くまもりNews
青森県宮下知事、まだ白紙撤回しない八甲田風発事業者(ユーラス)の良識を疑うと発言
- 2023-08-26 (土)
- くまもりNEWS
事業者のユーラスエナジーホールディングスは、青森市や十和田市など6市町にかかる八甲田周辺で最大71基の風車を設置する風力発電事業を計画しています。(当初は2030年から150基の風車を作動させる計画でしたが、反対の声に押されて現在、約半分に計画を縮小)
8月23日、八甲田周辺などの山間部で計画されている「(仮称)みちのく風力発電事業」を巡り、事業区域に含まれる青森市の西秀記市長ら6市町の代表者が、宮下宗一郎知事に事業の白紙撤回に向けて協力を求める要望書を提出しました。
以下、青森テレビ
宮下知事は「(関係自治体の)皆さんと歩調を一つにしていく」と述べ、青森県としても事業の白紙撤回を求めていく姿勢を明確にし、事業者に文書で白紙撤回を求める考えを示した上で、9月中に再生可能エネルギーと自然環境の共生に関する方策を公表するとしています。
・
宮下宗一郎知事 「もともと事業者が「自治体の理解なくして進めない」という話がありましたので、関係自治体(全て)が反対してもなお(計画を)進めると言っている事業者の対応については大変驚いているし良識を疑う」
比叡山でも登山道を外れる時はクマ除け鈴などが必要
京都府と滋賀県の境に位置する比叡山の人工林率は74%で、スギ、ヒノキ、モミなどが多く、恒常的にクマが棲める環境ではないと思われます。しかし、ときたま、クマが目撃されることがあり、一時的に滞在することはあるようです。
8月11日、比叡山(京都府側)の登山コース付近で、京都一周トレイルランニング中の女性がクマと遭遇してひっかき傷を負いました。
さっそく熊森本部は事故の原因を探るため現地へ。
叡山電車で八瀬比叡山口駅へ向かい、そこから叡山ケーブルで500m以上の標高差を上がり、そこから修学院方面へ下っていきます。整備された登山道が山の中を続いており、登山というよりハイキングを楽しめそうな道でした。
叡山ケーブル八瀬駅
登山道を外れて歩いたためにクマと遭遇か
有名な場所だけあって登山客はかなり多かったです。
今回の事故は登山道ではなく脇道で起きてしまったようです。
クマはとても賢くて慎重な動物であるため、人間と遭遇するのを回避して、登山道を避けて移動していたと考えられます。
しかし、登山道を外れて脇道へ逸れてしまうと、人間は来ないだろうと安心していたクマと突然鉢合わすることが考えられます。
びっくりしたクマが人をひっかいて逃げようとして、人身事故が発生した可能性があります。
青線が登山ルート
事故は赤線で示した脇道で発生した可能性が高い
事故後、いたるところに行政が設置していた熊出没注意表示
この写真の右側が登山道。それを外れて左へ行くと・・・
狭い尾根が続き、木々で視界が悪くなってきます
比叡山にはクリ、コナラ、クヌギなどが生育している場所もあり、シカやヘビ、トカゲといった生き物を観察できました。
熊森から
クマと遭遇しないために
クマと急に遭遇してしまうことを回避するためには、クマ鈴、ラジカセ、大声、手をたたくなど、人間が近くにいることを早い段階でクマに知らせる必要があります。正規ルートから外れて歩くときは特に注意が必要です。今回の事故を受けて、ケーブルやロープウェイの駅に、パンフレットを置くといいなと思いました。
八甲田みちのく風力発電、青森6市町全首長の白紙撤回要請文提出、ユーラスの返答は計画見直し
以下、青森テレビ2023,8,16より
八甲田周辺などで建設が計画されている風力発電事業について、(地元となる)青森県内6市町が8月16日、事業者へ白紙撤回を求める意見書を提出しました。
ユーラス側は現在、当初計画より風車数を半減させて計画中
