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アメリカで広がるダム撤去 映画「ダムネーション」(パタゴニア制作)公開のお知らせ
- 2014-11-29 (土)
- 推薦図書
「川に情熱を傾ける者たちが社会の流れを変えた。」
アメリカ全土につくられた7万5千基のダム。それらの多くは川を変貌させ、魚を絶滅させ、それにもかかわらず期待される発電・灌漑・洪水防止のいずれにおいても低い価値しか提供していない。
<中略>
だが、「ダム撤去」が当たり前に語られるようになるまでには、「クレージー」と言われながらも川の自由を求め続けた人々の挑戦があった。彼らのエネルギーにより「爆破」が起きるドキュメンタリー。
制作責任者はパタゴニア創業者のイヴォン・シュイナード。共同プロデューサーは生態学者で水中写真家のマット・シュテッカー。
(http://damnationfilm.net/より引用)
東京 | 渋谷アップリンク | 2014年11月22日(土)~ |
横浜 | シネマ・ジャック&ベティ | 2014年12月6日(土)〜 |
大阪 | シネ・リーブル梅田 | 2015年1月10日(土)〜 |
名古屋 | 名古屋シネマテーク | 2015年 年明け予定 |
神戸 | 神戸アートビレッジセンター | 2015年1月24日(土)〜 |
福岡 | 中洲大洋映画劇場 | 2015年1月17日(土)〜 |
また、市民上映会の申し込みも上記ウェブサイトよりできます。
熊森から
年末年始、映画は「DAMNATION」を見てみましょう。熊森は、日本でも、クマたちの生息地にサケが遡上する川をとりもどしてやりたいと願っています。
「狩りガール」を持ち上げるテレビ番組に苦言
いつの世でも、どこの国でも、国民の洗脳や国民の意識改革の宣伝に、効果的に利用されるのは、若くてきれいな女性です。
危険なものや間違ったことでも、「若い女性もやっています!」とプロパガンダされると、多くの国民は、警戒心を失い、同化されやすくなります。
若い女性は、間違ったことに利用されないように、本当に、何が正しくて何が善なのか、よく勉強して、慎重に行動して欲しいと思います。
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4月3日、毎日テレビ夕方6時過ぎからの放送「VOICE」で、「狩りガール」が、取り上げられました。
「VOICE」への意見は
→voice@mbs.jpまたは、FAX06-6359-3622
この番組は、近畿2府4県と徳島県の一部に報道されています。
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「狩りガール」報道は、今や国策プロパガンダ放送局に成り下がってしまったかのように見えるNHKテレビが、昨年10月に、「狩りガール」を持ち上げるニュースを流していましたから、別に、目新しいものではありません。しかし、本当にこんな方向に日本文化を進めていってもいいのか、全国民がしっかり考えねばならないと、今回のテレビ報道で改めて強く思いました。
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近年、環境省は、日本人は狩猟民族であるとして、「すごいアウトドア」というキャッチコピーで、若者たちにハンターになることを呼びかけています。そのポスターの真ん中には、猟銃を持った若い女性の絵が描かれています。縄文時代ならともかく、日本人は誰が見ても農耕民族です。たとえシカが増えすぎて困ったとしても、レジャーや遊びとして国民にシカを殺させるのは、間違っています。環境省の政策に大きな問題があることは、報道関係者ならば、ちょっと調べていただければ、すぐにわかることだと思うのですが。
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今回のテレビ報道では、銃という武器を持った圧倒的強者である人間(=若い女性)が、無抵抗の野生動物たちを、笑いながら撃ち殺していました。「野生動物たちが山から出てきて、農作物などに被害を与えたから、退治してやる」という、英雄気取りなのでしょうが、自分が被害を受けたわけでもないのに、ファッション感覚やゲーム感覚で、厳しい自然界の中で、人間の援助も受けず、一生懸命に生きている野生動物たちの命を奪うなら、人として許されるものではありません。冷静になり、慎重に考えなおしてほしいと思います。(この狩りガールと個人的に話し合ったわけではありませんから、彼女を深いところまで知って書いているわけではありません。ただ、報道の仕方に問題を感じたのです)
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「狩猟者を増やしたい。そのために、若い女性を使おう」
