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庭のクヌギがおかしいのです

17年前に、山で驚くほど大きなドングリを拾いました。クヌギのドングリです。庭に植えると、9年ほどでサラダボール山盛り1杯ほどの実を落とすようになりました。

 

ご存知の方もおられると思いますが、ドングリには1年生ドングリと2年生ドングリがあります。クヌギ、アベマキ、ウラジロガシなど、ブナ科植物の約半分は2年生ドングリです。受粉してからドングリになるまでに2年かかります。そのため、今年ドングリとして成熟する大きな実と、来年にドングリとして成熟する予定の小さな実の2種類が枝に付きます。

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今春受粉した1年目の小さなドングリ下と、昨年度受粉した2年目の大きなドングリ上が混在する、正常なクヌギの木(昨年7月、西宮市内の公園で撮影)

 

しかし3年前、植木屋さんにお願いして、2階の屋根を超えるほど大きくなったクヌギの木の枝を剪定をしてもらってから、花が全くつかなくなってしまいました。去年は、少し花が咲いたので、2年目のドングリが今年実るのを期待していました。

今年はたくさん花がつきました。2年目のドングリを探してみると、ゼロでした。昨年、花は咲いたが実は全く成らなかったのだ!

先日、無数の今年の雌花と雄花を確認しました。さて、今年は実るでしょうか。

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傍芽した枝に、無数の小さな雌花と無数の垂れ下がった 雄花を確認した今年の庭のクヌギ。2年後にドングリは元通り落ちるようになるのか。

あんなに2年生ドングリとして、毎年毎年順調に確実に実を落としていたクヌギですが、人間が手を入れたことで、サイクルが、がたがたに狂ってしまったようです。

 

今、人間が、どんどん最奥地にまで入って、開発したり、自然を管理しようとして、野生動稙物に手を入れたりしています。自然界の絶妙のサイクルやバランスを、人間がますます崩しているだけだと思います。庭木はいいとしても、最奥地の自然界からは、1歩も2歩も人間が下がるべきだと、庭のクヌギを見て、ますます確信しました。

 

話は変わりますが、よく見ると、クヌギの葉が根元の三角形部分だけを残してたくさん虫に食べられていました。残された三角形

部分には、どれも丸められた葉っぱが米俵状についています。これは、何かの虫の家でしょうか。ご存知の方がおられたら、お教え下さい。

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答え→オトシブミという昆虫のゆりかごと呼ばれるものでした。この中にオトシブミの親が卵を産み付けており、親虫は葉に菌糸を植え付けて栽培、卵からかえった幼虫がその菌糸を食べて大きくなり、やがてここから出て来て地面にもぐりサナギになります。

 

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