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北海道ヒグマ管理計画(素案)に対する熊森見解の主なもの

北海道ヒグマ管理計画という名について

ヒグマ共存計画と訂正すべき。ヒグマを管理してやろうという人間の上から目線、傲慢さ、自然観の大いなる間違いを恐ろしく思います。(環境省の決めた言葉ですから,道庁が責任というものでもありませんが)

自然もヒグマも、人間ごときが管理できるようなものではなく、人間が管理できないから自然であり、だから自然は貴重で、人間が畏敬の念をもって大切にしなければならないものなのです。

 

(1)ヒグマ問題の原因特定が間違っている

 

原因特定を間違えば、打つ手、打つ手、全部外れていきます。人間の所に出て来る問題グマが増えた根本原因は、素案が言っているように、ヒグマの数が増えたからでもなく、近年春グマ狩りをやめる(現在、人材育成の名で復活)など捕獲圧を緩めたからでもありません。北海道の場合は、まだナラ枯れも入っておらず、山の実り豊凶や食料不足にも関係がないようです。

 

実際、ヒグマ捕獲数グラフを見せていただくと、年間数百頭のヒグマが罠にかけられて殺される年が近年普通になってきています。北海道はヒグマに大変な捕獲圧をかけておられます。

 

人間の所に出て来る問題グマが増えてきた主な原因は、道の指導で農家がバイオエタノール用の広大なデントコーン畑を被害防除対策なしで各地に造ったり、ごみ処理対策のない観光地化を進めたりして、ヒグマを人間の所におびき出しているからです。問題グマが誕生しているのは本当ですが、誕生原因は、人間活動にあることを、道庁は最初にしっかり押さえておくべきです。

 

親から離れたばかりのオスグマの中には、自分の新たな居住地を決める前に、一度、人間の町をそっと見に来る習性がある者がしばしばいるようです。この場合は、殺さなくても、しばらくの間、遠目に街を見たら納得して山に帰り、もう出て来ないそうですから、問題グマではありません。殺すのをやめるべきです。

 

(2)はじめに殺すありきは間違っている

 

観光地や畑に居ついた問題グマにどう対処するかという問題に対して、素案が殺す一辺倒になっているのは、理解に苦しみます。人間が原因を作っているのですから、ヒグマ被害防除対策をとるように、まず人間の方を指導しなければなりません。

 

ヒグマが先住民で、北海道の大地で生きる権利を持っていることを理解し、ヒグマの命に対する尊厳や共感があれば、こんな素案にはならないと思います。殺す一辺倒というような対策では、とてもヒグマと人の共存は望めません。人間の倫理感の問題でもあると考えます。

 

クマはとても知能の高い動物ですから、いろいろと学習して成長していきますし、その地域のクマの文化も持っています。人間の所に出てきたから問題グマであるとして殺してしまったら、また次の新しいクマが出て来るだけで、また殺さねばなりません。いつまでたってもイタチごっこなだけではなく、自然や野生への冒涜であり残酷です。

 

(3)具体的な問題グマ対策が不足

 

人間の所に出て行かないヒグマや、そのようなヒグマ文化をその地域に作るには、そういうことを学習した成獣ヒグマを残しておかねばなりません。それには電気柵などの被害防除対策と共に、ヒグマが山から出て来ないように、ヒグマを追い返す人間たちが必要です。これは、相手がヒグマですから、危険を伴います。アウトドアを楽しむ趣味のハンターには無理です。行政が予算を組んで、ヒグマ対応の専門家を各市町村で雇用すべきです。

 

現在、春グマ狩りの名を変えた人材育成のためのヒグマ狩りを春に行っておられますが、全く無意味なので中止してください。まだ木々の葉が出ておらず下草も生えていない春先のクマ撃ちは簡単です。北海道に今必要なのは、観光地やデントコーン畑に居ついたヒグマをゴム弾や犬を使ってどう追い払うかで、夏に練習しないとハンターの腕が磨けません。

 

人への警戒心や人への恐れはもちろんヒグマの身に着けてもらわねば困りますが、ヒグマは食べ物に異常に執着する性質があるので、人への警戒心がないとか人を恐れないとかに見えるだけです。

 

人間側がヒグマの生態を攪乱させるようなことをしない限り、北海道の自然がその環境収容力に沿った数にヒグマを個体数調整していくので、基本的に、狩猟やハンターの養成は不要です。

 

外国では、ヒグマの移動放獣が盛んにおこなわれているのに、北海道ではいまだに全て殺処分しており、放獣はゼロです。日本のような先進国・経済大国がこれでは本当に恥ずかしい。北海道庁は直ちに、ヒグマ放獣が可能になるように、箱罠ではなくドラム缶檻の作成に予算を組むべきです。当協会が、北海道庁に口を酸っぱくするほど言い続けてきたことであり、今度こそ実現してほしい。予算がないと言われるなら、当協会が支援させていただきます。

 

(4)命あるヒグマに使う言葉がひどすぎる

随所、言葉遣いの乱暴さには、何度も唖然とさせられました。これは絶対に改善してただきたい点です。例えばヒグマを狩猟資源と言ったり、エゾシカの有害駆除死体を残滓と言ったり、日本の大地にともに棲む生きとし生けるものにたいする畏敬の念が全く感じられず、同じ人間として信じられない思いがしました。

 

(5)その他

狩猟や有害駆除時にハンターが受けた殺傷は、人身事故とは全く別物であるため、補殺時のけがとして別枠で表記すべきです。ヒグマがハンターに殺されそうになって反撃してくるのは、生物として正当防衛であり、事故ではありません。

 

 

 

 

 

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