環境省の政策の後ろには、戦後の森林政策の失敗を覆い隠そうと躍起になっている人達の黒い企てと、研究という名で無数の元気な動物たちを解剖し続け、命の尊厳がわからなくなってしまい、一般人の感覚からはるかにかけ離れてしまった研究者の存在があると、私たちは感じます。
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「狩りガール」のみなさんは、かつて、野生動物たちが棲んでいた山が、今どうなっているか、奥まで入って一度検証してみてほしいと思います。
国策により、戦後、青森から福島まで、東北6県分の面積に等しい広大な原生林が伐採されました。その跡地などに、1000万ヘクタールの針葉樹一辺倒の人工林が奥山を中心に造られました。
しかし、林業の低迷で、今や多くの人工林は放置され、内部は砂漠化しています。広大な奥山人工林内には、動物たちの餌は何もありません。動物たちは本来の生息地では、生きられなくなっているのです。動物たちは、被害者です。
人間は、各地で、動物たちの欠席裁判を行い、死刑判決を下していますが、これは弱い者いじめです。こんなことをしていては、この国で、人と野生鳥獣との共存などできないでしょう。
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自然界のことは、人間の頭ではわからないことが多過ぎるのですが、戦後の拡大造林や東京オリンピック時に行ったヤマイヌ全頭殺害、地球温暖化など、様々な人間活動の結果、シカは生息数のバランスを崩して増えているのではないかと思われます。
すべて、人間の失敗です。人間が問題の原因を作ったのです。目の前の現象だけを見て、被害者である野生動物たちを加害者扱いし、山奥にまで入り込んで命を奪うという、相手の存在を全面否定する行為を、若い女性が、笑いながら軽々しくやってほしくはありません。まず、彼らがどこにいたらいいのか、生息地を保証してやるところから始めるべきでしょう。
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●狩猟行為は、山奥にはりめぐらされた林道、車や銃、犬があれば、女でもできるかもしれませんが、狩猟の後始末は、女性には一般的にむずかしいと思います。殺したシカやイノシシは、山に埋めるか、焼却場へ持って行くかしなければなりません。山中に放置すれば、クマを初めとする多くの野生鳥獣の餌となり、ますます山の生態系が狂ってしまいます。しかし、若い女性に、重いシカやイノシシを運ぶことなど、普通は無理です。
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●「狩りガール」を推奨している人たちに、なぜ若い女性を狩猟に巻き込むのかたずねてみました。
答えは、「若い男の狩猟者を増やしたいのだが、呼びかけてもなかなか増えない。罠猟免許を取る人は増えたが、銃猟免許者は減る一方だ。若い女性に目を付けたのは、若い女性が銃を持つと、彼氏が影響を受けて銃を持つようになる。そこを狙っている」と、いうことでした。
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私たち人間にとって命はたった一つしかない最高に貴重なものですが、野生動物たちにとっても同じです。なぜか、優秀な官僚のみなさんには、現在起きている野生動物問題を、野生動物を殺さないで解決しようという努力がまったく見られません。初めから、殺害ありきです。これは、恐るべき倫理観の欠如です。
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●動物用防除柵を作ったり、奥山の針葉樹一辺倒の人工林を広葉樹林に戻して生息地を復元したり、シカに関しては、人間が彼らから奪った草原や湿原を返してやったり、シカが増え過ぎないようにシカ用避妊薬を開発したり、シカの天敵であるヤマイヌやキツネなどを放して、人間が壊した生態系のバランスを自然の力で取り戻したりして、人間は、あくまで生命尊重思想の上に立って、非補殺対応をめざすべきです。
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●若くてきれいな女性には、生き物の命を大切にする、人にも生き物にも優しい人間であってほしいと願います。
●メディアのみなさんは、生き物の為にも、人間の為にも、慎重な報道を心掛けてほしいです。身の回りに、軽い気持ちで銃を持つ人が増えれば、銃を持たないわたしたちは、不安でたまらなくなります。
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神道や仏教の影響も大きかったのでしょうが、日本人は殺生を嫌い、物言えぬ弱者である野生鳥獣を大切にしてきました。このような文化を大切にしていかないと、自然破壊にいっそう歯止めがかけられなくなり、やがて日本文明は水源を失って滅びてしまうでしょう。
