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子グマが罠にかかったら、その場ですぐに逃がすのが業界での鉄則

あきる野市の子グマ殺処分は、新聞によると「住民の安全を守るため」という名目で、射殺されたものです。

いったい、犬の半分ほどの大きさの10キロの子グマのどこに危険性があるというのでしょうか。クマをここまで凶暴視する国民のクマ誤解の大きさには、あきれかえるものがあります。(この原因は、クマにひっかかれただけで、クマによる重傷事件発生!と報道したり、顔に傷を負っただけで、クマに顔を裂かれる!などと、これでもかこれでもかと刺激性を狙いおどろおどろしい報道をするマスコミです)

射殺した人は、いたいけない子グマのいったいどこを狙って弾をぶちこんだのでしょうか。関係者のみなさんは、住民のみなさんの心配もですが、この雪空に、冬眠もできずにさまよっている食料不足の母子グマの命への心配は起きなかったのでしょうか。

 

ハンターの人たちの中でも、かつては、「三つ熊獲るな」が、当然の不文律だった国です。

注:三つ熊=子グマ2頭を連れた母グマ

 

このような悲劇が二度と起こらないように、クマの放獣業務に携わっている方に、相談してみました。以下、その方の答えです。全国の野生鳥獣駆除担当者の皆さん、よーく、聞いておいてください。

 

「母子グマの目撃があって、捕獲罠を設置し、子グマだけがかかった場合、その場でふたを外して逃がしてやるのが、この業界の鉄則です。母グマにとって、何がつらいと言って、わが子が罠にかかってしまったほどつらいものはありません。胸が張り裂けそうになって、必ず、檻の近くでそっと見ています。子グマを放してやり、人間がその場から一斉に退去すれば、母グマは、ここは怖い所だと察し、子グマを連れて遠くへ逃げていきます」

 

実際、今回、あきる野市でも、この子グマを射殺したあと、残された母子グマの目撃は、ピタリと消えています。(餓死した可能性もあり)

市は、残された母子グマも捕獲しようとして、今年になっても罠をかけていましたが、当協会が、罠撤去をお願いしたところ、撤去して下さいました。目撃がなくなっていたからだと思いますが、ありがとうございました。

 

クマは力があるので、人間にやられると思った時は、人間に大けがを負わすこともまれにはありますが、本来、クマはやさしくて臆病な動物であることを全国民に知っていただかないと、とても、クマの絶滅など止められないと思います。

 

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