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2010
中日新聞ー富山でのヘリコプターどんぐり運び
- 2010-11-25 (木)
- メディア掲載・出演
中日新聞で紹介されました。
どんぐり運びについて、熊森の見解を紹介しておりますので、是非ご覧ください。
http://kumamori.org/infomations/carry_donguri/
以下中日新聞記事抜粋
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2010112502000164.html
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腹ぺこクマに ドングリ空輸
2010年11月25日
運搬用容器いっぱいにつめられたドングリ
全国から寄付の1トン 『生態系影響』指摘も
ドングリの凶作で、クマが餌を求めて人里に下りてくるのを防ごうと、自然保護団体の日本熊森(くまもり)協会(兵庫県西宮市)は二十四日、ヘリコプターで富山県の同協会所有の山にドングリなど約一トンを運んだ。(大野暢子)
全国から寄付されたドングリ約九百キロとクリ約百キロで、底が自動開閉する容器を使い、山の尾根など三カ所に置いた。
同協会は一九九七年から奥山の保全などに取り組んでいて、二〇〇四、〇六年に全国でクマの餌としてドングリを置く活動をしている。ことしも石川県など八県で行ったが、ヘリを出動させたのは初めて。
ドングリの入った容器をつり下げて飛び立つヘリコプター
同協会の中本菜々さん(25)=兵庫県伊丹市=は「ドングリを届けるのはクマだけでなく人間のためでもある。餌に困って人里に現れたら殺すというのではあんまり。クマと人が共生する道を、このドングリ運びをきっかけに考えてほしい」と語った。
クマにドングリを与える行為について富山県自然保護課は慎重な見方を示し、「クマを助けたい思いは分かる」としながらも「同じ品種のドングリでも土地により特性が異なる。発芽したものが在来種を脅かし、生態系のバランスが崩れないとも限らない」と話した。
富山県猟友会メンバーの同県射水市の男性(68)は「発芽を防ぐにはドングリをゆでればいいが、それをクマが食べるか分からない」と指摘した。
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愛知県で誤捕獲されたクマは、なぜ、1頭も放獣できないのか (中間まとめ)
- 2010-11-25 (木)
- 熊森の見解
わたしたちは今年、愛知県担当者から、愛知県に生息するツキノワグマは推定あと6頭で、絶滅危惧種であるという説明を受けました。当協会は、全生物のため人のため、クマの棲む豊かな森を次世代に残さねばならないと決意して作った会です。わたしたちは、なんとかこの6頭を守り、人工林率64%の山を、少しずつ自然林にもどしていきたいと考えました。
愛知県で、今年、イノシシの箱ワナにクマが誤ってかかるたびに、現地に飛んでいったり、電話をしたりして、「誤捕獲グマは、他府県がしているように、その場で檻のふたを開けて放獣してください、または、檻の場所が悪ければ山中に移動させて放獣してください」と、お願いしました。そのために、当協会の持てる力を全部出し切って協力することを申し出ました。しかし、1頭も放獣してもらえませんでした。4頭射殺、1頭は飼育者に譲渡。どうしてこうなってしまうのでしょうか。
1、愛知県では、クマの捕獲許可権限は市に下ろされています。行動半径の大きいクマを、市に投げることに無理があります。権限は県に、さらに、国にもどすべきです。
2、イノシシの箱罠を野生鳥獣の生息地の真っ只中の自然林の中にかけると、クマがかかってしまう。田畑や民家の近くにかけるべきです。罠は、人と動物のすみわけが促進できるようにかけるべきです。
3、行政担当者に、クマという動物への知識や理解が不足。(クマがほとんどいない県だから、やむおえない面もある)
4、行政担当者が県内放獣を絶対に認めないのは、地元の理解が得られないからということでした。地元の放獣反対者らと落ち着いてじっくりと話し合いたいとお願いしましたが、会わせてもらえませんでした。今後、このような場をぜひ設けてもらいたいと思います。
5、愛知県内放獣が絶対にだめなら、誤捕獲されたクマを、放すという当然すべきことは、他県で行うしかない。(わたしたちは、原則として、人がクマを飼うことに反対です。飼育者がまず、いないし、クマは、広い山野を駆け巡って初めて生を全うできる動物だから、飼うとかわいそうなことになるのです)
当協会は、愛知県の隣接県である三重県に676ha、岐阜県に82ha、静岡県に294haという広大な山を持っているので、1頭ぐらいならクマを放してもらってもどうということはありません。当協会の山を放獣地に提供してもいいと申し出ました。しかし、各県の担当者の正式な許可が得られなかったと断られました。