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メディアの皆さんは、番組制作にあたって、必ず、反対者、疑問者の声も同時に拾っていただきたいと思います。でないと、国民は、何が正しくて何が善なのか、考える力を失ってしまいます。
クマ駆除隊が捕殺したクマ遺体の利用禁止を求めて くまもり本部・支部が金沢市・石川県の行政回り
(1)金沢市役所 森林再生課
<金沢市猟友会クマ駆除隊が、捕殺したクマの遺体を長年利用していたことが判明>
中日新聞に、「県猟友会金沢支部 熊の胆無許可販売、県が調査 理事会で中止決定」の記事が出た5月20日当日、金沢市役所の熊駆除担当課である森林再生課では、金沢猟友会支部長らを呼んで、
「これまでクマ駆除隊が捕殺したクマの遺体は利用していないと言われていたのに、どういうことなのですか」
と尋ねられたそうです。支部長らは、実は長年、熊の胆を乾燥させて猟友会内で班長達に売っていましたと話されたそうです。
注:金沢猟友会員は180名で、そのうち熊駆除隊員は113名。
金沢市行政は、これまで、外部に対して、
「金沢市は、クマ駆除隊が捕殺したクマの遺体が利用されないように、行政が責任を持って焼却場にまで立ち会って確認しています」と公言されてきたのですから、
●①「実は、利用されていたことが判明しました」
と、県民や国民に謝罪されると同時に、②どうしてこのようなことになったのか、行政内部で調査をされて、真相を発表されるべきだと思いました。
(2)石川県庁薬事衛生課
<薬事衛生法に違反するようなことはしていないと猟友会金沢支部長が言ったから違反なしと、結論していた>
クマ駆除隊は、数名から10名までで組まれるそうですが、駆除に参加しなかった多くの猟友会員たちにまで熊の胆が売られていた事実は、すでに自家消費の範囲を超えており、薬事法に違反していると、私たちは思います。しかも、猟友会内の班長に売られた熊の胆が、その後、外部に一部流通しているという情報を、私たちは得ています。事実なら、明らかな薬事法違反です。
第3者への聞き取りや、猟友会内の会計帳簿提出など、証拠となるものを集めて、調査と呼べるような本格的な調査をしてほしいと、わたしたちは要望しました。
これを受けて、現在、薬事衛生課は本格的な調査を展開中だそうで、全容が出たらご報告いただけるということです。
ちなみに、金沢市の薬局では、熊の胆が1グラム12000円で売られていました。熊の胆は、成分が解明され、すでに合成薬品が作られています。クマを殺して、熊の胆を得ようとしないで、使いたい人は、安い合成薬品を買っていただきたいです。
(3)自然環境課
<石川県は、クマ駆除隊が捕殺したクマの遺体は、法に反しないように処理するように指導→今回違反?>
石川県では、平成14年以来、クマが殺されるのは、狩猟と個体数調整の2種のみになりました。個体数調整というのは、クマが増えすぎないように、年間上限数を決めて、クマの生息地に入って行って、猟友会員たちが銃や罠でクマを殺すことです。個体数調整名目でクマが殺されるのは、主に3月や4月です。これは、この時期が、熊の胆が一番大きいため高く売れることと、雪解け直後の落葉広葉樹の木々がまだ芽吹いていない時期は、一番クマを獲りやすい時期だからです。いわゆる「春熊狩りの復活」になっていると、わたしたちは感じました。
自然界の生き物たちは、本当に人間が殺し続けないと数が増えすぎてしまうのでしょうか。そのような論文やデータがあるのか尋ねると、そういうものはないが、これまでいなかった能登とかでクマが目撃されるようになってきたなど、熊は増えすぎていると考えられるので、毎年一定数は殺していかないとダメだという、担当者のお考えでした。ちなみに平成25年度の捕殺上限数は、96頭だそうです。(石川県のクマ生息推定数は、600頭~800頭とされているそうです)
また、個体数調整したクマの遺体は、法に反しないように処理することと指導しているということでした。(利用を禁止する法律は、日本にはありませんから、利用してよいということになります)それでは、1年中狩猟してよいのと同じことで乱獲されるのではないかと、疑問を投げかけたところ、捕獲上限数を決めているから大丈夫ということでした。(野生動物が何頭いるかなど、人間には絶対にわからない上、猟友会金沢支部の事例からもわかるように、人間が正確に報告しないこともあることを、考慮すべきだと思いました)他県は、有害捕殺したクマの遺体は、埋葬または焼却処分し、利用しないように指導しているところが多いので、石川県のクマ行政は、かなり他県と違うと感じました。
