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なぜこのクマは殺されねばならないのか 12月24日本部柿もぎ→12月28日クマ捕獲罠撤去確認

わたしたちは、12月22日、兵庫県北部のクマ生息地を巡回中に、クマの捕獲罠を発見した。12月15日に仕掛けられたものだ。黒色の直方体の箱罠だった。クマがかかれば、すぐに射殺される。

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確かにこの柿の木に、今秋、クマは来ていた。しかし、すごく背の高い木で、もう上の方しか実が残っていない。いくらクマでも、あんな上の細い枝まで登ったら、枝が折れて落ちて死ぬだろう。

今後、ここへまたクマが来るのか。もう来ないような気がする。

 

檻の中をのぞいてみた。

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これはだめだ。クマを奥に誘導するように、ハチの巣が点々と奥まで置かれている。柿にはもうクマは来ないかもしれないが、この蜂の巣の匂いにつられて箱罠の中に入るかもしれない。おびきだして殺すとはこのことだ。

 

とりあえず、あたりの柿の木に残っている実を、もげるだけもいでみようと思い、許可をもらいに周りの家を訪ねて回って驚いた。空き家ばかりだ。胸が痛む。

周りの山にはすごく人間の手が入っている。ここまで山を壊されたら、クマは冬籠り前、もうこの柿を食べるしかないのではないか。

誰も取らない柿だから、クマにあげればいいのに、なぜ、行政は罠をかけたんだろう。

 

いろいろ考えながら、集落を回り、人が棲んでおられる家を見つけて、話を聞いてみた。空き家の方たちの連絡先を訪ねたが、知らないと言われる。クマが柿の実を食べるのはいいらしいが、いつも夜遅くに仕事から帰ってこられる方がいて、この近くを通られるということだ。その時、人身事故が起きては困ると言うことで、罠がかけられたようだ。その方が、通られる道に、まぶしいぐらいの明るいLED街灯を付ければどうだろうか。または、この柿の木にやってきたクマが、人が通る道に出て来ないように電気柵を張ればどうか。

 

それにしても、人を恐れて、夜そっと、空き家がならぶ場所の柿の実を食べに来ただけで、死刑判決とは。絶滅危惧種に対する保護策としては、間違っているし、こんなことで殺されるなら、クマの命がいくらあっても足りない。柿の実をもいでしまいたいが、持ち主のわからない柿の実はもいではいけないことになっているので、もげない。どう考えても、この柿の持ち主が、この柿の実を取りにだけ何年振りかで帰ってこられるようには思えない。第一、帰ってこられても、あんな上の柿の実をもぐことは、木を伐らない限り不可能だ。

行政が調べても持ち主のわからない柿の実は、もいでもいいことにしたらどうか。

兵庫県に、そのような条例を作ってもらいたい。それだけでどれほどのクマの命が救えることか。

 

仕方がないので、この檻の周りの柿の木はあきらめて、それより手前の、持ち主に許可を得た柿の実だけをもぐことにした。24日に出かけて、4人で作業した。クリスマスイブの日に、罠にかかって撃ち殺されるクマが出ませんように。もぐのが難しいところは、許可を得て、枝を一部落とした。

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もいだ実は少し前のクマの糞をたどって、山に運んだ。

27日に、また訪れてみた。クマは檻の場所には、あれからもう来ていなかった。

山の中に置いた柿の実の山を見に行った。ここにもクマは来ていなかった。

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空き家の柿に来ていたクマたちが、今頃どこで何をしているのか、さっぱりわからない。

しかし、人間に見つからないように、ひっそりと生きているクマたちを、これ以上追うのはやめる。

28日に、捕獲檻が撤去されたことを確認した。

生息地を回ることによって、クマ捕殺の実態が少しずつ見えてきた。

 

くまもりの<クマ保護活動>と<森再生活動>が全国に広がっていくように、来年もがんばります。会員のみなさん、応援してくださいね。

 

 

 

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