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1月15日 熊森本部で兵庫県新温泉町に計画されている風力発電に関する勉強会を実施
- 2018-01-19 (金)
- くまもりNEWS
くまもりは、兵庫県新温泉町東部で県内最大級の出力となる計9万2千キロワットの風力発電施設を建設する計画が進められていることを知り、大きなショックを受けました。
予定される風車自体の大きさは3枚羽根の直径約130メートル、高さは約150メートル、国内の陸上では最大級なのだそうです。
(計画では、4千5百kW発電程度の風車21基を山の尾根<下図赤線状のどこか>に設置する予定。事業実施区域面積 約2千8百ha。下図斜線部分は集落のある谷の部分で、風力発電機の設置対象外となります)
熊森から
新温泉町の冷温帯に位置する落葉広葉樹林帯は、兵庫県のクマ生息地のなかでも唯一、下層植生がまだ残されている自然豊かなところで、くまもりがシンボルとしているクマをはじめ、多様な生物の安定生息地です。
温泉町の尾根筋に膨大なコンクリートを流し込むことで、セメントから出る灰汁によって渓流魚が全滅することが考えられます。もちろん、山の命である尾根筋をコンクリートで固めて破壊することで、万里の長城現象が起き、森は劣化し始め、二度と生物の多様性が保たれた保水力豊かな森は復元できません。
兵庫県のクマたちの最後の聖地が破壊される!やめてほしいとお願いしよう!
調べてみると、事業者は合同会社NWE-09インベストメントという聞きなれない会社です。インベストメントというのは、投資という意味だそうです。誰かがこの事業に投資して儲けようとしているのでしょう。
ネットで調べてみると、合同会社NWE-09インベストメントというのは従業員が居ない会社で、実質的には、合同会社の業務執行社員である日本風力エネルギー株式会社が事業を実施し、その大部分は他社との委託契約等により行われるそうです。
合同会社NWE-09インベストメントは、新温泉町以外にも、鳥取県鳥取市、和歌山県海南市、島根県浜田市、佐賀県唐津市、青森県八森でも同様の発電事業を一気に進めようとしています。
日本風力エネルギー株式会社というのを調べてみると、資本金が10万円で、社長さんにあたる職務執行者はアダム・ベルンハード・バリーン(本部シンガポール)という方だそうです。どこの国の方か、なぜシンガポールに本部があるのか、これ以上の情報は、ネットから得られませんでした。グローバル経済ということなのでしょうか。
事業理念には、「すべての風力発電プロジェクトが日本全体、地域コミュニティー、環境にウィン-ウィンの関係をもたらすことを約束します」と書かれていますが、そんなこと言われても、山の尾根筋に風車を建てられて、環境にウィン-ウィンなどありえません。
今回、日本の風力発電開発に20年間取り組んでこられた方に、勉強会を持っていただきました。とても参考になりました。その方は、原発は良くないので、使命感を持って風力発電を広めているということでした。
以前、経済産業省が風力発電業者に補助金を出していたそうですが、2011年3月11日の原発事故以来、風力への補助金がなくなり、代わりに、太陽光(ソーラー)発電に1kwh55円というすごく高い買取価格がついたそうです。これによって、太陽光発電が投機の対象になりました。シャープや京セラなど国産ソーラーパネルが大量に生産され、経済が活性化しました。しかし、現在政府は、太陽光発電の買取価格を1kwh20円にまで落としました。
(ちなみに、現在、風力1kwh22円、バイオマス1kwh28円)
このような経緯があったため、風力発電の機材は、現在、国産が育っておらず、ほとんどが外国製だそうです。ということは日本で風力発電が広まれば、外国の企業がもうかるということです。外国人の投機対象となるのでしょうか。風力発電の建設は、山の尾根か海上です。どちらも耐用年数はたった20年で、20年後には、土台のコンクリートを破壊して、また1から新しく造り直さねばならないのだそうです。
尾根の風力発電は、頭打ちになってきているそうです。いい風が吹くところは各地にあるのですが、山奥には送電線がありません。といって、自費で送電線を作るとなるとそれはそれで大変で、費用対効果の面で成り立たないのだそうです。環境ではなく、全て、経済で回っているのが今の人間社会だと、話を聞いてつくづく思いました。
そんな中、ドイツの素晴らしい規制を教わりました。ドイツでは、地元住民自らが風力発電に取り組む場合のみ風車設置許可がおります。外資や、国内であっても外からその町に資本が入ってきて風力発電事業を起こすことは禁止されました。これによって、大きな被害を地元に及ぼすような事業がなくなってきたそうです。
