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2010

どんぐり運びでご迷惑をかけた一部地元のみなさん ごめんなさい

猟期に入ってからも、クマ目撃が民家周辺で続いています。なんとかクマが集落の中に入ってこないように、兵庫県のクマ生息地の裏道に、地元の方とドングリを置いてまわりました。

今年は、まだ都会の公園のドングリが実っていない夏に、クマが山から出てきてしまいました。山に異変が起き、夏の食糧がなかったのです。やっとドングリが落ちだして、山に持って行ってやろうとしたとき、すでに奥山にクマはいませんでした。そのため、クマの絶滅を止めるための緊急食糧援助としては、これまでの凶作年と違って、集落近くにドングリを運ばざるをえなかったのです。

ここなら入る人もなさそうだから大丈夫だろうと判断して置いた場所が、地元の人が通ることもある場所だったりして、「こんなところに、クマを集めるな」と、お叱りを受けたこともありました。やはり、地元の学校などで取り組んでもらわないと、外から行った者には、置く場所の選定が難しいと思いました。ご迷惑をおかけしたみなさん、本当に申し訳ございませんでした。

前回置いたクリやドングリは、みごと全部食べられて、完全に殻だけになっていました。すぐ横に、大きなクマのふんがたくさんありました。まだ、クマが山に帰れないでいることがわかりました。今年、兵庫県で人里に出たとして有害駆除されたクマは、11月30日までで、68頭にものぼっています。放獣作業中に死亡した2頭と10月20日までに交通事故死したと報告されている11頭を合わせると、今年、兵庫県で、クマが人間によって、81頭消されたことになります。

1992年に、兵庫県のクマは、残り推定60頭、絶滅寸前ときいて、わたしたちは、なんとか絶滅を止めようと立ち上がり、18年間がんばり続けてきました。狩猟禁止を勝ち取り、保護獣化に成功。山の実り凶作年には、高速道路を使い、往復に6時間も7時間もかけて自費で都会の公園のドングリをクマの棲む山に運びました。100頭ぐらいに回復してきたのではないかというのを聞いて、とびあがって喜んだことを思い出します。しかし、今年の大量駆除で、わたしたちの、これまでの苦労は水の泡。座り込んでしまいたいほどショックです。兵庫県の方針が変わったのでしょうか。担当者が、クマなどどうでもいいと思う人に変わったのでしょうか。私たち自然保護団体は、県担当部署から完全にカヤの外に置かれ、行政の内部がさっぱり見えません。

今年、大量駆除が暴走しているのを知って、状況を聞こうと、10月にクマ生息地の県民局の担当部署に電話したところ、「忙しくて1分1秒の時間もありません」と断られました。「いつだったらお話が聞けそうですか」には、無言でした。いまだに県行政は、官尊民卑だと感じます。

ちなみに、2004年の山の実りなしという第1回目の異常年でさえ、兵庫県で捕殺されたクマは、7頭。同じく、2006年は4頭。そして、今年、2010年が68頭!なのです。しかも、12月の今も、兵庫県ではまだイノシシ罠に誤捕獲されるクマが後を絶たないということです。兵庫県は、イノシシの鉄格子罠の上部を開けてクマが逃げられるようにしたクマスルー罠は、クマの餌付けになる恐れがあるとして、義務付けていません。一方、富山県庁では、イノシシ罠の上部を金属ノコギリでカットするように徹底して指導したところ、今年、イノシシ罠にクマが誤捕獲される例はゼロになったということです。

変わったクマのふんを見つけました。ギンナンの実がいっぱいです。でも、皮も、当然のことながら中の種も消化されていません。食べた意味があったのだろうか、不思議でした。

11/27 新潟県初 くまもり会員のつどいに45名

新潟県内でくまもりの会報を読んでくださっているのは、約40家族。今年のクマの駆除は半端ではありません。しかも、県内に駆除の暴走を止める部署がどこにもないのです。新潟県在住のハンターからも「このままでは、ハンターの獲りたい放題。新潟県のクマが絶滅する!」という悲鳴が本部に入っています。

これまで、世話人が現れなかったため、新潟県会員は孤立したままでした。しかし、今回、子育て中のお母さんたちを中心に、名乗りがあがったため、初めて会員のつどいを上越市で持てました。上越市周辺を中心に、45名もの方々が、急遽お集まりくださいました。予想以上の参加者数に、当初の、輪になって語り合おう、自己紹介し合おうという計画は、時間的に無理となるうれしい誤算でした。

