙に「私たち人間は昆虫を必要としている。昆虫は法律で守られてしかるべきだ」と語っている。

独DPA通信によると、シュルツェ氏が掲げる「昆虫の保護に向けた行動計画」では、昆虫保護のために年間1億ユーロ(約125億円)を拠出し、うち2500万ユーロ(約31億円)を研究に割り当てる計画だ。

さらに2050年まで道路や住宅建設のために更地をコンクリートで覆うことを禁止するほか、昆虫が方向感覚を失ってしまわないように夜間の照明も制限する。

行動計画では、連邦政府は「環境や自然が耐えられる殺虫剤散布や、昆虫が生息する場所での殺虫剤やその他の有害物質の大幅な削減」に関する規則を設けるとし、議論の的になっている除草剤成分「グリホサート」を2023年までに禁止することも盛り込んだ。グリホサートはフランスも禁止する方向だが、全面禁止の時期は決まっていない。

以下、略【翻訳編集】 AFPBB News

 

 

熊森から

動物種の8割が昆虫であり、これまで地球の生態系を支えてきました。

写真:熊森提供 クマが皮むきをしてできた木の洞に巣食うミツバチ

Wクリックで大きくなります。

 

今、日本でも、農地や平地はもちろん、森からも、猛スピードで昆虫が消えています。

クマの夏の食料は昆虫なので、クマにとっては致命的です。

熊森をずっと指導してきてくださった研究者のお一人は、昆虫学者です。

次々と絶滅していく昆虫を確認するだけなので、もう山に入りたくないと、何年か前から言われるようになりました。

 

くまもりは、夏でも半袖で入れるようになった虫の消えた兵庫の山に危機感でいっぱいで、必死に声を挙げています。

しかし、日本は、市民が声を挙げても、社会に届かない国です。

人類の破滅が見えてきた今、環境破壊そのものだった西洋の物質科学文明が変わり始めた!
市民社会である欧米の市民や欧米の自然保護団体にがんばってもらいたい。

もう間に合わないかもしれませんが、それでも熊森は最後の1日まで、自然や生き物を守り続けていきます。

 

 

 

2月17日 室谷悠子会長講演 速報 於:第15回熊森滋賀県支部記念のつどい

くまもり滋賀県支部結成15周年、おめでとうございます。

 

今年は室谷悠子会長が、大津市で開催された記念の集いで講演させていただきました。

 

演題  生きものあふれる水源の森再生を

・・・・~森林環境税で放置人工林を天然林に~

 

参加者のみなさんが、感動してくださいました。

村上美和子滋賀県支部長も、すばらしかったと大喜び。

 

講演中の室谷会長

 

滋賀県会員から届いたメールをご披露させていただきます。

 

 

室谷会長へ

 

講演、とっても良かったです。

 

トチノキ巨木群のトラストまでの経緯は、私が例会に参加し始めた頃で、良くわかっていなかったことがいくつかありました。

今回、会長が時系列で話してくださったので、とてもよくわかりました。

 

ああやって滋賀県支部の活動を振り返っていただいたことで、すごいことをしてるんだなー私達、とうれしくなりました。

滋賀支部で活動させていただいていることを、ありがたく思いました。

他の方もおっしゃていましたけど、熊森会員であることが誇りに思えました。

 

今回の会長講演、本当に心震える感動でした。

 

熊森があって良かった!

今年もますます熊森活動にがんばります!

祝 高井崇志議員の質問に安部首相が 森林環境税で広葉樹が混じった森づくりも進めると答弁 

2019年2月15日、衆議院本会議(13:00~)で、高井崇志議員(立憲・岡山県)が、放置人工林問題を取り上げ、森林環境税で広葉樹林化を図るように安倍首相に訴えました。

 

高井崇志議員

 

森林環境税・譲与税について伺います。

今、日本の森林は保水力を失い、危機的状況にあります。

その最大の要因は、戦後、拡大造林政策により、天然林を伐採し、植えられたスギ・ヒノキの人工林が放置され続け、荒廃していることです。

放置された人工林は、保水力が低下し、昨年の西日本豪雨災害や、北海道胆振東部地震でも、土砂崩れの大きな原因となりました。

クマなどの野生動物が山で生きられなくなって、里へ出て来て捕殺される事例も相次いでいます。

 

農家の被害が深刻ですが、動物たちも放置人工林の被害者です。

 