我が国の開発事業は4段階において実施されます。①配慮書、②方法書、③準備書、④評価書。
合同会社NWE-09インベストメントの日本における風力発電事業は、いずれもまだ①が終わった段階で、環境アセスまでは行っていません。一刻も早く声を上げようと思い、さっそく日本風力エネルギー株式会社に、日本語で、コメントを送りました。以下。
自然保護団体へのヒヤリング(日本熊森協会)専門 奥山生態系保全
計画地は、環境省のレッドデータブックで絶滅のおそれのある地域個体群に選定されている東中国山地ツキノワグマの恒常的な生息地である。ツキノワグマは冷温帯の落葉広葉樹林に生息する動物だが、近年、兵庫県の落葉広葉樹林帯では下層植生の衰退が著しく、ツキノワグマが生息することが難しくなっている。そんななかで、新温泉町の生息地は、唯一、今も下層植生が保たれており、ツキノワグマの生息が保障される貴重な場所である。尾根筋への風車設置は、ツキノワグマの生存をはじめ渓流魚など豊かな奥山生態系に深刻な影響を与えると考えられる。
他の5つの地域における合同会社NWE-09インベストメントの日本における風力発電事業に対して、声は上がっているのでしょうか。ヨーロッパと違って、自然保護団体がほとんど育っていない日本で、どれくらいの声がこれらの事業に上がるのかとても心配です。いずれの事業においても、声を上げる権利は居住しているいないにかかわらず、日本国民全員にあるそうです。みなさん、声を上げていきましょう。
原発を認めない熊森は、エネルギーをどうするのかとよく聞かれます。自然再生エネルギーを利用するのは大切ですが、それによって現在せっかく残されている貴重な自然を破壊するのなら、何をしているのかです。
熊森は、すでに自然が完全に破壊されてしまっている都市部で、自然再生エネルギーが得られるように技術革新がなされることを願っています。
1月26日28日大阪上映 映画「日本と再生」 世界はすでに、自然再生エネルギーで動いている!
- 2018-01-19 (金)
- くまもりNEWS
1月26日(金)、1月28日(日)大阪市で映画「日本と再生」<光と風のギガワット作戦>の上映会があります。
太陽がいっぱい。
風がいっぱい。
世界はすでに、自然再生エネルギーで動いている!
この映画は、『日本と原発』『日本と原発4年 後』を監督された河合弘之弁護士が製作・監督されました。
(企画・監修:飯田 哲也 制作協力:木村結 音楽:新垣隆 エンディングテーマ:坂本龍一脚本・編集・監督補: 拝身風太郎 撮影:中島喜一)
■ 2018/1/26 大阪府大阪市(上映1回) ※「日本と再生」
■ 主催:原発に依存しない社会の実現を目指す委員会
○ 上映日時:2018年1月26日(金) 17 時 ~
※上映後に河合監督ご挨拶予定
○ 会場名:真宗大谷派 大阪教務所 難波別院 同朋会館 講堂 (大阪市中央区九太郎町4-1-11)
○ 定員:130名
○ 問合せTEL: 06-6251-4720(中嶋)
○ 問合せメール:担当(中嶋)宛メール
2018/1/28 大阪府大阪市(上映2回) ※「日本と再生」
■ 主催:生活協同組合エスコープ大阪
○ 上映日時:2018年1月28日(日) 10 時 ~ / 13 時 ~
○ 会場名:住吉区民センター (大阪市住吉区南住吉3-15-56)
○ 各回定員:30名 ※応募者多数の場合、エスコープ大阪の組合員優先となります。
○ 問合せTEL: 072-293-4660(伊藤)
○ 問合せメール:担当(伊藤)宛メール
(熊森から)
日本熊森協会は、他生物やわれらの子々孫々に、かれらが生存できる自然豊かな地球環境を残すという、人間としての最低限の倫理観から、原発を認めていません。
といって、山の命である尾根筋に風車建設のためのコンクリートを流し込むなど、新たに重篤な自然破壊となるような自然再生エネルギーの開発も、認められません。
自然再生エネルギーは、すでに完全に自然が破壊されてしまっている都市部でこそ開発されるべきでしょう。そのような技術開発を待ち望んでいるところです。
まだまだ自然再生エネルギーにも難しい多くの問題が残されてはいますが、それでもこの映画は、今後の人類のエネルギー利用を考えていく上で、国民必見だと思います。
現在、全国で上映会が展開されていますので、ネットで調べられて、ぜひ皆さんにもご覧になっておいていただきたいです。
今後の自然再生エネルギーの開発問題について、みなさんと大いに議論していきたいです。