意見書を提出したのは八甲田周辺にある青森市や十和田市、七戸町など6市町です。16日は各自治体を代表して、青森市の西秀記市長が(東京の本社まで出かけ)、ユーラスエナジーホールディングスの諏訪部哲也社長へ仮称・みちのく風力発電事業の白紙撤回を求めました。
全市町の総意は風発白紙撤回です
※青森市 西秀記 市長
「6つの市町の総意です。なにとぞ宜しくお願い致します」
ユーラスエナジーは3月から住民説明会を開き事業への理解を求めてきましたが、参加者からは八甲田からの水が流れ込む陸奥湾の生態系への影響が懸念されるとして事業の白紙撤回を求める声が相次いでいました。
民意は白紙撤回 2023年3月の説明会に押し寄せた市民
熊森青森県支部も反対発言
※説明会の参加者は
「事業ありきで進んでいることが信じられなくて、とにかくやめていただきたい」
「青い森・青い海が売りのポイントだと思います。漁業の問題にしても打撃を与えると思います。ぜひやめていただきたい」
こうしたなか、今年6月に宮下宗一郎知事と青森市の西秀記市長がともに仮称・みちのく風力発電事業の白紙撤回を公約に掲げ初当選しました。そして16日、西市長は関係市町村の総意として事業の見直しを求めました。
ユーラスエナジーは事業を実施する前提条件として、「地元首長の了承」が必要としています。
※ユーラスエナジーホールディングス 諏訪部哲也 社長
「内容をですね、一つ精査させていただき、それに必要な調査を今後させていただいて、その結果をもって、当社の計画を見直し、その後見直し計画について改めて説明していただくさせていただくと、そういった誠意を持った説明をさせていただきたい」
今後はこれまでに住民説明会であがった意見などをもとに風車の建設に伴う景観や水質への影響を調査していて、その結果を踏まえ事業計画の見直しをして公表したいとしています。
熊森から
「Protect hakkoda 八甲田の自然を後世に~」さんを筆頭に、青森市木村淳司市議など、青森のみなさん、よくぞここまで反対の声を大きくしてくださいました。
再エネ開発されそうになっていた青森県奥羽山脈の国有林に住むクマや猛禽類をはじめとする全生物を代弁して、熊森は心からお礼申しあげます。もう少しで彼らは生息地を失うところでした。
また、水源の森や川、青い海を守るため等々で、次世代のためにも粘り強く風発反対運動を展開されてきた青森のすべての皆さんに、大きな拍手をお送りしたいです。
みなさん、すごいです。
一方、これだけ地元住民が反対しても、再エネ事業者は事業をあきらめない。国民の再エネ賦課金に支えられたFIT制度が、いかにぼろ儲けできる制度であるかを示しています。
国は、良かれと思って作った制度でも、デメリットが大きいことがわかったら、見直すべきでしょう。
これだけ地元に迷惑をかけながら、ユーラス側は事業を縮小してでも、まだ実施しようとしています。
心底、地元住民や首長を馬鹿にしていると思いました。
全首長が申し入れたのは、白紙撤回要請なのです。
8月19日14時~ 長野県松本市でくまもりカフェ開催! 室谷悠子会長・務台俊介顧問
- 2023-08-13 (日)
- お知らせ(参加者募集) | 会長講演会 | 長野県
宮澤正義顧問96才、埼玉県で国会議員らに2時間半クマを語る
10頭のクマたちと20年間家族として暮らされた長野市在住の熊森顧問宮澤正義先生は、亡くなったクマたちを皆剥製にして、毛が日焼けしないよう、日光の当たらないところで大事に保管されてきました。そのため、どのはく製の毛も黒々としており、今でもまるで生きているようなクマたちです。
在庫がないため、図書館などでお読みください
しかし、高齢になり、これらの愛したクマたちのはく製を、バラバラではなく1か所でまとめて保管してくださる所にもらっていただきたいと熱望されるようになりました。しかし、なかなか譲渡先が見つかりませんでした。
日本に熊森協会が誕生できたのは、長野市に宮澤先生という世界でも類を見ない地のクマ研究者がおられたからで、この31年間、ずっと私たちを指導し続けてくださっています。そういう訳で、本部が引き取るべきなのですが、残念ながら、今、そのスペースがありません。
