くまもりHOMEへ

くまもりNews

林野庁作成「森林経営管理法案」、5月25日参議院を通過し成立

(熊森解説)

今回の法案は、表向きは「林業の成長産業化」と「森林資源の適切な管理」のためとなっている。

 

しかし、林野庁の本心は、昨今の豪雨による放置人工林の山崩れの頻発化を見るにつけ、戦後の拡大造林政策の失敗を思い知らされ(林野庁は絶対に政策の失敗を認めようとしないが)何とか崩れやすい放置人工林を一気に消し去りたいという焦りではないだろうか。

 

林野庁の発表によると、戦後造林された民有林の人工林のうち、1/3は、管理できており、2/3は、放置されて大荒廃しているということである。これまでも、人工林の7割が放置され大荒廃していると林野庁が発表してきたことと整合性がとれる数字ではあるが、ゆゆしき実態と言わざるを得ない。拡大造林政策により、日本の広大な山林が大荒廃したのである。

 

この放置人工林の半分、つまり全人工林の1/3は、伐期が来ており伐り出し可能な場所にもあるので、森林環境税を使って林業会社や森林組合に間伐ではなく皆伐(主伐)してもらうことにしたのだそうだ。しかし、一気に各地で主伐をし始めれば、国会の議論でも問題視されていたが、材の価格低下や今後の人工林の林齢の偏りなど、弊害が出るのは明らかである。間伐も導入しながら、少しずつずらして主伐をしていくべきであろう。

 

問題は、放置人工林を皆伐した跡をどうするかである。また以前と同じように1ヘクタール3000本のスギ・ヒノキ・カラマツの密植針葉樹単相林を指導するなら、50年後再び同じ状況に陥らざるを得ない。

 

どのような林業をめざして再造林するつもりなのか、林野庁に電話で問い合わせたところ、市町村に任せるということであった。

 

崩れにくい林業地、環境に配慮した林業地、保育に人手がかかりすぎない林業地とするためには、1ヘクタール当たりの苗木数を減らし、針広混交林にするなどの新手法が必要であると熊森は考える。

 

また、これから人口は確実に減っていくし、3軒に1軒は空き家という時代が来る。林業が建材目的でなくてもいい訳で、パルプ用、バイオマス発電用など、海外からの木材を輸入しなくていいように、多様な林業を展開していくべき。このあたりが今回の法案でどうなるのか、さっぱり見えない。

 

さて、放置人工林の残り半分、つまり全人工林の1/3は、林業経営に適さない森林として、「林野庁法案概要」によると、自然に近い森林(複層林化等)に誘導するとある。

 

今回、奥地であったり急斜面であったりして、林業に向かない場所まで人工林にしてしまったことを、林野庁が自ら認めたわけで、熊森としては、この点を大きく評価したい。

 

林野庁に電話をして、具体的にどのような方法で自然に近い森林に誘導するのか訊ねたところ、間伐するということだった。これではだめだ。

 

地域によって違うが、例えば兵庫県で実験した結果、均等に間伐する定性間伐ではスギ・ヒノキ人工林は自然林に戻らない。広葉樹の芽生えや苗は、やがて樹齢の高いスギ・ヒノキの成長に負けてしまうため、高齢人工林が誕生するだけである。自然林化には、皆伐、列状間伐、群状間伐などが必要であることを伝えたが、これも市町村に任せるという答えだった。

 

熊森は、生物多様性保全機能の低下や水源涵養機能の低下、災害多発等を見るにつけ、奥山全域、尾根筋、急斜面、山の上1/3、沢筋の5か所を、花が咲き実がなり生き物たちが暮らせる広葉樹を主体とした自然の森にもどすべきだとかねてより訴えてきた。

今回の森林環境税の使い方によっては、一気にそのチャンスが到来することも考えられる。

複層林化という言葉からは、針葉樹だけの複層林化がイメージされる。そうではなく、自然の広葉樹林に誘導する、天然林に誘導するなど、イメージをはっきりさせて、今後、市町村に伝えるべきである。

 