1月28日JBNシンポジウム「四国のツキノワグマ知っとん?」 於:徳島大学
- 2018-01-13 (土)
- くまもりNEWS
日時:2018年1月28日(日) 13:00~16:30(開場12:00)
参加費:無料
場所:徳島大学工業会館メモリアルホール(徳島市南常三島町2-1)
くわしい内容は、JBNのHPをご覧になってください。
いくらなんでも今年の冬は寒すぎる そこで「とよ」が考えた冬ごもりの新スタイル
- 2018-01-11 (木)
- _クマ保全 | くまもりNEWS | 豊能町誤捕獲クマ「とよ」
2018年1月11日、高代寺を訪れた「とよ」見守り隊は、寝室をのぞいてびっくり。「とよ」が、わらの中にほぼ全身をうずめて、熟睡していたからです。
この時のとよの様子は、動画で見ていただけます。
→https://www.youtube.com/watch?v=TM_VPYoyMGk
呼吸数は1分間に10回でした。
こんな冬ごもりの仕方をはじめて見ました。
頭もお尻も、わらの中に完全に埋まっています。
人間だけではなく、今年の冬はクマにとっても寒いんですね。
朝日新聞1月8日トップ記事に、秋田県のクマ大量捕殺に対する日本熊森協会の警鐘文
秋田のクマのことは、朝日新聞のデジタル版に掲載されただけと思っていましたので、1月8日の1面トップ記事(大阪版)を見た時はびっくりしました。
朝日新聞さん、よくぞこの問題をトップで取り上げてくださいました。
デジタル版より新聞記事の内容の方が詳しいので、良ければみなさんもう一度お読みください。
クリックしていただく度に、文字が大きくなります。
食い込みができないまま冬籠りに入る、それは、クマたちにとって冬籠り中に死ぬことを意味します。
人間社会は、残して捨てるまで食料に満ち溢れているというのに、ただひたすら食料を求めて、怖くてたまらない人間の所に出て来たクマたちを全部撃ち殺す。
日本人は狂ってしまったのか。
なぜ食料を分かち合おうとしないのか。
悲しい気持ちでいっぱいになっていましたので、全国民の問題として取り上げてもらえて感激です。
生命の尊厳を忘れた環境省野生生物課のコメントが、一番狂っていると思いました。
このコメントを述べられた方は、何のために環境省がこの国に存在しているのか、わかっておられないのではないでしょうか。
他者への思いやりや共感が持てなければ、自然は守れないと思います。
ジャパンタイムズデジタルに森山会長のコメント
昨年末、みなさんにご紹介しそびれていましたが、以下、ジャパンタイムズデジタル版2017年11月27日記事です。
(大意和訳)
秋田で、クマの目撃増加 人間側に原因も
秋田の田舎に住む42歳の主婦は、「クマが家の近くにいるなんて思えないのですが・・・」と、近くのコンビニまで慎重に歩いて行く。
生まれも育ちも秋田だが、山以外の所でクマと遭遇した話はこれまでほとんど聞いたことがない。それが今、一般的になってきた。
この夫妻は、毎朝12歳の娘を中学校に送って行く。
昨春、秋田県第2の都市である横手市で、学校から20メートルのところにツキノワグマが現れたのだ。
秋田県におけるクマの目撃数が急増し、それまで年間200頭~300頭程度だった有害駆除数が、2016年には468頭となった。
1979年~2015年までの秋田での熊による死亡事故はわずか8件だったが、2016年~2017年には5件発生した。
注釈(2016年、秋田県鹿角市でタケノコ採りに山に入った4名がクマによって死亡する事故が起きた。2017年には、秋田県仙北市でタケノコ採りに山に入った1名がクマによって死亡する事故が起きた。)
●秋田県行政は、2015年はブナの実りが良て多くの子グマが生まれたため、2016年はブナ不足となり、食料を求めてクマたちが山から出て来たことによって起きた事件だと説明している。
●しかし、日本ツキノワグマ研究所所長の所長である米田一彦氏は、長きにわたって山と集落を分けてきた里山が崩壊したことに要因があるという。
20世紀後半、日本は急速に経済発展し、猛烈な都市化が進んだ。
「以前は薪として絶えず伐られていた里山林が、今や伐る人もいなくなり、成長して大きくなっている。野生動物と人の緩衝帯であった里山が失われた。里では過疎化高齢化が進み、農園や果樹園を管理する人もいなくなった。こうしたなか、クマたちが山から里に移動して定住した」と、米田は言う。
●日本熊森協会の森山まり子会長は、過疎化高齢化も関係あるが、根本原因は、かつて山のなかにあふれるほどあった野生動物たちの食料が激減していることだと指摘する。
森山は、地球規模で森林が劣化してきており、木々の成長が弱くなって葉量や実の量が減っていることを示す研究を挙げた。