手を上げてくださったのは埼玉県支部で、私設の埼玉県熊森事務所が全頭引き取ってくださいました。クマの剥製ですが、 宮澤先生は剥製とは言いません。今も生きているかのように、「クマたちは元気か」といつも言われていました。
そしてついに、7/30(日) 、長野市から新潟県在住の娘さんに付き添われて埼玉県支部事務所にクマたちを見に来られることになりました。せっかくですから、埼玉県支部は熊森顧問の務台俊介衆議院議員ら何人かの議員の先生方をお招きし、宮澤先生のお話を聴いていただくことにしました。
当日はとても暑い日でした。大宮駅からの道中、早くクマたちに会いたいと、そわそわしておられました。移動中も、クマのことや昔の体験談をずっと話してくださいました。
事務所に着くと、「おー!」と歓声をあげ、一頭一頭の名前を呼び、愛おしそうに撫でて話しかけておられました。綺麗に大切に保管してくださっていると、喜んでいただけました。
務台俊介顧問(ご夫妻)他、県議や国会議員の秘書の方々がお越しくださいました。(土屋品子顧問の秘書、村井ひでき議員秘書、高橋まさお県議会議員ら)
まるで生きているようなクマたちのはく製でいっぱいの会場風景
宮澤先生は足腰がかなり弱ってきたとしきりに仰いますが、冒頭から立ったまま熱く語り始められました。昔の話から最近のクマの事情に触れ、昔と今の環境の変化や、クマを飼育されていた当時のエピソードを、昨日のことのように意気揚々と話されました。
宮澤先生はその昔、原生林に入り、たくさんのクマたちと遇ったが何もされなかったという話は、参加者に特に印象的だったようです。クマは本来、争いを好まない、とても平和的な動物なのです。
今は山が開発され、人がどんどん奥山のクマ生息地に入っていきました。そしてとうとう原生林までほとんど人間が占領してしまいました。一方、クマが人間に押し出されてちょっとでも人間の生活圏に入ると害獣として駆除されてしまいます。クマはいったいどこにいたらいいのか。クマは奥山と里で挟み打ちのような状態にあるという宮澤先生のお話には、90年間にわたってクマを取り巻く環境の変化を見てこられた者としての説得力がありました。
宮沢先生は、日本は、生物多様性の保全をもっと重要視しなければならないと強く訴えておられました。
先生がお若い時は、なぜかシシ垣はあったけれども、シカもイノシシも全くおらず、キツネやタヌキやウサギが多かったそうです。クマにトウモロコシを食べられた開拓農家もあったけれど、昔の農家はトウモロコシといっても家で食べるためだけの十数本ぐらいしか植えていなかったので、クマに全部食べられちゃったよというくらいで、クマ被害という意識はなかったということです。猟師は村に一人しかいなかったそうです。
クマは、とにかくネマガリダケが繁っている場所が大好きで、タケノコの時期でなくてもずっと笹やぶの中にいて、ササの新芽を食べたりもしていたということです。
毎年、当年生まれの子グマを連れて牧場近くのバッタがいっぱいの草原にやってくるなじみのメスグマがいて、去年産んだ子は育たなかったんだなとわかった。(クマは2年間子育てするので、その間は発情しない。毎年新たな子を産んでいるということは、前年産んだ子が死んだということ。クマは増え過ぎないようにできている)
宮澤先生のお話はどれもこれもクマという動物を理解するために、貴重です。若い研究者たちにもぜひ聞いておいていただきたいです。
クマを守りたい気持ちは同じ。3年前、自ら熊森顧問を名乗り出てくださった務台議員は熱心にメモをとり、いろいろ質問をされていました。以前に公務で海外事情を知り、日本にクマがいるのは素晴らしいことであると再認識した、クマに生息地を保証し、山に追い返すようにしていくべき等と話されていました。
左から、務台顧問、宮澤先生