私たちは、山の中で静かに暮らしているクマまで殺しに行かなくてもよい。そのような考えでは共存できないと考えます。自然界のことは、人間にはわからないことでいっぱいです。どちらの対応が正しいのか、これからも意見交換を続けていきたいと思いました。
☆各行政のみなさん、お忙しい中お時間を取っていただき、どうもありがとうございました。
汐文社 新刊書 「クマに森を返そうよ」 沢田俊子著が大好評
うれしいニュースです。今年3月に「クマに森を返そうよ」 という児童書(小学校高学年以上)が出版されました。
昨年、ひょんなことから、売れっ子の児童文学者沢田俊子さんが、最新の日本熊森協会を取材して、本を書いてくださることになりました。出版社は、「はだしのゲン」出版などで有名な汐文社です。
今回の出版は、外部の方が熊森の活動を取材して本を書くという、初めてのケースです。当協会としては、100%ガラス張りで、何を見てもらっても何を聞いてもらってもいいという姿勢で、取材に対応させていただきました。
沢 田さんは、山奥でもどこでもわたしたちに付いてきて、ご自分の目や耳で熊森活動を確かめて歩かれました。私たちが話題に出した人物には、実際に会って直接話 を聴かれました。
当協会を指導して下さっている研究者のご自宅にも同行され、研究用に栽培されている各種ブナ科植物や、研究用に飼育されているブナ科植物 に付くいろいろな虫たちを見せていただき、その後は、いっしょに奥山原生林を歩いて、奥山生態系の現状も学ばれました。
驚いたのは、他の研究者や団体がどう言っているかまでいろいろ調べておられました。
見事なまでの科学的態度です。というか、人間としての誠実さでしょう。
ヒグマについては、ヒグマの会山本牧副会長が平成24年に東海大学札幌校舎のフォーラムで講演された記録「ヒグマはなぜ里に近づいてくるのか」も読まれました。その中に、
1970年~1980年までのヒグマの糞調査の結果、98%が植物質、残り2%は、アリ・ザリガニで、ほとんどベジタリアンだった。しかし、近年、人間が山でエゾシカを撃って放置するようになってから、シカの死体を食べるヒグマが出てきた
という記述があります。沢田さんは、人間が、クマの食性まで無茶苦茶に壊していっている現状に、胸を痛めておられました。
私たちは、沢田さんの取材ぶりを見ていて、沢田さんの本がどうして子どもたちに受けるのかが、わかってきたような気がしました。
徹底して現場を取材され、ご自分の目や耳で確認して、疑問点は徹底的に尋ね、中立の立場で子ども目線で書いていかれます。
その後ろには、少女のような好奇心と、どこにでも飛び出していく行動力、良く調べたことでないと書かないという、大人としての責任感があります。
<一般読者からの感想>
一気に拝読!泣きました。「これは子供だけでなく、大人も読む必要のある本だ!」と叫びそうになりました。
<熊森から>
まだの方は、是非、お買い求めください。最新の日本の森や野生動物の現状がわかる本です。
東京都水道局が、奥多摩町などのスギヒノキの人工林(民有)を購入し、環境林に整備予定
水がめ守れ 多摩川水源林 都が購入計画
2013年3月13日 東京新聞夕刊
東京都が買い取りを進めている水源林。手前は奥多摩湖=13日、東京都奥多摩町で、本社ヘリ「まなづる」から(伊藤遼撮影) |
東京都民の水がめをうるおす山林を守れ-。都は、荒廃が進んでいる多摩川上流の水源林を保護するため、民有林の購入に乗り出した。都内から山梨県 にかけての、JR山手線内側の約二・五倍に相当する約一万六千ヘクタールの取得を目指す。都水道局は、水源保全のための民有林購入は神奈川県に例があるも のの「全国的にも珍しい」と話している。 (松村裕子)
都が購入したのは都民の水がめ、小河内ダム(奥多摩町)の上流にある、奥多摩町と山梨県小菅村の民有林二件。スギやヒノキの人工林36ヘクタールで、費用は四千四百万円だった。
多摩川は都内の水道水の二割を賄う。それを生み出す、都内から山梨県にかけての水源林のうち、上流の約二万千六百ヘクタールは都有林。明治時代に皇室から都が譲り受けるなどして所有、管理してきた。
一方、ダムに近い山林は民有地が多い。林業が盛んだった時代は間伐や枝打ちなどの手入れが行き届いていたが、国産木材の価格低迷に伴い、荒廃している。森の中に日が差さず、低木や下草が育たない。地盤が弱くなり、土壌の保水量が乏しくなっている。
この影響で二〇〇七年、台風でダムに多量の土砂が流入した。都は危機感を抱き、民有林を適正管理する手法を検討。購入可能な民有林を公募することにし、一〇年度から現地確認や境界線画定などを進めていた。
今月七日に計約三十六ヘクタールを買い取ったのを手始めに、すでに山梨県甲州市、丹波山村などの八カ所、約千二百ヘクタールの応募があり、順次購入する。購入後は都が手入れし、ダムの水質保全や水量確保につなげる。
神奈川県では一九九七~二〇一一年度に、相模川などの上流の民有林約六百ヘクタールを購入した例がある。賃借地なども含めて手入れを進めたところ、〇九年度には県内全体で手入れの行き届いた森が七割を超えた。