(人工林、開発)、地球温暖化、酸性雨、大気汚染など、全て、人間活動が引き起こしたことだ。
2016年に秋田の山を旅した人から、ナラ枯れがすごかったという報告を受けているという。
最近の日本人は、ほとんどが都市に住み、山に入らなくなっている。
そのため、人々は、森の中のクマたちの食料(植物・昆虫)がなくなっていることに気づいていない。
もう一度、豊かな森を再生させていかない限り、クマ問題は解決しないと彼女は言う。
冒頭の主婦は、いつか本物の野生グマを見たいと言う。
主婦は、「私だって死にたくはないですよ。、、、でも、クマってかわいいじゃないですか。」という。
ご主人も、「私だったら、クマに会って最初にやってしまうのは、携帯を取り出して写真を撮ることでしょうね。」と、同意する。
As Akita deals with surge in bear sightings, some point to a human cause
AKITA – Far from Tokyo’s bright lights and noisy streets Kaori Kawashima walks cautiously on her way to the nearest convenience store in rural Akita Prefecture, where danger might be lurking in the shadows.
“I don’t think bears come close to where I live, but there’s no way to be sure,” the 42-year-old housewife says.
Together with her husband, they take no chances. Every morning they drive their 12-year-old daughter to junior high — breaking the age-old norm that children should walk to school.
And they’re not alone. This past spring, a black bear was spotted just 20 meters from a high school in Yokote, the second-largest city in the prefecture. Kawashima has lived her whole life in Akita, but stories of bear encounters outside the mountains used to be few and far between. Now they are becoming common.
Sightings exploded in 2016, shooting to 468 from just a couple of hundred in previous years, according to the Akita Prefectural Government. From 1979 to 2015, only eight deaths from bear attacks were reported in Akita. Since then there have been five.
Behind the headlines, experts say, is a silent transformation in the countryside that is setting the stage for greater numbers of wildlife encounters.
When a string of bear attacks caused a national stir last year, residents hoped it was just an anomaly and that things would soon return to normal.
●The official explanation was that the supply of beech nuts in 2015 that helped more cubs survive was followed by a shortage last year, which led them down from the mountains in search of food.