宮澤先生は、この日、2時間半語られましたが、時間が短か過ぎた、まだまだ議員の先生方には伝えておきたいことがたくさんあると、次の機会を望まれていました。96歳でこのお元気さはすごいです。記憶も全く衰えておられません。
長野同士ですから、長野県で、また、前環境副大臣務台議員に続きを聞いていただける機会があるといいですね。
務台顧問は宮澤先生のお話を聞いてどう思われたでしょうか。ご感想をお聞きするのが楽しみです。
クマの見回りを続けている地元会員の要請で本部クマ担当が緊急出動するも、地元はクマに寛容
兵庫県のクマ生息地である新温泉町に住む本多会員は、80歳を超える高齢ですが、クマが殺されないか心配で、毎日車でクマパトロールをされています。早朝、川でクマが水浴びしているのを見た時など、うれしそうにクマのことを語られます。
本多会員は、以前、経営する梨園でクマが昼寝をしていたのに気づかず、入っていったことがあります。突然の人間の出現にびっくりしたクマは、本多さんの体の上に乗ってきて取っ組み合いになりました。その時、間近で見たクマの目の純粋さが忘れられないそうです。クマは明らかに人間を怖がっており、転がるようにして逃げていったということですが、本多さんはお怪我をされました。
以来、本多さんはクマを守りたい気持ちが強くなり、母グマが悲しんでいるからと住民に話してイノシシ用箱罠にかかっていた子グマを逃がしてやったこともあります。
7月31日朝、本多さんから、隣町で昼間にクマが出ている所がある。捕殺されるかもしれないという連絡があり、本部クマ担当の水見、羽田は、直ちに現地に緊急出動。本多会員と合流して、地域の方5名に聞き取りをしました。
目撃情報をまとめると、
・クマは、朝8時から10時くらいの間に、川下から川上に向かって川を移動しながら水浴びをしたりして移動していた。
・川すその茂みを伝って、川沿いのびっしり実がついているオニグルミの木を観察しながら歩いていた。
・国道の橋の下で川の水に浸かっていた。
・川の近くの畑で休憩しているのを私に目撃されると、クマは逃げていった、等々。
住民の方々は、クマは移動しているだけやし、とクマに寛容でした。
このクマは住宅地の中を白昼堂々練り歩いていたわけではなく、住宅地の外周を流れる河川を利用していただけのようでした。ここ数日、酷暑で人も大変ですが、クマも暑いので水量のある水場にきて水浴びをしていたのでしょう。このような例は全国各地であります。
今回のクマは、川沿いのオニグルミの実を食べる予定で下見も兼ねて出て来ていたのかもしれません。結果的に、捕殺される恐れはないと判断。本多さんも一安心。本部緊急出動を終えました。
地域住民の方や役場の方には、川の近くに行く場合はクマがいることが予測されるので、鈴や手をたたいて音を鳴らしてくださいとお伝えし、草刈りなどの環境整備が必要な場合は当会にご連絡くださいとお伝えしておきました。
橋の下で、朝、クマは川の水に浸かっていた
この川べりの茂みを伝って歩いていた
川沿いに生えているオニグルミの木をクマが観察していた
地域によっては、オニグルミの実が青くて柔らかいうちにクマが食べる
今年は山の実りが悪いと言われています。兵庫県でも新たなナラ枯れの場所があります。そのためか、クマが山から出てきて目撃される例が多くなっています。
クマ対策でお困りの場合は当会にご連絡ください。
当協会は、殺さない対応策を実施します。
地域でクマ対策講座(無料開催)もできます。
【お問い合わせ】
TEL 0798-22-4190 mail field@kumamori.org
日本熊森協会本部 野生動物担当 水見・羽田
P.S
現在日本の野生動物学研究は利権がいっぱいの西洋思考のワイルドライフ・マネジメント派に牛耳られており、兵庫県森林動物研究センターの所長をされたある高名な研究者も、「日本人は殺生を嫌うから駄目なんだ」と公言されています。