6、遺伝子のかく乱を認めないという遺伝子純潔原理主義者からも、他県放獣を止められたそうです。クマは何県も渡り歩く動物なので、隣接県の山に放獣することなど何の問題もないのではないか。それよりも、わたしたちは、この国がクマという種を失うことのほうが、取り返しのつかない損失であると考えます。
以上は、現在、私たちが思うことです。どうしたら、誤捕獲されたクマを放獣できる県になるのか、愛知県民を中心に、みんなで考えていかねばならないと思います。
富山県(3) 11/24 当協会トラスト地670haに、ヘリコプターでどんぐり運び
今年、山に大異変が起き、森は未曾有の食料飢饉。クマをはじめとする森の動物たちに何とか生き抜いてほしいという愛と願いを込めて、名も無き一般国民たちが、腰が痛くなるまでがんばって集めたドングリが、500キロ入りのバケットに次々と移されていきます。
富山県のツキノワグマも、絶滅するな!ハンターに撃たれるな!ドングリを満載したバケットをぶらさげたヘリコプターが、車が入れない当協会のトラスト地670haに向けて飛んでいきます。本部から持っていったGPSで、位置を確認します。
トラスト地上空にさしかかりました。クマたちの冬眠前の主食である奥山のミズナラのドングリの巨木がたくさんナラ枯れで枯れてしまっていました。同乗してくださった地元の方が、「これでは、クマたちが人里に出てこざるを得ないな」と、納得されていました。全国で、クマは、絶滅に追い込まれています。原因は全て人間です。
このヘリコプターでのドングリ運びは、11月24日のテレビ朝日の報道ステーションなどで放映されました。
クマが里に出てくるのは、クマが増えているから、里山が放置されたから、ハンターが減ったから、このような誤情報がたくさん飛び交っています。奥山に食糧がないからという真実を、国民のみなさんになんとか伝えたいと思います。
富山県(2)山中へのドングリ運びに本部から援軍
- 2010-11-24 (水)
- くまもりNEWS
富山県のクマが食糧を求めて次々と人里に出てきては、猟友会に絶滅するほど獲り尽くされているという情報が、富山県の地元からいくつか入ってきています。富山県では、届出があっただけでも、今年既に156頭のクマが、有害駆除されており、狩猟自粛が発表されました。
本部スタッフたちが、富山県会員たちによる山中へのドングリ運びの応援も兼ねて、猟期に入った富山県の山を訪れると、ちょうどハンターたちが、望遠鏡で山を眺めているのに出くわしました。「何をしているのですか」とたずねると、「こうやってクマを見つけて、ここから撃つんだ」と、当然のように言われました。狩猟自粛ではなく、狩猟禁止にしていただかないとだめだとつくづく思いました。
しかし、このような富山県でも、一般の地元の人たちは、「ここはクマの国で、自分たちはクマたちと一緒に暮らしてきた。今年、集落にクマたちがたくさん出てきたが、だれも行政に届け出ないし、殺そうとも思わない。行政に届け出たら殺しにくるだけ。クマと人間は共存できるし、してきた」と、当然のごとく言われました。このような名も無き一般庶民が、今年、何頭ものクマたちの命を守ってくれたのを、各地で見聞きしました。
クマがどんなに平和的な動物か、本当の姿を知っている人は、いてもなんにも思わないが、クマを知らず凶悪動物と誤解している人は、恐れてクマを殺そうとする。無知というのは、本当に恐ろしいと思います。ある人が、クマは今、だれかによって恐怖の対象、やっつける対象、まるで戦争中の鬼畜米英にされてしまっていると、言われていました。こういうときこそ、今一度、相手を見つめなおす冷静さが必要とされます。
富山県(1)魚津トラスト地に植林した広葉樹の苗木の今
- 2010-11-24 (水)
- くまもりNEWS
魚津の島尻というところにある当協会のトラスト地に、先日、北陸のくまもり会員たちみんなで植樹した広葉樹の苗木を見に行きました。苗木は、見事に全て、引っこ抜いて捨てられていました。兵庫県でも、動物の棲める森復元植樹を始めたころ、役場の方たちと組んでの植樹会だったにもかかわらず、だれかに苗木を全部抜かれて枯らされたことがあるのを思い出しました。このような活動は、地元の人たちと懇談するところから始めなければならないとつくづく思いました。
11/15 狩猟解禁日のハンターのブログ <さっそくクマ2頭狩猟>
- 2010-11-24 (水)
- _野生動物保全
ハンターが書いているブログを、送ってくださった方がいます。11/15 狩猟解禁日、さっそくクマ2頭を狩猟して解体し、楽しんでおられるブログです。