●But Kazuhiko Maita, chairman of the Hiroshima-based nonprofit Institute for Asian Black Bear Research and Preservation, says a more long-term factor is at work: the disappearing satoyama, a term referring to traditional rural landscapes of carefully maintained forests and farmland.
Part of Japan’s rapid economic development in the late 20th century involved an aggressive urbanization that changed it from a principally rural country to one of the most urban populations in the world. Prefectures far from major cities began to wither, but on a rural level, the satoyama all but vanished.
“The buffer zone has disappeared,” Maita said. When forests previously chopped down for firewood grew back, and farms and fruit trees were left unmanaged, the bears left the mountains and moved in to stay, he explained.
Predominantly rural Akita has the fastest-shrinking population in Japan. This year, the prefectural government reported that it had dipped below 1 million for the first time since 1930, with over a third of its residents aged 65 or older. But it’s not alone.
Across Japan, wildlife is becoming a menace in places it never was before.
Akita, known for the bear-hunting dogs that carry its name, has always had bears around, but experts warn of boars and deer overrunning the countryside as the human activities that once held them back — such as hunting — fade due to depopulation.
In Akita, depopulation is only one part of the equation. The rest simply has to do with the subsequent increase in hunger, another expert said.
●“The depopulation of rural villages is connected, but it’s not the root cause,” said Mariko Moriyama, president of the nongovernmental organization Japan Bear and Forest Society.
“The root cause is that food has disappeared from the mountains.”
Moriyama points to research showing that trees have been growing weaker across the world, with a dramatic decrease in leaves and fruit.
The culprit, she said, is us.
“Global warming, acid rain, air pollution — all caused by human activities,” she said. In Japan, the effects have been particularly noticeable with the Mongolian oak (mizunara).
For years, Moriyama has been tracking the progress of Japanese oak wilt, a fungal disease brought on by climate change, as it creeps northward into southern Akita. Busy with their lives in the city, newly urbanized Japanese are no longer going up into the mountains like they used to. “They don’t realize how devastated it has become.”
This is particularly damaging for Akita’s black bears.
“They rely on mizunara, not beech,” for nourishment, she said.
With the mountains bare of food, no matter how skittish they are, returning to the woods might not be an option for these animals. “If nothing is done to help the mountains, the bear attacks will continue.”
Today, officials put the number of bears in the prefecture at roughly 1,000, but the primary data derive from reports about encounters — a statistic likely to get warped as sightings become more commonplace.
Here, wild mountain vegetables have been a spring delicacy for as long as anyone can remember.
Perhaps that is why residents remain eager to ignore the figurative and literal signs telling them times have changed. This has led the police to close off mountain trails and patrol popular entry points instead.
Others think back to when they were young, when the matagi (traditional bear hunters) would supply the wild animals’ tough and gamey meat to restaurants and school cafeterias. Today, the ranks of the matagi are aging and dwindling, and the meat is shunned even by residents as it can be poisonous if not properly cooked.
Meanwhile, Kaori Kawashima stays at home, getting her meat and vegetables from the supermarket. Perhaps attracted by Kumamoto Prefecture’s popular bear mascot Kumamon or Winnie the Pooh, she still hopes someday to see a real live wild bear in the flesh — as long as it’s from the safety of her car.
She laughs, saying: “I don’t want to die, but … they seem cute, don’t they?”
Her husband, Kazunori, agrees. “My first impulse would be to take my phone out and snap a picture.”
とよ、例年より1ケ月早く本格冬ごもり
- 2018-01-06 (土)
- くまもりNEWS
今年の冬は本当に寒いです。
昨年、1昨年共、1月末の積雪があった日に冬ごもりに入った「とよ」ですが、今年は12月末から冬ごもりに入ってしまいました。
1月4日、お世話隊のみなさんは、今年初のお世話に行ってくださいました。
獣舎周辺は、うっすらと雪げしき。
この日の最高気温は7度、最低気温はマイナス2度でした。
獣舎の周り
とよは寝室から出てきませんでした。
穴からのぞいてみましたが、もう顔も上げず、ずっと寝たままでした。
寝室の入り口には、ワラがうずたかく積まれていました。
中をのぞかれないように?、寒い風が入らないように?