責任を取りたくないので、すべての行政は肩書のある研究者たちの野生鳥獣捕殺一辺倒対応に従っています。
しかし、熊森は、無用の殺生をしない、生きとし生けるもの全ての命を尊厳する祖先の文明こそが正しくて、豊かな水源の森を残して今日の日本文明の繁栄を築いたという認識です。
このため、熊森は現在日本で多くの研究者から異端児扱いされていますが、無意識ながらも祖先の影響を受けている一般庶民からは、受け入れられることが多いと自負しています。
ただ、今、みんなで声を上げないと、この素晴らしい生命尊厳思想が日本国から消えていく恐れがあります。熊森に賛同してくださる方は、とりあえず熊森にご入会いただき、賛同の意思だけでもお示しください。
7月8日札幌で母ヒグマを殺処分 炎上狙いのユーチューバーの餌付け責任を問う
- 2023-07-14 (金)
- くまもりNEWS
以下、UHB北海道文化放送より
札幌市環境局熊対策調整担当によると7月8日、親子とみられる4頭のクマの目撃が何度も報告されていた南区北ノ沢地区で、市が緑地帯に設置していた箱わなにクマ1頭が捕らえられ、駆除されました。
このタイプの箱罠で捕獲
8日午前10時20分頃、箱わなに備え付けられていた動体を検知する自動監視カメラが作動し、4頭の親子のクマの姿を撮影しました。
約25分後の午前10時45分頃、箱わなに1頭が捕獲されたのを市職員が確認。クマは午後1時20分過ぎに駆除されました。
駆除されたクマは体長が146.5センチメートル。体重97キログラムのメスで年齢は7-8歳と推定されます。市は5月上旬から南区北ノ沢地区の住宅街などに出没していた4頭の親子のうちの母グマの可能性が高いとしています。
駆除されたのはこの子連れの母グマと思われる 2023年7月1日21時41分無人撮影カメラ
市によると3頭の子グマは現場から姿を消しており、市職員とハンターが周辺を捜索しましたが行方は分からないということです。
市は箱わなの設置も含めて今後も継続して警戒、監視を続けるとしています。(以上、記事から)
熊森から
3頭の食べ盛りの子供たちを飢えさせないように、ヒグマのおかあさん、餌探しに一生懸命だったんだろうと思われます。
熊森が母グマ駆除のニュースを察知したのは7月8日土曜日です。
土日は行政がお休みで連絡がつかないため、こういう時いつもやきもきしながら月曜を待ちます。もちろん、行政担当者の皆さんは土日でも携帯電話で連絡を取り合い、すぐ動かれていますが、守衛さんに尋ねても携帯の番号を教えてもらえません。
さっそく7月9日(月)、札幌市担当課に電話してみました。
熊森:和歌山県の猟友会の方に、猟師間には「三つ熊獲るな」(=親子グマは、獲るな)という不文律があると聞きましたが、北海道にはそのような言葉はないのですか?
札幌市:聞いたことないです。
熊森:5月の初めごろから札幌市の住宅地の横で、若い男性のユーチューバーたちがピザなどでクマを山からおびき出しておもしろおかしくキャーキャー騒いで、ただいまクマがピザを食べていますなどと餌付け動画を撮影し、再生回数を上げているという情報が熊森本部に入っています。地理的に見て、今回捕殺された母グマは、このユーチューバーが餌付けしていた親子グマですか。(熊森注:クマの嗅覚のすごさは犬どころではありません。クマは1キロ離れたところからでもおいしい匂いを嗅ぎつけて飛んでくると言われています)
札幌市:そう思われます。
熊森:この母グマを駆除する前に、このユーチューバーに餌付けをやめること、動画を下げるようにと指導すべきではなかったのですか。
札幌市:指導したのですが。(熊森:現在も、この動画は「炎上!」などとタイトルをつけて公開中)
熊森:まず、彼らを取り締まるべきです。
札幌市:警察に相談しましたが、法律に違反していることでないから取り締まれないそうです。
ならば、熊森は、世論の力に訴えるしかないと思い、北海道新聞社の読者窓口に電話してこのユーチューバーのことを知らせたところ、担当者は知らなかったと絶句されていました。