長年、新潟県でツキノワグマを研究してこられたグループの代表も来て下さいました。以前、山で酔っぱらって寝ていたら、顔をペロペロなめるものがあり、目が覚めたらクマだったというお話を、ニコニコしながら披露してくださいました。一同、犬のなかまであることを納得しました。とっさに、クマを刺激しないようにしなければと判断。その結果、何も起きなかったということでした。新潟県のクマの有害捕殺数を、くまもり本部から行ったスタッフが、「新潟県は、推定生息数600頭のクマを2006年度525頭有害駆除・・・」などと発表していく度に、この方が、「本当は607頭駆除したんだ」と、猟友会から仕入れた本当の数に訂正し続けてくださいました。クマの正確な生息数など、どんな方法をもってしても出すことなど不可能です。しかし、それなら、生息推定数以上の有害駆除が行われたことになります。新潟県だけに限ったことではありませんが、今のままでは県や市の行政が、野生動物の保護に、いかに無力であるか思い知らされました。もっともっと県民が、クマたちと共存したいという声を上げていかねばなりません。

森山会長が、江戸時代の新潟県の実話集であるという北越雪譜出典の童話「クマに助けられた男」を朗読。今はマスコミで、クマはまるで人を襲う凶暴動物にされてしまっているが、あれは、クマがその臆病さゆえに人から逃げようとして起こした人身事故であり、クマは本来やさしい動物である。ただし、大きくて力も強すぎるので、安全上、人とクマが混ざり合って棲むことは難しい。人間が一歩後退して、昔のように棲み分けて共存ですべき。人間が荒廃させた森を、もう一度人間の責任で食糧豊かな森に復元し、クマたちに返さなければならない。それは、クマたち動物のためでもあるが、人間がこの国に生き残るためでもあると、講演した。

日時:2010年 11月 27日(土) 10:00~12:00

会場:上越市市民プラザ グラスハウス

(上越市土橋1914-3 025-527-3611)

※駐車場300台(無料)

富山県でもドングリ運びの成果が!パート2

車でほぼ毎日どんぐりを運んでくださっている富山県会員さんより報告です。

運んだどんぐりのすぐわきに、大人のクマのフンと、子どものクマらしきフンが!!

親子そろってお腹いっぱいになって、山に帰ってくれたのでしょうか。

ここでしっかり食べて冬ごもりに備えてほしいですね。

どんぐりのそばに大人のクマのフン

柿を食べたのかな?小さなオレンジ色のフン

月刊「水」2011年1月号に当協会会長のインタビュー記事掲載

月刊「水」に当協会の森山まり子会長のインタビュー記事が掲載されました。

日本熊森協会が誕生したいきさつから、熊森がどういった活動に取り組んでいるか、等、8ページにわたって掲載されています。

石川県金沢市市長選公開アンケート

2010年11月28日に投開票日を迎える、石川県金沢市長選挙立候補者の皆様へ、当会石川県支部より公開アンケートを実施いたしました。
実施アンケートの内容と回答結果

読売新聞ークマさんドングリ食べて!餌不足は人災と1トン

ここで、「どんぐりをまく」という表現がされていますが、実際には、ポイントまでヘリコプターで吊り下げて運び、地面の近くまでおろしたところで、容器の下が開き、一所にまとまって投下されます。人力で運ぶ際も、一か所にまとめて置きます。ニュースや新聞で書かれているような、「まく」という行為ではないことをあらかじめご了承ください。また、運んでいるドングリは街中のドングリに限定して集めてもらったものです。
当協会のドングリ運びに関しての見解:http://kumamori.org/infomations/carry_donguri/

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読売オンラインより抜粋
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20101126-OYT1T00181.htm

エサ不足で腹をすかせたクマに、人里に下りる前に食べてもらおうと、自然保護団体の「日本熊森協会」(本部・兵庫県西宮市)は24日、富山県上市町の山中にヘリでドングリ約1トンを積み下ろした。

人里で捕殺されるケースが相次いでいるため、山から下りないでほしいとの願いを込め、全国の支援者から寄せられたドングリを使用したという。

運び先は、同協会が2006年8月に購入した山間部の原野約670ヘクタール。原生林が残り、クマの生息地になっているという。同協会のメンバー らが、底が開閉するバケットにドングリを入れてヘリからつるし、クマの通り道とみられる3か所(約10キロ間隔)に山盛りにして積み下ろした。同協会によ ると、クマは成獣で1週間に約50キロの木の実を食べるという。

同協会は、山間部のエサ不足は、今夏の猛暑のほかに、人工林が増えたことでドングリなどの木の実がなる広葉樹林が荒廃したことも大きな原因としており、「人間が招いた被害をクマのせいにしてはいけない」と捕殺に反対している。

県自然保護課によると、県内では今年度、24日午後5時現在で174頭のクマを有害捕獲、うち162頭を捕殺した。年間で256頭を捕殺した 1970年度に次ぐペースという。県猟友会の前田誠副会長(68)は、同協会のドングリまきなどの活動に理解を示す一方で、捕殺反対の声が挙がっているこ とについては、「出没地域に住む人たちの恐怖を思うと、捕殺という選択肢を取るしかない。こちらも好んで捕殺しているわけではないのだが…」と戸惑う。