熊森はこの機会に、署名を展開するなどして、森林環境税を使って林業に向かない山、林業に使ってはならない山を、自然林・天然林に戻そうという声を国中に広げていきたい。

 

今後の日本の林政は、国が東京から一律指導するのではなく、江戸時代のように諸国に任せる方向だということだ。これはいい方向だと思う。

国有林の放置人工林も、一刻も早く同様に処理していってほしいと願う。(完)

 

 

<参議院HPに掲載されている森林経営管理法案要旨>

 

徳島県天神丸風力発電の白紙撤回を その4   5月24日徳島県知事が建設回避を求める意見書提出

・徳島県知事意見書

・徳島県環境影響環境影評価審査会の答申

 

徳島新聞 5月25日 より

オリックス風力発電計画 徳島県知事 回避を求める意見書提出

徳島県の飯泉嘉門知事は24日、オリックスグループ(東京)が美馬、神山、那賀3市町の境付近に計画している風力発電事業の計画段階環境配慮書に対する意見書をオリックスに提出した。想定区域周辺の希少動植物や景観などへの影響に懸念を示し、重大な影響を回避できない場合には事業中止や抜本的な計画の見直しを行うよう求めた。

意見書では、配慮書に生態系などへの影響について科学的根拠が示されていない点を指摘し、追加書類を速やかに提出することも促している。また、希少動植物、景観に与える影響や土砂災害リスクの増大、登山者への影響といった課題ごとに専門家の助言を踏まえた適切な調査と影響の回避、低減を求めている。

知事意見は、河川生態学や景観工学などの有識者でつくる県環境影響評価審査会がオリックスの計画段階環境配慮書に対してまとめた答申をほぼ踏襲する内容となった。答申では、配慮書手続きのやり直しを検討するよう求められたが、環境影響評価法に規定がないことを理由に削除した。

計画段階環境配慮書は計画の立案段階での事業概要や環境への影響を記したもので、配慮書の作成は法に基づく環境アセスメント手続きの一環。県は同日、許認可権がある経済産業省のほか、環境省にも意見書を送付した。

オリックスは知事や経産相、住民の意見を踏まえ、アセスメントの実施計画に当たる方法書の作成手続きに入ることになるが、同社広報部は「知事や住民、経産相の意見を踏まえた上で、方法書段階に進むかどうか検討したい」としている。

計画では、3市町の境にある天神丸と高城山の2990ヘクタールに最大42基、総出力14万4900キロワットの風力発電施設を設ける。2023年10月に着工し、26年秋の営業運転開始を目指している。

県要望ハードル高く、事業の行方は不透明に

オリックスグループが計画する風力発電事業の計画段階環境配慮書に対し、飯泉嘉門知事が出した意見書は、現地の自然環境への重大な影響などを回避できない際の事業中止や抜本的な見直しを迫る厳しい内容となった。

具体的には▽動物の移動経路の分断やえさ場の減少▽渡り鳥の経路阻害や衝突事故▽登山など人と自然とのふれあい活動への影響▽土砂災害リスクの増大-といった懸案を列挙。それぞれに改善を求めている。

県は「脱炭素」を目標に掲げ、再生可能エネルギーの普及拡大を目指している。その県が今回の風力発電所の建設に対し、こうした強い姿勢を示すのは、見過ごせないほど、環境への影響が大きいと判断したためだ。

計画段階での「配慮書」の手続きは、環境保全について早くから検討を始めるとともに、国や県、地元住民らの意見を聞く機会を増やすため2011年の環境影響評価法改正で盛り込まれた。

オリックスは今後事業を進める場合、アセスメントの実施計画に当たる方法書の作成手続きに入るが、県が課したハードルは高く、同社は事業が環境に与える影響をいま一度見つめ直さざるを得ない。今後の事業の行方は不透明になったといえる。

 

(熊森から)

徳島県飯泉嘉門知事、徳島県環境影響評価審査会の委員、反対の声を上げてくださったいくつもの自然保護団体や県民のみなさま、本当にありがとうございます。いくら何でも、徳島の最高の自然が残されている場所に42基の巨大風車建設はひどすぎましたね。まだ気を緩められませんが、とりあえずほっとしました。