しかし、もし、マスコミがこの問題を取り上げたら、みんながどんな動画か見てみようとして、ますます再生回数が増えます。彼らの思うつぼです。
ならば、かれらの周りの人たちが彼らの行為に気付いて、「他者の不幸の上に自分の幸福を築いてはならない。そういう生き方は必ず破綻する」と彼らのために諭してあげるしかないのか。
でも、ふつうは、自分たちのしたことでヒグマ一家が殺されることになったとわかったら、反省して動画を下げると思うのですが。
皆さんどう思われますか。
残された子ぐまも、そのうち罠に掛ると思います。
掛からなくても、母グマから冬ごもりの仕方を1回も教えてもらっていない子グマたちが生き残ることは難しいと思います。
と言って、今、熊森にはこのヒグマの子供たち3頭を捕獲して放獣したり保護飼育したりする力はありません。
日本人は人間の命と野生鳥獣の命は同じように貴いという、すばらしい自然観を持っていました。
だから水源の森が残り、今日の繁栄があるのです。
他生物の命は物で、人間さえよければいいという今の風潮は、自然破壊への道、人類滅亡への道です。
ヒグマに対する人間の対応はこれでいいのか。
胸を痛めておられる方も多いと思います。
カナダなどの海外がしているように、北海道には、まず、ヒグマの放獣体制が必要です。
全国の皆さんに呼び掛けたい。心の中で思っているだけではダメなんですよ。
日本がもっともっとまっとうな社会になるよう、みなさん、熊森がしているようにみんなで声を上げてください。
31年前、熊森運動を開始した時の尼崎市の中学生たちの合言葉は、「声を上げなきゃ誰にも分らん、行動しなくちゃ何にも変わらん」でした。
こんなクマ対応ではだめだと思う方は、まず、行政やマスコミに声を上げるところから始めてください。
黙って死んだら、生まれて来た甲斐がないと熊森は思うのです。
北海道のヒグマ問題の現状については、当協会顧問門崎先生の以下のフェイスブックを是非ご覧になってください。
人間が全て原因を作っていた 牛を次々と襲う北海道ヒグマOSO18の誕生
- 2023-07-19 (水)
- くまもりNEWS
以下は、文春オンライン2023.07.14 伊藤秀倫氏のOSO18に関するレポートです。
「このクマ、どっかおかしいんじゃねえのか?」北海道で31頭の牛を殺した謎のヒグマを追うリーダーが感じた“違和感”
(熊森が要約)
2019年7月16日午前4時、釧路湿原の北に位置する標茶町オソツベツ地区の牧場で放牧中の牛1頭の姿が見えないことに気付いた牧場関係者が捜索したところ、森の中でヒグマに襲われて殺された牛の死骸を発見。20メートルほど離れた藪の中から1頭のヒグマが飛び出して逃げていった。後々まで、これがこのヒグマに関する唯一の目撃証言となる。
このヒグマはこの後も次々と牧場の牛を襲うようになり、これまでに65頭を襲い、うち31頭を死亡させている。現場に残されたこのヒグマの足の幅が18センチとみられたため、オソツベツ地区のオソを取ってこのヒグマは、OSO18と命名される。
OSO18は真夜中に次々と牛を襲っては明け方までに姿を消す。なぜか牛を集中的に襲うのは、毎年7,8月まで。OSO18が牛を襲い始めて4年になる。銃、箱罠、くくり罠と、人間はあの手この手でこのヒグマを捕獲しようと試みているが、まだ捕まらない。
ヒグマは雑食性で、本来の食料は8~9割が木の実や山菜などの植物、残りはアリやハチなどの昆虫やサケ類であったが、近年、ヒグマがエゾシカを食べることを覚え出した。
これには、元々エゾシカの生息地は、冬でも雪が少ない摩周岳付近に限られていたのだが、人が牛の乳量を増やそうとして、牧草地を自然の草ではなく栄養価の高い草に変えていった結果、エゾシカがそれらの牧草を食べ始め、平地で爆発的に増加するようになり、冬、一定数が餓死するようになったという背景がある。