( 熊森から)都が購入した人工林は、青梅市の林業部門が間伐し、今後、林業は行わず、針広混交林にもどしていくということでした。行政が動き出してくれた!すばらしいニュースです。無花粉スギなど植えず、是非、クマをはじめとする動物の棲める広葉樹の森に戻していただき、動物たちに山を返してやってほしいと、熊森から東京都上水部管理課企画係に、本日、電話で申し入れておきました。
3月5日 兵庫県野生動物保護管理運営協議会に出席して
【森林被害】清浄な空気や水を生み、兵庫県民の生活を支えてきてくれてた広大な兵庫の森。その中で、今、下草や、昆虫、魚、鳥、シカ以外のけものなど、生きものたちの姿が忽然と消え、「沈黙の森」が、一気に広がっています。木々の弱りも目立ちます。
このままいくと天然更新ができなくなり森が消えるかもしれないという大変な事態が進行しているのに、この日も報道関係者の取材はゼロ、傍聴者は2名のみでした。
報道関係者を含め、一般国民に、現在、最重要国家問題であるこの深刻な事態が全く伝わっていないと強く感じました。
【農業被害】もちろん、農業関係者は何年か前から、山から出て来た野生鳥獣に田畑を荒らされて、悲鳴を上げ続けています。しかし、大部分の県民は都市に住んでおり、このような実態をほとんど知っておりません。
○第一次産業のこと、○森のこと、○野生動物のこと、県民のみなさんにもっともっと関心を持っていただけるように、私たち市民団体も、広報にがんばらねばならないと思いました。
神戸市教育会館501号室で開かれた協議会のもよう
<野生鳥獣被害対策>
毎回、協議会のたびに思うことですが、そもそも、ワイルドライフを人間がマネジメントする(=野生鳥獣対策に保護管理を導入する)と決めた1999年当時の環境庁の発想(=「鳥獣保護法改正案」)自体に無理があります。当時、熊森は国会で、「保護管理というけれど、こんなものを導入したら、保護の話にはならず、何頭殺そうかという駆除の話ばかりになるに決まっている」と、反論したことを覚えています。実際、全国で、クマ・サル・シカ・イノシシや彼らの生息環境を保護するために人々が協議しているという話は、全く聞きません。被害防除と駆除話ばかりです。
特定鳥獣に指定されたクマ・サル・シカ・イノシシは、大・中・小・極微、いろいろな他生物と、生態系の中で複雑に絡み合って生活しています。生態系の他の生き物たちを無視してこの4種の動物の生息数だけを、人間が操ってやろうとしても、そもそも、初めから不可能な話なのです。
そんな中で、この4種の動物に対する、兵庫県の平成25年度事業実施計画が発表され、協議されました。
兵庫大学の研究者の研究結果では、兵庫県のクマの自然増加率は昨年度20%で、この1年で100頭も増え、約600頭になったのだそうです。
クマの生息数 を推定するために用いたデータは、1、目撃数、2、捕獲数、3、再捕獲数、4、初捕獲数、5、新規標識放獣個体数、6、人為的死亡個体数、7、標識有の人 為的死亡個体数、8、ブナ科堅果類の豊凶指数だそうです。
<クマの推定生息数と保護管理方針>
400頭未満 狩猟禁止 可能な限り、殺処分しない
400頭~800頭 狩猟禁止 有害捕獲個体は、原則殺処分 ・・・ 兵庫県は、現在、この範囲だそうです。
800頭以上 狩猟再開 有害捕獲個体は、原則殺処分
<熊森の見解>
配布された資料が膨大であり、担当者の御苦労は大変なものだったと思います。ただ、配布資料が、推定生息数など、人間にわかりっこないものをあえて数字に表しており、あいまいな数字が独り歩きして、人々に誤った印象を与えてしまうのではないかと、心配します。
野生鳥獣など何頭いようが、彼らの勝手で、絶えず変化していくものであり、それが自然です。昔のように、人間が一歩下がり、野生鳥獣と人間との棲み分けが復元できたら、それでいいだけのことではないでしょうか。
今は、クマ対応方針が、推定生息数という数字だけで決められていますが、数字だけではなく、どこに住んでいるかという場所や何を食べて生きているのかなども、対応方針を決めるにあたって重要となるはずです。800頭いたとしても、山奥にいるのなら問題ないのでほっておけばいいし、200頭しかいなかったとしても、民家の裏に集結していたら、人身事故や農作物被害が絶えず起こり、クマも絶えず駆除されることになるので大問題となります。
平野虎丸顧問、むかしの熊本の山を語る
熊本の林家に生まれ育って75年、当協会顧問平野虎丸氏が、野鳥密猟Gメンの活動に忙しい中、合間を縫って、熊森本部事務所を訪れてくださいました。戦後の拡大造林などで、人間が自然生態系を破壊してしまう前の、熊本の山の話をしてくださいました。若いスタッフたちもみんな、目を輝かせて長時間聞き入りました。