同協会の中本菜々さん(25)は、「ドングリまきは根本的な問題の解決にならないことはわかっている。しかし、このままだとクマが絶滅してしまう」と話し、今後も活動を続けていきたいとした。

(2010年11月26日08時15分  読売新聞)

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11/28 森山まり子会長講演 栃木県宇都宮市 

日本熊森協会 森山まり子 会長講演会が、くまもり栃木主催で行われます。この貴重な機会に、一人でも多くの皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

講演会 「豊かな森を次世代へ ―奥山と生き物たちが伝えたいこと― 」
日 時:2010年11月28日(日) 13:30~16:00 (15:30~質疑応答)
会 場:宇都宮大学・大学会館(多目的ホール)
参加費:無料(どなたでも参加できます、小中高大学生歓迎)
*参加希望の方は、事前に事務局・斉藤までご連絡ください。 資料を送付します。
主 催:日本熊森協会 栃木県支部
後 援:栃木県教育委員会、宇都宮市教育委員会、栃木県環境森林部自然環境課、下野新聞社、毎日新聞社、

グリーントラストうつのみや、もりびとプロジェクト委員会、よつ葉生協協同組合
連絡先:日本熊森協会栃木県支部 028-678-4588  (斉藤方)

11/27 新潟県初 くまもり会員のつどい 森山まり子会長 出席

新潟県内で「くまもり通信」を読んで下さっているくまもり会員は、約40名。今年のクマの駆除は半端ではありません。
新潟県在住のハンターからも新潟県のクマが絶滅するぞ!という悲鳴が本部に入ってきています。
これまで、世話人が現れなかったため、新潟県会員は孤立したままでしたが、今回、名乗りがあったため、初めて集まることになりました。多くの情報やアイデアを持って、一人でも多くのお友達を誘い、お集まりください。
非会員の方々も大歓迎です。

日時:2010年 11月27日(土) 10:00~12:00
場所:新潟県上越市
プログラム:森山会長講話、新潟県の現状と今後の活動について
お問い合わせ:日本熊森協会本部事務局まで 電話:0798-22-4190

富山新聞 ー 富山でのヘリコプターどんぐり運び

富山新聞で紹介されました。

ここで、「どんぐりをまく」という表現がされていますが、実際には、ポイントまでヘリコプターで吊り下げて運び、地面の近くまでおろしたところで、容器の下が開き、一所にまとまって投下されます。人力で運ぶ際も、一か所にまとめて置きます。ニュースや新聞で書かれているような、「まく」という行為ではないことをあらかじめご了承ください。また、運んでいるドングリは街中のドングリに限定して集めてもらったものです。

当協会のドングリ運びに関しての見解:http://kumamori.org/infomations/carry_donguri/

富山新聞より抜粋
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/T20101125201.htm
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富山のニュース 【11月25日03時28分更新】

クマの餌、奥山に空輸 日本熊森協会 人里出没を防止
ドングリとクリが入ったバケットをつり下げ、離陸するヘリ

日本熊森協会(本部・兵庫県西宮市)は24日、クマの人里への出没防止や保護、冬ご もりに向け、奥山にヘリコプターで餌のドングリとクリ計1トンを投下した。ヘ リによるクマへの給餌は同協会で初めて、全国でも例がないとみられる。
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テレ朝 ANN Newsー富山でのヘリコプターどんぐり運び

テレ朝で富山でのヘリコプターどんぐり運びが紹介されました。

ここで、「どんぐりをまく」という表現がされていますが、実際には、ポイントまでヘリコプターで吊り下げて運び、地面の近くまでおろしたところで、容器の下が開き、一所にまとまって投下されます。人力で運ぶ際も、一か所にまとめて置きます。ニュースや新聞で書かれているような、「まく」という行為ではないことをあらかじめご了承ください。また、運んでいるドングリは街中のドングリに限定して集めてもらったものです。
当協会のドングリ運びに関しての見解:http://kumamori.org/infomations/carry_donguri/

以下、ANNサイトより記事抜粋 (11/24 11:56)
http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/201124019.html
youtube動画
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富山県で、餌不足で苦しむクマのためにヘリコプターからドングリがまかれました。無事に冬ごもりとなるのでしょうか。

NPO法人の日本熊森協会では、餌不足に苦しむクマを守ろうと日本全国で餌のドングリを山にまいています。24日は協会が所有する山林に約1トンのドングリがまかれました。
NPO法人日本熊森協会:「おなかいっぱいになって、ゆっくり冬ごもりしてくれたらと思います」
協会は、ヘリコプターを使うのは初めてだということです。餌不足のためにドングリをまくのは、2004年と2006年に続いて3回目です。

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