一方、ヒグマを山から平地に呼び寄せたのは、近年、道内で作付けが増加している家畜のえさとなる飼料用トウモロコシのデントコーンだ。森の木の実が少なくなる夏、デントコーンはヒグマにとって大変魅力的な餌となる。OSO18はデントコーンを食べに出てきて、シカ肉の味をしめ、食料として、ついに牧場の牛を襲うようになったと思われる。
ヒグマに食害されたデントコーン畑
OSO18を作り上げたのは最初から最後まで人間だったと藤本氏は結論付ける。
熊森から
OSO18に関する伊藤氏の文章は秀逸です。
では、どうすればいいのか。
札幌在住の当協会顧問門崎允昭先生は、ヒグマは電気柵で完全に防げると言われます。有刺鉄線でもいいとのことです。
以前、熊森が標茶町役場に電話して、OSO18が牛を襲うのは夜に限られているので、夜、牛を獣舎に収納するようにお願いしたことがあります。しかし、夏中放牧しているので不可能との返事でした。
ヒグマがデントコーンの味を覚えないように、まず、畑を電気柵で囲ってほしいというと、北海道の畑は広大なので不可能と言われました。確かに、北海道に行ってみると、畑が広大です。しかし、門崎先生も言われているように、牧場ならどんなに広大でも、牛が逃げないようにと柵で囲っているではないですか。その柵を有刺鉄線に変えてもらったらいいだけのことです。
うまくバランスがとれていた自然界に人間が入り込み、クマ問題の原因を作っておいて、クマを殺すことの対策しか練らない今の日本の大人たち。これは人間の倫理観の劣化ではないでしょうか。大人たちがこんなことでは、子や孫に示しがつかないと思います。人間社会まで、倫理なき社会となっていくのではないでしょうか。
ほとんどの時間、外部電力で回っているだけの風車 「風の祈り」第9章が風力発電の実態を暴露
- 2023-07-10 (月)
- くまもりNEWS
ほとんどの一般国民いわゆる庶民は善良ですから、国連や政府、肩書のある人の言うことをすぐに信用してしまいます。
しかし、国連や政府、肩書のある人のいうことにも間違いがあるかもしれないのです。
いや、自分たちの金もうけのために国連や政府をだましている人たちがいるかもしれないのです。
北海道仁木町在住の宮下周平氏は、恵庭市生まれ。札幌で自然食品のお店「まほろば」を創業されました。無農薬野菜を栽培する自然農園などもお持ちです。自然農園拡大のため札幌から余市郡仁木町に移住したところ、巨大風力発電計画がもちあがりました。
宮下氏は巨大風力発電のデメリットやまやかしについて丹念に調べ続けられ、仁木の山(ヒグマの生息地)の尾根を伐採して平らにし、尾根に至る道までも森林大伐採する風車建設を止めようと、今も続々とカラー版の無料冊子にて発信され続けておられます。その情報収集力と発信力がすごいのです。
世の中にはなんと優れた人物がいるのだろうかと、毎回、宮下氏の正義感あふれるペンの力に舌を巻いてしまいます。
宮下周平氏
「風の祈り」を、国会議員をはじめ、全国の首長や議員になんとか届けたいです。
これを読めば、脱炭素推進や風力発電で町の活性化などと唱えていた首長や議員たちも真っ青、一斉に目が覚めると思います。「再生可能エネルギー」は、ごく一部の人たちの「大利権可能エネルギー」だったのです。
以下は、毎回全生命を賭して書いておられることがわかる宮下氏の渾身の冊子です。
「風力発電を問う」シリーズ10風の祈り第九章表紙
問題の、風車は風で回っていない、電気で回っている!! は、p10、p11、p12を参照ください
問題は、誰が議員たちにこの冊子を届けるのかです。
特に風力発電の草刈り場になっている北海道や石川県に至る日本海沿岸の市町村の首長や議員に、心ある人たちの善意でこの冊子を届けていただきたいです。巨大風車計画が上がっている市町村の議会事務所にご持参して議員の皆さんに「風力発電を問う」シリーズ10風の祈り第九章を届けていただける方は、熊森本部までお知らせください。