自然を守るといっても、人間が余りにも今は何もかもに手を入れ過ぎてしまったので、今の人たちには、どんなのが自然の生態系なのかわからなくなっています。どれも大変興味深いお話でした。ほんの一部ですが、ご紹介します。
Q1:NHKクローズアップ現代が,かつて、シカが増えなかったのは、狩猟圧があったからだというのですが。
A: 自分の所では、考えられない。昔は、今のように山に道路がなかったし、もちろん車もなかった。シカは、当時、早朝家を出て昼にやっと到着するような奥山にいた。そこまで、道なき道を斜面をよじ登っていくん だが、普通の人が行けるようなところではなかった。昔は、銃の性能も悪かった。猟師でも、年に1~2頭シカが獲れたらいいとこ だった。
Q2:NHKが、増えたシカが生態系を壊しているというのですが。
A:人間は何を勘違いしている のでしょうか。生態系を破壊しているのは人間です。野生動物には、本来、生態系を破壊するほどの能力はありません。野生動物は銃も機械も使えず、林道もコ ンクリート道路も大きなダムも造ることが出来ません。原生林を伐採したこともありません。一斉造林をしたこともありません。野生動物が、人間よりも大きな自然 破壊力を持っていると、本気で信じているのでしょうか。森を破壊しているのは人間であることぐらい、小学生だってわかります。生態系を破壊しているのは人 間です。
Q3:拡大造林前の自然の山には、実のなる木がありましたか。
A:いっぱいあったです。山の中には、野生の柿や栗もたくさんありました。柿や栗は、どれも幹の直径が70センチぐらいの巨木でした。今栽培されている柿の木は、毎年実るでしょう。あれは人間が接ぎ木したものだからね。特別であって、自然じゃない。山に自然に生えていた柿の木は、数種類あって、成り年が微妙にみんなずれていた。その結果、毎年どれかの実がなっていました。実はどれも小さかった。種類によって、指の先ぐらいの実もあれば、ピン球ぐらいの大きさの実もあった。実は小さかったが、もうびっしり大量になるんです。今のように何の実りもない年とかはなかった。栗もね、実は小さかったが、びっしりなっていた。
Q4:山の生き物は多かったですか。
A:鳥がいっぱいいた。クマタカがうちの猫や鶏小屋の鶏をしょっちゅう獲っていった。蛇は1回山に入ると、10匹~20匹ぐらい出会った。昔の山にはハチがものすごくたくさんいた。ハチは大切な役目をしている。1度、巨木を伐ったら、ハチが怒って攻撃してきて、ひどい目にあった。その木に、ハチが巣を作っているのがわからなかった。地上10メートルぐらいの所に巣を作っていたようだった。ハチは、木のいろんな高さの所に巣を作るからね。昆虫は、もういっぱいいたから多すぎて気にもかけなかった。里山にはタヌキ・ウサギとかいろいろいた。マムシも沢山いたが、マムシは匂いがきついので、いるなとすぐわかる。独特のにおいだ。それで人間は注意するので噛まれることは無かった。
Q5:去年、人工林を中心に、熊本でも、山があちこちで崩れましたが、人工林の根が小さいからですか。
A:植林した木が、成長して重くなってきたのです 。植林スギは根が小さいので、重くなった自らの体重を支えきれなくなって、どんどん崩れ始めました。これからますます崩れて来ますよ。
これでは国民洗脳番組です 2月14日 NHKクローズアップ現代「ハンターが絶滅する!?見直される狩猟文化」
気の毒にも、NHKは、国策の代弁報道をする義務を背負わされているのでしょうか。
残念ながら、こと自然に関しては、「クローズアップ現代」は、これまでも環境省の国策を是として、国民を洗脳し、環境省の思う方向に国民を誘導する報道を繰り返してきました。一般の方々がこういう番組を見て、報道内容をそっくりそのまま信じてしまわれるのではないかと思うととても怖いです。放映終了後、ただちに、NHKに抗議の電話を入れましたが、苦情担当者の方が、本気で聞いてくださったようには思えませんでした。
「クローズアップ現代」の大きな問題点
①環境省の一方的な見解だけを報道し、反対意見を一切報道しない。
②いろいろな説があってよく分からないことを、こうだと断定報道する。
国谷アナウンサー
「かつて日本でも、山里では貴重なタンパク源として、山の命を山の幸としてごく当たり前に食べ、日本独特の狩猟文化がはぐくまれていました」
→熊森から
上の、かつてというのは、いつのことをさしているのでしょうか。以前から熊森は、環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室が推進している、「日本人は狩猟民族である。若者よハンターになれ」という環境省のキャンペーンに、疑問を呈してきました。以前、日本人が狩猟民族であったという証拠を示してほしいと環境省に問うと、当時環境省のHPにアップされていたこの関連ページが突然閉められてしまったのを記憶しています。
(現在の環境省キャンペーン目指せハンター 狩猟の魅力 まるわかりフォーラム)