さらに、国民の3割が、スギ・ヒノキの花粉症に悩まされているという弊害もあります。

 

今回の森林環境税・譲与税を活用し、放置人工林を、保水力豊かな天然林に戻すことを進めるべきと考えますが、総理の見解を伺います。

 

 

安倍晋三内閣総理大臣:

 

高井崇志議員にお答えします。

森林環境税と森林林業についてお訊ねがありました。

 

わが国の森林は、戦後植林されたものが本格的な利用期を迎えていますが、十分に利用されず、また、適切な森林管理も行われていないという課題に直面しています。

このため、森林バンクも活用し、森林整備をしっかりと加速させてまいります。

その際、地域の自然条件等に応じて、針葉樹だけでなく、広葉樹が混じった森づくりも進めます。

 

新たに創設する、森林環境税・譲与税も活用し、こうした政策を推し進め、次世代へ豊かな森林を引き継いでまいります。

 

 

熊森から

 

熊森は、高井議員と安部首相に大拍手です。

 

私たち熊森は22年前の設立当初から、放置人工林が全国で大量に発生しており、深刻な問題をいろいろと引き起こしているとして、もう一つの国民である野生動物たちのためにも、将来の水源確保のためにも、国や行政に、奥山広葉樹林復元政策を訴え続けてきました。

 

しかし、林野庁関係者たちからは、「放置人工林などございません」という反射的ともいえる強い否定をいただき続けました。

また、当時の兵庫県行政からは、「何を馬鹿なことを言い出すんだ。兵庫県はこれからますます、スギ・ヒノキを植えていきます」と反論されました。(今は違う)

 

どうして子供が見てもわかるようなこんな単純な現象を、国や行政は認めないのかと、私たちはつらい日々を送りました。

 

しかし、去年、林野庁関係者が、人工林の8割が放置されて内部が荒廃していますと発表されているのを見て、感無量でした。

 

そして、ついに今回、安部首相が、人工林が放置されていることを認めて下さいました。また、「地域の自然条件等に応じて、針葉樹だけでなく、広葉樹が混じった森づくりも進めます。」とも、お答えくださいました。

 

バンザーイ!

今日は、熊森本部事務所が、わきにわいた1日でした。

26年前からこの問題を訴え続けてきた私たちは、国会で放置人工林問題が認められたことを知って、ますます感無量でした。

 

質問してくださった議員、お答えくださった首相、これまで熊森を応援し続けてくださったみなさんに心から感謝申し上げます。

 

この勢いで、次は、残酷の一言に尽きる野生動物管理主義者や外来動物根絶殺害論者の利権獲得のための嘘を暴き続け、国の政策を生き物にも人にも優しい方向に180度転換させていきます。

 

みなさん、これからも熊森の旗のもとに、お集まりください!

ぜひ、会員になっていただき、欧米並み100万人の自然保護団体作りにご協力ください。

 

高井崇志議員にお礼を:E-mail : info@takaitakashi.com

1月25日 本部・支部合同で香美林業事務所を訪れ、くまもり四国トラスト地広葉樹林化のご相談

残り数少ない四国のクマが生息する剣山地は、現在、標高1000mまでスギやヒノキの人工林で覆われています。

クマの絶滅回避、将来にわたる水源の確保のために、高標高部分だけでも、早急に野生動物たちの餌場となる広葉樹林に戻していかなければなりません。

 

2018年から熊森は、どの団体もやっていない四国のクマ生息地復元という絶滅の根本原因の問題解決に取り組み始めました。

昨年10月にナショナル・トラスト第2弾として熊森が高知県香美市に購入した山林22haは、標高810m~1100mに位置し、四国のクマたちが移動経路として利用している貴重な尾根筋が含まれています。

この山林の92%が、現在、スギやヒノキの放置人工林です。

トラストした山林内

 

何とかこの場所を、動物が棲める広葉樹林にもどしたい。

 

1月25日、室谷悠子会長、加藤高知県支部長、本部職員2名は、広葉樹林化に向けての具体的な方法を相談するため、地元の物部森林組合と高知県香美農林事務所、香美市農林課を、順次、訪れました。

この山林は保安林に指定されているため、伐採率や伐採面積に規制がかけられています。

しかし、ありがたいことに、ここは20ヘクタールまで皆伐が可能で、伐採後、広葉樹の植樹も可能です。

また、この場所は伐採後の植栽義務がないため、天然更新させることも可能です。

問題は、四国山地があまりにも急峻なため、伐採木搬出のための道を造ることがむずかしいということです。

無理に林道を造ると、そこから山が崩れる恐れがあります。

林道(上部横線)から、山が崩れる

 