ヨーロッパの人々のように、風車が造られてしまってから、風車を止めてくれと声を上げても遅いのです。
造られてしまう前に、巨大風車とは何か勉強しておくべきなのです。巨大風車は太陽光パネルと違って、構造上、振動と騒音が不可避です。耳に聞こえない超低周波音が、生物体内の腹腔などを共振させ、恐ろしい風車病をもたらすという研究も進んできました。バードストライクの件も被害甚大です。開発された方には申し訳ないのですが、残念ながら、巨大風車と生物は共存できないのではないでしょうか。
利権に狂い、真実を隠してだます人たちが一番悪いのは言うまでもありませんが、熊森は、だまされる国民にも責任があると思います。
みなさん、真実を知ろうという勇気を持って、宮下氏の冊子を元にご自分でもいろいろ調べてみてください。
真実は何か、自由に学び考えてこそ、大人の喜び、生きている喜びが生まれます。
「風力発電を問う」シリーズ、宮下氏がネットから無料で自由に見れるようにしてくださっています。
風力発電について知りたい方は、少しずつでいいのでぜひ読んでみてください。
都市の皆さんも、他人事と思わず読んでいただきたいです。
圧倒的多数を占める都市市民の意見が、日本の政策を決めることになるのですから。
2022年12月1日~2023年6月2日計12冊
序章 ・「寝耳に水。やむに已まれない決起」2022年12月1日
1章 ・「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」
・・・「風車は風で回っていない‼!」― 驚くべき風車の実態 ―
・・・・
宮城・加美町周辺での巨大風車150基計画に反対する住民団体が県に白紙撤回の要望書を提出
- 2023-07-08 (土)
- くまもりNEWS
宮城県加美町の山あいとその周辺で3つの事業者による最大150基の風力発電事業が計画されており、7月5日、地元住民団体が白紙撤回を求める要望書を県に提出しました。
住民団体は、事業計画地は地滑りの多い地盤で土砂災害の危険性が高い、また、ガンやハクチョウなど渡り鳥の飛行ルートを含んでいて豊かな生態系に影響を及ぼすなどとして、全国から集まった約2万6000人の反対署名とともに、事業の白紙撤回を求める要望書を県の担当者に提出しました。
加美町の未来を守る会猪股弘共同代表「現在計画中の事業につきまして、白紙撤回を求めます。私たちは再生可能エネルギーには反対していないんです。自然に今まで生活してきた山や川を守っていきたいのが本心なんです」と述べた。(ここまでがTVニュース)
要望書の他に、地質図、地滑り、防災、水資源、健康被害、計画地付近での放射線量、加美町ガンカモ類の春の渡り、景観調査など、専門家が現地を測定して出してくださった、この地で巨大風車を建設してはならないとする膨大な資料を添付しました。
業者がいくら無茶な森林開発を計画しても、県が林地開発許可や、林野庁が国有林や緑の回廊の貸し出し許可を出さないようにしてくだされば、事業は止まります。地元行政や国の責任は誠に大きいものです。
要望を受けた県は、「住民や専門家などの意見を踏まえた県の考えを国にしっかりと申し入れていく」と応じたそうです。
熊森から
全国再エネ問題連絡会第2回全国大会7月22日夕方5時から7時半まで
過疎化高齢化が進む地で、再エネ森林破壊事業を止めようと、自らのお金も膨大な時間も使ってふらふらになるまで闘っておられるみなさんが、全国各地から、兵庫県西宮市の夙川(しゅくがわ)公民館に集結し、現状を訴えられます。
この国で圧倒的多数を占める都市市民が再エネ自然破壊問題に無関心であってはならないと思います。同じ日本国民、まず地元の方々の声を聞いてあげることだけでもお願いしたいです。
皆さん、ぜひ誘い合ってご参集ください。
まだまだ残席が多くあります。オンライン参加も可能です。
プログラムはクリックで大きくなります。