確かに、縄文時代は、狩猟採集文化であったと思いますが、基本的にはその後、稲作漁撈文化に変わっていったのではないのでしょうか。
東北の一部に、マタギと呼ばれる人たちがいましたが、全人口から見ると、パーセンテージにもあがらない、ごく例外的な少人数だったと思われます。
江戸時代、狩猟が許されていたのは、将軍や天皇家などの特権階級だけではないのでしょうか。山奥の人たちが、銃を持っていたといっても、おどし銃として持っていた場合も多く、ごく当たり前に狩猟していた割合がどれくらいあったのか、今となっては調べようがありません。
独特の狩猟文化がはぐくまれていたといわれていますが、文化というのは、日本人の多くが行っていた場合に使う言葉だと思います。 歴史を振り返ると、676年の天武天皇の「肉食禁止令」から始まって、明治になるまでの1200年間、肉食や殺生や、狩猟に対する禁令が出っぱなしに出続けています。禁令を破る人がいたからでしょうが、いつの世でも、決まりを守らない人はいます。しかし、日本人の特質として、多くの人は、決まりに従ったと思われます。
昔の記録は少なく、今となっては当協会も確かめようがないのですが、少なくとも、狩猟が日本に入ってきたのは、明治時代です。
明治になって、一般国民が狩猟して良いことになると、エゾシカやカモシカなどが乱獲されて一気に絶滅しかけました。そこで、国は慌てて、これらの狩猟を禁止しました。この時代ぐらいになってくると、記録も多くなってきます。といって、明治になって、狩猟が日本文化と言われるほど国民一般に広がったわけではありません。田口洋美氏の研究では、日露戦争時(明治37年)の国内狩猟者は、統計では20万人、実質では、30~40万人ということです。
環境省の「若者よ、ハンターになれ」キャンペーンは、ある意図の元に、日本人は元々狩猟民族であると国民に思わせようとしているものであるとしか、考えられません。
一歩下がって、日本は狩猟文化の国であったという研究者を紹介するとしても、しかし、違うという研究者たちも多くいるのですから、同時に紹介すべきでしょう。アナウンサーに断定表現を使わせるべきではないと思います。
国谷アナウンサー
「人間と自然とのバランスが崩れた大きな要因となっているのが、ハンターの減少です」
→熊森から
またまた、アナウンサーに断定させていますが、この問題については、熊森は何度も何度も環境省に反論を申し入れてきました。環境省は上のことを印象付けるために、「狩猟免許所持者数の推移グラフ」の出し方を、いつも1970年からに操作して、国民に提示します。どんどんとハンターが減っていくから、シカがどんどんと増えていくと誘導しようとしているとしか思えません。
<猟免許所持者数の推移グラフ>
てみましょう。
<猟免許所持者数の推移グラフ> 1946年から2000年までのグラフで、中央が1970年です。
<シカの捕獲数の推移> 1923年から2004年までのグラフです。
この2つのグラフから、ハンター数の減少とシカ捕獲数(生息数)の激増とは、無関係であることがわかります。以前、ハンター数が今より少なかった時、シカもとても少なかったのです。今たまたま、ハンター数の減少と、シカの激増時期が、重なっただけです。
このような、グラフのごまかし提示によって、国が若者に、「使命感を持ってハンターになれ」と呼びかけるのは、恥ずべきことです。乗ってしまう人も出てきます。その人が若い女性であれば、国策推進のための看板として使われます。
ハンターが減ったから、シカが増えたという説を紹介してもいいのですが、同時に、そうではないという説も紹介しないと、国民に思考力を付ける教養番組になりません。報道と洗脳は違うのです。
例えば、他の説として、今、シカが激増しているのは、戦後の林野庁が行った拡大造林が原因だという説があります。わが国では、どんどんと奥山のブナやミズナラなどの巨木を伐採して、国を挙げて、1958年ぐらい~1990年ぐらいまで、スギ・ヒノキ・カラマツの苗木を植えに植えていきました。その結果、苗木が小さい頃は、奥山が草原だらけになり、シカの食料が激増してシカが増え始め、自然界のバランスが崩れ出した。その後、スギ・ヒノキ・カラマツが大きく繁るようになると、下草が消え、シカは食料を失って山を出始めた・・・などの説があります。この説は、100年前に絶滅したオオカミが現在のシカ激増の原因だという説よりも、年代的には今起きている事象とぴったり合います。
いろんな説を検証して提示し、真実を求める国民が、真理を追究できるような番組を作ってこそ、放送料金を取れるNHKになれると思います。
今回は苦言を呈しましたが、クローズアップ現代が、番組制作姿勢を大転換して、国家権力から独立した中立の番組を作るようになってくだされば、こんなうれしいことはありません。
