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絶滅危惧種の東京都ツキノワグマ、今年14頭も有害駆除 東京都議会で高倉良生議員が質問。

全国各地でクマが大量に駆除される現状に、熊森は非常に心を痛めております。

 

東京都のクマ生息地にあたる西多摩郡の山々は台風によりスギやヒノキの人工林が崩れ、人々はライフラインを絶たれたまま未だに復旧が追い付いておりません。

 

クマなどの野生動物は、拡大造林政策によって植え替えられたスギやヒノキの人工林によって餌場を失った上、今年は山の実り凶作年。今日、明日、来年まで生き延びられるかという瀬戸際です。

 

正直、東京都の奥地では、人もクマたち野生動物も、オリンピックどころではないでしょう。

 

一方、東京都議会では、オリンピック関連の質問でにぎわっていました。そんな中、ただお一人、無残に殺されていく野生動物たちに心を寄せて、東京都のクマと森について14分間質問してくださった議員がおられます。当協会赤松正雄顧問の友人でもある高倉良生議員です。

 

以下は、2019年11月27日 東京都議会 環境・建設常任委員会における高倉議員の質問と当局の回答です。インターネット中継で視聴可能です。

 

高倉議員 

 

①クマの出没時、捕殺ではなく、第一に追い払いや誘因物の除去、電気柵の設置を徹底してください。クマ専門の被害防除事業を行ってください。

 

絶滅防止の観点から、子連れのメスグマは原則捕殺しないことをルール化してください。

 

ツキノワグマの違法捕獲が発生しないよう、捕獲許可権者である東京都が捕獲従事者の監視体制の強化、各自治体への指導を徹底し、違反者に対しては適正な処分をしてください。

 

 ④森林環境税・森林環境譲与税を活用し、クマが生息する西多摩郡で、林業に不向きな非経済林は、小面積皆伐を行い自然林への誘導を行ってください。

 

議会質問に立つ、高倉良生議員(写真右上でご起立されている方) 東京都議会インターネット中継より

 

以下は、当局の答弁です。

 

東京都近藤豊自然環境部長

 

●クマのことについて

東京都では、クマの被害防止のために電気柵の設置や誘因物の除去などを行っております。今後も行ってまいります。

 

熊森から: 熊森本部は、今年8月に熊森東京都支部の要請を受け、兵庫県から東京都奥多摩町のクマが出て来ている現場まで、誘因物の除去に飛んでいきました。

(当時の詳細はこちらをクリックしてください)

また、熊森東京支部のメンバーは、地元行政に電気柵を設置してほしいとお願いしましたが、行政担当者から「クマ用の電気柵は予算が無くて設置できない」と何度も断られ、熊森が電気柵の費用を負担して設置してあげるからという交渉までもしましたが、行政担当者に断られるという歯がゆい思いをしています。なので、支部のメンバーは、東京都でクマ対策にも電気柵設置の補助金がでる、もしくは電気柵そのものをクマが出て来て困っている地域へ貸し出しの仕組みを作ってほしいと、訴えていました。なのにこの答弁!これは虚偽ではないでしょうか)

 

●人工林のことについて

東京都では、これまでに約3000ヘクタールの人工林の間伐を行ってきましたので、これからも行います。

熊森から:今年8月、熊森本部がクマがたくさん集落に来ているという集落の裏山を見に行くと下の写真のような光景が広がっていました。

2019年9月11日撮影、東京都奥多摩町の人工林

 

この場所の人工林の間伐は全く出来ていません。

人工林は一般的な林業用の間伐を施しても、自然林になど戻りません。自然林に戻すには9割程度の間伐が必要だと思われますが、それは、もはや間伐と呼べないものです。

高倉議員は、人工林を自然林に誘導してくださいと言っているのに、近藤部長は質問に真面目に答えておられません。

熊森から

東京都の行政担当者の皆さま、どうか議員に、都民に、正直に答弁してください。

いかに嘘をつくかというのが行政の仕事にならないようにしてください。

この国がダメになってしまいます。

手が回っていないのであれば、正直にそうおっしゃってください。

 

高倉議員が提案された内容は、クマと人の不幸な事故を回避するために最も重要な基本的対策です。

都民のためにも、クマをはじめとする多くの野生動物たちのためにも、必ず取り組んでいただきたいです。(完)

 

 

 

 

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