 

それにしても、さすが、徳島県の県土を守ろうと、細川内ダムや吉野川第十堰可動化を白紙撤回させた徳島県のみなさん。みなさんは、声を上げる力をお持ちで、素晴らしいと思いました。敬服します。日本も捨てたもんじゃない。まだまだ破滅型開発を止める力は残っていたと思うと元気をもらいました。

 

オリックス社の今後の動きに注目していきたいと思います。山の尾根筋に風車を建てる時代は、環境への取り返しのつかない負荷や効率の悪さを思うと、もう過去のものとなった感がします。

外来種アライグマを駆除しないヨーロッパの合理的精神を見習うべし

NPO法人環境研究所豊明が発行している機関誌「はちどり」VOL46(2018年4月発行)が、ヨーロッパにおける外来種問題を特集しています。

 

それによると、ヨーロッパでも外来種アライグマが急速に増えているそうです。

根絶がほぼ不可能であることもあって、WWFをはじめとする環境保護団体も各国政府も緊急に駆除が必要とは考えておらず、ドイツ最大の自然保護団体NABUも平和的共存の立場です。すでに帰化動物とされており、ふつうの狩猟対象動物です。

 

(熊森から)

日本でアライグマの野生化が正式に確認されたのは1977年だそうです。

40年を経過し、すでに広範な国土で繁殖してしまっているアライグマの根絶など不可能です。

 

<アライグマの分布図:国立環境研究所資料より>

アライグマは多産のため、殺しても殺しても餌がある限りすぐ元の数に戻ります。

 

未だに国民の税金で大量の根絶殺害を続けている日本は、無用の殺生をしているにすぎません。

民家の屋根裏に入られないように屋根に通じる穴をふさぐなど、税金は被害防止に使われるべきなのです。

その方がずっと合理的であり、効果的です。

アライグマは、もはや自然生態系に組み込まれて落ち着くのを待つしかありません。

 

アライグマを見つけて助けようとし、殺すしかないと言われて胸がつぶれる思いをしている人がたくさんいます。

環境省が2004年に作った「特定外来生物法」というバカげた法律のせいです。

この法律で喜んでいるのは、お金をもらい続けることができる駆除業者だけです。

無用の殺生をやめるよう、みんなで声を挙げましょう。

行政のみなさんも意地を張るのはやめて、間違ったと気付いた時点ですぐに取りやめる勇気を持っていただきたいです。

 

 

元外来動物だった多くの動物が、今や日本の生態系に取り組まれて落ち着いています。

ネコ、スズメ、モンシロチョウ、アメリカザリガニ、ドバト、ハツカネズミ、ウシガエル、ドジョウ・・・帰化動物でいっぱい、書ききれません。

 

自然生態系を守りたいくまもりが環境省にやっていただきたいことは、外来動物の輸入を止めることです。

当初から、ずっと主張し続けてきました。

 

福島市が人道的判断、捕獲された2歳グマを迷い込んだだけと判断して奥山放獣

くまもり東京都支部メーリングリストに、以下の情報が掲載されていました。

 

以下は、2018年5月26日の河北新報オンラインニュース記事です。

 

どうするおりのくまさん 福島県「殺処分検討」も福島市が眠らせ山へ

福島市飯坂町で今月中旬に捕獲され、山に放された子グマ1頭について、殺処分が適当と、福島県が考えていたことが25日、分かった。市は「親とはぐれただけ」と別の判断を下していた。
同日の県議会向けの説明会で、自然保護課の担当者が「県としては殺すということで検討していた」と話した。専門家と現地を見た結果として「かなり人慣れしており、(放しても)住宅地に出てくる可能性がある」と考えたという。
市によると、体長1メートル、体重35キロの雄のツキノワグマ。飯坂温泉周辺で相次ぎ目撃されたクマとみられる。11日に捕獲され、市は麻酔で眠らせて12日に山に放した。
市農業振興室は「2歳の子どもで、親とはぐれて迷い込んだだけ。山奥で放しており、戻ってくる可能性はない」と説明する。
県自然保護課の担当者は「捕獲は市の業務。聞かれれば助言するつもりだった。市は過去の事例を踏まえて適切に対応したと思う」と話した。