とよのしわざです。
寝室の入り口
運動場に置いてあったクリは完全に食べられていましたが、あんなに大好きだったドングリには全く手を付けていません。
手前のクリだけを食べていた
この日、お世話隊は、運動場のドングリだけを残して、給餌をストップしました。
副住職さんに聞くと、とよはクリスマス以来、寝室から出て来なくなったということです。
本格的冬ごもりに突入です。
おそらく3月末ごろ、体の周りの脂肪を落としてスマートになったとよが、寝室から出て来ることでしょう。
それまで温かく見守ってあげましょう。
「冬ごもり中に付き、そっとしておいてください」の看板も用意しました。
それにしても、これから3か月間飲まず食わず。
なんとも不思議なクマの生態です。
人間には絶対に真似られませんね。
お世話隊の皆さん、新年早々ありがとうございました。
冬ごもり中も、見守りを続けて下さるそうです。
今年最後の仕事、発砲禁止の幕を外してきました
- 2017-12-29 (金)
- くまもりNEWS
温暖と言われる瀬戸内式気候に属する西宮市ですが、今年の冬はかなり寒いです。
今年最後の仕事として、兵庫県北部但馬地方に設置していた発砲禁止の幕を外しに行きました。
福知山までは雪があまりありませんでした。
しかし、トンネルを出て、但馬地方に入った瞬間、信じられないような積雪でした。
発砲禁止のこの幕が、何頭かの野生動物たちの命を救ってくれたでしょうか。
人間と違って、あたたかい家も食べ物もない野生動物たちにとって、冬は本当に厳しい季節です。
このきびしい自然界のなかで、人間のお世話になど一切ならず生き抜いている野生動物たちに、思わずエールを送りたくなりました。
いろんな考えがあっていいとは思いますが、スポーツやレジャーで野生動物たちを殺すことはもちろん、人間が勝手に決めた生息数にするために彼らの国である山の中まで人が入りこんで野生動物を殺す、これはあってはならぬことだと思います。
くまもりは来年も、自然や野生生物に畏敬の念を持って共存する日本文化を取り戻すためにがんばります。
今年も1年間、ありがとうございました。
良いお年をお迎えください。
日本熊森協会は、1月4日が仕事始めとなっております。
12月28日 3頭はいつ冬ごもりにはいるのか 太郎・花子・とよ
和歌山経済新聞によると、和歌山城公園の動物園園長であるツキノワグマのベニーが、日中最高気温8度の12月28日、冬籠りに入りました。
以下は、くまもりのクマたちの近況です。
太郎と花子(和歌山県生石高原)
愛知県の会員から、持って遊べるようにと、どっしりとした真新しいアカシアの丸太がプレゼントされました。
12月24日、お世話隊が、その丸太の上に、ノイバラの赤い実が付いたクリスマスのきれいな手作りリースを飾ってあげました。
さかんに匂いをかいでいる太郎
太郎は飾りには関心がなかったようで、すぐにリースをバラバラにしてしまいました。
和歌山県生まれの太郎は、冬ごもりをしません。
クヌギ、アベマキのドングリを食べます。
大好きな食べ物は、殻つきピーナツとクルミです。
花子は、最後の食い込みでしょうか、12月末というのに、まだドングリを食べ続けています。どうも、今年の秋に与えたドングリの量が足りなかったようです。
アカシアの丸太の周りの殻は、花子が食べたドングリの殻です。
花子はクヌギやアベマキはもちろん、マテバシイ、シリブカガシ、アラカシなど、常緑のドングリでも喜んで食べます。
クリスマスリースの横で、洋ナシをほおばる花子
長野生まれの花子は、そろそろ冬ごもりに入ると思われます。
しかし、冬ごもり中でも、お世話隊が行くと起きて来て餌を食べますから、完全な冬ごもりではありませんね。
神奈川県から餌を送り続けて下さっている方がおられます。
飼育者である山田さん一家、和歌山県・南大阪地区・京都府・兵庫県のお世話してくださった会員の皆さん、今年も2頭のお世話を、ほんとうにありがとうございました。