架線搬出も考えてみましたが、架線を張れる限度は2㎞までです。

高知県馬路村架線(ワイヤロープ)集材より

 

山上から下の集落までは6㎞もあるので、架線も無理です。

といって、切り捨て皆伐にすると、伐採した材で地面が埋まってしまい、天然更新がむずかしくなります。

悩ましいです。

 

広葉樹林化のためには、道造り、人工林の伐採、広葉樹の植林、シカ除け柵など膨大な費用が必要です。

しかし、間伐のための補助金は出ても、広葉樹林化のための補助金は出ません。

 

補助金が出る間伐に切り替えようかとも思いましたが、間伐だと20%までというしばりがついてきます。

むずかしいです。

熊森は、森林環境税を使い、放置人工林を順次天然林化していくことを、今国会で何としても法文に明記していただきたいと思っています。

 

とりあえず、伐採者がチェンソーを持って現地に入れる作業道を造ることになりました。

高知県香美農林事務所の担当者に伐採や搬出を相談   左から、本部職員、加藤支部長、室谷会長

 

 

 

 

熊森から

高知県内で人工林の天然林化に取り組んでいる団体はありませんが、林野庁の外郭団体である森林総合研究所は「広葉樹林化ハンドブック」を出しています。

そこには、針葉樹の人工林を強度間伐して広葉樹を植えたが、スギやヒノキの勢いの方が強くて、広葉樹が育たなくなった等の例が掲載されています。

定性間伐では針広混交林にならない。人工林の天然林化や針広混交林化には、30メートル四方以上の部分皆伐が必要と、熊森が各地で訴えていることと合致しています。

「放置人工林を計画的に伐採し天然林に」熊森石川らによる金沢市への要望書提出が新聞記事に!

2018年2月5日、熊森石川県支部は金沢市に対し、地元の自然保護団体と共に、「放置人工林を計画的に伐採し天然林に」の要望書を提出しました。

北陸中日新聞と、北國新聞が記事にしてくださいました。

 

以下は、北陸中日新聞切リ抜きです。

 

うれしいです。

 

放置人工林問題はこの国の存続を揺るがす大問題なのですが、ふだん人が行かない奥山で起きているため、ほとんどの国民がこの問題に気づいていません。

私たちは、生きられなくなって奥山から出て来るようになったクマたちに教えてもらいました。

 

「森林環境税法案」が2月に、「国有林野経営管理法改正案」が3月に、国会に出て来る予定です。

マスコミのみなさん、この機会に、放置人工林問題をどんどん取り上げてください。

2月 8日  全国1665市町村に、森林環境税で放置人工林を天然林に戻すことを求める陳情書を発送

森林環境税法案は、2月中旬から下旬にかけて閣議決定され、国会に出て来る予定です。

今のところ、衆議院に出て来るのか、参議院先議となるのか、読めません。

国会議事堂

 

水源の森を将来にわたって取り戻せるかどうか、国の命運がかかっている大切な法案ですが、残念ながら、議員も国民もほとんど関心がありません。

マスコミが動かない限り、多くの人達には、目先の自分の利害しか見えないのでしょう。そんなものかもしれません。

 

 

こんな中、2月5日、室谷悠子(むろたにゆうこ)会長と本部職員2名、東京都支部スタッフ1名は、国会議員会館を訪れ、森林環境税で放置人工林を天然林に戻す流れをどうやって作っていくか、現職国会議員と打ち合わせました。

 

こんな、ほとんど票にもならないことのために、本気で動いてくださる現職の国会議員がやっと現れたのです。

感謝してもしきれません。本当にありがたいです。

環境委員だけれど、国会で質問してみようと思いますという議員も現れました。

多くの議員に質問していただきたいです。

 

 

署名

多くのみなさんに集めていただいた署名は、頃を見計らって、石田 真敏総務大臣(前和歌山県海南市長)に提出します。

森林環境税法案は総務委員会で審議されるからです。提出予定の全署名用紙に、急遽、抜けていた総務大臣様の名を、はんこで押しました。

 

 