 

(熊森から)

東京都会員が、月曜日になったら福島市担当者にお礼を言うそうです。

久々に心温まるニュースですね。

くまもり本部2018年6月度 自然保護ボランティア募集(初参加、非会員も歓迎)

熊森協会本部では、各分野のボランティアを募集しています。

会員・非会員に関わらず、多くの方々にご参加していただきたいです。

学生さんや若い方も、みなさん誘い合ってご参加ください。

ご参加いただける方は、活動日の3日前までに電話、FAX、メールにて熊森協会本部事務局までご連絡ください。

本部電話番号 0798-22-4190

本部FAX番号 0798-22-4196

メール contact@kumamori.org

 

2018年6月の活動予定

 

<いきものの森活動>

毎月第3火曜日、他

6月2日(土)植樹地の草刈り(宍粟市波賀町原 リンゴ園裏山)

6月19日(火)植樹地の草刈り(宍粟市波賀町原 リンゴ園裏山)

午前8:00に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください

  • いきものの森活動は人工林の間伐や実のなる木の植樹、クマの潜み場の草刈りや柿もぎなど、兵庫県北部を中心に実施しているフィールド活動です。参加者のペースに合わせて活動を進めていきますので、どなたでもご参加いただけます。

現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。

雨などで中止になることもあります。

昨年の草刈り風景

 

<環境教育例会(於:本部事務所)>

6月4日(月) 毎月第1月曜日

  • 小学校や保育施設などで、森や動物の大切さを伝える環境教育を実施しています。環境教育例会では、授業に向けての練習や打ち合わせ、プログラムの作製を行います。絵本の読み聞かせや紙芝居にご興味のある方、子どもがお好きな方、ぜひご参加ください。

保育園児への環境教育

 

<とよ君ファンクラブ(大阪府豊能町高代寺)>

6月5日、12日、18日、26日

(第1,2,4週は火曜日、第3週のみ月曜日)

  • 大阪府豊能町で保護飼育しているツキノワグマのとよ君のお世話です。

現地までの交通手段は本部にご相談ください。

ひさしの上の餌を取りに行くとよ

 

<太郎と花子のファンクラブ(和歌山県生石町)>

6月24日(日)(毎月第4日曜)

参加費:1000円(交通費)

  • 和歌山県生石高原で保護飼育しているツキノワグマの太郎と花子のお世話です。

    いわしの一夜干しをもらってご機嫌の太郎

環境教育以外は兵庫県ボランティア保険(4/1~3/31の年間500円)への加入が必要です。

自車参加も可能です。

たくさんの方のご応募をお待ちしております。よろしくお願いします。

熊森から見た「森林経営管理法案」3月6日閣議決定、4月19日衆院通過、現在参議院で審議中

林野庁が出してきた重大な法案が、今国会で審議されています。

残念ながら、現在の状況ではこの法案に関心を持っている国民は、林業者以外にはほとんどいないと思います。

森林経営管理というのは、林業のことだと思ってしまうからです。

 

実は、この法案は、この国の水源の森、生物の多様性、国土のグランドデザインを大きく変える、重大な法案です。

しかし、99%の国民は、そんな法案が国会で審議されていることすら知らないのではないでしょうか。

マスコミが大きく取り上げないからです。

一般国民は、マスコミが騒いでくれないと気づきませんから、マスコミのみなさんは使命感を持って、国民に今どの問題を大きく伝えるべきか、判断していただきたいです。

 

林野庁の「森林経営管理法案」の趣旨は、まとめると以下のようになります。

林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るために、

①山主に、経営管理の責務を持ってもらう。

②経営管理ができない山主の山は、市町村が経営管理を行うか、意欲のある林業経営者に委託する。

 

 

