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8月18日 本部:山は大荒廃、クマ狩猟再開中止の要望書を兵庫県に提出⑩

13:30~14:00

室谷くまもり副会長ら3名は、兵庫県庁農政環境部長室に出向き、井戸敏三兵庫県知事あてのクマ狩猟再開中止の要望書を、知事の代理として出席してくださった秋山農政環境部長・遠藤環境創造局長・塩谷鳥獣対策課長に手渡しました。

 

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秋山部長に要望書を手渡す室谷副会長

 

NHKテレビをはじめ、マスコミのみなさんで、部屋がいっぱいでした。取材に来てくださったみなさん、本当にありがとうございます。私たちの声を取り上げていただき、とてもうれしかったです。

 

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要望書を提出後、行政担当者(机右側)に、下層植生が消えた山でのクマ狩猟再開は残酷すぎるので中止するよう訴える熊森本部(机左側)

 

室谷副会長は、「クマ生息地の人工林の危機的状況が熊森結成の20年前と比べて全く回避できていないばかりか、今では自然林まで劣化してしまい、生息環境は更に悪化しているのに、推定生息数だけ見て、絶滅の危機を脱したと県が判断しているのはおかしい。

本来の奥山生息地を失っていることから、今も兵庫県のクマは絶滅の危機にある。しかも、推定生息数の計算法に非常に問題があると専門家から指摘されている。生態系保全上、人道上、教育上からも、狩猟再開は中止すべきである」などと、要望書を基に秋山部長に訴えました。

 

秋山部長は、「先日の審議会の答申や、この要望書など検討させていただき、9月中には結論を出したいと思っています」と答えられました。(先日の審議会で、クマ狩猟を再開することについての審議はゼロだったのに、どうやって検討されるのであろうか)

 

今回のクマ狩猟再開は、地元や猟友会には相談せず、兵庫県森林動物研究センターの研究員が出したデータを元に、兵庫県本庁が決めたものだそうです。再開理由はクマの数が増えたから、減らすために人間が山に入って狩猟する必要があると判断したということでした。県内のクマ生息数を940頭と決めつけて、800頭まで減らすために140頭のクマを駆除したいのですと、県庁の担当者はしきりにおっしゃっていました。

 

これらの数字にどこまでの信憑性があるのか、全く不確定なのに、みなさん数字にとりつかれておられるというか、数字化されたもので自然を見ようとされているように感じました。行政は、今、どこでもこうなっているのでしょうか。

机上で数字を眺めておられるより、クマたちの本来の生息地がどうなっているか見に行かれて、胸を痛められた方が、いいクマ対策を思いつかれると思います。

 

熊森が提出した要望書を本当に検討する気がおありなら、兵庫県の推定生息数の計算法に非常に問題があると指摘されている統計学の専門家である日本福祉大学山上俊彦教授を招聘して、坂田氏の計算のどこがどうおかしいと思われるのか、じっくり説明を聞くべきでしょう。山上先生の推定では、爆発増加どころか、2010年山の実り大凶作年時の大量捕殺がたたって、兵庫県のクマ生息数は減少に転じている可能性があるとのことです。

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      山上教授作成の兵庫県クマ推定生息数の変化

注:山上先生は、これまで兵庫県庁は、1992年時の推定生息数を60頭としてきたが、それではその後のクマの増加率がシカ並になってしまい、ありえないことから、当時、200頭~350頭いたと思われるとして、上記グラフを作成されました。実際はどうだったのか、誰にもわからないことです。

 

兵庫県で、調査らしき調査が始まって、初めて兵庫県に棲むクマの生息推定数を出したのが、1994年です。県が㈱野生動物保護管理事務所に調査委託した結果の75頭~85頭です。

 

 

 

 

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