陳情書

一方本部は、2019年2月7日には、くまもりボランティアのみなさんに来ていただき 、沖縄県を除く(スギヒノキの放置人工林がないため)全国都道府県議会議長、全国市町村議会議長あての陳情書1通1通に市町村名を手書きで記入していただき、封筒に入れてもらいました。2月8日に1665通の陳情書を出し終えました。

 

本当は、請願書を出したほうが効果があるのですが、請願書を出すには、議員の協力がなければなりません。少しですが、議員の協力が得られるところは、請願書として出させていただきました。

陳情書が入った封筒

 

2月12日からは、市町村議会議会事務局から、うちは郵送の陳情書は受け付けられないので持参し直してほしいとか、参考人として議会に来ていただきたいとか、陳情書と一緒に意見書も送ってくださいなど、さまざまな電話が本部事務所に入り、3台の電話が鳴り続けているという状況になっています。

 

会員のみなさんのなかで、居住する市町村議会に問い合わせていただき、郵送での陳情書を受け付けない市町村の場合で持参可能な方は、当分はメールやFAX等電話を使わない方法で、本部までお知らせください。

 

陳情書はこちら

意見書はこちら

熊森は、有害番組『池の水ぜんぶ抜く』の放映中止を求めます

以下、2019年02月06日 23時30分 日刊サイゾーより

 

『池の水ぜんぶ抜く』が低視聴率回続出で業界騒然 外来種を悪者扱いすることに嫌気か

『池の水ぜんぶ抜く』低視聴率回続出! マンネリ化した内容よりも「“外来種いじめ”に嫌気」が原因か

『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』公式ホームページより

 

 テレビ東京系で放送されている人気番組『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』に、現在、異変が起こっている。

 

同番組は2017年から「日曜ビッグバラエティ」枠で不定期放送され、人気となった番組。日本全国にある放置され汚くなってしまった池を掻い掘りし、キレイにするとともに、生き物の生態を調べるというコンセプトが視聴者に大ウケ。同枠の平均視聴率は5~6%であるのに対し、第1回目の放送は8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。その後も不定期であるにもかかわらず、高視聴率をキープし、第6回目の放送時には、13.5%を記録し、その後も9~10%台をキープ。2018年4月からは月イチレギュラーになり、当初は9%台をキープしていたが……。

 

「2月3日放送分が7.2%と低視聴率を記録。昨年12月18日放送分は5.2%で過去最低を記録したものの、1月2日正月特番で11.1%まで回復。裏番組などの関係で一過性のものかと思われていたんですが、今回のこの結果に、ネットのみならず業界でも騒然となっています」(放送作家)

 

そんな視聴率の低下が続いている同番組。ネットでは「最初ほどおもしろくなくなった」との声が聞こえているだけに、マンネリ化との指摘が上がっている。しかし、「それ以外にも理由がある」とテレビ局関係者は、こう語る。

 

「不定期放送時は“汚い池をキレイに掃除する”“池の生態系を調査する”というコンセプトで放送しており、時には珍しい生き物を見つけたりし、視聴者の注目を集めていました。ですが、最近では、カメと雷魚といった外来種をあたかも悪者のように放送し、退治するという内容になってしまっている。ネットではそれに嫌気を感じる人が続出している模様。また、捕獲したカメに関しては動物園に渡していましたが、外来魚については、ロケの参加者から『放置し殺している』との声も。現場には専門家もいなくて、ずさんな管理だったと、週刊誌報道もされている。面白くなくなったということより、番組に対し“信用がなくなった”ことが低視聴率続きになった理由かと思いますね」

 

裏番組では『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)や『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)など、人気番組が多数放送されている。それらに勝つためには、一旦“初心”に戻ったほうがいいのかも!?

 

熊森から

上記記事に大拍手です。

以前、この番組の余りの内容のひどさに、熊森はテレビ局に問題を指摘する手紙を出しましたが、何の返事もなく、改善もなく、無視のままです。

生き物の命をもてあそぶ有害番組『池の水ぜんぶ抜く』は即刻、放送を中止すべきです。

これまで外来種根絶の名の元、どれだけの罪もない多くの生き物たちの無用の殺生が、面白おかしくなされてきたことか。

思い出すだけでも胸が悪くなります。

 

抗議先

テレビ東京 「視聴者センター」
03-6632-7777(代表)
受付け時間は月曜日~金曜日の午前10時から午後9時まで。
土日祝日は午前11時から午後7時まで。電話内容は録音される。

『池の水ぜんぶ抜く』 制作責任者 伊藤隆行

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