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人間が全て原因を作っていた 牛を次々と襲う北海道ヒグマOSO18の誕生

以下は、文春オンライン2023.07.14 伊藤秀倫氏のOSO18に関するレポートです。

「このクマ、どっかおかしいんじゃねえのか?」北海道で31頭の牛を殺した謎のヒグマを追うリーダーが感じた“違和感”

 

(熊森が要約)

2019年7月16日午前4時、釧路湿原の北に位置する標茶町オソツベツ地区の牧場で放牧中の牛1頭の姿が見えないことに気付いた牧場関係者が捜索したところ、森の中でヒグマに襲われて殺された牛の死骸を発見。20メートルほど離れた藪の中から1頭のヒグマが飛び出して逃げていった。後々まで、これがこのヒグマに関する唯一の目撃証言となる。

 

このヒグマはこの後も次々と牧場の牛を襲うようになり、これまでに65頭を襲い、うち31頭を死亡させている。現場に残されたこのヒグマの足の幅が18センチとみられたため、オソツベツ地区のオソを取ってこのヒグマは、OSO18と命名される。

 

OSO18は真夜中に次々と牛を襲っては明け方までに姿を消す。なぜか牛を集中的に襲うのは、毎年7,8月まで。OSO18が牛を襲い始めて4年になる。銃、箱罠、くくり罠と、人間はあの手この手でこのヒグマを捕獲しようと試みているが、まだ捕まらない。

 

ヒグマは雑食性で、本来の食料は8~9割が木の実や山菜などの植物、残りはアリやハチなどの昆虫やサケ類であったが、近年、ヒグマがエゾシカを食べることを覚え出した。

 

これには、元々エゾシカの生息地は、冬でも雪が少ない摩周岳付近に限られていたのだが、人が牛の乳量を増やそうとして、牧草地を自然の草ではなく栄養価の高い草に変えていった結果、エゾシカがそれらの牧草を食べ始め、平地で爆発的に増加するようになり、冬、一定数が餓死するようになったという背景がある。

 

一方、ヒグマを山から平地に呼び寄せたのは、近年、道内で作付けが増加している家畜のえさとなる飼料用トウモロコシのデントコーンだ。森の木の実が少なくなる夏、デントコーンはヒグマにとって大変魅力的な餌となる。OSO18はデントコーンを食べに出てきて、シカ肉の味をしめ、食料として、ついに牧場の牛を襲うようになったと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒグマに食害されたデントコーン畑

 

OSO18を作り上げたのは最初から最後まで人間だったと藤本氏は結論付ける。

 

熊森から

OSO18に関する伊藤氏の文章は秀逸です。

 

では、どうすればいいのか。

 

札幌在住の当協会顧問門崎允昭先生は、ヒグマは電気柵で完全に防げると言われます。有刺鉄線でもいいとのことです。

 

以前、熊森が標茶町役場に電話して、OSO18が牛を襲うのは夜に限られているので、夜、牛を獣舎に収納するようにお願いしたことがあります。しかし、夏中放牧しているので不可能との返事でした。

 

ヒグマがデントコーンの味を覚えないように、まず、畑を電気柵で囲ってほしいというと、北海道の畑は広大なので不可能と言われました。確かに、北海道に行ってみると、畑が広大です。しかし、門崎先生も言われているように、牧場ならどんなに広大でも、牛が逃げないようにと柵で囲っているではないですか。その柵を有刺鉄線に変えてもらったらいいだけのことです。

 

うまくバランスがとれていた自然界に人間が入り込み、クマ問題の原因を作っておいて、クマを殺すことの対策しか練らない今の日本の大人たち。これは人間の倫理観の劣化ではないでしょうか。大人たちがこんなことでは、子や孫に示しがつかないと思います。人間社会まで、倫理なき社会となっていくのではないでしょうか。

 

北海道ヒグマ問題については、ヒグマ現地研究歴数十年の門崎先生お仲間の方たちのSNSをご参照ください。

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