このブログを読まれた方は、皆、狩猟の現実を知ってショックを受けられると思います。どんなにがんばっても、わたしたちは、誤捕獲された愛知県の1頭のクマの命すら助けられなかったのに、一方で、ハンターはスポーツ、レジャー、遊びとして、どんどんクマを狩猟していいことになっているのです。
命を守りたい者たちには道が無く、狩猟したい者たちには、殺す道が用意されているのです。本当に不公平だとおもいます。以前、あるハンターが、「自分たちは全国に20万人も仲間がいるけれど、保護団体なんて少ししかいない」と、わたしたちを笑いました。
森を復元し、棲み分けを復活させ、この国を、かっての野生鳥獣を殺さない国にもどしたいという私たちの考えに賛同して下さる方は大変多いと思います。意思表示のためにも、保護団体にお名前を登録していただければなあと思います。
祝 奥山水源の森 保全・再生議員連盟発足
- 2010-11-21 (日)
- _国会・行政
議連結成会のもよう(11月18日、衆議院第2議員会館にて)
ついに、奥山水源の森 保全・復元議員連盟が発足しました。今年のクマ大量出現に困り果てた地元の人たちも、哀れクマ大量捕殺問題も、元を正せば、クマたちの生息地であった奥山を、人間が大荒廃させてしまったことが原因です。日本で初めて、この奥山問題にメスを入れる議連が発足したことを、心から喜びたいと思います。
自然保護団体を代表して、当協会森山会長があいさつをしました。
憎しみや対立からは何も生まれない
- 2010-11-21 (日)
- くまもりNEWS
熊森協会本部の電話は3台あります。毎日、朝から晩まで、電話が鳴り続けています。スタッフの一人が、しみじみと、「こういう活動をしているところって、日本には熊森しかないんですね。全国からの電話が、全部熊森に来る」と語っていました。毎日入ってくるメールもすごい量です。1日中返信し続けて、やれやれと思ったら、始める前より未返信が増えていることもあります。(返信した以上のメール数が、新たに入って来るからです)申し訳ございませんが、今の熊森本部の人員体制では、全てを返信することは出来ません。ご容赦下さい。
メールは匿名が許されるからか、読むに耐えないののしりや誹謗が入ってきます。名乗る勇気を持ち、他者への敬意を忘れないでください。様々な人生を歩んできた人間同士、感じ方や考え方が違うのは当然です。断片だけを見聞きして批判するのは、あまりにも軽率です。批判する前に、せめて、1冊100円の「クマともりとひと」だけでも読んでください。本当は、愛蔵版「クマともりとひと」を読んでからにしてほしいです。あまりにも的外れな誹謗中傷には、お返事のしようがありません。というか、こういう人たちは、誹謗中傷を楽しんでいるとしか思えません。匿名メールは、原則として読まずに削除させて頂きますので、ご了承下さい。ネットでもこのようなサイトがあると教えてくださる方がいますが、私たちは日本の森や動物を守るために、寝る間も惜しんで動きに動いております。そのようなサイトに付き合う時間などありません。みんなで読まないようにすればいいのではないでしょうか。
熊森会員のみなさんは、行政などに意見やお願いを伝えるとき、本部指導通り、まず名乗り、きちんとした言葉で、相手への敬意を忘れずに伝えてください。ネット上でのののしりや罵倒合戦などには参加しないで下さい。ネットでいさめたところで、そのような人たちが変わるなど期待できないと思います。憎しみや対立からは何も生まれません。
ただ、今回の愛知県瀬戸市のイノシシわなにかかったクマが殺された状況について、熊森報告を聞いた人たちは、大変な憤りと悲しみを持ちました。 これは当然です。瀬戸市の行政担当者たちは、私たちの思いに耳を傾け、本当によくがんばってくださいました。今も、感謝でいっぱいです。このクマが猟友会に撃たれたとき、檻の前に座り込んでいた熊森会員と瀬戸市担当者は、ともに泣き崩れたそうです。しかし、愛知県出先行政のなかには、誤捕獲されたクマを逃がしてやってほしいというわたしたちの当然のお願いに対して、市民をなめきって聞くに堪えないような暴言を吐き続けた人もいました。(全部、録音しました)
ある非会員の方から電話があって、「だれのせいであのクマが殺されたのか教えてほしい。そいつをネットでたたいてやる」 という相談がありました。熊森本部は、長時間かけて、そのようなやり方はかえって状況を悪化させるだけなのでやめるようにと説得しました。この非会員の方は、本当は優しすぎるくらい優しい方なのです。何とか命を助けてやろうと動き回ったが、助けられなかった。この怒りと悲しみをどう持っていけばいいのかわからないのです。
熊森会員のなかには、このようなネットたたきに参加している人はいないと思います。熊森は正々堂々と名乗って、きちんと話をする会だからです。 この非会員の方にも、本当に世の中を変えていける力となる、熊森のたたかい方を伝授しました。
富山県でもドングリ運びの成果が!