「森林経営管理法案」は、2019年度から実施されることになっている国民一人1000円徴収、年間620億円の森林環境税の前提となる法案で、「戦後林政の大転換」と呼べるものです。

戦後の拡大造林政策で造りすぎた人工林の材が売れずに延々と放置されて内部が大崩壊、水源涵養機能、生物多様性機能、土砂災害防止機能など、森林の持つあらゆる機能が低下し、もうどうしようもないところまで行って行き詰まってしまっている現状を大転換しようという訳です。

 

AERAは、「データ捏造」疑惑が浮上した森林環境税関連法という見出しで、「森林経営管理法案」を論評しています。

 

こんな大事な問題に取り組もうという時に、「データ捏造」疑惑など、あってはならぬことです。

どういうことかと調べてみたら、林野庁がこの法案を説明するために作成した資料「林業の現状」に、森林所有者へのアンケートの結果、「8割の森林経営者が経営意欲がない」とわかったと書かれてあったそうです。そもそもアンケートには、「経営への意欲」を聞いた質問は存在していなかったのだそうです。さらに、「意欲の低い森林所有者のうち7割は主伐の意向すらない」と断じられていたのだそうです。

森林所有者などから猛烈な反発が出て、林野庁は「誤解を受けた」として、4月19日、資料の文言を修正したそうです。責任転嫁はよくありません。

 

熊森としては、林野庁がどうして今や誰の目にも明らかな戦後の拡大造林政策の失敗を認めようとしないのか、残念でなりません。

人間は神様ではないのですから、良かれと思ってしたことが失敗することもあります。

林野庁が素直に失敗しましたと認めたら、ほとんどの国民は拍手すると思います。

森林所有者が、主伐して材を売ろうとしないのは、彼らに意欲がないからではなく、材を出せないような奥地や道も造れないような急斜面に国の指導でスギやヒノキを植えてしまっていたり、材は出せるけれど人件費や運搬費がかかってかえって赤字になってしまうなど、伐採できない理由があるからです。

そんなことは、ほとんどの国民が知っていることです。

 

拡大造林政策を考え出した林野庁も、それに乗った山林所有者も、そんな政策が人目のつかない奥地で展開されていたことに気づきもしなかったわたしたち多くの国民も、みんなここで反省して、未来のために出直しましょう。

 

戦後の森林政策の一番の失敗は、山を全て林業という人間の経済活動にだけ使おうとしたことです。

生きられなくなった森の動物たちは泣いています。

花粉症の人達も苦しんでいます。

渓流釣りの人達も渓流魚が激減して怒っています。

「森林・林業再生プラン」の失敗は、日本と条件の違う国のモデルを真似ようとしたことです。

山は地方によってみんな違うのに、東京で考えた一つのモデルを全国に強要したことです。

 

山にはさまざまな機能があるのに、それを忘れて、スギやヒノキの林ばかりにしてしまったら、弊害が出るのは当然です。現在放置されている広大な人工林は、手を入れても仕方がないから放置されているのです。

 

熊森は、これらは原則として伐採して森林環境税で自然林にもどしてしまうべきだと考えます。近い将来3軒に1軒が空き家になると言われています。建材としてのスギ・ヒノキの爆発的な需要は見込めないでしょう。

自然林を再生することにより、涸れた川がよみがえり、土砂災害が減り、農家の獣害が軽減される、このような朗報を期待します。

 

さまざまなな立場の人たちが、「森林経営管理法案」

「林野庁法案概要」に、意見を述べています。

 

・自伐型林業推進協会

4月24日 問題法案が衆議院通過 「自伐」重視と環境破壊の矛盾

・日本農業新聞 5月11  日「乱伐の恐れ、山守る林家の声を 主伐推奨荒廃進む」

・日本農業新聞 5月16日現場の不安拭う審議を

 

クマ、サル、シカ、イノシシなどの大型野生動物の住む森をこの国に保全するという熊森の理念からこの法案をチェックしてみましたが、国から森林環境税を得た市町村が、民間から預かった人工林をどのように経営管理しようとしているのか具体的なことが書かれていないため、今の段階では評価のしようがないです。