とよ(大阪府高代寺)
とよの獣舎にも、アカシアの丸太が運ばれてきました。
クリスマスのきれいな手作りリースも飾られました。
副住職さんの話では、とよはクリスマスごろからほとんど運動場に出てこなくなったということです。
冬籠りが近いようです。とよは、春まで寝ます。
去年までは常同行動をしていたので体が熱かったのか、真冬でも何度もプールに入っていました。
しかし、もう常同行動をしなくなったからか、今年の冬はプールに入りません。プールの水がとてもきれいです。
水飲み場の水は、凍っています。とよは、プールの水を時々飲んでいるそうです。
12月28日、お世話に行くと、とよは寝室に籠ったままで出てきませんでした。
寝室の小さな穴からのぞくと、寝ています。
名前を呼ぶと、頭を少し上げてこちらを見ました。
目と目が合いましたが、またすぐに寝てしまいました。
とよが一瞬、頭をあげてこちらを見た・・・
何と、寝室の引き出し型餌箱が糞尿でいっぱいになっていました。
もう、水や食べ物はいらない。運動場に出るのはおっくう。餌箱をトイレにしてしまおうと思ったのでしょうか。
ステンレスの餌箱なのですが・・・とよ、考えたね。
寝室の中は、眠りやすいように、藁が整えられて,真ん中に大きな穴が開けられていました。
寝床はとてもきれいで、糞尿は一切ありません。
この日は、最低気温マイナス0度、最高気温8℃でした。
寝室の扉を静かに閉めて、獣舎をみんなでお掃除しました。
掃除後、寝室の戸をあけてやると、とよはゆっくりと出てきました。
そして、大きなあくびをしたのです。
その長い舌に、みんなびっくり。
アリやハチを食べるためだよ
お世話隊のみなさんをはじめ、多くのみなさんのおかげで、今年も、3頭のクマたちは元気に暮らしました。
大きな愛情でクマたちを包んでくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。
生き物たちの幸せを思い生き物たちを大事にする方は、ご自身の人生もきっと幸多いものになるはずです。
とよの獣舎にも、手作りのお正月飾りがかけられました。
毎日とよを見て下さっている住職さん、副住職さんには、感謝でいっぱいです。
12月31日、高代寺では除夜の鐘をつきます。
夜 11:30ぐらいに、くまもりも除夜の鐘をつかせてもらいに行こうと思っています。
お時間のある方は来られませんか。
LED等の普及で余る電力 今年のピーク時使用電力2010年比で15%減 原発は不良資源化していく
- 2017-12-29 (金)
- くまもりNEWS
以下、東京新聞12月25日記事より抜粋
<経済産業省の認可法人「電力広域的運営推進機関」の報告書より>
今年の夏の電力需要のピークは8月24日午後2時~3時で、1億5554万キロワットだった。
この使用量は、原発事故後最少。
LED等の普及や家庭や企業による節電効果の結果であり、電力需要の減少分は原発26基分に相当する。
公益財団法人「自然エネルギー財団」の大林ミカ事務局長談
「電子機器などのエネルギー効率化が進み、電力需要は今後も増えないだろう。
日本では人口が減っており、オール電化住宅やEV(電気自動車)の普及が進んでも、一方的に需要が増えることはない。
世界的にも、太陽光や風力の発電コストが下がり、原子力や化石燃料による発電所が不良資源化していく潮流にある」
熊森から
電気使用量の17%削減に成功したある会社の場合、最も削減に貢献したのは、全施設の照明を白熱灯より消費電力が85%少ない発光ダイオード(LED)照明に変えたこととのこと。
原発不要は当然ですが、といって、尾根筋に林立する風車や、山の斜面をべったり覆う太陽光発電による森林破壊にも頭を痛めている熊森です。
LEDという技術革新や節電が、電力需要の減少にそこまで大きな効果を上げていたことを知って、少しですがほっとしました。
人口減も大切です。