2月12日 同じ兵庫の山、同じ兵庫のクマを見ているのに、どうしてここまで出した結論が正反対なのか ―― 日本熊森協会と兵庫県森林動物研究センターとの第1回意見交換会 ――
都道府県の野生動物問題について、電話でたずねたり何かをお願いしたりしようと思ったら、たいてい、そこの都道府県庁に電話をして、担当部署につないでもらいます。クマを駆除したり、奥山に放獣しなければならないなどの実際的な業務が生じたら、行政から委託されたハンターや委託業者が現地に飛んでいきます。兵庫県も、以前はそうでした。
し かし、兵庫県では、2007年から、県庁から遠く離れた旧青垣町(人工林率81%)に建設された、兵庫県立「兵庫県森林動物研究センター」が、その業務を担 当することになりました。「兵庫県森林動物研究センター」では、研究員として兵庫県立大学の先生たち数名が研究にあたられ、現地に飛び出していく専門員としては訓練を受けた兵庫県庁職員数名があたられて、オール公務員で、兵庫県の野生動物問題に対処するという新体制ができあがったのです。
ところが、困った問題が生じてきました。当協会も、、徹底した現場第一主義で山を歩き回って調べつづけているすばらしい何名かの研究者に指導していただきながら、自然保護活動を進めてきたのですが、同じ兵庫の山、同じ兵庫のクマを見ているのに、出した結論が、熊森とセンターでは、ことごとく正反対なのです。これは、いったいどういうことなのか。
2 月12日は、「兵庫県森林動物研究センター」の相談日だったようですが、ご無理をお願いして、研究員の先生方や専門員の方に午後の3時間をとって、一体なぜこんな違いが生じるのか、当協会側の研究者にも同席していただいて、初めての意見交換会を持っていただきました。
私たちも、正直に誠実いっぱいに、これまで生きてきた人間です。お互い、自然観や動物観の違いはあるでしょうが、じっくり話し合えば、誤解がとけたり、なにか少しは接点が見つかったりするのではないかと期待して意見交換会にのぞみました。
中心話題
(1)クマが山から出てくるようになったわけ
(センター)クマの生息数増加、生息地拡大、人慣れ、味しめ、人間による里山の放置、ハンターの減少 ⇔ (熊森)山の食料不足
(2)兵庫県のクマ数の増減
(センター)大幅増、そのうち狩猟再開も視野に ⇔ (熊森) クマの生息を示す痕跡がどんどんと減ってきており、絶滅に向かう恐れ。多くいるように見えるが、山の奥にはいないドーナツ化現象。
(3)兵庫の森の状況
(センター)ますます良好に ⇔ (熊森)どんどんと劣化が進む
意見交換会の結果
意見交換会を持てて、とてもよかったと思います。私たちがわかったことは、「同じ兵庫の山、同じ兵庫のクマを見ているのに、この違いは何なのか」という長年の疑問に対して、「お互いが、違うエリアの山、違うエリアのクマを見ている」ということです。
私たちは、自然保護団体として、主に、本来のクマ生息地であったブナ・ミズナラの山々を見続けてきました。戦後の観光開発や広大な原生林を伐採してのスギの人工林化によって、動物たちは棲みかを失っただけではなく、わずかに残された原生林も、なぜか、近年どんどんと急速に劣化していっており、クマたちが棲めなくなっていっています。クマたちが食料を求めて、山から出て行くと、原則殺処分の有害捕殺が待っています。
ところが、センター側は行政ですから、主に、地元住民から獣害を何とかしてほしいと訴えのあった集落周辺の山やクマを見ています。
立場が違うということは、こんなに見えているものが違うのかということが、よくわ かりました。
お互いに相手の顔を見てじっくり話し合うということは、人間にとって欠かすことのできない大切なことだと改めて思いました。意見交換し合ったことを、これから、熊森内部でじっくり検討していこうと思います。
お忙しい中、お時間を取ってくださったセンターのみなさんに、心よりお礼申し上げます。
くまもりの夢
熊森は、人間がこれまでの人間中心主義を反省して人間が一歩下がり、広大な奥山に自然の豊かな森が復元・再生されて、野生鳥獣たちが安心して棲める聖域が復活されることを夢見て、日々、活動にいそしんでいます。
このような活動は、清らかな水源を確保して、未来の子ども達の生存を保障することにつながるもので、全生物と子どもたちへの最高のプレゼントであると確信しています。
以前、くまもりの夢が実現したあかつきには、熊森を解散しようと考えていました。しかし、今は違います。解散している場合ではありません。
なぜなら、今、多くの子どもたちが、人間は人間に生かされている、人間は科学の力で生かされていると錯覚しています。
これは大問題です。くまもりの夢が実現したら、熊森は次には、「どんなに科学が発達しても、人間は未来永劫、豊かな自然がなければ生き残れない」ことを人々、特に子供たちに伝え、自然を守ることの大切さや自然のすばらしさを体験していただくような活動にシフトしていこうと思います。