 

林業は大事な産業ですから、林業が林業として成り立つしくみを林業家に作ってあげてほしいというのは、熊森もずっと願ってきたことです。

 

今後熊森は、奥山など林業に向かない場所は自然林に再生していくよう、市町村担当者や市町村議会議員のみなさんに全力を挙げて訴え続けて行きます。

 

p.s この法案によって、江戸時代の藩ごとの責任ある森林保全制度が再現される方向に進んでくれればいいなと思います。

現在、山林の境界が不明となっている場所が多くあります。その点をどうするのか林野庁に問い合わせてみましたら、現段階ではその対策はまだ考えていないということでした。

 

 

 

 

 

 

6月10日(日) くまもり親子自然農(田植え)開催!参加者募集中!

今年もくまもり親子自然農を開催します。これまでは豊岡市や朝来で自然農をさせてもらっていましたが、今年は三田市の会員さんのお宅で実施させていただきます。

今年は下記の日程で全4回実施しますが、6月10日は「田植えと自然あそび」です。。

都市の子供たちに自然や生きものの大切さを学んでもらうためにも是非ご参加ください。

大人だけのご参加も大歓迎です!

 

【日時】

6月10日(日)田植えと自然あそび

6月24日(日)草刈りと生きもの調査

10月28日(日)稲刈りと自然あそび

11月25日(日)自然に感謝!収穫祭

 

【ところ】

兵庫県三田市小柿

【参加費】

1回につき一人1000円(昼食付き)

(くまもり会員は800円)

★全4回全て参加で、1回分が無料になります。

 

【時間】

10:00~16:00(9:30~受付)

 

【持ち物】

飲み物、雨具、帽子、タオル、長靴、着替え、マイ食器

親子くまもり自然農チラシ

 

5月15日 本部生き森活動 クマ生息地に広葉樹を植樹するためのシカ除け柵作り

今回は、近々広葉樹の苗木を植樹する場所に、パッチディフェンスと呼ばれるシカ除け柵を張りました。

 

この山に多くのシカがいるとは思えないのですが、シカ除け柵を張らない限り、苗木はすぐに食べられてなくなってしまいます。

 

木の杭や網を運ぶ

 

クワを使って道の整備もしておきました。重労働です。

せまい道を歩きやすく平らにする

 

3人で力を合わせ、パッチディフェンスを完成させました。

春になだれ落ちる雪で柵が壊されないように、今回は平らな場所に植樹地を設定しました。

使用した網は、シカが角をひっかけて動けなくなるのを防ぐため、網の目の小さいものを使用しています。

完成したパッチディフェンス

 

とても暑い日でしたが、3人でがんばりました。

ボランティアさん

 

周りの山々には、木々が大きな白い花を咲かせており、とてもきれいでした!

その花とは、下の2つです。

トチノキの花

 

ホオノキの花

 

植樹に来てくださる皆さん、がんばってください。

5月17日 春の里山で園児に環境教育

神戸市東灘区の保久良山のふもとに、自然学習に力を入れておられる保育園があります。

園では今年から体力作りも兼ねて、週1くらいのペースで、園児たちを保久良山に連れて行かれているそうです。

 

園児たちは、

「あの木の芽はどうなっただろう?」

「今度はどんな生きものがいるかな?」

と、次の保久良山登山をワクワクしながら、待っているとのこと。

 

四季の移ろいを、カレンダーではなく、自然の中で園児に感じさせる。本当に素晴らしい取り組みだと思います。

 

くまもり環境教育部は昨年の秋に続いて、今回も3~5歳児さん約40名といっしょに保久良山に登り、野外で環境教育をさせていただきました。

 

 

「ネイチャービンゴ」にチャレンジ!

園児たちには、「ちいさないきもの」「ふしぎなにおい」「とげとげしたもの」など9つの自然探しに挑戦してもらいました。

今までと違う角度で自然を見てもらったり、生きものたちの息遣いを感じてもらったりしました。

キノコかな?木と一緒に暮らしているね。

 

虫こぶに興味津々。葉っぱに守ってもらっているんだね。

 

何かいる・・・!!