- 2010-11-18 (木)
- _クマ保全
本日、ドングリを山にせっせと運んでくださっている富山県会員さんより電話がありました。
今日、雨の中、ドングリを担いで山に入ったら、前回ドングリを置いた場所には、たくさんのクマの糞を発見した。とのこと。
そして、糞をよくみるとドングリやクリの皮が含まれており、前回置いたドングリやクリが無くなっていたのも確認できたので、きっとそこで食べた後、そこで糞をした様子。
本部にはドングリを置いている各地より、嬉しいニュースがはいってきています。ありがとうございます。
石川県会員さんから、嬉しいお便り
- 2010-11-18 (木)
- _野生動物保全
石川県の会員さんから嬉しいお便りがありました。
全国でドングリを集めて下さっている方々も、このような体験をされたのでは~ 毎日、本部に届くドングリを見て、皆さんの野生動物への優しい気持ちがジンジン伝わってきております。本当に、応援してくださる方々には感謝です。ありがとうございます。
では、石川県の会員さんからのお便りを少し、紹介させていただきます。
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今朝はたいへんうれしいお客様が来られました。
犬の散歩から帰ってきて庭にいると、「こんにちは、こんにちは」と玄関から声がするので、行ってみると、黄色いぼうしをかぶった保育園児がたくさん居るのです。
そして「クマさんにあげてください。お願いします」「クマさんにこのどんぐりあげてください。これは食べますか?」
とそれぞれに子供達がどんぐりや木の実の入った袋を出して聞いてきました。
ちょうど1週間ぐらい前に、家の前の公園で、子供達とどんぐりを拾っている保育園の先生が居たので、私は勇気をだして「すみませ~ん、私、どんぐりを集めているのですが、もし子供達が集めたどんぐりで、余って捨てるのとかあったら分けて欲しいんです。」
と言って、小冊子を2冊と、「どんぐりを集めています」の紙をあげて、簡単に説明したのですが、先生も子供達を見ていたので、ゆっくり話も出来ずに「また読んでみますね」とだけ言って、先生は子供達を連れて行ってしまいました・・・
私は、「まあまたきっと私は、変な人と思われただろう。」とあきらめて忘れていました。
すると、今日来た先生はまた別の先生だし、「あれ?もしかして小冊子読んで頂けたのですか??」と聞くと、
「はい、先生たちも皆読んだし、子供達も年長さんになると分かるから、説明したら、みんなクマさんにあげたいってたくさん拾って、みんなクマのエサになると思うと楽しいみたいで、喜んでいるんですよ。みんなやっぱり、テレビみてかわいそうや。って思ってる子も居るんです、また集めて持ってきますね!(^-^)」
と言って子供たちは帰って行きました。お礼に「ユミちゃんとクマの絵本をあげました(^-^)
素晴らしい!!!奇跡です!!!うれしい!
そして、その後がまたすごい。
そのドングリ(4キロ)を玄関のバケツにあけたらバケツに一杯になって、すごいな~。なんて思って見ていたら、そこにうちの工務店のお客さんが来たのです。
「なんのドングリなの?」と聞くので、「クマにやるドングリを近所の園児が集めてくれたんです。」と言うと、
「あら、私 中央公園(県の大きな公園)の掃除の仕事してるのよ。たくさんどんぐり落ちてて、集めても重いし、大変なのよ。それあげましょうか??どんなのでもいいの?」
と言うのです(笑)奇跡の連続です=(^^)/
あきらめずに続けましょう!!感謝