↓↓↓↓

 

小さなナナフシでした。

 

落ち葉のかたまりがあったよ!いつか、栄養たっぷりの土になることでしょう

 

この日は蒸し暑いお天気で、最後はみんなへとへとになりましたが、子どもたちは、とても素敵な笑顔で帰園していました。

この日の体験は、子どもたちの心にずっと残ることでしょう。

 

将来、子どもたちがどんな仕事についても、自然への思いやりを持って、より良い社会を作ってほしい。くまもり環境教育部は、そんな願いを持ってこれからもがんばります。

 

先生方、関係者の皆さま、ボランティアの皆さま、大変お世話になりました!(SY)

徳島県天神丸風力発電の白紙撤回を その3 経産省新エネルギー課に電話

本日、経産省新エネルギー課に電話をしました。

 

くまもり:今、国から風力発電に補助金が出ないのですか。

 

経産省:今年から、ゼロとなりました。

 

くまもり:風力発電に新規参入しようという企業はなくなるのじゃないですか。

 

経産省:落ち着いてくるでしょうね。一応、表向きは今年からゼロなんですが、駆け込み参入という手があって、やり方によっては当分補助金を得られる道も残っています。しかし、早くしないとだめですね。売電価格に関してもしかりです。

 

くまもり:風力発電による売電価格は確か、1キロワット時55円でしたよね。

 

経産省:今年から18円+税となりました。まあ18円程度と思ってください。洋上風力発電の場合は、36円+税です。

 

くまもり:国は現在、陸上での風力発電を推進しない方針に切り替えたということですかね。

 

経産省:洋上は、尾根筋より安定した風力が得られるので、今後は洋上にシフトしていくでしょうね。

 

くまもり:映画「自然と再生」を見られましたか。

 

経産省:はい。

 

くまもり:風力発電で得られた電気は、電圧が絶えず変わるので、精密機械などには使えないんですよね。

 

経産省:まあ、そうですね。それなりに技術革新はしているのでしょうが。

 

くまもり:映画によると、ドイツでは、無数の風車で作った電気を国中に張り巡らせている送電線に流し込んで、電圧を一定にするという技術革新を達成しており、、風力発電で作った電気を実際に使える電気にしたんですよね。でも日本では、送電線の所有者がばらばらで、そういうことはできませんから、ドイツのように風力発電でできた電気を無数に送電線に流し込んで電圧を一定にすることなんてできませんよね。

 

経産省:無理ですね。

 

くまもり:以前、大きな風力発電会社の責任者の話をじっくり聞いたことがあります。その方が、「風力発電なんて単なるおもちゃですよ。作った電気はみんな捨てます。こんなにも電圧不安定な電気を流したら、コンピューターとか壊れますよ。風車は構造上すぐに故障して止まります。善意の方が、風車が止まっていると知らせてくださるのですが、動いていても止まっていても、わたしたちはどうでもいいのです。風力発電を建設することで国からの多額の補助金がでる。それで儲けたいだけです。それだけでいいのです。私たちは企業ですから」と言われたので、わたしたちはあきれて開いた口がふさがりませんでした。正直な方なんでしょうが。

 

経産省:うーん。

 

くまもり:天神丸風力発電計画は、剣山の尾根筋にわずかに残された最後のブナ・ミズナラの自然林を破壊してしまうもので、陸上風力発電の中でも最悪のパターンなんです。絶滅寸前にまで数を減らしている四国のツキノワグマを一気に絶滅させることになります。国として、そのような場所に風力発電を造るなと指導してもらいたのですが。

 

経産省:うちとしては、都道府県から上がってきたものを見て、地元が認めていたら認可するだけです。

 

くまもり:じゃあ、天神丸風力発電を止めるには、徳島県がノーと言ってくれないだめですね。

 

経産省:まあね。

 

<熊森から>

やはり、知事さんがカギを握っているようです。

フィード

Return to page top